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更新日:2021年3月23日

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第2日(3)

発言者

山下 幸秀

発言内容

再 開 午前11時20分
○議長(永野利則君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 山下幸秀君の一般質問を許します。
○10番(山下幸秀君)
 皆さん、こんにちは。
 一般質問を行います。
 平成30年9月和泊町議会第3回定例会において、大きく4点、一般質問を通告してありますので、町長、教育長、担当課の明確な答弁を要請します。
 さて、明治維新から150年のことし、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放送は、日本の隅々、津々浦々テレビ放映され、薩摩の国鹿児島県は全国から注目され、それにより経済効果、経済成長が大きく飛躍していると言われています。
 本町においても、西郷隆盛が1年と6カ月、牢屋生活をされた中で、敬天愛人という思想を書き上げ、発祥の地として注目されています。
 また、NHK大河ドラマ南の島編ロケにおいては、約3週間の日程の中で2週間、この沖永良部で撮影が行われました。その情景を、テレビのほうでも7週にわたって放送されました。これらの観光資源を、一過性のものではなく恒久的に存続させていきたいものであります。
 それでは、本題の質問要旨を申し上げます。
 質問1、畑かん施設整備について。
 農家の高齢化が進み、移動式の散水器具は労力負担が大きく、固定式が望まれるが、旧畑かん施設圃場に埋設型畑かん器具整備の導入はできないか。
 2、災害対策について。
 ①近年、大規模自然災害が日本各地で発生しているが、本町の災害対策として、公共施設の維持管理及び老朽化対策についてはどうなっているか伺います。
 ②電気の安定供給には、無電柱化が必要だと思うが、どうのように考えているか。
 大きな3点目、西郷南洲野外牢屋の整備等についてであります。
 ①現在の野外牢屋はコンクリートづくりになっており、老朽化も進んできているが、これを機に、当時のような丸太を使ったカヤぶき構造にはできないか。
 ②西郷南洲翁が滞在された3つの町などが連携をして「南の島、西郷に学ぶツアー」「西郷隆盛遺跡めぐり」などの取り組みはできないか。
 大きな4点目、文化施設を兼ねた総合体育館の建設について。
 町民から要望の多い文化ホールと総合体育館をあわせて建設することにより、効率的な整備運営ができると思うが、どのように考えているか伺います。
 壇上での質問を終わりますが、町長、教育長の答弁後に、再度、質問席のほうから順番に質問をいたします。
○町長(伊地知実利君)
 山下幸秀議員の一般質問に順を追ってお答えを申し上げます。
 私への質問は4点ございますので、順にお答えいたします。
 山下議員の畑かん施設整備についてをまずお答えいたします。
 過去に畑かん整備事業を実施した圃場に、埋設型の散水器具を整備するために補助事業を導入する場合は、原則として、過去に事業で整備した散水器具などの施設が標準対応年数を超過していること、標準対応年数は超過していないものの、特殊な事情により使用不能になっていることを前提に、施設の残存価格を加味した事業の費用対効果が確実に見込まれることなどの条件を満たす必要がございます。
 事業といたしましては、町が事業主体となって実施する農業基盤整備促進事業により、過去に整備された圃場の散水器具を埋設型の散水器具へ更新することは可能でございます。
 ただし、本事業の補助率は、国が6割で受益者負担が4割となっており、固定式の埋設型散水器具で試算すると、受益者負担が10アール当たり約20万円になる見込みでございます。
 いずれにしても、この事業を導入するためには、散水器具などを導入した実績や劣化状況などの調査及び費用対効果の分析を行い、国・県と協議する必要があることから、ご質問のニーズがどの程度あるのか、事業採択に必要な受益者の合意形成が確保できるかが重要になってきます。
