閉じる

更新日:2021年3月23日

ここから本文です。

第2日(4)

発言者

中田 隆洋

発言内容

再 開 午前11時20分
○議長(永野利則君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 中田隆洋君の一般質問を許します。
○7番(中田隆洋君)
 皆さん、こんにちは。
 今議会定例会に、感染症対策についてと経済基盤の強化についての一般質問を通告していますので、まず初めに、1点目の感染症対策について、壇上から質問をさせていただきます。
 昨年12月に、中国・武漢市で報告された原因不明の肺炎は、新型コロナウイルス感染症と名づけられ、今や世界中に拡散、6月13日現在、全世界の感染者は756万人を超え、死者も42万人以上を数えています。
 日本でも、3月下旬以降の感染者急増を受け、政府が全国を対象に緊急事態宣言を出して、感染拡大防止へ向けて、外出自粛などの徹底を国民に呼びかけました。
 本町においては、町長からの自粛要請等を町民が遵守していただき、現在、感染拡大を回避できていることに安堵しております。また、執行部においては、マスク等の緊急配布、水際対策への職員の派遣、土日返上での聞き取り調査、経済対策の早期着手、ゴールデンウイークを返上して給付金申請準備など、迅速な対応を称賛いたします。
 私も、議会議員として、生命と財産を守るという最優先事項の危機管理体制を考えてきたつもりでしたが、これまで感染症に対し、考えが行き届いていなかったことを反省しているところでございます。
 3月の松村議員の一般質問以降、多くの課題に気づかされましたので質問をいたしますが、今回は多くの同僚議員がこの課題を質問しておりますので、前段での答弁と重複するときは省略していただいて結構でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、①新型コロナウイルス第2波へ備えるべきと思うが、どのような対策を考えているのか。
 ②強力な対策が可能な条例の設置、迅速な対応の取れる規則の整備を進めるべきと思うが、どのように考えているのか。
 ③緊急事態等に対応できる基金の創設をすべきと思うが、どのように考えているのか。
 ④コロナ禍による経済被害と雇用状況はどのようになっているか。また、今後の見通しと対策をどのように考えているのか。
 以上4点について、壇上からの質問とさせていただきます。
○町長(伊地知実利君)
 中田隆洋議員の一般質問、1点目の感染症対策について、順を追ってお答えをいたします。
 現在、緊急事態宣言は解除されておりますが、国内では、一部の地域で感染再燃の傾向が見られるなど、議員ご質問のとおり、第2波に備えた対策は重要であります。
 国の専門家会議では、第2波に備えるため、感染拡大防止、医療、モニタリングの3つを柱にした対策を提案しており、今後も国や県の具体的な取組を注視しつつ、町としては、空港や港での水際対策など、今後の推移を見守りながら対応してまいります。
 また、島内において感染が確認された場合は、速やかに対策本部や関係機関で構成する感染症危機管理沖永良部現地対策協議会を開催し、島内での統一した対策について協議・決定していきたいと思っております。
 次に、2点目にお答えします。
 感染症を対象とした危機管理の法律として、新型インフルエンザ等対策特別措置法が平成24年4月に制定され、本町では、平成27年2月に和泊町新型インフルエンザ等対策行動計画を策定しており、今回の新型コロナウイルス感染症対策に関しても、国の特別措置法改正を受け、この行動計画に沿った対応をしております。
 今回の新型コロナウイルス感染症は、3月以降、国内において感染が拡大し、4月7日、7都道府県への緊急事態宣言の発令、16日に対象区域が全都道府県に拡大され、その中で、本町においても4月1日に感染者が確認されたところです。
 町では、行動計画に基づいて、3月28日に対策本部をいち早く立ち上げ、対応方針や具体的な対策について検討を進めるとともに、知名町、保健所や医療機関などから構成される協議会を立ち上げ、感染拡大防止対策と町民生活や地域経済への対策などに取り組んできたところでございます。
 ご質問の条例の設置や規則の整備については、他自治体での事例もあるようですが、これまでの経過も踏まえた検証の中で、必要性について検討してまいりたいと考えております。
 次に、3点目でございます。
 今回の感染症対策に伴う関連経費については、マスクや消毒液、非接触型体温計などの医療資材を早急に確保する必要があったことから、関連予算を専決処分で確保することとし、国の特別定額給付金などや緊急経済対策などに伴う予算については、先般、開催された臨時議会へ提案し、それぞれ承認・議決をいただいたところでございます。
