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更新日:2024年3月19日

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12月13日(一般質問:桂弘一議員)

発言者

桂弘一議員

発言内容

 日程第2 一般質問
○議長(永野利則君)
 日程第2、一般質問を行います。
 桂弘一君の一般質問を許します。
○11番(桂 弘一君)
 皆さん、おはようございます。議席番号11番、桂弘一です。
 私は、令和5年第4回定例会に一般質問を通告してありますので、壇上より質問をさせていただきます。
 1点、脱炭素先行地域事業についてです。
 4項目、1.「ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ」計画が変更されたが、変更前と後での大きな違いはどこにあるか。2.変更計画を推進していく上で、現状の課題としてどのような事案があるか。3.再エネ電源の最初の設置場所として和泊小学校周辺と聞くが、計画の具体的な内容や年間の稼働率・削減される電気量・電気料金等の数字的な詳細はどうなっているか。4.来年度の計画・予算については、どのように考えているか。
 壇上からは以上であります。あとは質問席からの質問となります。
○町長(前 登志朗君)
 桂議員の脱炭素先行地域事業について、1.から4.まで順を追ってお答えいたします。
 1点目のご質問、脱炭素先行地域計画提案書であります。ゼロカーボンアイランドおきのえらぶにつきましては、当初計画事業のうち公共施設の再エネ化事業及びマイクログリッド事業について、令和4年度に事業実施に向けて和泊町、知名町、送配電事業者及び関係民間企業と協議をしたところ、技術面及び制度面などにおいて課題が判明し、計画の見直しを行いました。
 計画の大きな変更点として、マイクログリッド事業の実施地区及び事業内容の見直し、対象となる公共施設数の見直し、再生可能エネルギー導入量の見直し、事業推進体制の見直しがあります。
 マイクログリッド事業の見直しにつきましては、対象地区を知名町新庁舎周辺、知名中学校周辺、和泊小学校周辺へ変更し、地区内の公共施設で自家消費を行いながら、非常時に送配電事業者と連携してマイクログリッドを発動する計画となりました。対象となる公共施設数の見直しにつきましては、当初計画では59施設から26施設となり、再生可能エネルギー量については当初計画の9,773キロワットから5,200キロワットとなりました。事業推進体制の見直しにつきましては、当初計画では自治体が出資した地域エネルギー会社が発電、送電、小売業を行う事業計画から、自治体からの出資がない地域エネルギー会社と自治体が契約を結び、公共施設において再エネの自家消費を行う計画となりました。
 今後は、変更後の計画について、関係事業者や環境省との協議や連携を密にし、事業を遂行してまいります。
 続いて、2点目のご質問にお答えいたします。
 脱炭素先行地域計画提案書の変更計画を推進していく上での現状の課題についてですが、1点目に、公共施設への太陽光発電設備導入における電力事業者との導入量に関する協議調整、2点目に、太陽光発電設備を導入予定施設の長寿命化計画などとのスケジュールの調整、3点目に、再生可能エネルギー導入量を確保するための公共施設や公有地の選定の3点が重要な課題となっております。
 1点目の課題については、既に事業が進捗しております隣町において電力事業者との協議が進んでおりますので、情報を共有しながら事業を進めていく予定です。
 2点目、3点目の課題については、職員向けに開催をいたしました脱炭素先行地域に係る事業説明会を通じて情報共有を図り、導入可能な公共施設に関する情報収集や、各施設の長寿命化計画を踏まえた事業計画の協議を行っております。
 今後は、関係事業者や公共施設所管部局と連携し、課題解決に向けて取り組んでまいります。
 次に、3点目のご質問にお答えをいたします。
 脱炭素先行地域事業における再エネ設備導入につきましては、令和6年度から事業が本格的に開始されます。令和6年度は、対象となる公共施設の維持補修計画などを考慮し、防災拠点施設やすらぎ館、和泊町有線テレビスタジオ、和泊町城浄化センター、和泊中継ポンプ場の4か所を、一般的に流通しております太陽光発電を使用した整備を計画いたしております。