 次に、2点目の災害対策として、公共施設の維持管理及び老朽化対策についてはどうなっているかにつきましては、現在、本町におきましては、平成27年度に和泊町公共施設白書を策定し、その中で基本情報の把握を行い、平成28年度に和泊町公共施設等総合管理計画を策定し、今後10年間の目標及び実施方針を定めました。これに基づき、平成29年度に和泊町公共施設等個別施設計画を策定したところでございます。その中で、施設の重要度や劣化度に応じて各施設の方針を定め、維持管理及び老朽化対策や耐震性などの災害対策を含めて、総合的な判断のもと、計画的な保全を実施しております。
 今後も、維持管理コストの低減を図り、公共施設にかかる財政負担を軽減しながら、適正な維持管理に努めてまいります。
 次に、無電柱化につきましては、台風などによる停電リスクの軽減が図られるなど、必要性を十分に認識しており、本町も本年2月に鹿児島県無電柱化協議会に加入をし、無電柱化事業の実施に向けて協議をしているところでございます。
 また、事業候補箇所を3路線抽出し、うち1カ所は電線管理者と合意可能であるかの個別協議なども行っております。
 しかしながら、無電柱化による電線管理者の負担や維持管理上の課題などもあり、奄美地域での実績などもないことから、本町の無電柱化事業の実施は今のところ不透明なところがございます。
 次に、「南の島、西郷に学ぶツアー」などの取り組みについてお答えをいたします。
 5月13日から7月1日まで放映されましたNHK大河ドラマ「西郷どん」離島編では、映像の中に沖永良部島でのロケーションが多く使用され、全国各地から注目を集めております。その影響もあり、西郷南洲記念館を訪れるお客様は、昨年度に比べると2倍以上の伸びを記録しております。
 昨年度、和泊町「西郷どん」プロモーション実行委員会を主体として、西郷どんガイドブック制作、ドキュメンタリー映像制作、まちあるきガイド養成事業、おもてなし講習会などを実施し、情報発信とともに受け入れ態勢も整備してまいりました。
 今年度は、鹿児島県地域振興推進事業を活用したNHK大河ドラマタイアップ企画展や西郷どん村の整備を行い、観光誘客プロモーションを強化しており、多くのお客様から大変好評をいただくとともに、これまでの取り組みが着実に地域への波及効果を生み出していると考えております。
 奄美群島内の西郷ゆかりの地、龍郷町、天城町、本町の連携につきましては、各町の史跡や歴史を学び、有識者を含めた意見交換会を実施しております。奄美群島西郷ゆかりの地をめぐるツアーの提案もありましたが、それぞれの町の温度差もあり、実現に至っていないのが現状でございます。
 本町におきましては、おきのえらぶ島観光協会と連携をし、2月に鹿児島の旅行会社の「西郷どんモニターツアー」18名の受け入れを初め、6月上旬に福岡、大阪、東京の旅行会社約80社を対象とした旅行説明会で、西郷どんツアー商品を企画できないか、営業を行ったところでございます。現在、おきのえらぶ島観光協会には、数社から問い合わせが来ている状況であります。実現に向けては、観光協会との情報共有や西郷南洲顕彰会との連携を強化してまいりたいと考えているところでございます。
 まだ、3町連携のツアー実現につきましては、実現していないのが現状でございます。
 以上で壇上からの答弁を終わります。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 山下議員の西郷南洲牢屋の整備についてお答えをします。
 現在の牢屋は、昭和59年に敬天愛人の大理念を完成したゆかりのある牢獄の復元と「獄中有感」の碑を建立して、長く地域住民、特に青少年の教育に役立てることを目的として、西郷南洲顕彰会が中心となって建設されています。
 建設に当たっては、台風などの自然災害を考慮して、擬木を用いて堅牢なものとし、さらに当時の牢獄の形態に近似したものになっています。経年劣化等により、コンクリートの爆裂などが散見されますが、海岸に面した立地条件を考慮すると、今後の管理の面からも現在の構造が適当であると思われます。
 これまで、西郷南洲顕彰会が中心となり、平成26年度にカヤのふきかえ、29年度には牢屋の補修を行っており、今後とも顕彰会の適正管理に期待をしているところです。
 同施設は、西郷南洲翁の情報発信の拠点であるとともに、本町の重要な観光施設でもありますので、町としても適正管理が図られるよう支援をしてまいります。
 2つ目の、文化施設を兼ねた総合体育館についての質問にお答えをいたします。
 総合体育館につきましては、これまで建設実行委員会を組織し、アンケート調査の実施や建設検討のための調査業務の提案を受け、総合体育館建設に関する可能性調査事業を実施しております。
