閉じる

更新日:2021年3月23日

ここから本文です。

第1日(4)

発言者

前 利悦

発言内容

再 開 午後 1時00分
○議長(永野利則君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、前利悦君の一般質問を許します。
○6番(前 利悦君)
 皆さん、こんにちは。
 5点について質問をさせていただきます。
 まず初めに、先日、1月23日に石川県羽咋市のスーパー公務員と言われる高野誠鮮氏の講演が本町でありました。本当にすばらしかったです。40年前には1,000人おった集落が20年間で人口半分、現在459人ですけれども、そこで、まちの活性化を図り、ローマ法王に米を食べさせたという、そういう話がありました。
 本町は、去る2月7日にみんなの会議というのがスタートし、本当に本町のやる気、本気というのがうかがえて、本当にこれからすばらしいまちづくりにぜひしてほしいと、そういう思いを込めながら質問をさせていただきます。
 1、農業振興について。
 ①本町で耕作される作物には消毒は不可欠であるが、関係機関と連携し、サトウキビ、バレイショ、里芋の消毒にドローンの導入はできないか。
 ②バレイショの一時保管場所が設置されているが、どのようなものか。
 ③ユリの切り花の販売に関して、どのようなPR活動を実施し、価格安定と予約相対率向上を図っていくのか。
 ④地域おこし協力隊を採用し、地域農産物の高付加価値化の推進と農産物加工センターの有効活用に向けての取り組みとはどのようなものか。
 ⑤温暖な気候を生かした複合経営を基本に、持続性の高い和泊農業の確立を推進するために、具体的にどう取り組んでいくのか。
 以上で壇上からの質問を終わります。
○町長(伊地知実利君)
 前利悦議員の一般質問、1点目の農業振興について、順を追ってお答えをいたします。
 農業振興についての1点目についてお答えいたします。
 国や県においても、ドローンなどを活用した省力技術などのスマート農業普及に向けた取り組みを始めているところでありますが、ドローンによる空中散布を実施するためには、航空法に基づく大阪航空局長の許可・承認を受ける必要があります。実施場所、実施予定月日、作物名を記載した事業計画書を作成し、県協議会に提出をし、作業実施後は実績報告書の提出が必要でございます。
 空中散布の実施区域及びその周辺にある学校、病院などの公共施設、居住者などに対し、あらかじめ実施予定日時、区域、薬剤について連絡するとともに、協力を得る必要があります。
 なお、産業用無人航空機用登録農薬は、平成31年2月13日現在、サトウキビは殺虫剤、バレイショは殺虫剤及び殺菌剤が登録されておりますが、里芋については登録農薬がございません。また、空中散布用の農薬は高濃度となっており、近隣への農薬飛散などの問題もあるため、導入については、関係機関と連携をしながら慎重に検討していきたいと考えております。
 2点目のバレイショの一時保管場所につきましては、JA里芋選果場の入り口付近に屋根を設置した簡易保管施設を建設中であり、規模につきましては、延べ面積118平方メートルで、収納量は約60トンを予定しております。2月に着工して3月上旬完成予定でありましたが、着工がおくれており、現在の進捗状況によりますと、4月上旬に完成するとJAから聞いております。
 3点目のユリの切り花販売に関しましては、県の地域振興事業であるえらぶ花の島リザレクション事業を展開し、本年度は、関東圏の中央卸売市場で仲卸や競り場前において、県育成品種のプチホルンとピュアホルンを中心に、関係機関とPR活動を実施いたしました。来年度も、沖永良部島の3出荷団体を中心に同事業を継続し、知名度を向上させ、予約相対率向上を目指して価格安定につながる事業を支援していきたいと考えております。
 4点目につきましては、地域おこし協力隊とは、人口減少や高齢化の進行が著しい地方で、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで地域力の維持、強化を図っていくことを目的とした制度でございます。
 来年度予定している取り組みにつきましては、島にある地域資源を新たな視点で捉え、新たな価値を生み出す人材として都市部から地域おこし協力隊を受け入れ、3年前から稼働している農産物加工センターを最大限に有効活用し、地域農産物の加工、特産品開発を図るものでございます。
 新たな地域おこし協力隊の活動により、農産物加工センターに島の農産物などの地域資源が集まり、付加価値の高い新たな産物が生まれる拠点として、町民に有効活用していただける施設となることを目指しております。
