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更新日:2024年12月9日

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10月8日(一般質問:山口明日香議員)

発言者

山口明日香議員

発言内容

再 開 午後 1時00分
○議長(永野利則)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 山口議員の一般質問を許します。
○4番(山口明日香)
 町民の皆様、うがみやぶらー。こんにちは。
 議席4番、子育て真っ最中、4人のママ山口明日香です。
 このたび、皆様の温かいご支援により2期目の議会へと送っていただき、誠にありがとうございます。今後とも、私らしく和泊町、そして沖永良部島のために日々前進、日々努力をしてまいります。皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。
 それでは、今定例会に2項の一般質問を通告しておりますので、1項めの和泊町奨学資金について壇上より質問いたします。
 1、和泊町奨学資金について。
 奨学資金の利用状況と課題は何か。また、内容の拡充を図ることによって島の将来を担う若者の都市部への流出を防ぎ、地域に根づいた人材を育成する考えはないか、お尋ねします。
 以上、壇上からの質問を終わります。
○教育委員会教育長職務代理者(永井 徹)
 それでは、山口議員の1点目のご質問にお答えいたします。
 まず、奨学資金の利用状況につきましては、今年度新規3名、継続4名、計7名に貸付けを行っており、例年10名前後に奨学資金の貸付けを行っております。課題としましては、現在、高校、大学などの入学後に貸付けを行っておりますが、入学前に入学金や新生活準備等に費用がかかり、保護者の経済的負担となっているため、入学準備金として貸付けができるよう検討しているところでございます。
 また、島の将来を担う若者の都市部への流出を防ぎ、地域に根づいた人材を育成する考えはないかというご質問ですが、県内の他自治体では金融機関と連携し、町外に進学した子供が地元に帰ってきたら返済額を町が代わりに負担する制度があります。本町でも、このような制度が使えないか地元の金融機関に相談や働きかけを行い、さらなる奨学資金制度の拡充を図るとともに、将来、本町に戻り、地域の発展・活性化に貢献する人材を育成することができるよう検討してまいります。
 以上で答弁を終わります。
○4番(山口明日香)
 利用状況としては、例年10名前後の奨学資金の貸付けを行っているとのことでした。また課題として、入学前に準備等で費用がかかっているということで、入学準備金を検討されているとのことですが、具体的にどのような検討がなされているのか、お尋ねします。
○教育委員会教育長職務代理者(永井 徹)
 お答えいたします。
 現在、金融機関のほうにもお声がけをしており、また、ほかの自治体の金融機関との取組なども今ネットも含めて調べている状況でございます。まだ正式な具体的なものはないんですが、大体多くの市町村、事例を見てみますと、大学進学で50万円以内とかの準備金というものが多く見られております。これが、大学に入学する前に大学のほうからある程度の証明というか、そういったものを頂きながら審査をした上で、ふさわしいものであれば交付するというふうなほかの自治体の事例がありますので、そういったものを参考にしながらですが、経済的負担が結構あるということで、なかなか準備金が準備できない、そういった家庭もあると聞いております。そういった家庭のお子さんが大学に進学できないような状況をつくってはいけないだろうということも考えながらですが、今年度から検討して、早ければもう来年度から予算化できればと思っておりますが、そこは財政のほうと話をしながらですが、他の金融機関または自治体と連絡を取りながら制度設計に取り組んでいきたいと思っております。
○4番(山口明日香)
 金融機関や他自治体、ネットを含めいろいろと調べているということで、少しうれしく思ったところでした。
 他自治体で行っているような、地元に帰ってきたらその返済額を町が代わりに負担するといったそういう制度も検討しているということでしたが、具体的に他自治体の先行事例などのそういった調査等は行っているのでしょうか、お尋ねします。
○教育委員会教育長職務代理者(永井 徹)
 お答えいたします。