 アンケート調査の結果において、文化施設との併用利用の要望が多く存在し、可能性調査の報告でも、体育館施設は、スポーツフィールドとしてだけでなく、複合施設として町民の文化・福祉活動の推進及び生涯学習の場としての役割を持ち合わせることとし、整備方針では、スポーツだけでなく、文化行事等幅広く活用できる体育館の整備が掲げられています。
 アンケート調査の結果や可能性調査の報告に沿って、スポーツ、文化、災害時の避難施設、各種イベント等が実施できる本町に適した複合施設の整備に加えて、既存の社会体育施設の老朽化も加味しながら、附帯施設も含めての検討が必要であると考えております。
○10番(山下幸秀君)
 それでは、質問席のほうから順番に質問いたしますが、できるだけ担当の課長に答弁いただいて、やっぱり事業を実施、起案して計画するのは担当ですので、よろしくお願いしておきます。
 本町は、農業立町として基盤整備を推進し、そして畑かん事業もかなり進んでおります。ご承知のとおり、地下ダムがもうじき完成に至ります。県営畑かん、ファームポンドなどは既に完成をしております。
 国営の地下ダムを振り返りますと、私がちょうど議員になって間もないころ、先進地宮古島を視察いたしました。宮古島で、その国営地下ダムが工事中でした。その後、喜界のほうで建設をし、そして沖永良部ということになりましたが、その特殊な機械というのは大変高価なもので、同時にすることができなく、ずっと順序よく、こうして工事をやっているそうであります。
 そういうことから、本町は、この水をかけることにより、付加価値の高い農業ができるという状況にある中で、私の地区においては、おかげさまで固定式の埋設型が整備されました。それによって、水かけ農業ができております。
 先般、町内の基盤整備地区を和地区から順番に一円して見回りしましたけれども、和地区においては、ほとんど移動式が採用されており、先ほど町長の答弁の中では、事業は可能であるけれども、補助の割合が6割と本人負担は4割ということでしたけれども、その辺のところ、担当でどのように考えているか伺いたいと思います。
○耕地課長(亘 禎一郎君)
 ただいまの農業基盤整備促進事業による負担割ということで、和泊町、受益者負担が4割ということでありますが、この事業を推進していくのも大事だと思っていますが、今、国営附帯地区でされている畑地帯総合整備事業による畑かん整備の推進のほうに、今まで根折地区、畦布地区と同じように推進していくことのほうが、今、一番私どもがするべき仕事ではないのかなというふうに考えております。
 基盤整備促進事業については、またその合意形成も必要だと思いますので、その要望等が、ニーズ等があった場合に、その町と協議していきたいというふうに考えております。
○10番(山下幸秀君)
 昨日、経済課のほうからこのような資料をいただきました。本町の農業生産の推移を、ちょっとここで確認をしたいと思います。
 ちょうど10年間の推移で、大体わかりやすく言えば、60億を超えたり下回ったり、一番多い年度が平成28年、66億6,000万の農業生産高、一番低いのが平成25年、これは大型台風がたしか24年に直撃を受けました。その影響を受けたことにより、46億7,000万という数字が出ておりますけれども、何を言っても、やはり武田町政から農業を中心とした経済発展を目指すということで泉町政へ受け継ぎ、そして現在の伊地知町政、農業を中心にまちの発展を目指しているということは変わりないと思っております。
 先ほど、担当課の答弁にもありましたように、基盤整備を優先に、その整備した地区をまた限定して畑かん水を整備していくというのが本題だということであります。
 一方で、本町の基盤整備地区の中に、どうしても基盤整備ができないというか、できなかった地区があるんです。これはなぜかというと、整備をしても、その面も変わらない、どうしてもきれいにされているという中で、そういった地区が結構あるんです、根折にも。そういった地区やら、あるいは先ほど、移動式の和地区の、あるいは仁嶺地区の整備地区において、耐用年数が40年という県のほうは説明がありましたけれども、果たして末端の器具が40年使えるかどうかです。そういったのを勘案して、できるだけ補助率のいい事業でこの事業ができないかということを考えていますので、さらに前向きな取り組みを検討していただきたいと思います。
 それでは、次の災害対策についてでありますが、ご承知のように、日本各地で大規模災害が起きております。先般の北海道の震度7ですね、それから大阪周辺においては震度5強でしたか、大阪の地区の地震において、公共施設、学校プールサイドのブロック塀が倒壊し、子供1名が死亡されている事故がありました。