 5点目につきましては、本町の農業はサトウキビ、野菜、花卉、肉用牛を組み合わせた複合農業を基本とし、労力配分や輪作体系による地力増強を図りながら、持続性の高い農業を推進しており、今後も奄振事業などの有効な事業を活用し、栽培施設導入や労力軽減のための農業機械の導入などを推進し、生産環境の整備や各種研修会などの開催により栽培技術の向上を図ってまいります。
 また、首都圏などにおいて本町の農産物のPR活動なども展開しており、知名度の向上にも努めながら、持続性の高い和泊農業を推進してまいります。
 以上で壇上からの答弁は終わりますが、次からの質問につきましては自席から、担当課長からの答弁をさせたいと思います。
○6番(前 利悦君)
 1番のドローンの導入に対してですけれども、先日、クボタ農機のほうでドローンの消毒の様子があったもんですから、非常に低いところを飛んで、そして1回の消毒で1町歩の消毒ができると。そういうことからそういう思いをしたんですけれども、かなり複雑な難しいことがあるようで、そこまでは考えていなかったんですけれども、健康面、それから、サトウキビなどは絡まる絡み草、そういうのは中に入れなくなって、そういう面でいいのじゃないかと。かなり高額なお金がかかるので、個人で導入というのはなかなか難しいと思われるんですけれども、関連機関と連携して、将来はそういう方向で行かなければならないんじゃないかということで、こういう質問をしました。そういうことで、ぜひ検討いただきたいと思います。
 それから、2点目のバレイショの一時保管場所が設置されたということで、これは農家にとって本当に待望の施設であると思います。仮置き的なもののようですけれども、これから加工センターで加工されたものが保管できるような、冷蔵設備などはどうかなと思って質問したんですけれども、とりあえず仮置き的な設備ということでしたので、これはまた今後の課題として、農家の要望を聞きながらまた考えていただきたいと思います。
 3点目のユリの切り花についてですけれども、ユリは業者を通してしか販売ができないのかどうか、その辺についてお尋ねします。
○経済課長(武 吉治君)
 現時点ではございますが、えらぶゆり取引商社組合というものを通して現在販売をしております。主に高知県、そういったところへ販売をしております。
○6番(前 利悦君)
 高知の業者については、五、六年前にそこに視察に行ったことがあって、この業者かなという思いがするんですけれども、ことしの4月にはフラワー都市交流が計画されておりますけれども、フラワー都市交流は花で交流して、そことの販売というんですか、そこへのPRだとか、そういう状況はどのようになっているのか。また、そこで販売されているかどうか、その辺についてお尋ねします。
○経済課長(武 吉治君)
 先ほどの件、球根の話でございました。失礼いたしました。
 フラワー交流都市との兼ね合いについては、切り花生産については、ほぼ日本中をほとんど網羅しているので、切り花の市場、買っていただいておるとは思います。ただ、直接的な取引云々ということはございません。
○6番(前 利悦君)
 球根については、主に高知の業者ということになるわけですね。それで、切り花については、花き専門農協を通じて日本各地に販売されると、そういう状況ということでしょうか。
○経済課長(武 吉治君)
 切り花に関しましては、もちろん一番多いのが花き専門農協でございます。また、JAあまみ和泊のほうも販売しておりまして、あと、出荷団体が幾つかございまして、その団体も今4つあるんですか、日本各地へ出荷をしております。
○6番(前 利悦君)
 農家の話を聞くところでは、ことしは切り花が非常に安いと。これではもう生活できないという、そういう話を聞くもんですから、そこでPRということがありましたので、何とか和泊の花が、いわゆるPRというんですか、そういうのを考えて、農家の所得向上につながっていくようなPRをぜひしていただきたいと思います。
 それでは、4点目にいきます。
 地域おこし協力隊を加工センターのほうに採用するという話ですけれども、これは、一昨年ぐらいからですか、経済課つきの、そういう協力隊を採用するという話をちょっと聞いておりましたけれども、これは、非常に和泊の農業のためにすばらしいことじゃないかなというふうに思うんですけれども、これはもう地域協力隊に開発を任せていくのか。町自体として、何とかこれを、こういうものを開発してほしいという、そういうものがあれば、その辺をお知らせください。
○経済課長(武 吉治君)