 地方創生というのが10年前から始まってまいりまして、平成二十四、五年、ぶり奨学金というのが長島町でその取組として上げられて、有名な奨学金となっておりますが、そのぶり奨学金というものは信用金庫さんと連携して金融機関の貸付け、教育ローンですね。を充てているということでございます。町としては、町内に帰ってきた場合そういった利息については減免するとか、金融機関の貸付けをしますので当然利子が発生すると。そういったところについて町が負担をしていったらどうかというのがぶり奨学金となっております。
 また、ほかの自治体等におきましては、帰ってきましたら元金のほうも、金融機関からの貸付けではなく町の奨学資金を借りた場合、その元金等については10分の1とか2分の1までは支援していったらどうかとか、そういった事例が今見受けられておりますので、そういった多くの自治体が取り組んでいる状況ですので、これを参考に私たちも考えていきたいと思っております。
○4番(山口明日香)
 ぶり奨学金ということでしたが、私もぶり奨学金でしたり、ほかの自治体のそういった制度を少し調べさせていただきました。ぶり奨学金については、鹿児島県の長島町では地域の特産品であるブリに関する奨学金制度があるようです。長島町が特産のブリ養殖業を支えるために、地元の高校生や大学生を対象にしたぶり奨学金として知られております。この奨学金はブリの養殖業に従事する人材育成でしたり地域の水産業の発展を目的としており、養殖に関連する学問を学ぶ学生などを対象にすることが多いようです。この奨学金を受けることによって地元の水産業への従事を促進し、地域の活性化を図ることが狙いになっているような制度かなと思っております。
 また、群馬県の下仁田町というところではねぎとこんにゃく下仁田奨学金制度というものがあります。子供たちが成長してその地域に帰ってくることを地域全体で応援する奨学金制度となっており、若者の定住施策や人口減少対策、Uターンなどを促し、この奨学金を借りて町外の高校や大学などに進学し、卒業後も町に定住すれば、事実上町が返済を肩代わりするといった制度になっております。これは行政だけで運営するのではなく、皆様からのご寄附や税制上の優遇措置があるふるさと納税及び企業版ふるさと納税により成り立っているとのことでした。そういった奨学金支給制度などもあります。
 若者の流失に歯止めをかけ、和泊町の将来を担う人材育成の取組が必要と考えます。本町でも様々な子育て支援は行っておりますが、まだまだ足りていないと思っております。前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ本町においても、子育て世代の教育に関する負担を軽減することによって子供たちの可能性を広げ、今後、将来を担う子供たちや若者を地域みんなで応援していけるように、しっかり調査して早い段階で課題を解決できるよう要望して、1項目の質問を終わりにしたいと思います。
 次に、2項めです。
 2、畜産振興について。
 子牛の価格低迷と飼料等の高騰が続き、畜産経営の継続が困難になっている状況であるが、その打開策をどのように考えているか、お尋ねします。
○町長(前 登志朗)
 山口議員の2点目のご質問にお答えをいたします。
 子牛価格の低迷が続いており、さらに飼料等資材価格の高止まりにより、畜産経営は厳しい状況にあります。昨年度においては、令和6年1月に肉用子牛配合飼料価格高騰対策事業3,712万2,000円及び地域資源フル活用飼料増産対策事業47万9,000円などの経営対策事業を行いました。しかしながら、今年度5月から9月の子牛競り市では価格が大きく下落し、畜産経営に影響を与えております。
 国際情勢の変化や牛肉消費拡大が難しいことから根本的な打開策としては厳しいですが、購入粗飼料に代わるトランスバーラの推進を図り粗飼料費削減に努めるほか、家畜導入事業の活用を推進して繁殖雌牛の頭数維持に努めています。また、和牛受精卵移植を推進し、優秀な遺伝子を持つ子牛の競り市場による子牛価格の上昇にもつながればと考えています。
 なお、子牛価格の下落に対する支援として肉用子牛生産者補給金が交付され、これに加え、優良和子牛生産推進緊急支援事業奨励金が飼養管理向上の取組を行う生産者の販売子牛に交付をされています。さらに、優良繁殖雌牛更新加速化事業により、高齢母牛から増体や肉質の優れた若い繁殖雌牛へ更新した場合にも奨励金が交付されるため、積極的に更新を行い、改良にも取り組んでいただければと思います。
 畜産業は厳しい状況が続いておりますが、このような制度や事業を活用して今何とか踏ん張っていただきたいと願っているところでございます。
 壇上からは以上でございます。
○4番(山口明日香)