 現在、設置場所や容量などの詳細な事業内容について事業者との協議を行っておりますが、設置する予定の太陽光パネル容量は173キロワットを見込んでおります。発電した電力については当該施設での自家消費となりますが、既存の電力事業者による出力抑制なども考えられることから、年間の稼働率が40%となるケースにおける電気量及び電気料金について試算し、既存の電力事業者へ支払うべき電気料金よりも再エネ設備導入後に事業者へ支払う電気料金が低くなる事業シミュレーションの提示をいただいております。
 再エネ設備の導入による電気使用量や電気料金の削減につきましては、気象や施設の電力需要により日々変化することから、現段階で詳細に把握することは難しい状況にありますが、引き続き、関係事業者と協議、連携を図りながら事業を進めてまいります。
 続いて、4点目のご質問にお答えをいたします。
 来年度の計画、予算につきましては、先ほどお答えしました町内4か所の公共施設への太陽光発電施設の導入のほか、学校施設などへのLED照明設備導入事業、公用EV車・EVバス導入事業、脱炭素化効果促進事業などを計画しており、来年度当初予算に計上する予定です。学校施設などへのLED照明設備導入事業につきましては、施設の所管課などと導入する時期や場所などについて協議を進めております。公用EV車・EVバス導入事業については、他団体の導入事例や車種、事業費などについて情報収集を行っております。今年度から実施しております脱炭素効果促進事業につきましては、来年度も引き続き脱炭素化につなげるソフト事業を計画しております。
 脱炭素先行地域事業は再生可能エネルギー導入が中心となりますが、省エネ家電の導入や二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しない次世代型自動車等の導入、脱炭素につながる生活様式への転換など、様々な事業に取り組む計画となっております。
 来年度の脱炭素先行地域事業の計画、予算につきましては、事業を所管します環境省との連携を密にし、適切な予算措置と事業執行に取り組んでまいります。
 壇上からは以上でございます。
○11番(桂 弘一君)
 今の町長の答弁を聞いていると、脱炭素に向けての計画が着々と執行部においては進んでいっているというふうに聞こえますが、そもそも論から入っていきたいと思うんですが、この脱炭素、特に太陽光再エネについては、私の周りには賛成という方が一人もいません。じゃ、かといって皆が反対かというとそうでもないんですね。2割ぐらいはちゃんと反対意見を言いますが、多くの方は物すごく懐疑的、本当にできるのかなとか、あるいは必要性があるのかなとか、あるいは質問はしてくるんだけれども答えて説明をしても無反応みたいな、僕たちとは直接関係はないのかなというような反応です。
 町民からしたら、我々がよく言う町民の福祉の向上とか、あるいは奄振による大島群島の自立発展とか、あるいは所得格差の是正、教育格差の是正とかそういった日頃聞いている政策と全く違うところで、格差是正とか生活、直接自分たちに関わる話ではなくて、言うなれば地球を救うということを言われてもなかなかぴんときていないのかなというふうに感じているところです。
 ある人は、大島電力の話から来て、最後の日本復帰が電力の日本復帰だということで、いち早く本土との電気料金の格差がなくなっているのに、それを最初に優先的に取り上げるより先にやることがあるんじゃないのかというようなことを言う方がいました。また、この計画についての論評はしないんだけれども、何かふわふわとしているよねと、地に足がついていないような気がするというような意見を言われた方がいます。それは、恐らく先ほど言った地域格差とかいろんな直接的な日頃感じていることの不利性の解消とか、そういった直接的な効果、我々と関係のある話じゃないところから来ていることについての思いなのかというふうに思います。結局のところ、なかなか町民にはまだ理解されていないというか、賛同をもらえていない事業なのかなというふうに思います。
 そこで町長にお聞きしたいんですが、町民の理解を得られない、あるいは議会の理解を得られないということになったときに、この事業というのは知名町との共同提案あるいは、既に環境省からの先行地域というふうに指定はされているんですが、単独で我々和泊町がこの事業を下りるということができる事業なのかどうか、そこをまず最初にお聞かせ願います。
○町長(前 登志朗君)
 単独で下りられるかどうかというのは、ちょっとそこは難しいかと思いますけれども、まさに今、ドバイのほうでCOP28が行われております。世界中がスピード感を持って脱炭素を進めなければいけないと。その中で、日本の取組がまだまだ足りないということで今厳しい指摘を受けているところではございますけれども、そんな中で、そこの必要性は議員も十分ご承知のところだと思いますけれども、今、沖永良部島が脱炭素先行地域となって、そして国や環境省や九州電力や、みんなでそれを進めていこうとしている、そのこと自体は非常にありがたいことでございまして、例えば、ご存じのようにカーボンニュートラルというのは足し算、引き算で今、しやすいところはどんどん進めているわけなんですけれども、離島というのは非常に難しい課題がたくさんあって、今回もいろいろな変更がございました。