 ご存じのとおり、3年前から越山にあった加工センターを旧給食センターのほうに移設し、機械を含めて、行っております。生活改善グループの有志の皆さんにご協力をいただきながらやっておるところですが、やはり新たなる1次加工、2次加工の産品というのがなかなか創出できないという理由もございまして、やはり都会の感覚を持った、消費者の近くにいた方に来ていただいて、新たな1次加工品が、2次加工品を含めて、それがまた6次化につながるようなことを構想して、今回、当初予算に組んでいただきました。
○6番(前 利悦君)
 本町はバレイショづくりが盛んなわけですけれども、本年も当初は非常に値段が安くて、農家も大変でしたけれども、少し冷蔵物から北海道産の芋にかわりまして、値段が少し出てきたと。天候も悪くてなかなか掘れないという、そういう状況もあって値上がりしている状況があると思うんですけれども、農家の話を聞く中で、やっぱり病気にかかったものはもうそのまま捨てる状況、一部は販売もされているようですけれども、そういうものが加工できないかという話も聞く、その辺の状況についてはどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
○経済課長(武 吉治君)
 ことしは雨が多いものですから、非常に疫病も多発しておりまして、農家の方々も苦労しているようでございます。やはり疫病にかかった芋の加工については全く考えてございません。特に疫病にかかった芋については、どんどん腐ってくる可能性が非常に高いので、ただ形状の悪いもの、そういったものは加工になることはできると思います。
○6番(前 利悦君)
 そうですね、病気、そうか病という病気みたいですけれども、中身は、外の皮を取れば、食べられるものは食べられるんですけれども、それを人に食べさせるということはちょっと無理かもしれませんけれども、非常に価格が低迷したときに、せっかく農家がつくったもの、それを加工して付加価値をつけると。ぜひそういう取り組みをしてほしいと思うんですけれども、その辺についてはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○経済課長(武 吉治君)
 バレイショにかかわらず、和泊町で生産する産物、それを付加価値を高めるという概念で行っていこうと思っております。あくまでも、やはりB品とか病気にかかったものとかの加工よりも、やはり消費者にとってもいいものをまた付加価値をかけて、また島からいい特産物として出ていくという形のほうがいいと思っております。また、できるだけ農家もいいものをつくって、できるだけ疫病にならない努力も惜しみなくやっていただきたいと思っております。
○6番(前 利悦君)
 和泊町の生産物として、何か具体的にこういうものを加工したいとか、そのようなものについての計画、そういうのはないんでしょうか。
○経済課長(武 吉治君)
 過去3年間いろいろやってまいっているところなんですが、なかなかそこが見出せないところがあったことで、このような地域おこし協力隊を新たに取り入れて、また何かきっかけをということで、まだもやもやとしている状態なんですが、早くそういうものができて、永良部に行くと、和泊に行くと、こんなお土産が買えるよということを望んでいるところであります。
○6番(前 利悦君)
 実は、和泊町はジャガイモ、それからサトウキビ、里芋、この辺が多いわけですけれども、最近ニンニク栽培の人たちも結構ふえてきています。年をとると重いジャガイモは持てない、そういう状況もありまして、ニンニクは、それに比べると割と、植えつけるのは面倒ですけれども、できるということで、生産者の多くは非常に高齢化の人たちが多いんですけれども、かなりふえてきています。
 そこで、ニンニクというと、最近のニンニクはそんなににおいもしないんですけれども、黒ニンニクに加工して、鹿児島あたりで買いますと、四、五個入って、1個が1,000円ぐらい、非常に高いんです。恐らく青森のホワイト6片を中心としたものが多いと思うんですけれども、食べてみると、永良部の黒ニンニクというのは非常においしいんです。非常にもちもちとしておいしいものですから、何かそれを加工できる。
 黒ニンニクは、電気釜で、一度にする量が非常に少なくて、なかなか大変なんですけれども、それを、加工センターあたりでちょっと部屋をつくって、そこで薫製にして、何かそういうのができないかということをちょっと思ったもんですから、その辺を提案してみたいと思っているんですけれども、ぜひその辺も考えてみて、ニンニク農家がまたふえるような、そういうこともぜひ考えていただけないかなというふうな思いがしますけれども、それについて、いかがでしょうか。