 まず、子牛競り価格の推移はどのようになっているのでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 お答えします。
 先ほど町長が答弁したように、令和6年度に入りまして令和6年1月が47万円、そして5、7、9月と下がりまして9月は40万9,000円と、6万1,000円ほど下がっております。
 以上です。
○4番(山口明日香)
 価格の低迷が続いており、9月の競りでは40万9,000円、6万1,000円の減ということ、そのようになっているようでございます。飼料価格の推移はどのようになっているのでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 飼料価格は、コロナ禍前の平成30年は7万470円、そして直近のこの間新聞に出ていました10月、12月の全国平均が頭当たり9万5,545円ということで、令和3年、6年前に比べて1.35倍となっております。
 以上です。
○4番(山口明日香)
 1.35倍ということで、高騰が続いているのかなと思うところです。牛を出荷するまでの必要経費は大体どのくらいだと考えますでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 直近の鹿児島県の経営を見ますと、平均で40万ほど経費としてかかるというようなことであります。
○4番(山口明日香)
 平均で40万ほど必要経費がかかっているとのことですが、出荷までに9から10か月ほど期間を要して、その収入を月で割ると、1か月、子牛1頭で必要経費が40万、この前の9月競りが40万9,000円ということで、収入がどうなっているのかなという感じなんですけれども、それで家族を養っていけるのか、生活できるのか、どのようにお考えでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 先ほどお答えした6年9月の競りが40万9,000円で1頭当たりの平均が40万ということで、非常に経営としては厳しいというふうに考えております。
○4番(山口明日香)
 分かりました。畜産農家の戸数の推移はどのようになっているのでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 お答えします。
 この35年ほどを見ますと、平成元年が757戸ありました。平成元年から10年経過で、対平成10年比で305戸、40%減っております。その間もガット・ウルグアイ・ラウンドによる関税等でやっぱり農家が減ったということ、平成10年から平成20年の間が196戸、これも43%、この間はBSEが発生し、農家戸数が減ったというふうに推計されます。平成20から平成30年が90戸、これも35%ということで、この頃は宮崎の口蹄疫等で減ったんですが、その後、全国的な飼養頭数の減ということから国等のいろんな支援がありまして、平成30年から令和5年の間は27戸減って16%ということで、今現在は139戸、35年前に比べて20%以下になっております。
 以上です。
○4番(山口明日香)
 分かりました。今現在139戸ということで、次に母牛頭数の推移はどのようになっているでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 お答えします。
 母牛頭数に関しても、先ほどの戸数で平成元年が2,306頭、これは12か月以上の繁殖雌牛です。直近が令和5年が2,575頭ということで、230頭ほど、10%ほど35年前より増えているということです。
○4番(山口明日香)
 2,575頭ということで、母牛頭数は分かりました。
 次に、子牛出荷頭数はどのようになっているでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 子牛出荷は母牛頭数にほぼほぼ比例するというふうに考えております。平成元年が1,780頭ほど、令和5年が1,941頭ということで、150頭ほど増えているということで、繁殖雌牛の比率の分は増加になっているというふうに考えます。
○4番(山口明日香)
 ここ最近の競りで40万9,000円で必要経費が40万ほどかかっており、畜産農家の皆様は、そういった厳しい中でも今ぎりぎりの状態で踏ん張って出荷頭数を維持しているところだと思います。畜産振興に係る予算の推移についてはどのようになっているでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 畜産振興に係る予算の推移ということであります。畜産担当の人件費は抜きで、経済課にある畜産振興費に一般財源を投入しているのが大体250万前後でありますけれども、先ほど町長が答弁したように、令和5年は子牛価格の下落が続いたということで、一般財源で3,712万2,000円ほど活用させていただいているということであります。