 ですから、我々が取り組んで今やっているから問題も上がってきているし、でも、これができることによって今後、離島がカーボンニュートラルを目指すことができる。逆に、カーボンニュートラルを足し算、引き算と考えたときに、じゃもう面倒くさいところはほっておいて中央だけでやればいいじゃないかと、そうしたときに、今後もう既にカーボンプライシング、炭素税ですとかそういうのが出てきて、これから油も電気もどんどん高くなってきていろいろ暮らしに支障が出てくる、そんな中で我々がこれに取り組むことによって将来の子供たちの世代にしっかりとした島を残すことができると考えております。
 例えば、2050年に和泊町の人口が4,000人になる、そして歳入規模が今の70億規模から35億、半分になってしまう、そうしたときに、予算が小さくなっても人口が減っても暮らしやすい、住みやすい、いい町を残さなければいけない。ここにいる私を含めて大半の人はもういないかもしれないですけれども、今の幼稚園、小学校、中学校、高校の子供たちはそのときにまさに働き盛りなわけで、そのときにしっかりとした町を残すためにも、今ここに取り組まなければ和泊町は今後とても大変になるというふうに考えております。
 もし今これに取り組んでやらなければ、もうこういうコストのかかるところに自分たちの予算ではできないわけですし、今、国や企業がそこにビジネスチャンスがあって、ここで成功させることによってそのモデルをいろんなところに持っていけるというビジネスチャンスがあるので、一生懸命取り組んでくれている。今ここでやめてしまうと、もうここはまた新しい枠組みの中でも、脱炭素とかそういう次の世界の中でも、また取り残されてしまう。そうなったときに、今、少しでも再エネを入れて前に進めることによって、いろいろな環境がよくなってきます。ですから、それをするのかしないのかという選択のときに、我々は先に先行地域を取ったので、それによって国やほか、周りのところもそれを応援しようという形になってきて、いろんなところが来て、今、力を貸そうとしてくれております。
 このチャンスがなくなってしまうと、もうやはりこんな大変なところに誰も来てくれないということになってしまうと、今後大きなコストがかかって、脱炭素しなければいけないということはもう世界共通の課題ですので、そのことが進められなくなるというふうに考えています。
○議長(永野利則君)
 桂議員、マイクを立ててしないと音声が拾えていないらしいんで。
○11番(桂 弘一君)
 必要性は町長の思いや社会の流れ云々の中で理解するところもありますが、我々町に対して果たしてどうかなという疑義や疑問を持っているところではあるんですが、町長、私の質問に答えていただきたいのは、これは、もしですよ、町民の理解を得られない、あるいは議会の理解を得られない、予算執行のところにもしそういったことでの否決ということがあったときに、そういうことが共同提案の中で町単独で下りることができるのかどうなのかと、そういった事業なのかということをお聞きしているところなんですが。
○町長(前 登志朗君)
 そこのところは調べたことがございませんので、今即答することはできません。
○11番(桂 弘一君)
 総務課長、一番当初この先行地域の説明を求めたときに、我々まだ理解がちゃんとできていないところで、京セラさんが来るから京セラさんが分かっているところで説明をしてもらったほうがいいんじゃないかということで、京セラからの説明を一番当初受けました。そこからが議会の脱炭素に対する議論のスタートです。そのときに京セラさんは、議会から私も含めていろんな質問が出たときに、和泊町さんは有利なんですよと、知名のマイクログリッド、そういったものを見た後で和泊町さんはできるんですという説明でした。
 この間、特別委員会で話をしたときに、どうもそうじゃないような話で、並行して、もう向こうの検証結果を見ないで進めていくんだというような段取りを聞いたんですが、総務課長、これは脱炭素室の説明を現時点では正式な回答として理解したらいいのか、それとも、まだ知名を見てからというような説明から我々訂正は受けていないんですけれども、そういうふうに受け取っていいのか、総務課長、今どういうお考えでしょうか。
○総務課長(林 義仁君)
 現在、脱炭素推進室のほうが説明した流れのほうが現在と合っていると思います。