 現在、本町では、緊急事態などに対応できる基金として財政調整基金があり、これまでの災害対応などにおいても、この基金を活用してきたところでございます。
 今後の緊急事態などにも、財政調整基金に積み増しをすることで対応していきたいと考えているところでございます。
 次に、4点目でございます。
 コロナ禍による経済被害と雇用状況についてですが、商工業においては、新型コロナウイルスの感染が全国的に拡大した3月以降、花の島沖えらぶジョギング大会の中止や飲食を伴う会合の自粛、緊急事態宣言による観光客の減少など、宿泊業や飲食業を中心に売上げの大幅な減少による経済状況の悪化は見られましたが、コロナ禍による解雇や倒産・廃業などについては発生しておりません。しかし、経済活動の縮小による影響は大きいことから、町としては、5月の臨時議会に予算計上しました飲食店・宿泊所に対する固定費支援事業、宿泊所利用促進事業、飲食店利用促進事業の3事業を実施し、宿泊業や飲食業への経費支援と利用促進による経済活動の回復に取り組んでおります。
 緊急事態宣言後、被害が大きかった花き産業においては、外出制限や自粛などにより買手がなく、卸業者や花屋などが閉店し、市場単価が例年より大幅に下落したため、被害額は約1,300万円になりました。このようなことから、各出荷団体などに対して、地方創生臨時交付金を活用した和泊町切花生産緊急対策事業により助成金を交付しております。
 また、国においても、事業の継続を支え、再起の糧としていただくため、持続化給付金や次期作へ前向きに取り組む生産者に対して、高収益作物次期作支援交付金などが創設されたことに伴い、町として生産者の皆様へ各種事業の周知を行うとともに、説明会の実施や、申請が困難な方に対して指導助言を実施しております。
 今後は、国の2次補正予算により増額される地方創生臨時交付金を活用し、新しい生活様式に対応した社会経済活動の再開と感染予防の両立を図り、町民に最も身近な自治体として、スピード感を持って地域経済の活性化に取り組んでまいります。
 以上で壇上からの答弁を終わります。
○7番(中田隆洋君)
 それでは、①から再度質問していきたいと思いますが、第2波への備えとして質問、前段でも同僚議員のほうでも答弁がございましたが、自己防衛の周知と、また水際対策、場合によっては再度の自粛要請があるというような答弁でありましたが、備えとしての、私の質問的には、備品の備えはできているのかというところもございまして、前の答弁の中では、マスク、消毒液、非接触型体温計というのが課長のほうから答弁の中でありましたが、そのほか、保健福祉課長、フェースシールド、サーモセンサーカメラ、ゴム手袋、防護服の予備というのは十分に確保できているのかどうか、お尋ねいたします。
○保健福祉課長(南 俊美君)
 お答えいたします。
 今回のコロナウイルス感染症の前に、一応、保健センターのほうで防護服等を備蓄として保管しておりまして、防護服が約200、ガウンセット・ゴーグル・マスクなどが20、それからサージカルマスクのほうは、今回のコロナウイルスを受けまして、備蓄用にさらに上積みをしまして約6万枚、それから子供用のマスクとして約6,000枚がそれぞれ備蓄されております。フェースシールドにつきましては、今回、健診等も始まっておりますので、それに対応するというようなことで購入しておりますが、数量については、今のところ、現在、把握しておりません。
 以上です。
○7番(中田隆洋君)
 町長の答弁の中でも、本町で拡散した場合は、どうしても職員が対応する場面というのが出てくると思います。無防備な状態で職員をそこに行かせるわけにはいかないのかなと思っていますので、ぜひこういった備品のほうを再度チェックしていただいて、最悪の事態でも職員を派遣できるような体制というのはやっぱり整えておくべきかなと思っておりますので、準備のほう、再確認お願いいたします。
 あと、答弁の中で、軽症者・無症状者の受け入れる施設ということで3施設準備してあるということですが、収容人数というのは何人になっていますか。
○保健福祉課長(南 俊美君)
 県のほうで3か所、188室を無症状・軽症者向けに確保しているというような状況です。
○7番(中田隆洋君)
 課長、これ本島内ですよね。本島内ですか。
○保健福祉課長(南 俊美君)
 これは、県のほうで確保しているというようなことで、本町としましては、独自に今、確保に向けて検討しているというような状況です。
○7番(中田隆洋君)
