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更新日:2022年9月1日

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6月8日(一般質問:中田隆洋議員)

発言者

中田隆洋議員

発言内容

 日程第2 一般質問
○議長(永野利則君)
 日程第2、一般質問を行います。
 中田隆洋君の一般質問を許します。
○9番(中田隆洋君)
 皆様、改めまして、おはようございます。
 本議会定例会に一般質問を通告してございますので、壇上より質問をさせていただきます。
 脱炭素先行地域計画について。
 脱炭素先行地域とは、国の2050年カーボンニュートラルに向けて、民生部門、家庭や公共施設などの電力消費に伴う二酸化炭素排出の実質ゼロを実現し、運輸部門や熱利用等も含めて、そのほかの温室効果ガス排出削減についても、日本全体の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域で、実行の脱炭素ドミノのモデルとするために、環境省を中心に国も積極的に支援しながら、少なくとも100か所の脱炭素先行地域で、2025年度までに脱炭素に向かう地域特性等に応じた先行的な取組実施の道筋をつけ、2030年度までに実行し、これにより、農山漁村、離島、都市部の街区など多様な地域において、地域課題を同時に解決し、住民の暮らしの質の向上を実現しながら脱炭素に向かう取組の方向性を示すこととしております。
 事業費の3分の2から4分の3、約67%から75%を推進交付金として国が支援をし、令和4年度予算総額は200億円規模、本島では5年間でおおよそ50億円規模の交付金になると聞いております。
 先行地域100地域に選ばれるために、町長をはじめ担当された職員には、大変なご苦労があったかと思います。まずもって、ご尽力され、認定を受けられましたことを高く評価いたします。
 島の宝物でもあります豊かな自然を後世に残していくためにも、環境問題に取り組むことは大変重要なことと考えます。脱炭素社会に取り組むことが、島全体の環境への意識の高揚につながること、また、全国、外国から、行きたい、住んでみたいと思ってもらえる島になること、そして新たな投資事業が働く場所の創出につながることを期待しております。
 今回、国の肝煎りで大型予算を投じております。認定を受けましたからには、しっかりと結果を出していかなくてはなりません。そのためには、行政や関連企業だけでなく、町民、島民のご理解とご協力が不可欠になろうかと思います。
 そこで、ご質問をいたします。「ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ」として国の脱炭素先行地域の指定を受けましたが、次の項目について具体的にどのような事業を行うのか、お尋ねをいたします。
 1、マイクログリッドの構築について。
 2、公共施設の省エネ、創エネ、蓄エネについて。
 3、EVの促進について。
 4、生ごみの資源化について。
 以上4点について、まず壇上からの質問とさせていただきます。
○町長(前 登志朗君)
 うがみやぶらー。本日どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、ただいま中田議員からございました質問1.から4.について、順を追ってお答えしてまいります。
 1.マイクログリッドの構築につきましては、島内を複数の領域に分け、領域ごとに太陽光発電や風力発電、電力の需給バランスを整えるエネルギーマネジメントシステム、蓄電池などを導入し、再生可能エネルギーを主力電源とする小規模なエネルギーネットワークを構築する考えです。
 マイクログリッドの構築により、領域内の脱炭素化や災害時の電力供給を可能とさせる計画となっております。
 脱炭素先行地域としての計画では、九州電力との協議により、系統の安定運用の観点から、系統末端部からの構築を進めることとしており、令和5年度は知名町新庁舎周辺、令和6年度は久志検地区、令和7年度は国頭地区のマイクログリッド化を行う予定といたしております。
 将来的には、島内全域を対象地域として拡大していく構想となっております。
 続いて、2.の質問についてお答えします。
 公共施設の省・創・再エネにつきましては、和泊町役場をはじめ、町内の小中学校やこども園など、公共施設への再エネ設備導入ポテンシャルを算出する調査を今年度行うこととしております。
 その調査結果に基づき、令和5年度以降、公共施設の屋根や駐車場などを活用して、順次、太陽光発電を設置し、LEDや蓄電池の導入を進める計画といたしております。
 3.EVの促進について。
 EVの促進につきましては、本町が所有する公用車を順次EVへと切り替えていくこととしております。今年度以降の新規購入及び更新については、原則としてEVとし、2030年度までに全ての公用車をEVに切り替えることを目標としております。
 また、住民の方に対する軽トラックEVの購入補助や島内高校生に対するEVバイクの購入補助、EV車両整備事業者の技術習得支援、EV充電スポット環境整備などを計画しておりますが、脱炭素先行地域づくり事業交付金では、一部交付対象外であるため、今後、活用可能な補助事業などの情報収集や、該当する制度がない場合には、その創設について国などへ要望してまいります。