 当時はマイクログリッド、脱炭素先行地域推進事業のほうに申請を行う時点での話であって、計画の変更ができますよという説明を我々も受けておりました。その流れで、知名町を見て、和泊町はマイクログリッドの事業計画、変更ができますよという形での説明でした。
 以上です。
○11番(桂 弘一君)
 もう一点、そのときに、和泊町がもしあまり必要ではないと思ったときに途中で下りられるのかという話をしたんですが、企画課長としてやっておられたときの総務課長の発言としては、下りられるという発言だったというふうに記憶しております。その後の、我々、この間聞いて初めてびっくりしたんですが、訂正が全くなかったんですが、訂正はするべきだったんじゃないのかなというふうに思っているんですが、その辺いかがですか。
○総務課長(林 義仁君)
 計画の見直しができるという形で私も説明を受けていましたので、そういう形での変更という形で答弁をしたつもりです。
○11番(桂 弘一君)
 町長の肝煎りの事業です。脱炭素室もつくり、淡々と進められている事業なんですが、そもそも太陽光による再エネ電源が島における主要電源となり得るのかどうなのかということが一番の、細かい話は抜きにして最大限のテーマだと思うんですよね。そこのテーマを解決する道筋が見えていない中で進めていくのは無謀なのかなというふうに思うんですが、町長は、太陽光の電源が九電に代わる主要電源と将来なり得る電源なのかどうなのか、その辺はどういう判断をしているのかというところをお聞かせしてもらえますか。
○町長(前 登志朗君)
 今の状態で再エネ導入となると、やはり太陽光発電がメインになると思っております。ただ、離島特有の様々な条件がございますので、九州電力との連携というのは引き続き必要であるわけでございますし、そんな中で今回の事業を通して可能な限り再生可能エネルギーを入れていくということが町にとって、島にとって確実にプラスになっていくわけですから、再エネをどこまで入れられるのか、入れられるところまでしっかりと入れながらバランスを取っていく、それが今一番重要なことだと考えております。
 完全に九電と代わるということは当分は難しいでしょうし、今後また九電との協議の中でこれを九電がするような形になれば一番いいんでしょうけれども、まだそこまでは話が進んでおりませんので、今は可能な形で入れていく。そうすることによって再エネ化が進み、様々なことの中で町が有利に働いていくというふうに考えております。
○11番(桂 弘一君)
 PVの全島展開とか2050年カーボンニュートラルとかという目標があるんであれば、太陽光発電の電源が主電源になり得る可能性が大だというふうな見通しがなければ進めていったらいけないのかなというふうに僕は思うんですが、そこは見解の相違ということがあってもいいかと思うんですが、太陽光が、私は夜は発電しない、曇りの日、雨の日は発電しない、安定しない電力が主電源になるとはとてもじゃないけれども思えないんですね。
 この間、脱炭素室から波照間島の件が一つの例として出ていましたが、波照間島は風力です。風が吹いたら24時間吹くわけですよね。それと、恐らく大きな蓄電池だったんだと思います。それが、主電源の沖縄電力のディーゼル発電機を止めて10日間運営ができたということです。いろんな失敗もあったということなんですが、10日間の連続運転が、一つのニュースになるぐらいですから、風力についてもなかなか主電源としては難しいのかなというふうに考えるところなんですが、例えば、1施設だけでも一応試しに主電源として1日でももつのかというふうにやってみたらいかがですか。やらなくても大体分かると思うんですが、夜はどうしても九電のバックアップ電力がなければ維持できないですよ。一日たりとも僕はできないのかなというふうに思っております。
 蓄電池の性能を聞くと、二、三日分ぐらいはあるのかなと思ったら二、三時間だということでした。そういったことを考えるときに、太陽光は主要電源にならないというふうに、私も技術屋じゃないからはっきりは分からないんですが、そういうふうに今のところは捉えています。
 室長にお伺いしますが、主要電源に将来なり得る可能性はあるのかどうなのか。主要電源として常に太陽光で運営をして、バックアップ電源としてたまに九電から頂くというような形の運営ができるのかどうなのか、室長の意見を求めます。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 太陽光発電が主電源となるかについてですけれども、風力発電でありますとか、他の地域ではバイオマス発電とか、いろいろな再生可能エネルギーの発電がございますが、コスト面を考えると、今のところ太陽光発電が一番コスト的にはパフォーマンスがよろしいということで、また、風力発電等の実績も本町ではございますが、やはりどうしても維持補修費のほうが多額になってくるということで、現状は太陽光発電が一番費用がかからなくて安定して電力が供給できるものというふうに認識しております。