 感染者が1名出たときに、町長に要望した件もあったんですが、こういった核家族化が本当に進んでいる本町の現状ですんで、1部屋を感染者のために準備できる部屋がない方というのは多くいるかなと思っていますので、そういった無症状者の方を受け入れる施設というのは前もって準備しておくべきかなと思っていますので、その準備のほうをしていただきたいなと思っております。
 それでは、②ですが、条例化、規則、マニュアル化とも思っているんですが、今回の場合は新型インフルエンザ等対策条例、本部設置条例にのっとっているということですが、最初、この感染拡大が鹿児島県でも発生したときに、関東、関西で大量に発生したときに、水際対策として、感染拡大地域からの来島者に対し、追跡調査ができるように、申請書の記入をできるような要請というのを県のほうに、港湾課、保健所のほうにした経緯がございましたが、保健所の判断で、当初、ストップがかかったということがありました。課長、その点については、それでよかったですか。
○保健福祉課長(南 俊美君)
 緊急事態宣言を受けまして、水際対策として追跡調査ができるようなことで本町は対応しております。
○7番(中田隆洋君)
 最初、それをするときに、最初はストップがかかったと聞いております。その後の中で、発熱者に関しては調査票の記入ということが可能になっているという段階になったと思っているんですが、この条例の中身を見ると、対策本部を設置する中身、またその会議の中身だったり、なかなかその効力というか、そういった権限というか、会議に対して権限の部分が抜けているのかなと思って、そういったものを今度検討していく、検証していくという町長答弁でございましたので、そういったところをやっぱり、こういう緊急事態に対しては、本町独自の、ましてや本島独自の権限を持たせるような条例にしていただきたいなと思います。
 というのは、県に対して、そのマニュアルを確認したんですね、今回のコロナ関係に関して。そのマニュアルに関しても、県一律のインフルエンザ等行動計画書でなされていて、その離島の現状に即した内容ではなかったと確認しております。
 その後、県議の方ともお話をして、そこについて訂正がされたかとは思うんですが、そういった状況ですので、やっぱり離島は離島なりの強い権限を持たせてほしいなと、島民を守るためにも、そういった条例の検証をしていただきたいなと思っております。これは要請ですが、総務課長、どうでしょうか。
○総務課長(種子島公彦君)
 この新型コロナウイルス感染症対策に関する条例については、私の調べたところでも、4月に東京都、それから名古屋市、あと近くでは沖縄県の石垣市などが、観光客に対してのそういう権限を持たせるために条例を制定したという事例はございますけれども、そういう権限をもって個人の私的の権利を制限するのも非常にまた問題がある部分もあると思いますので、非常に大事なことであると思いますけれども、その条例制定については慎重に検討していかなければいけないということと、鹿児島県でも条例の制定等が今のところございませんので、鹿児島県、本土と離島の、先ほど言われたような立場の違い、それから行動様式の違い等もございますので、県等の条例などが制定されたときには、それと整合するような条例の制定については、今後、あるかも分かりませんので、第2波、第3波があるかもしれませんので、そういう事態に対しては、条例の制定を検討していく必要があると思っております。
○7番(中田隆洋君)
 課長、ここに来られる方の自由もあるかということがありますが、まず最初に島民の生命というのを、そこのはかりにどうかけるのかというところになるんですけれども、僕はそこは重点を置いていいのかなと思っているのと、あと、県にまだそういった条例が出ていないと、県の様子を見るということですが、先ほども言いましたが、県のマニュアルの中にも離島に対するマニュアル、早々につくっていなかったんですね。だから、県をまたずして、離島なりの見解というのは広域でも話し合って、やっぱりやっていくべきかなと。
 県の医療体制では、救急車で受入れができるんですね、医療の中に。本島に関しては、どうしてもヘリということになりますので、多数の発生者が出た場合は対応ができない現状になっていますので、ぜひ離島は離島なりで、やっぱり総務課長会等あると思いますが、広域で、そういったところで、これに向けては離島、足並みをそろえて取り組むべき課題かなと思っていますので、要請をしておきたいなと思っています。