 それを見たときに、国のほうもブロック塀が建築基準法に反していると、合致していない工事が多いということ、国も感づいたのか、これに動いております。
 本町も、老朽化施設が多々あるように見受けております。答弁にもありましたけれども、本町が公共施設個別施設計画という、これを総務課のほうからいただきました。その中に、老朽化した施設を順番にこうして調査してありますけれども、そういった施設をこのまま放置していくと、いつ来るかわからない災害に、事故に巻き込まれやしないか、安心・安全なまちという観点から、担当課でどのような取り組みをしていくのか伺いたいと思います。
○総務課長(種子島公彦君)
 公共施設の維持管理につきましては、先ほど議員もお手元にお持ちの個別計画を昨年度策定しておりまして、その中で建築年度、それから劣化の状況、あと利用度の問題で、総合的に判断した計画を今作ってございますので、その計画に基づいて、順次、公共施設の取り壊しには努めていきたいと思っておりますけれども、また現在、劣化等がちょっと高いと判断されている施設につきまして、社会福祉協議会等が有効に利用している建物等もございますので、そういう建物等については、また譲渡等の、移転等も含めて今後協議していく必要があるのではないかなと考えているところでございます。
○10番(山下幸秀君)
 この施設個別計画ということで、めくって勉強させてもらいましたけれども、劣化度の高い公共施設がここに載っているので申し上げておきますが、和泊町中央公民館、それから弓道場、それから町立図書館、それから旧沖永良部花きセンター、これはもしかしたら海岸の近くのものかなと思っていますが、それから和泊港旧待合所、これは県が建設し、県が管理をしていたんですが、新しいものをつくった後なのか、和泊町に移行してあります。旧待合所などは、この本町の和泊港から入ってくる玄関です。そこが、非常に老朽化が進んでいて、どうも何か民間が利用はしているように思いますけれども、もしもの事故があったときに、どう責任が係ってくるかも非常に不透明で心配されるわけですけれども、そういった施設をどのようにこれから考えていくのかですね。
 それからもう一点は、効率的な施設の運用ということで、こういった施設を売却したり、いろいろ用途転換したりするとか考えているんですけれども、それについて担当課はどのように考えているか伺います。
○総務課長(種子島公彦君)
 山下議員からただいま指摘のありました和泊港の旧待合所等につきましては、現在の計画では、来年度に取り壊しを計画しておりまして、現在使用している団体、それから地域の住民と協議をしていく予定でございます。
 あと、来年度予定しておりますのが、旧西原字の公民館の取り壊しを、今、計画しておりまして、ここも地域住民との協議を進めていく予定にしてございます。
 あと、有効利用の点でございますけれども、先ほど議員が言われました旧沖永良部花きセンターは社会福祉協議会が利用している「さねん」でございます。それから、旧フラワー選花場につきましては、シルバー人材センター等が有効に活用しておりますので、そういう施設につきましては、今後、施設の劣化度等、もう一回利用団体と協議いたしまして、使用が可能であれば譲渡等することを計画して、今、有効活用している団体と協議を重ねながら今後の方向性を見つけていきたいと考えているところでございます。
○10番(山下幸秀君)
 施設の管理、非常に劣化度が進んでおりまして、大きな災害になってからでは遅いので、特に旧待合所などは非常に爆裂が進んでおります。また、中で利用している方の事故などがなければいいんですが、あった場合の責任がどうなるのか、心配するところであります。
 次に、電気の安定供給には無電柱化が必要だと思いますけれども、この無電柱化については宮古島のほうが進んでおりまして、私たちは先進地視察をやってまいりました。
 宮古島では、大型台風襲来により、この電柱が9割以上倒壊したそうであります。それにより、ライフライン復旧がなかなかできなかったということで、本町も振り返ってみますというと、あの沖永良部台風が襲来し、大変な被害を受けました。よって、この電柱の無電柱化、地中化というのが、非常に財政を伴いますけれども、今後どのように進めていくのか、改めて担当課のほうに質問をいたします。
○土木課長(和田清良君)
 お答えします。
 無電柱化につきましては、国のほうが1,400キロメートルという距離まで示して、現在、進めているところでございます。