 それが本島における主電源となり得るかどうかについては、明確に今、できますというふうにお答えはできないんですけれども、技術革新が進んでおりまして、発電の効率がアップするとか、あと、蓄電池の蓄電量が向上してくれば蓄電池自体の価格も下がってくる可能性がございますので、将来的には太陽光発電が主電源となり得る可能性はあるかというふうに考えております。そこを実証するためにも、脱炭素先行地域事業において町内の公共施設においてどれぐらいカバーできるのかとか、ちょっと実証的な意味もございますけれども、この事業で進めることによって将来的な全島展開、全島展開と言いましても全島民が太陽光発電を導入するというのは難しいことでございますので、様々な小さなマイクログリッドのような地区を増やしていくことによって全島で太陽光発電による再生可能エネルギーの導入が進められればというふうに考えております。
 また、風力発電等の他の再生可能エネルギーについても当然検討はしていかないといけないかというふうに考えておりますので、その辺については、今年度の新たなゾーニングという事業の中で、例えばこの地域は太陽光が有利だとか、この地区においては風力発電がいいのではないかとか、あと様々な発電がございますので、そういったものも含めて総合的に今後検討、検証していきたいというふうに考えております。
○11番(桂 弘一君)
 貴重なマンパワーを使って、時間を使って予算も投入して、要は壮大な実験をすると。取りあえず実験の段階だと、将来に向けてですね。そういった理解でよろしいんでしょうか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 実験、実証というふうに今申し上げましたけれども、離島地域における脱炭素先行地域に選定された本島において、この沖永良部島の取組が実証されないと他の離島には展開できないというふうな見解を環境省のほうからも評価委員のほうからもいただいております。
 実証的な意味合いではございますけれども、技術的には他の地域で実際に商業施設において運用されていた新たな技術を本島のほうで本格的に導入するということで、実証的な意味合いも少々ございますが、本格導入に向けた事業というふうに考えております。これにつきましては、既存の送配電事業者のほうとも技術的な協議を都度進めておりまして、本日もいろいろな資料が提示されているところでございます。
 どういった形で導入していくかについて、既存の送配電事業者とも連携を密にして進めているという段階でございます。
○11番(桂 弘一君)
 また後で、課題というところであとは少しやりたいなというふうに思います。
 1.の変更後の大きな違いというところなんですが、この間、室長から説明があったんですが、そのときはさっと、ああそういうことかということで簡単に聞き流したんですが、事業主体が今度は町からじゃなくて地域電力会社になるということで、地域電力会社が設備を造ったとしても、それの点検をした後でないと事業費が国から下りてこないと。その間、町が融通をするんだというようなふうに捉えたんですが、そういう捉え方でいいのかということと、会計の処理はどういう仕方になるのか、そこを教えていただけますか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 交付金の事業の流れについてかと思いますが、一応、現在の事業手法としては、電力事業者が再生可能エネルギー施設を導入して検査まで完了した段階で、環境省のほうに交付金の申請を行うというふうな形になっております。環境省のほうから交付金が町のほうに納入された時点で町のほうから事業者にお支払いするという形になっておりまして、今のところ、一時的に町の一般財源で負担するというふうな流れにはならないのかなというふうに考えております。
 国の交付金でございますので、3月31日、年度末までにはきちんと国のほうの支払いも完了しないといけないと。町のほうも歳入をきちんと受け入れないといけない。その中で事業者への支払いというのがございますので、今の段階では、町の一般財源で一時的に負担して事業者に支払うという流れにはならないのかなというふうに考えております。
○11番(桂 弘一君)
 一番当初の計画を見たときには、もう僕はこの計画は最初から破綻しているというようなことで同僚議員に話したり、担当課のところに行ってこの計画は最初から破綻しているだろうというような話をしたんですが、今回の計画においては検討の余地はあるのかなと。前回よりは現実的に、設置していくという流れはできるのかなというふうに考えているところです。