○経済課長(武 吉治君)
 ご提言ありがとうございます。
 実は、黒ニンニクをつくるのにおいて専用の機械がございます。現在、今、沖縄等でもやっているんですが、その機械が一基300万ぐらいするんですが、その会社の社長さんとたまたま面識がございまして、一度ご来島願うという約束はとっておりまして、ぜひ、議員がおっしゃるホワイト6片だけじゃなくて、永良部のニンニクでも可能なのかということを前向きに検討していきたいと思っております。一度ニンニクも送って見てもらってありまして、島ニンニクは非常にいいということの評価をいただいております。
 やはりホワイト6片が非常に高いということで、島のニンニクはそれに比べると半分以下ということで、非常に期待もしているところであります。前向きに検討してまいりたいと思います。
○6番(前 利悦君)
 島のニンニクですけれども、結構大きくなることも聞くんですよ。ホワイト6片に負けないぐらいの大きさなんですけれども、中にはどうしても小さい種というんですか、そういうのがまじってしまうと。それを、また実験農場あたりで新しい品種に、今ある種をその中から、やっぱり形のいいもの、そして粒の大きいものを選別して、そしてそれを育てて、また農家に配布するとか、そういう形で実験をしてもらうというんですか、そういう形にして、それをまた加工して、永良部の黒ニンニクと、そういう形でブランドを、そこまでというのは急にはそう簡単にいかんと思うんですけれども、そういう形でぜひ検討できないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○経済課長(武 吉治君)
 まず、ニンニクの優良種苗についてなんですが、現在、実験農場で行っておりまして、ウイルス株の抜き取り、さらには一片一片が大きいものを種子のときに選抜しております。現状でかなりいい種子もできておりますので、それを継続してまいりたいと思います。
 ただ、今、和泊町で栽培しているニンニクについては、過去、昭和の終わりにつくっていたものを、実際ある農家が保管されていて、また復活したという、多分沖縄からの品種だと思うんですが、それを、言えば、更新することはできないと思いますので、できるだけ選抜という形で残してまいりたいと思います。
 農家の方々も、ぜひ、ご自分の種子も、大きいものはある程度選抜して植えて、優良種苗の確保に努めていただきたいと思っております。
○6番(前 利悦君)
 あしたもそのニンニクの研修みたいなことが予定されているんですけれども、そこでもそういう話が出てくると思うんですが、やっぱり、昔の小さい、非常ににおいのきつかったときの島のニンニクを見ると、もう変わって、今のニンニクはそんなににおいもしないんですけれども、農家の人たちは、やっぱり自分で選別して、そしてできるだけ粒の大きいもの、そういうものを選別して種にしている状況はあると思うんですけれども、その辺をぜひ研究していただいて、農家にぜひ配布していただきたいと。
 それと、ことしは葉枯れ病とか、春草ではまだ今のところよくわかりませんけれども、葉枯れ病が非常に広まっています。ニンニクが今収穫できそうなものもあるんですけれども、これから後、3月いっぱいぐらいまで大きくなると、そういう時期でもあるんですけれども、今、非常に葉枯れ病で、ニンニク部会のほうでも、あしたそういう話が持たれると思うんですけれども、そういう情報がなかなか行政のほうに上がってこなかった、そういうこともあるかもしれんのですけれども、そういう情報をできるだけ農家に早目にやっぱり知らせて、それに対する対策というんですか、今までニンニクにほとんど消毒したこともないし、病気のことは全く考えていなかったんですけれども、ことしは、もうご存じのように非常に異常気象、雨が多いと、そういうことで非常に病気が広がっています。これは、またほかの作物もそういう状況になってくると思いますので、早目にこの状況を把握して、農家に知らせていただくようにお願いしたいと思います。
 では、次の5点目になりますけれども、温暖な気候を生かした複合経営ということですけれども、永良部の農家は本当に働くし、永良部の人は本当に一番勤勉な人たちだと思うんですけれども、せっかくつくったものが思ったような価格で売れないという状況、これに対してこの低迷をどう克服していこうとしているのか。
 町長さんは、首都圏でのPRと、そういうことがありましたけれども、町長さん、その辺はどうでしょうか。
○町長(伊地知実利君)