 鹿児島県においては、7.1キロメートルということで無電柱化の推進計画が上がっております。
 本町におきましても、以前は和泊港から伊延港までという路線を検討してございましたけれども、その路線よりも、現在、庁舎建設を進めている中で、庁舎の周りのほうを無電柱化にできないかということで、県とも相談しながら事業推進を進めているところでございますけれども、電線管理者とも協議をしまして、今のところ、なかなかちょっと難しいというような意見を伺っております。
 無電柱化については、今後とも県、協議会との意見交換等を行いながら、電線管理者との協議を重ね、事業の実施に向けて進めていきたいと考えております。
○10番(山下幸秀君)
 電気の安定供給には、非常にライフラインの復旧などが大事であり、無電柱化は宮古島が進んでおります。宮古島台風で大変な災害が起きまして、向こうは国が重点地区として進めております。
 我々のところも、なかなか当時の記録が残っていないのか、あの沖永良部台風、あれが繰り返し来ることも予想されるわけですので、そういったことを考えると、ライフラインの復旧などを考えたときに、この無電柱化が欠かせないのじゃないかなと思っておりますので、ぜひ県や国と協議を進めて、この実現に向けて努力をしていただきたいと思っております。
 それでは、西郷南洲野外牢屋の整備についてでありますが、牢屋はコンクリート造になっております、スラブ等のですね。当時のその牢屋を考えたときに、私はそれは見ておりませんけれども、丸太を使ったカヤぶきだっただろうと思います。
 答弁によりますと、ご承知のように台風常襲地帯ということもあり、このような造になるのかなという答弁がありましたけれども、やはり近年は建築技術も進んでおりますので、ぜひこういうようなこともどうかなと思っていますが、担当課長として、このことについて答弁をいただきたいと思います。
○教育委員会事務局長(美野忠徳君)
 先ほど、教育長がお答えしましたように、整備に当たっては南洲顕彰会が行うということになっておりまして、私どもとしては、事務局を担当する者としての発言になるわけですけれども、先ほどお答えしましたように、やはり議員も先ほどおっしゃいましたとおり、台風の被害が考えられますので、今のコンクリートづくりのほうが適当かなと思っておりますし、今の状況で管理をしながら、まだ使えるというふうにして顕彰会のほうからも意見をいただいておりますので、今後、もし建てかえ、それから見直しがあるときには、教育委員会も一緒になって検討していきたいというふうにして思っております。
○10番(山下幸秀君)
 財政を伴いますので、今後、検討するということでありますけれども、私のほうで西郷南洲顕彰会の30周年記念誌という資料を見させていただきました。その中に、現在の牢屋の事業、載っております。総事業費600万、財源として、西郷南洲顕彰会が100万、和泊町助成100万、町民拠出金300万、その他100万として、600万の事業でこのコンクリート造による牢屋が整備されています。その中に安置してある銅像、座像建設が3年後の昭和62年に整備されていますが、この座像が580万、財源として、顕彰会の会費で150万、篤志寄附がずっとありまして、町の補助金が300万ということで座像が580万で整備されております。
 この西郷南洲が奄美に滞在し、さらに徳之島に滞在し、そしてこの本町に滞在されたということで非常に全国から今注目されているわけです。そういうことから、今後、これを観光資源として、また現在は非常に、状況としてコンクリート爆裂しているんですよ。私、おととい、牢屋を再度調査しましたけれども、頭上にちょうどコンクリートがあるわけですけれども、屋根構造もコンクリートなもんですから、頭上のほうのひさしの端が割れて落ちているところがありました。それが、私は見ながら思ったんですが、どうしても中のほうを注目しますので、頭上はなかなか意識しないんですよね。たとえ、そんなに高くないといえども、やっぱり10キロその辺のコンクリートのかけらが落ちたら、大変な事故が起きるんではないかなとも思いながらのこの牢屋を見させていただきました。
 そういうことから、今後、この整備に至った場合は、私の所見としては、当時の丸太を使ったカヤぶき構造のイメージにしていただきたいというのが本音であります。
 それでは、その西郷南洲翁が滞在された「南の島、西郷に学ぶツアー」ですね、それから遺跡めぐりなどの取り組みはどのようになっているか、今後の取り組みについて担当に伺います。