 私も、この経験、本当になくて、今後どうなるか分からないですが、何十年か何百年に一度の緊急事態等もあるかもしれません。それに備えて、後世に引き継ぐためにも、また備品を備えていくだろうと思います、今後、感染症に関しては。使用期限というのがあるんで、更新時期とかもあって、予算というのがそこに生じてくるんですよね。そういった備品管理をする根拠、予算の根拠としても、やっぱり条例化というのは進めていくべきかなと思っております。
 ③のほうにいきます。
 基金の創設、町長の答弁では、今、緊急事態に備えては財政調整基金のほうで対応するというふうにございましたが、今回、1,000万に関しては一般財源のほうから拠出をして、その後に国庫支出が出たので、そこに繰替えをしていたのかなと、1,000万に関しては思っております。
 最初、1,000万円、一般会計で拠出をしたときには、やはり当初計画していた予算は、その総額から1,000万円組み替えるわけですから、しわ寄せが来るのかなと心配していたんですが、国の補正等ありましたので、そこで対応していただいたということですが、財政基金運用というのを、今、2年前から行っている。その基金というのは、財政調整基金の残高を運用していたのかなと思っているんですが、そことのすみ分けというのはどう考えていますか。
○総務課長(種子島公彦君)
 各種基金について、今、会計課のほうで運用しているわけでございますけれども、近年は利率が非常に低いということから、債券に替えて、今、6億円を運用しているところでございまして、それについては、緊急時等については利用ができるような仕組みで、現在、運用しているところでございます。
○7番(中田隆洋君)
 ちょっと話変わりますが、今回のコロナの中で、各自治体では寄附金というのがいろいろあったように聞いておりますけれども、本町について、寄附金というのはあったんでしょうか。
○総務課長(種子島公彦君)
 新型コロナウイルスに関しての寄附金、クラウドファンディング等もございますけれども、そういう寄附金というのはございませんでしたけれども、今後、我々が給料を削減したということで、3つの島内の広域組合から寄附金をしたいという申出があったところでございます。
○7番(中田隆洋君)
 寄附金があるということで、その受入れ先の窓口というか、管理場所としても、やはりこういった基金というのは、財政調整基金というより、やっぱり財政が危機にある部分、また地方交付税交付金が大幅に減になったときに発動したり、災害のときは町長発動すると言っていましたが、そういったときと、またその基金運用とすみ分け、ある程度していたほうがいいのかなと思って質問したわけですが、今後、検討していただければなと思っております。
 ④番に移りますが、コロナ禍による経済被害ということで質問させてもらってあるんですが、報道によりますと、全国で45兆円、2年間で62兆円の経済被害があるという一部の報道がございました。鹿児島県の報告では、まだ経済被害報告はされていないようですが、沖縄県では1,867億円という報道がされております。
 本町は、解雇等がなかったということですが、県内では297人、5月26日現在での解雇件数というふうに報道されておりました。
 経済被害の被害額というつもりで聞いたんですが、これ被害としか書いていなかった、額として書いていなかったんですが、被害額というのが出ているのかどうかと、出ていなかったら、おおよその被害額というのがどのくらい予想されているのか、お尋ねをいたします。
○企画課長(林 義仁君)
 新型コロナウイルス感染症での被害額ということでは出ておりませんが、まず入り込み客として、4月、5月、前年度に比べて17.1%と17.4%ということで、入り込み客は、かなりの減少をしております。
 あと、町が調査した結果、各金融機関への感染症拡大影響の現状としまして、鹿児島銀行さん、奄美大島信用金庫、奄美大島信用組合、開発基金、商工会における受付状況としましては95件の受付がありまして、そのうち条件変更とか、いろいろ貸付関係で72件が貸付け、受付をしております。
 また、いろいろ協力をして持続化給付金、各50%の減少という形で国の持続化給付金の受付もありますが、町として、そこも相談件数が38件、申請件数が33件という形で、実際のトータルの件数は分からないんですけれども、こういう形で件数の手伝い等をしております。
 以上です。
○7番(中田隆洋君)
 なぜ額面で出してほしかったのかというと、国の1次補正で25.6兆円と2次補正で31.9兆円、大幅、これは医療機関等々、また薬・ワクチン開発などがおおむねなんですが、経済対策として地方自治体で活用できる地方創生臨時交付金の補正が、第1次補正で1兆円、第2次補正で2兆円、総額3兆円の地方自治体に経済被害対応支援金ということになっているんですが、全国被害額45兆円に対しての3兆円でございますので、被害額平均で相当の6.7%ということであったんで、本町は周りの自治体に比べて早期に事業着手している中で、次も、町長答弁でもございましたが、次期作農家に対して等、持続化給付金等のことを考えているとのことでございました。