 農産物の価格につきまして、私どもで何ともしがたい部分がございます。これは消費者の動向もございますし、また、その動向によって市場の売り込みにも共通してくる問題かと、そのように思いますが、農産物の販売促進につきましては、JAと協同しながら担当課で取り組んでいるところでございますが、なかなか価格の低迷につきまして、私どもがどうこうすればどうなるという結果が言えないところが非常に苦しいところでございますが、やはり物量によって価格の変動があるようでございまして、先ほど前議員が言われましたように、雨が多くて収穫が少なくて、少しバレイショの価格が上がったというようなことは、やはり物量で非常に消費者がどう購入に向かっていくかということもあるかと思いますが、やはり今度は一番左右されるのも、気候にもよるんではないかなと、そのように、暖かいときには、例えばバレイショの消費が落ちてくるというような、いろんな条件が価格に響いてくる問題が多いかと、そのように思っておりますし、もちろん価格が高騰するように私どもも努めていかなきゃいけませんけれども、なかなか市場と、それから消費者との関係もございますので、ここで、じゃ、来週から何とか上げましょうとか言うことはできないんですが、やはり、農家の皆さんにお願いするのは、いいものを消費地に届けるという基本的なことが大事かと、そのように思いますし、適期植えつけ、適期管理、適期収穫というものが励行されていくことによって、安定した供給が図られていくと、幾らかそういう価格の面にも反映されるのではないかなと。
 その反面、また、商社の皆さんも、外国からの輸入というものにもすぐ行く傾向にもありますし、大変農産物の価格の安定というものについては非常に難しい面がありますけれども、この件については、取り扱いをしているJAと協議をしながら、やはり農家の皆さんの指導と言いましょうか、いいものをつくっていただく、そして定量定時に出荷できる体制が確立できないか、そういうところが一番大事かなと、そのように思っておりますし、先ほどの一時保管場所についても、そういう品質の確保のために、今までは風雨にさらしておった状況でございましたので、屋根をつけて、そういうものから農産物を守るという、いい品質を保つという面から、JAにもそのような取り組みをしていただいているところでございますので、なかなか価格の低迷について、その改善について的確な回答ができないのが苦しいところでございますが、ご理解をいただきたいと、そのように思います。
○6番(前 利悦君)
 それでは、2点目の質問をします。
 商工・観光・地域経済活性化について。
 大河ドラマ「西郷どん」の放映が一過性のブームにならないよう持続可能な観光まちづくりに取り組むとのことだが、具体的な計画はあるのかお尋ねします。
○町長(伊地知実利君)
 前議員の2点目の商工・観光・地域経済活性化につきましてお答えを申し上げますが、昨年放映された大河ドラマ「西郷どん」では、沖永良部島が離島編のロケ地としても全国的に脚光を浴び、これにより西郷南洲記念館の入館者数は、放映前の平成28年度に比べると平成30年度は約3倍以上の伸びを記録しておりますが、一過性のブームにならないよう取り組まなければなりませんので、本町では、既に歴史継承資料・情報発信ツールの制作、観光のまちづくりを図るため、まち歩きガイド養成事業などを先進的に実施し、大河ドラマを契機とした観光まちづくりに取り組んでおり、それは大河ドラマ放映終了後も持続性を持った観光ツールとして機能しております。
 また、今年度は県の地域振興推進事業による西郷どん村、魅力ある観光地づくり事業を活用した西郷隆盛上陸の地の整備をしており、県の補助事業を有効活用しながら戦略的に取り組んでおります。
 具体的な計画としましては、おきのえらぶ島観光協会が中心となり、平成29年3月に島の持続可能な観光産業の実現を目的に、アイランドプラスおきのえらぶ島計画という基本計画書が策定されております。計画においては、島のものにこだわる、島の暮らしにこだわる、島の精神にこだわるという3つの柱を掲げております。島内で生産・製造された特産品の開発を初め、観光による経済効果を地域全体に還流させる着地型観光メニューの造成などを盛り込んだ計画となっており、15の行動計画が示されております。
 本町においても、今年度実施した奄美群島観光振興基礎調査の結果を分析し、おきのえらぶ島観光協会を支援するとともに、連携を強化しながら、来年度に策定する第6次和泊町総合振興計画の策定に生かしていきたいと考えております。
 以上で壇上からの答弁は終わりますが、次からの質問については自席から、担当課長からも答弁をさせていただきます。
○6番(前 利悦君)