○企画課長(皆吉泰智君)
 お答えいたします。
 今後の取り組みでございますが、29年度に大河ドラマ「西郷どん」にかかわる群島担当者会議が開催されまして、3島を周遊して西郷ゆかりの地をめぐる西郷どんツアー商品開発の提案などもあったようです。しかしながら、先ほど町長の答弁にもあったように、各町、各島々におきまして、その島に流された期間、またこの間の奄美ロケを実施したところとしていないところと、各島々において、やはり温度差があるのが実情でございます。
 でありますが、最近は旅行会社がつくる島めぐりツアーというのもございますので、そういったものに対しまして、おきのえらぶ島観光協会を通じまして、そのツアーにそういったメニューを入れ込んでいただくなどの策を今後講じていきたいなと考えております。
○10番(山下幸秀君)
 せっかくの観光資源ですので、西郷隆盛は龍郷に3年半、和泊が1年と半年、天城町が1カ月半ですか、私が調べたところにおいては、そういった中で、その3つのまちが連携をすることにより、いろいろな観光資源のメニューができるんでないかというのが今回の提案であり、確かに私もその龍郷のほうへ行って伺いました。また、子孫に当たる方の言葉も聞きました。そういう中で、いろいろNHKとのやりとりもあり、今回のロケにおいては沖永良部でたくさん撮れたというのも事実であります。そういったことから、沖永良部が中心になって、この3つのまちと結んでツアーなどを計画していけたら、さらに観光が発展するのではないかというのが私の提案であります。ぜひ、今後ともこれについては進めていただきたいと思います。
 次に、大きな4点目の文化施設を兼ねた総合体育館、これについては、当初、この庁舎建設の前には、総合体育館のほうが私は優先順位が上だったと記憶をしております。
 そういうことから、この庁舎建設については、また東日本大震災、あのような大きな震災により、やはり災害対策本部などの指揮系統が乱れる、できないという観点からも、国もこの庁舎建設のほうには有利な資金を提供し、本町もそれを取り入れて庁舎建設を先につくったと思っておりますが、総合体育館については、いろんな町民と語る会、議会が実施した町民と語る会などでも必ず、総合体育館がなぜつくれないかと、なぜそれを先につくらなかったかという質問が出ていました。それについて、担当課がどのような計画を立てているか伺います。
○議長(永野利則君)
 山下議員、町民と語る会ではなくて議会報告会ですよ。
○10番(山下幸秀君)
 議会報告会に訂正いたします。
○教育委員会事務局長(美野忠徳君)
 総合体育館の建設につきまして、先ほど議会報告会の中でも町民からの意見も多かったということを議会事務局のほうを通じて私どもも聞いておりますけれども、社会体育を担当する直接の担当課としては、町民の方々、それから体育連盟の方々から直接、どうしても今必要だというふうな意見はなかなか届いておりません。そのようなアンテナを上げていないことも反省しなきゃいけないと思いますけれども、今すぐ必要ということは私どものところには届いていないところですけれども、議会報告会の中でそういう意見があったということはお聞きしております。
 体育館建設につきましては、これまでも答弁しておりますけれども、庁舎建設に非常に多額の経費を要するということもありますし、また新しい体育館つくるとなりますと、非常にまた多くの財政的な負担を生じるわけでありますので、そこは十分考慮する必要があるということを認識しておりまして、その上で新たなまた検討をしていく必要があると認識しております。
 そういうことで、これまで財政の担当、それから具体的には奄振が使えないかというふうな検討もしておりまして、担当レベルの話の中では、どうしても町単独の事業、起債だけではなくて、補助事業を活用していかないと財政的に難しいということを共通認識で持っておりますので、そういうところの、どのような形の施設をどうやって、整備する上でいかなる補助事業があるのかということも十分調査する必要があるということで、今、担当がそういう調査を行いながら検討している段階でございます。
○10番(山下幸秀君)
 確かに、大きな財政を伴うもので、本町の財政も考えながら進めなければなりません。
 ここに、平成29年度末地方債残高の一覧表がありますけれども、本町の残高が、これは平成29年5月31日の出納整理期間を締めたときの残高が97億9,000万円、そして交付税算入額等があります、これは交付税では戻ってくる額です、これが59億3,000万円、したがって実質一般財源で負担する借金は38億5,000万くらいなんです。そういう中で、庁舎建設が優先されて整備しました。