 今現在、5月補正、6月今議会で経済対策8,568万9,000円を組んでおるんですが、やはり経済被害額の全国平均の6.7%は職員頑張っていただきたいなという、その数字目標はどのくらいに設定したいなというのもいろいろありまして数字を聞いたところでございましたが、今後またそういった試算も出てくるのかなと思いますから、そういった数字、欲しいなと思います。よろしくお願いします。
 それでは、感染症対策についての質問はこれで終わらせていただきます。
 続きまして、経済基盤の強化についてお尋ねをいたします。
 経済とは何か、いろいろな答え方がございますが、私は売買やサービスの授受のことだと思っております。
 それでは、経済基盤とは何か。私は、その経済を支える人材と所得だと考えております。
 私は、今後、障害者福祉、最後までみとれる社会、医療、産婦人科、小児科、救急医療、特に脳卒中や心筋梗塞に対応できる救急医療、また教育、本土の子供たちと競うための支援など、まだまだ充実を図る必要性があると考えておりますが、予算配分の中では財源が足りないのが現状かと思います。自主財源十数%では、行政サービスに限りが出てきているのかなと感じているところでございます。
 自主財源の確保は、先ほどもありましたが、財産運用も必要になってきますが、やはり町税収入にかかってきていると思っております。その町税収入の向上は、人口と所得の向上が不可欠でございます。
 さきの農林水産省の2018年生産農業所得統計によりますと、鹿児島県の農業生産額は、全国で北海道に次いで2位の位置にありますが、農業産出額に占める生産農業所得の割合、いわゆる農業所得率は、全国最下位の29.3%となっております。
 また、新型コロナにより生活様式が変化し、また米中対立により世界の貿易形態も大きく変化していくと予想がされております。本町の主力産業であります農林水産業も、その変化に戦略的に対応していく必要性があると考えています。
 そこで、①農業産出額に占める生産農業所得の割合はどのようになっているのか。また、その収益対策をどのように考えているのか。
 ②経済資源の掘り起こし、産業の変化についても考える時期に来ていると思いますが、どのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
○町長(伊地知実利君)
 中田議員の一般質問、経済基盤の強化について、順を追ってお答えをいたします。
 農業産出額に占める農業所得の割合は、作目や農家の経営規模によって違いますので、一概には言えませんが、農林水産省の平成30年営農類型別経営統計からみた1農業経営体当たりの経営状況によりますと、約22.4%となっております。
 また、収益対策については、消費者・実需者ニーズに対応した高品質化や加工などの高付加価値化に努め、生産・販売力の強化を図るとともに、経営感覚を持った担い手の育成、規模拡大によるコスト削減など、供給面に係る施策を推進してまいります。
 次に、2点目でございます。
 経済資源の掘り起こしと産業の変化については、本町の基幹産業は農業であり、新品種や新技術、複合経営の積極的な導入など、全国的にも先進的に取り組んできたことから、今後も農業を基幹産業として本町の振興発展が進むものと考えておりますが、近年は観光も着実に成長しております。
 観光については、新型コロナウイルス感染拡大により、観光客は減少するものと思われますが、このような状況下においてでは、地に足をつけた観光産業の基盤強化を図ることが重要であると考え、地方創生臨時交付金を活用した体験型観光プログラム利用促進緊急対策事業などを通した沖永良部観光の魅力向上に取り組んでまいります。
 農業については、島の農林水産物に付加価値をつける加工技術が新たな産業資源を生み出す可能性と考えることから、現在、本町農産物加工センターにおいて、バレイショや里芋、その他の自給野菜の付加価値を高める加工品や加工方法について調査研究を行っており、今後、その普及に努め、域内消費の拡大を図ることとしております。
 水産業については、離島漁業再生支援交付金を活用し、ソデイカの冷凍ブロック及びゲソなどの加工品開発に取り組んでおり、商品化に向けて、島内スーパーや海人まつりで試作品販売を行うなど、消費者ニーズ調査を実施するとともに、島内産魚介類の魚食普及を図ります。