 西郷南洲記念館も、かなり入館者がふえているというふうに聞いておりますけれども、向こうに行くところに、南洲道路から港に向かうところに看板みたいなのが立っておるんですけれども、空港から来たとき、南洲橋から記念館というのがわかりにくい。そこに横断幕を設置するとか、そういう話も前にあったんですけれども、その辺の整備とか、そういう考えはないのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○企画課長(皆吉泰智君)
 お答えいたします。
 議員のおっしゃるとおり、そういった横断幕というのは非常に効果的なものであると理解しております。
 この間、議員がおっしゃるとおり、先ほど西郷南洲記念館の立て看板が、魅力ある観光地づくりで整備されましたが、とりあえず、ああいった整備で目を引くことになったのかなと考えており、そういった必要性があればまた検討していかなければいけないのかなと考えております。
○6番(前 利悦君)
 ぜひ検討いただきたいと思います。
 それでは、3点目の健康の増進について。
 健康増進拠点施設タラソおきのえらぶは、厳しい経営状況にあるとのことだが、施設の利用促進についてどう取り組んでいくのか。
○町長(伊地知実利君)
 タラソ施設の利用促進につきましては、地域住民の健康増進及び地域の活性化を図る拠点施設として、平成17年に開設したタラソおきのえらぶの管理運営については指定管理者制度を活用し、指定先として株式会社えらぶ海洋企画が行い、今日まで至っております。
 指定管理者のえらぶ海洋企画の経営状況につきましては、毎年利用者が伸び悩んでいる中、収入もほぼ横ばいで推移しており、毎年度、指定管理料のほか、施設や機械設備等の維持補修費などとして多額の費用を町が負担しているところであり、議員ご質問のとおり厳しい状況でございます。
 今年度は、特に台風による被害や経年劣化による機器などの故障により、町の財政負担が生じたところであり、今後も施設、機器などの老朽化に伴う維持補修費などの負担が見込まれる中、施設の利用促進、改善に向けた対策は喫緊の課題であると認識しております。
 また、このようなことから、国の第三セクター等の経営健全化等に関する指針に基づく株式会社えらぶ海洋企画の経営健全化方針の策定を県から要請されているところであり、抜本的改革を含む経営健全化のための方針の策定、公表を今年度中に行う必要がございます。
 現在、この経営健全化方針の策定に向け、海洋療法施設運営審議会の委員の皆様の意見も踏まえながら作業を進めているところでございますが、指定管理者みずからによる経営健全化のための具体的な努力、取り組みなどを促しながら町としての改善方針を定め、相互に連携を図り、施設の利用促進、経営改善に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上で壇上からの答弁を終わりますが、自席から、担当課長からも答弁をさせていただきます。
○6番(前 利悦君)
 これは29年度の決算からですけれども、委託料が1,953万5,000円余り、それから需用費が605万2,000円、計2,565万2,000円余りというふうになっているわけですけれども、これだけ町民の税金が使われているわけですけれども、利用促進、これだけ健康拠点施設であるし、非常にタラソに行くともう風邪も引かないと。そこに来る人たちはほとんどそういうふうに言っております。
 そこで、利用促進のための方策、それがぜひ必要になってくると思うんですけれども、そこで、どうしても設備がよく故障が起こると、そしてそれが長引く。それをスピード化する、早く直して、住民が早く使えるようにするということが利用促進にもつながっていくと思うんですけれども、その辺に対してはどういうふうに考えているのかお尋ねします。
○保健福祉課長(南 俊美君)
 お答えいたします。
 町長の答弁でもありましたように、昨年度は台風等の影響により、それと、経年劣化等により機器の補修が相次いで、町民に大変不便をおかけしたところなんですが、以上の点を踏まえまして、平成31年度の当初予算を今議会に上程しておりますが、その中で突発的な機器補修に対応するために、約200万ほど、例年組んでいる維持補修とは別に予算措置させていただいておりますので、ぜひご審議の上、またご了承いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○6番(前 利悦君)
 補修のスピード化ということにぜひ取り組んでいただきたいと。それが利用促進につながっていくと思います。
 昨年は、台風でサウナが半年近く利用できなかったと。冷却水がだめになって、それから本体がだめだと、そういう状況がありましたので、そういうふうにならないように予算も組んでありますので、やっぱり故障が起きないようにぜひ点検をしていただきたいと思います。