 事業主体が変わったことによって町の持ち出しが当初の計画と比べてどれぐらい減るのかというところを教えていただけますか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 当初の計画では、町のほうが地域電力会社に出資して第三セクターという形で行うということで、出資金が100万円とかそれぐらいのお話だったことを思うんですけれども、その部分については現在の事業計画においては町の出資がないと。完全な民間事業者というふうな形になりますので、そういった意味では三セクみたいなリスクは負わないのかなというふうに考えております。
 また、脱炭素先行地域事業の中で太陽光発電については4分の3の補助になりますので、残りの4分の1については事業者が全て負担するという形になっておりますので、町の一般財源における負担はございません。
 それ以外のLED等の購入事業につきましては、町のほうが事業主体となりますので、補助率の残、3分の2の残でありますとか、4分の3の残については、町の一般財源負担が発生するというふうに認識しております。こちらについては、まだ具体的に事業の中身の検討、再生可能エネルギー導入、太陽光発電の導入事業費によっては影響がある可能性もございますので、具体的な数値については、また今月中に環境省のほうに提出する予定にしております事業計画のほうで、ある程度つかめるかなと思っております。
 また、一般財源負担分については、過疎債対象施設におけるLED照明設備については過疎債の対象になるというふうな見解を隣町の担当のほうが県の市町村課のほうから見解をいただいているというふうに聞いております。
○11番(桂 弘一君)
 推進の課題についてなんですが、先ほど、設置はできていくのかなというような話をしたんですが、持ち出しが減るということと、九州電力さんが具体的な設置の協議というか、話合いに乗ってきているということで、私はそういうふうに考えているんですが、ただ、説明を聞いていると、いやいやどうぞどうぞ造るなら造ってくださいと。しかし、造った施設の出力の100%は自由に発電はしてもらったら困りますよと、自分たちの運営、下げ代の件がありますからと、造った分の出力の抑制は我々に主導権がありますよというような形に見えるんですね。恐らくそういうことなんだろうなというふうに思います。町長答弁でもありましたけれども、40%の稼働率というような話でした。
 脱炭素先行地域の計画の提出項目の中に、太陽光を設置した施設においては、削減した電気量、LEDとか入れて。で、プラス再エネを電源でゼロカーボンにしなきゃいけないというような項目があったかに思いますが、幾ら考えてもこれ、ゼロにはならないんですが、町長、ゼロにならないようなことが明らかに最初から分かっていてテストケースとして始めていくんだというのにはなかなか理解ができないところですが、町長としてはどのように理解しているのかということをお尋ねします。
○町長(前 登志朗君)
 ご存じのように足して引いてゼロになるわけなんですけれども、その中においてどこまで再エネを進めていくかというところが肝だと思っております。
 関係者のほうとお話をしたときも、完全にゼロというのはなかなかハードルが高いし難しいということは環境省も理解をしておりますので、まずは再生可能エネルギーを入れて、そして環境負荷の低いものに変えていく、まずそこに取り組むことが必要なわけで、それを先行的にどんどん取り組んでいくことが必要であるということでございます。そうしていきながら下げていく。で、最終的な目標はカーボンニュートラルですけれども、そこに近づけていくところで大丈夫だというふうに認識をいたしております。
○11番(桂 弘一君)
 室長、以前説明を受けたときに、九電としては計画全体については協議をしないと、施設一つ一つですよという話ですよね。私が思うに、九電としては、今トータルで受け入れたときに、そこに向かって進んでいったときには自分たちのディーゼル発電機を止めなきゃいけないとかそういったことにもなるということで、発電可能な、受入れ可能な部分を一つ一つやっていくということで、そこには我々の5年ですか、残り4年の中の時間軸の中で、向こうとは運営上、経営上のところで合わない部分が出てくる可能性があるのかなというふうに思っております。