○4番(山口明日香)
 畜産振興に係る予算については大体250万前後ということで、出荷頭数が減少していくと競りの回数も減少していったり購買者の確保が困難になってきて、急激な産業の衰退になると考えますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか、お尋ねします。
○経済課長(東 敏仁)
 山口議員おっしゃるとおり、本当に母牛の飼養頭数が減ってくると先ほど言ったように子牛の出荷頭数も減っていくということで、そうなってくると、やっぱり購買者は今、沖永良部市場に25名前後、これはほとんど変わっておりません、来てくださっております。この方々が自分が買いたい分だけ買えないと、やはりもう沖永良部市場は魅力ないなということになったら、購買者が離れていったら、それだけ競争が減って競り価格が下がるのかなと思っております。
 我々として、先ほど町長が答弁したように、いろんな国の施策等があります。交付金で奨励金等を活用しながら何とか頑張っていくところと、また、やはり購買者とも意思疎通を図っていくのが一番大事ではないかということで、今回また十数年ぶりの取組として、今度11月競りが11月にさらに行われます。そのときに、来てくださっている購買者との意見交換会、両町の和牛振興会、生産者ですね。農家と、そして我々関係機関と意見交換したり、あるいはまた懇親会等をしたりして、購買者が求める永良部牛の子牛をつくっていくような、そのようなソフト的な取組も必要ではないかということで行っていきます。
 それとまた、今、子牛価格が下落しているのは、子牛を買う購買者である肥育農家が、日本の枝肉市場が今ダブついていて、もう全く肉の消費がないということで、小さなことでありますけれども、我々役場、経済界を中心に、毎年夏と冬に今、永良部に来ている購買者のところの枝肉があります。これを毎回購入しております。役場職員の皆さんにお願いしたり、あと県の沖永良部事務所、そして技連会の会員、そしてまた去年、おととしは議員の皆さんにも夏、冬ということでお願いして購買をしております。大体1回に100キロ以上、そして100万以上ということで、先般はうちの担当に、9月に購買に来られた購買者がありがとうございますというようなことであります。こういう地道なことをしながら何とかこの状況を乗り切っていきたいというふうに考えております。
 そしてまた、やはり競り市を見ますと、どうしてももちろん購買者はまず血統を見てきます。その後、日齢に見合った増体があるのかと、去勢で雌で1キロ以上あるのかというふうなことをします。ですから、やはりそういうしっかりした日々管理を農家のほうにも求めていきたいということで、今、技連会では月に1回、2人農家さんを選んで、そしてそこへ現地に入ってその母牛管理、そして子牛の育成管理等指導しながら、何とか乗り切っていければというふうに今実際に行っているところであります。
 以上です。
○4番(山口明日香)
 分かりました。11月にそういった十数年ぶりに購買者の方々と意見交換したり、そういった地道な牛肉消費の活動をされているということでしたので、そういったソフトな部分も今後も続けていきながら畜産のほうに力を入れていってほしいと思います。町長の答弁にもありましたが、今畜産農家は何とか踏ん張っている状況であります。これを何らかの施策として形にしていっていただきたいと思っております。
 今回、私は2項の質問をいたしました。奨学資金については、子供の可能性を広げ、今後、将来を担う子供たちや若者を地域みんなで応援していけるよう、また若者の定住施策、人口減少対策、若い世代のUターンを促し地域の活性化を図っていただきたい。畜産振興については、今現在、国際情勢の変化などにより、飼料等の価格高騰など多くの苦難が降りかかっており、畜産農家の皆様は追い込まれております。現場は既に限界を超えております。そういった厳しい中でもぎりぎりの状態で踏ん張っておりますので、答弁にもありました様々な制度や事業などをしっかりと周知を行って、それを畜産農家の皆様に活用していただきながら、町として何らかの施策として形にしていっていただきたいと思います。
 以上、2項の質問をいたしました。これで私の一般質問を終わります。
○議長(永野利則)
 これで、山口議員の一般質問を終わります。

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