 それでは、4点目の質問にいきます。
 学校教育の充実について。
 昨年度から学校教育の問題が指摘されているが、スクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラー等関係機関と連携し、万全な対策がとれたと考えるのかお尋ねします。
○教育委員会教育長(竹下安秀君)
 前利悦議員のご質問にお答えいたします。
 昨年度から今年度にかけて学校教育の問題が指摘されてきました。学校では問題解決のためにスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーを年間を通して活用してきました。
 スクールソーシャルワーカーは、和泊町の雇用で1人配置され、1回2時間で年間48回を上限に活動しています。主な職務内容は、福祉機関との連携・調整、保護者・家庭と学校とのパイプ役、学校での対応や相談体制のサポート、教職員研修への参加などとなっています。
 スクールカウンセラーは、県から和泊町に1人配置されていて、1回3時間で年間25回、不登校児童・生徒や学校生活に不安を抱えている児童・生徒、その保護者、教職員の相談活動を行っています。その結果、児童の欠席が少なくなったり、登校のきっかけができたり、生徒の不安が軽減されたりしてきています。巡回相談では、保護者が親としての子供へのかかわり方などについて専門的なアドバイスを受けられる機会となっており、大変喜ばれています。
 スクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーは、学校や保護者からの要望による相談活動、家庭訪問による家庭生活面での支援や助言、町保健福祉課や町民支援課、学校とのパイプ役など、有効に活用できています。このように関係機関と連携したさまざまな対策をとってきた結果、学校教育の問題は徐々に減少してきています。
 今後とも引き続き、不登校や問題行動の解消、学校教育の問題解決のため有効活用を図っていきたいと考えております。
 以上です。
○6番(前 利悦君)
 今の質問は、施政方針の中にそういう文言があったので、町長への質問ということで出してありましたけれども、教育長が答えたので、5点目とあわせて教育行政について質問します。
 ①教育行政の重点施策の中で、本町教育の基本目標は「あしたをひらく心豊かでたくましい人づくり・文化づくり」となっているが、今現在、本町の教育の中で一番に取り組むべき課題はどのようなことだと考えるか。
 ②現在、いじめや他の理由で不登校等の児童・生徒は何名把握しているのか。また、その現状を踏まえ、対策をどのように講じているのか。
 ③人権教育の充実の中で、人権同和教育学習資料や実践例集「仲間づくり」を活用した学習及び参加型研修の実施により、どのような成果が出ているのか。また、今後の課題は何かについてお尋ねします。
○教育委員会教育長(竹下安秀君)
 ただいまの前議員のご質問にお答えいたします。
 本町教育の基本目標は、「あしたをひらく心豊かでたくましい人づくり・文化づくり」であります。このことから、本町の教育は、知・徳・体の調和がとれ、主体的に考え行動する力を備え、生涯にわたって意欲的に自己実現を目指す人間、また、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する態度を養い、これからの社会づくりに貢献できる人間づくりを目指していると言えます。
 簡略的に言えば、知・徳・体のバランスのとれた人間の育成であり、どの要素も重要ではありますが、議員ご質問の現在一番に取り組むべき課題としては、学力向上であると考えています。学力向上を一番に取り組むべき課題とした理由は、子供たちが生涯にわたってよりよく生きていくための技能や物の見方、考え方を養い、自己実現のための能力を獲得し、それを支える心身の健全育成を図るために学力は重要な要素だと考えるからです。
 現在は知識基盤社会と言われています。我が国が科学技術創造立国の実現に向けて世界をリードし、成長し続けるためには、イノベーションを絶え間なく創造できる人材の育成が求められています。
 知をめぐる国際競争の激化や、今後、知識基盤社会がさらに進展していくことを考えたとき、学力向上を最重要課題と考え、時代の変化に対応できる確かな学力の定着を目指したいと考えます。
 2番目に、現在、いじめや他の理由で不登校等の児童・生徒は何名把握しているか、また、その現状を踏まえ対策をどのように講じているかの質問です。