 また、マグロやイセエビ、マチ類の漁獲風景を撮影するなど、サンサンテレビやインターネットを活用した島内外への情報発信を強化し、販売拡大に取り組んでまいります。
 今後も、既成概念にとらわれず、新しい和泊町を築くため、様々な施策や事業に積極的に取り組んでまいります。
 以上で壇上からの答弁を終わります。
○7番(中田隆洋君)
 それでは、農業所得の割合、農業所得率ということで、平成30年22.4%というふうに答弁がございましたけれども、これどうですかね、正しいのか、ちょっとびっくりしたんですが、県の平均で農水省が出しているのが29.3%、それよりも、県平均よりも低くなるのかなと、本町がと思っていたんですが─国の平均ですか。失礼いたしました。国の平均が22.4%、本町のほうは、いろいろ試算が難しくて出なかったのかなと思っているんですが、ですかね。
 企画課長、ちょっとこの前の和泊町2019年町勢要覧の中の町GDP、第一次産業の中のGDPのことを課に行って聞いたんですが、県のほうに確認していただいたら、おおむね生産額から経費を引いた所得に近い額だというふうに返答いただいているんですが、それでよかったですか。
○企画課長(林 義仁君)
 はい、そのように聞いております。
○7番(中田隆洋君)
 そういうことでございましたら、ただ、一番新しいのが平成28年度の町GDPということになるんで、少し前になるんですが、その1次産業のGDPを見ると、38億7,200万になっていまして、遡って、その年の農業、今回、1次産業とありますから農業と水産業の生産額のほうを探しましたら、農業のほうで66億6,400万、水産業のほうで1億1,500万、合わせまして67億7,900万円の生産額というふうに、それから計算したら、私なりにちょっと計算してみたんですが、そうすると町の所得率というのが大変高くて57.1%。
 それが正しいのか、ちょっと就労人口で試算してみたんですが、1次産業の農業の就労人口というのが1,000人ちょっとで、兼業農家にしますと1,500人ぐらいの農業から収益を得ている方で、これで割ってみますと大体250万程度ということで、おおむね町の平均所得とは合ってくるんで、そうそう間違いじゃない数字なのかなと思っているんですが、今の試算方法でどうですか、企画課長、おおむねでいいです、きれいには出ないかなと思うんですが。
○企画課長(林 義仁君)
 町民1人当たりの所得が230万ほどなので、その数字と近い数字だと思っております。
○7番(中田隆洋君)
 そうなると、本当の農業所得率というのは、全国で一番高い佐賀県が48.4%、農業所得率というのがあるので、それを超えてきているのかなというふうに思っているところです。
 今回、鹿児島県の所得率が低いことに関しまして、県の農政の見解というのがありまして、要因は、高コスト体質の畜産が県全体の半分以上、65.2%を占めているためと分析しているということでございます。
 それについて、本町ではどのような状況かなと思っておりますが、経済課長、どうでしょうか。
○経済課長(東 敏仁君)
 県の農業産出額、中田議員が言いましたように、全国、北海道に次いで2位で、肉用牛が主体となった鹿児島県でありますので、最近の肉用牛情勢の単価あるいは販売額の高止まりで、これまで上がってきたと思います。
 先ほどおっしゃっていました畜産関係が高コストというのは、やはり特に生産、我々和泊町は生産牛で、肥育牛に関しては、経費が全て、ほとんど外からに依存するというようなことでありますんで、県全体でやりますとコストが高くなるんではないかと。
 和泊町においては、生産牛でありますんで、その半分の粗飼料に関しては、自家粗飼料が、ほぼ母牛当たりの耕地面積、粗飼料面積が12アールということで、県の平均以上でありますんで、その辺でいきますと、コスト率は上げていないんですけれども、県よりは大分経費は落ちて、所得は上がってくるんではないかと思われます。
○7番(中田隆洋君)
 本町の花き産業に関しては、やはり高付加価値な品種目になっていますので、所得率のほうが大変高くなっているかなと思います。
 その中でも、所得率が低いのは畜産、サトウキビというのが高コストになっているのかなと予想されるんですが、経済課長、どうでしょうか、その2点についてのコスト率、高コストに関しては。
○経済課長(東 敏仁君)
 確かに、サトウキビあるいは畜産に関しては、サトウキビは反収、昨日も東議員にお答えしましたけれども、反収5トンということで、生産額に合わせていったら反当たり11万ぐらいの収入しか得られないと。