 例えば系統と系統との接続拒否という権利も系統にはあるわけですが、その可能性というものは僕は全くゼロではないのかなというふうに思っていますが、どういうふうな見解をお持ちなのか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 九州電力送配電さんとの協議についてですけれども、私ども、議員と同じような見解を持っております。
 全ての施設において系統の連携はできるかと思いますけれども、必ず100%発電して自家消費できるというふうな状況になるのはなかなか厳しいかなというふうに考えております。九州電力送配電さんとしても、やはり全島に安定した供給をするというのが企業としての使命といいますか、法律上決められたことでございますので、そこに影響を与えるような規模や容量を導入すると、やはり全島停電のリスクもございますので、なかなか厳しいのかなというふうに考えております。
 この件に関しましては、やはり施設一つ一つごと、少々時間はかかるかもしれないですけれども、きちんと協議を行いまして、通常の太陽光発電設備、パワコンあるいは新しく導入する機器の検証を行いながら、スモールスタートというふうに我々呼んでおりますけれども、一歩一歩進めていくことが大切かなというふうに考えております。
○11番(桂 弘一君)
 炭素室から頂いた資料、九電からの資料がありますが、九電としては、下げ代の4,500キロワットを考えたときに、接続可能な再エネの電源は2,100キロワットと。それが、もう既に現状で民間の屋根についているFITの制度の中でやられている太陽光がもう既に3,000キロワットに達するということで、2,100キロワットしか受入れ可能ではないところに既にもう2,900来てきているというところに、プラス我々の5,200ということになれば、それは自分たちの、我々は町長がおっしゃるように、環境省との話合いの中に我々の都合で全く電気料金あるいは電気使用料、電気発電量とかを取り入れていくということを淡々と進めていくんですが、あくまでも主は九電ですよね。安定供給していくんだということと、取り入れながらも自分たちのちょっとテクニカル的なところで、発電機の運用の。それで入れていくというような形になっていっているのかなというふうに思います。
 今回の計画でも、DGRは同期で常に発電所のタービンと発電機と協調して調整していく能力があるということで、それと2分の1の2,600キロワットですか、そこには通常のPCSでも可能だというふうな計画なんだけれども、そこにも遠隔で出力を抑制するという機能をつけるようにということの話になっていると思うんですが、出力制限もありきの進め方というのはどうしても、やってみるんだやってみるんだと言うんですけれどもなかなか理解できないところが、それは町民にしろ我々にしてもあるんですが、DGRが、同期の電源が全てであって、それで出力がどんどん増えていったときに、東京電力さんが、同期ですから、途中で自分たちのエンジンを止めて太陽光に、再エネに切り替えるというようなことがなければ、主電源としての存在は太陽光はないのかなというふうに思っているんです。
 室長、九電がそこまで覚悟を決めるというか、運営を主に置いておいて、ある月は、ある天候のいい日は自分たちが止めて夜はまた稼働するとかというような細かいテクニックな部分をしても安定できるという実証ができなければ、造ってくださいよと。いやいやいいですよと、つくってもらっても出力最大限、それは全然保証しませんよと、たまには、時にはゼロになる可能性だってありますよと、出力は我々がやりますよということなのかなというふうに思っているんですが、造るんだったらどうぞと。出力は我々がやりますよというふうに聞こえるんですが、その辺の見解はどうでしょうか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 今、議員がおっしゃったとおり、出力抑制または制御につきましては、当然、九州電力送配電さんのほうが主体というか、主導権を持っている状況でございます。こちらにつきましては、今現在の協議の中でもそのような認識で進めていくというふうな形でございます。その中で、こちら側の事業者の運用幅がどれぐらいあるのかというのが、やっぱり日によって変わりますので、例えば夏とか暑い時期、電力需要が多い時期に合わせて発電量を増やすようなやり方でありますとか、逆に電力需要が少ないときは、もうこれ以上太陽光は発電しないでくださいというふうな制御がかかる可能性は当然ございます。時期によっては、稼働率がゼロとなる可能性もゼロとは言えないというふうに考えております。
 その中でどれぐらい運用できるかというのは、やはりDGRという新しい機器がどれぐらい実証で信頼に足り得るものかというふうな実証が出ないと今後導入は進めていけないかなというふうに、九州電力送配電さんのほうとも協議を進めているところでございます。