 教育委員会は、各小・中学校にいじめ問題を含む生徒指導上の問題の報告を毎月求めています。これまでの報告では、全く学校に出てこられない児童・生徒はいませんが、1週間に2日ないし3日しか学校に出てこられない不登校ぎみの児童・生徒は小学校で2件、中学校で4件ほどあります。不登校の理由は、学業不振や生活リズムの不安定、友人との人間関係と、さまざまな原因が上げられます。不登校対策については、各学校において次のような具体策により未然防止に努めています。
 1番目、児童・生徒の日常の健康観察により、児童・生徒の表情や授業への参加態度などの観察を行い、毎月の生活アンケートの実施や、人間関係や子供の特性を把握する学校生活調査などを活用して子供一人一人の実態把握に努めています。
 2、学習面で課題を抱えている児童・生徒に対しては、個別に学習支援を行うことで学ぶ楽しさや喜びを味わわせる学習を心がけています。
 3、互いに共感する人間関係を築き上げていく活動、例えば、係活動や当番活動で給食や掃除などの仕事を分担し、協力し合ったり、友だちと協力して行事をなし遂げたりする活動として、一人一人の児童・生徒の居場所づくりに努めております。
 4、小学校、中学校、いずれもスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、民生委員等の関係機関と連携を図り、対応しています。
 今後も、不登校への早目の対応や、児童・生徒の不登校の要因の把握に努め、保護者、関係機関と連携して対応し、不登校児童・生徒の解消に努めていきたいと考えます。
 3番目に、人権教育の充実の中で人権同和教育の学習資料や実践例集を活用した学習及び参加型研修の実施によりどのような成果が出ているのか、また、その課題はというご質問であります。
 各学校では、人権教育の年間計画を立てて、全教育活動を通して人権教育を推進しています。人権教育の推進に当たっては、教職員の人権意識を高め、同和問題への正しい理解を図ることや、男女の差別、社会的弱者、障害者、人種差別、インターネットによる人権侵害など、さまざまな人権にかかわる課題について認識を深める研修を位置づけて実施しています。
 教職員の学習資料である「なくそう差別 築こう明るい社会」の冊子は毎年全職員に配付しており、8月の人権同和問題啓発強調月間と12月の人権週間を中心に、研修や会議などで活用が図られています。また、部落差別解消法の施行により、各学校では同法律の理解を深める研修も実施しています。
 また、座学だけでなく、児童・生徒理解を図り、よりよい人間関係づくりの具体的な方法として実践例集「仲間づくり」を活用し、参加体験型の研修も実施しています。例えば、初対面の人同士が緊張をほぐすゲームやクイズなどで和らいだ雰囲気になる体験型・参加型の研修などです。このような資料や実践例集を活用した学習や体験型・参加型研修の実施により、次のような成果を得ております。
 1、命の大切さや相手を思いやる心の育成、2、よりよい仲間づくりに向けて、集団生活のあり方や個々の違いを認め個性を発揮できるような子供の育成、3、差別に気づき、差別をなくそうとする心情の育成などです。
 学校においては、町の人権擁護委員による人権教室の開催、人権の花ヒマワリの植栽や水やり、草取りなどの緑化活動を通して人権意識が高められるよう意図的な教育活動が展開されています。
 今後の課題は、人権教育のさらなる啓発と人権に関する児童・生徒の主体的な取り組み、日常生活における人権尊重の実践化であると考えます。
 今後とも、人権教室の開催、人権擁護委員等の積極的な活用、体験活動等を通して教職員や児童・生徒の人権意識を高めていきたいと考えます。
 以上です。
○議長(永野利則君)
 時間が経過しましたので、1回だけ質問がありましたら。
○6番(前 利悦君)
 すみません。初めての経験でしたので、前と同じようにたくさん出してしまって、登壇していただいて本当に申しわけなかったと思います。
 じゃ、最後に1点だけ。
 いじめによって学校に登校できない、または登校しにくいという、そういう子供はいないのか、その辺の把握はどうなっているのか、その辺、1点をお聞きしたいと思います。
○教育委員会教育長(竹下安秀君)
 失礼しました。
 いじめが原因で学校に出てこられなくなっているという児童も何名かおりました。現在のところは、いじめによる理由で学校に出てこられなくなっているという子供はいないと聞いております。
○6番(前 利悦君)
 すみません。以上で終わります。
○議長(永野利則君)
 これで前利悦君の一般質問を終わります。
 ここで休憩します。
休 憩 午後 2時02分