 生産牛に当たっては、最近は非常に高価格でありましたけれども、40万平均で推移したときには、経費コストが、その頃大体28万から30万かかっていましたんで、1頭当たり10万の収益しかなかったということでありますけれども、最近にしましては、畜産に関しては、今、60万平均、先般までは70万近く、平均ありましたので、コストは少し上がっていますけれども、1頭当たりの収益が25万から30万ぐらいということで、畜産に関しては、非常に今、安定した経営になっているんではないかと思われますけれども、サトウキビに関しては、非常にコストというか反収が低いということで、サトウキビに関しては、ぜひ大規模的な面積拡大による労働力あるいは経費削減ということを我々は推進していっております。
○7番(中田隆洋君)
 畜産については、1頭当たり25万から30万の利益が出ているということで、高くなってきているということでございましたが、原材料として、母牛と、それにつける種が原材料に当たる部分かなと思いますが、今年度、新しい事業で町有牛導入の支援策というのが、いい事業が打ち出されているんですが、その周知というのはどのようになっていますか。今から、農家の方に対してはしていくのか、簡単な町有牛導入の説明というのは、ここで少し時間をいただいたらありがたいなと思うんですが。
○経済課長(東 敏仁君)
 先般の3月議会において承認をいただいた町有牛貸付基金事業、現在の、これまで町有牛導入事業、これは県費100%の33万円を貸し付ける事業であります。これは、4歳未満の繁殖雌牛を導入するときに33万貸し付けておりましたけれども、優良雌牛になりますと、今、価格が高くなっておりまして、1頭当たり80万ぐらいかかるということで、外部導入を控えて自家産で増頭を図っているということから農家等の要望が強く、今般、17万を積み増しして50万、1頭当たり50万の貸付けを行っております。
 これによって、外部から導入できるということで、育種価の高い優良雌牛の導入が図られ、本島の畜産の一番高益は、優良血統、血統がいいということです、ほかの島に比べて非常にいい牛がいるということで、島外、県外から購入に来ていただいていますんで、これをどんどん進めていければと思っております。
 先般、5月に行われた永良部の市場では、この50万円事業を活用して、外部から9頭導入した実績があります。ちなみに、去年が年間通して9頭しか導入していないということで、いかに農家さんがこれを待っていたかというのがうかがえるんではないかと思います。
 それと、周知に関しては、5月の中旬に畜産の担当が、150戸余り農家がいまして、全農家に、令和2年度の畜産に関する補助事業全ての周知を図っております。通知を出しておりますので、それにより周知は図られていると思います。
 また、この後、生産者集まって、和牛振興会の総会とか、各種いろんな技連会の研修会等で周知を図っていって、どんどんこの事業を活用していければと思っております。
○7番(中田隆洋君)
 母牛の更新の事業ということで、大変いい事業かなと思っておりますが、畜産に関しては、あと一つ気になる点があって、年々、農耕飼料の価格がすごく上がってきているというふうに聞いているんですが、ほかの自治体で開発が進んでいると聞いているんですが、廃棄するジャガイモを加工した飼料づくりというのを行っている自治体もあると聞いています。また、徳之島のほうで、今度、肥育のほうが始まる中で、徳之島のそういった作物、非買作物、販売しない作物を利用した飼料づくりというのも新聞のほうに載っていましたが、本町もそういった販売できない作物というのは往々にあると思うんですが、そういったところもいろいろ調査していく必要があるのかなと思っているんですが、経済課長、どのように考えておりますか。
○経済課長(東 敏仁君)
 島で生産されるものの副産物等、未利用資源の活用ということで、今、実際、畜産農家あるいは子牛農家が利用しているのが、南栄糖業で出ているバガス、あれを敷料にしたり、あるいは少し飼料に混ぜたりというようなことで活用しておりますけれども、大々的にはなっていないと。
 畜産に関して、バレイショは畜産・バレイショ兼業農家が、やはりバレイショが余ったものを試したりしているんですけれども、なかなかこれをやると、でん粉価が高いものですから、その後の繁殖障害とか、そういうのにつながってくるんではないかというような話が出たりして、あまり長続きしておりません。
 昔は、確かにサツマイモ等も利用していたんですけれども、これは今でも養鶏、葉っぱとか茎は若干、ショ糖農家で活用していますけれども、芋自体が、もう逆にアリモドキゾウムシとか、そういう害虫の寄生植物に当たるということで、なかなか、昔言った苦虫になって、人間も食べない、牛も食べないようなことで、ちょっとサツマイモの普及等はありません。