 やはり安定供給というのがまず第一でございます。それは九州電力送配電さんもそうですし、新しい地域電力会社もそういうふうに考えていると思いますので、電力の安定供給という面についての技術的な今、詰めを進めている状況でございます。
○11番(桂 弘一君)
 我々特別委員会は先日、九電の視察と発電所を見てきたんですが、九電からの資料によりますと、4月は昼間の最低必要量が6,180キロワットと言うんですね。10月、11月、12月、1月、2月、3月、もう半年以上は6,000キロワットぐらいで最低は足りるということです。そうなってくると、この間は4,500の下げ代いっぱいプラス出力抑制が簡単にはできない、民間の部分は自動的に現状で受けざるを得ないと、抑制指令みたいなのが出ない限りね。そうなってくると、我々が入れると計画している新しい電力が入る隙間がないのじゃないのかなというふうに感じているんですが、先ほど室長からも、ゼロの日もあるのじゃないかなというような形がありましたけれども、ゼロの日が続くと、半年間にわたってですね。ゼロの日か、あるいは本当に4割もいかない、1割、2割というようなことが続くというような計画になっていないかなというふうに見えるんですが、そこは室長、もう一度お願いいたします。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 お答えいたします。
 ゼロになる日が長期間続くというふうな懸念はないかということかと思いますが、これは何とも答えにくい部分ではございますが、ゼロにならないように技術的な部分でどうにかうまく運用できないかというふうな今、協議を進めているというふうな形でございます。ゼロが長期間続くか続かないかというのは、またその日の電力需要にもよりますし、現在はっきりお答えすることはできないのは非常に申し訳ないんですけれども、なるべく多くのこちら側の運用幅をいただけるような形で、技術的な確証と併せて九州電力送配電さんのほうと協議を進めていきたいなというふうに考えております。
 ただ、あちら側の経営の計画と、あと人員配置等いろいろ複雑な問題がございますので、一筋縄ではいかないというふうには考えておりますので、今後の協議あるいは技術的な裏づけが必要になってくるかというふうに考えております。
○11番(桂 弘一君)
 電力事情というのは、本当に安定供給が1にも2にも3にも4にも、5にも6にも我々永良部における電力会社の使命です。そして彼らの誇りだというふうに思っております。そこは、いろんなことを言って何とか協力をもらって云々ということがあっても、DGRの瞬時に同期ができて調整ができるというようなことが立証されて、年間を通じてですよ。ちゃんとされた後でないと、九電は動かないんじゃなくて動けないんじゃないのかと。安定供給という面に関したときに、自分たちの発電を止めたり動かしたりというのはテクニカル的に難しいのかなというふうに思っています。
 そういう難しいところを、九電も我々もDGRというところに関する知見を持っていないと。スモールスタートで検証してからというような発言です。もうそれは当然のことかと思うんですが、町長がおっしゃるようにどんどん理想論に向かって進んでいくというような話とは、現実的な九電の立場というか考え方、経営からいくと、スピード感の中で合わないのかなというふうに感じる事業だと思っています。
 また特別委員会と炭素室で情報を共有しながら、我々議会は議会としての考え方も固めていかなきゃいけない時期に来ているのかなと思いますので、その辺のところはよろしくお願いしたいんですが、あと残りの質問に関しては、現状においては数字的なものが出せないということだったんですが、予算を上げるにおいては、需要が幾らなのか、新電力の電力をどれぐらい受けるのか、電力料金が幾らぐらいなのかということの詰めは、数字的には出ない中で分かりませんけれども、つくります、予算を通してくださいというわけにはいかないのかなというふうに思っているんで、どれぐらいの効果があるのかなというような数字的なものは、ぜひ、限られた時間の中でということになるかと思うんですが、議会に提出をしていただきたいなというふうに思います。それは要望しますので、これで私の一般質問を終わらせていただきます。
○議長(永野利則君)
 これで桂弘一君の一般質問を終わります。
 ここでしばらく休憩します。
休 憩 午前10時29分

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和泊町役場議会事務局 

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