 当然、町の借金を、この比率を考慮しながらの整備になると思いますけれども、実質公債費比率、現在が15.8%、そして将来負担比率が100.5%となっております。その中で、財政調整基金というのが現在10億あり、庁舎建設基金というのが6億5,000万あるわけですけれども、現在進行しているこの庁舎建設が、有利な国の資金を活用したいということもあり、本町が蓄えている庁舎建設基金6億5,000万あるんですよね、これが最終的に全部使うのか、あるいは残るのか。私は、有利な事業交付金を活用したことにより、かなり残るんじゃないかなというちょっと感があるんですけれども、それについて総務課長の答弁をお願いします。
○総務課長(種子島公彦君)
 庁舎建設につきましては、議員もおっしゃいましたように、幸い有利な起債が活用できるということで、その起債を活用して、今、事業を進めておりますけれども、庁舎建設基金につきましては、その起債の残高が起債残の事業費の起債の残を基金から充当することが原則となっておりますので、庁舎建設基金は庁舎建設の起債残にまず充当するということ、それから今後、維持費がかかっていきますので、その維持費のほうに基金を充当する考えで庁舎建設を進めておりますので、そういった最終的にどれぐらい基金が残るかというのはまだ試算はしてございませんけれども、さほど大きな額が基金として残るということは、今、想定はしておりません。
○10番(山下幸秀君)
 基金に6億5,000万ありますけれども、それは最終的にはかなり充当されていくんじゃないかということであります。
 本町の財政状況を考えたときに、非常に大きな負担になるのは事実であり、慎重にいく必要があるとは思いますけれども、スポーツ行政あるいは文化行政を考えたときに、早くから担当課においては調査をして、私たちも議会において、この総合体育館については、鹿児島の吉田町の体育館、蒲生町の体育館などを調査して、この体育館が優先順位は一番上に来ている時期もありました。
 しかしながら、東日本大震災やら、いろんな地方公共団体の庁舎の老朽化により、町民が災害をこうむったときの対応を考えて庁舎建設が優先されたと思っておりますので、今後、担当課としては、早急な立ち上げは必要だと思っております。なかなか声がなかったからといって、安堵の気持ちじゃなくて、この財政を見ながら、次に出てくる公共物は何かと、町民から私は近代的な総合体育館、それで文化施設を兼ねた施設の整備というのが優先されるんじゃないかと思っておりますので、教育長に今後の意気込みについて伺っておきたいと思います。教育長。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 町民体育館並びに町の文化施設というのは、やはり早急に必要なものであるということは十分認識をしております。先ほど、議員の方々からも、町の財政状況についてはいろいろ説明がありましたけれども、そういうことも考慮しながら、早い時期にやりたい案件、体育館と文化施設を併用した、そういう複合施設の建設というのはしていかないと、やはり町民の文化に対する、芸術に対するニーズ、そしてスポーツに対するニーズ、そういうものに応えることができないなと思って、この問題については、庁舎が完成したらすぐ、次の目標は複合施設の建設だと、そういうふうに取り組むようにと話をしているところであります。
○10番(山下幸秀君)
 近々、国民体育大会が鹿児島でも開催されます。そういった中で、本町がそういった施設の充実があれば、いろんな競技も誘致できたかなと思いながらの質問です。今後とも、公共施設整備において、当然財政が伴いますので、本町は一時期、大変厳しい財政が続いておりました。これから先、私は少しずつ財政はよくなるだろうと思っております。なぜなら、つくるべき公共施設は、全てとは言いませんが、必要な施設はつくってまいりました。例を挙げれば、学校建設なども全て整備をしてあります。また、その他の大型公共施設も整備をされていく中で、財政がある程度の先が見えたら、ぜひともこの文化施設を兼ねた総合体育館というのを整備し、町民の豊かな暮らしに提供していただきたいというのをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。
○議長(永野利則君)
 これで山下幸秀君の一般質問を終わります。
 ここで休憩します。
休 憩 午後 零時12分