 議員おっしゃるように、子牛の販売価格は上がってきているんですけれども、それと同時に混合飼料もどんどん上がってきていると。これは、外国からトウモロコシ、大豆等が入ってくる中で、やっぱり輸入の価格が上がってくると、どうしても資材代が上がったりするということで、これはもう外資本に頼っている部分はあるんではないかと思いますけれども、何せ、我々南西諸島は、特に昔から青草粗飼料をたっぷり食べた腹持ちのいい子牛生産基地として長年やってきました。
 やはり、我々としては、ここをしっかり農家と一緒に購買者にも訴えかけて、我々の一番得意とするのは粗飼料で育った牛だと、それに少し混合飼料を加えた、本当にスマートないい牛だということをアピールしていきたいと思います。
○7番(中田隆洋君)
 分かりました。粗飼料のほうで、しっかり対応していくということでございました。
 ②の経済資源の掘り起こし、産業の変化についてということで、町長答弁でもありましたが、体験型観光産業、また域内農業品加工、また水産加工のほうに力を入れていくという答弁がございましたが、コロナの影響で食品の宅配ニーズというのが高まってきている。さきに話した加工品や高付加価値の野菜類に輸送コスト支援等ができるような方策というのはないか、どうでしょうか。輸送コスト支援を取りまとめる経済課長ですか。
 今の奄振の中の基準の中で、戦略作物等いろいろ基準はあるのは分かっているんですが、それを変えないことにはどうしようもないんですが、今、高付加価値の無農薬野菜だったり、GAP管理をした野菜というのを都会のお店とかに箱で出荷をしているという個人が出てきている。また、今回、野菜の加工品だったりも出てきている。お客さんは個々に持っているわけなんですが、そこに宅配で送る場合に関して、輸送コスト支援というのは、今の現状、使えないというところにあるんですが、そういったところ、そういった方たちを取りまとめる場所、セクションをひとつ設けて、それが間違いなく農産物の出荷に使われているという状況であれば、私は国・県に対して、その輸送コスト支援事業の規制緩和、見直しというのを訴えていけるのかなと思っているんですが、経済課長、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○経済課長(東 敏仁君)
 輸送コスト支援事業というのが、昨日も企画課長が事業内容を説明しました。要は、この奄美群島から、鹿児島のほうがちょうど理解しやすいと思いますが、東京に物を送るときに、我々和泊町から物を送るのと、霧島市から物を送るときに、我々はどうしても船賃が必要だと、ここが条件不利性に当たるということで、この分は国が持ちましょう、その代わり鹿児島から東京に送るものは皆さん同一なんで、同じコストかかるんで、そこは皆さん一緒にというのが、この奄振事業の輸送コスト支援だと思っております。
 今おっしゃる宅配・宅急便関係は、ちょっと大手の宅配に伺ったら、先ほど言った九州管内、特に鹿児島県内でしたら、鹿児島県内から東京に物を送るときに、和泊町から東京へ送っても例えば1,000円、鹿児島市からでも、あるいは長島町から送っても1,000円だということで、ここで宅急便に関しては、1個当たりの不利性が発生していないということで、ここが今、認められていないということを伺っております。
○7番(中田隆洋君)
 地理的不利性の解消ですから、もしそれであれば、ここを強く訴えることはもうできないのかなと思っております。
 時間ございませんけれども、1点だけ。
 国策で転作をしたサトウキビ、農業競争力強化プログラム、国の強化プログラムで設備投資をした畜産・花きにおいては、国の戦略化にあると思いますが、バレイショにおいては、米中貿易摩擦、また報道されておりますが、アメリカ・オーストラリアからの大量の穀物の輸入というのが、中国とか、輸入が今後予想されてくるのかなと思っています。
 そういった作物の今後の方向性の、さっきの東議員の質問の中でも、鹿銀とそういった販路について精査していく、調査していくということがありましたが、加工品も含めて、産官、また農業科学系の学も入れて産官学金と、そういった連携を取って、そういったところに取り組んでいかないといけないのかなと思うところでございますので、今後の農業振興について、変化の時期にございますが、そういうとき、この先の経済見えないところがあるんですが、やはり変化に敏感に反応して、そこに柔軟に対応できる行政であってほしいなと思っておりますので、要望して、一般質問を終わりたいと思います。
○議長(永野利則君)
 これで中田隆洋君の一般質問を終わります。
 ここでしばらく休憩します。
休 憩 午後 零時18分