 4.生ごみの資源化について。
 生ごみの資源化につきましては、一般廃棄物廃棄物として町が収集している生ごみを小型メタンガス発酵装置によりバイオマス発電や液肥化して活用することで、CO2削減や地域内での資源循環を図る計画としております。
 しかしながら、資源化には様々な方法があることから、今後も情報収集に努め、よりよい方法を検討し、関係機関と調整の上、導入方針などを決定してまいります。
 壇上からは以上でございますが、この後は自席から、また担当課のほうからも答弁させていただきます。
○9番(中田隆洋君)
 今の町長のご答弁で、今回の脱炭素社会に向けての4本柱、4つの柱の事業の大まかな内容の説明で、これを聞いてございます町民のほうもご理解がされたのかなと思っております。
 この議会前に、脱炭素100に選ばれたということで、担当課のほうから私たち市議会に説明ということで、この資料を頂いております。大まかな中身についてはあるんですが、細かく担当課のほうに質問をさせていただきたいと思います。
 町長答弁でもございましたが、細かい事業の中身等については、この資料によりますと、体制づくりが今後、分科会、有識者会議など、そのようなものが入ってきて決定をしていくだろうかとは思っておりますが、今、現段階でのおおよその骨組み等、分かっていることで答弁をいただければと思っております。
 まず最初に、ご質問ですが、担当の企画課長のほうに今回は全部質問になるかと思いますので、よろしくお願いします。
 2030年度に向けての今回、国の先行投資だと思っております。ということで、2030年をめどに本島でカーボンニュートラルの義務づけ等がされるのか。されなければ、どのくらいの目標となっているのか。その目標達成に向けて国からどの程度のレベルでの義務づけ等がされているのか。お尋ねをいたします。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 まず初めに、国からの義務づけということですけれども、これに関しては、一応成果に対して義務づけという方向性はないというふうにお聞きしております。
 あと、目標といたしましては、今回、脱炭素先行地域ということで申請を上げさせていただいた中において、このカーボンニュートラル、マイクログリッド、あと公共施設等の再エネの導入等、一応計画を上げておりますが、これに対しまして100%脱炭素化を2030年度までに、この先行地域は目標としていかないといけないというふうになっておりますので、それを目標としていきたいというふうに考えています。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 壇上でも質問の中で入れさせてもらっておりますが、国のほうも予算を投じるからには、やはりその費用対効果の検証だったり事業の精査等が入るのかなと思って質問したんですが、特に義務的な、罰則規定じゃないですが、そのようなものはないという、今、答弁でよろしかったのかなと思っておりますが、目標設定がたしかあったかと思います。排出している二酸化炭素の割合を2030年度までに何%削減をするという目標値というのが、国からある程度定められていたかと思いますが、その点についてはどうでしょうか。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 脱炭素先行地域計画においては、マイクログリッドの構築及び公共施設群への太陽光設備やLEDの導入が民生部門というふうに位置づけられております。
 本計画においては、民生部門の電力需要量が年間で、これは島内の分なんですけれども、約964万キロワット、それに対しまして今回導入する再エネ等の電力供給量が約1,004万キロワット、省エネによる電力削減量が42万キロワットとなりまして、再エネによる供給量と省エネによる削減量の合計値が電力需要量を超える見込みであるということから、CO2排出実質ゼロの可能性があるということで、2030年度までにこの地区等に対しまして100%CO2削減できるという目標を掲げているところでございます。
○9番(中田隆洋君)
 ちょっと説明を聞いて数字が分からなかったんですが、今の排出量に対しての何%ぐらいの排出削減を目標としているのかという質問で、パーセントで出してもらえないですか。
○企画課長(有馬清武君)
 先ほどの数値に対しましてCO2で換算いたしますと、直近の令和2年度の電力消費量に対するCO2の換算が4,180トン、それに対しまして、再エネ供給によりマイナス4,350トン、省エネ削減によるマイナス183トンで、合計マイナス353トンのCO2削減が見込まれるということで、100%以上の削減が見込まれるというふうに換算されております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 すみません、100%を目標にしているということでよろしいですかね、この質問にしますと。となりますと、今、議会に提示された資料で一応議論をしようかと思っているんですが、この資料の5ページになります。本島で排出されている二酸化炭素のトン数を示しているグラフとなっておりますが、本島で排出されている二酸化炭素の量が、この資料によりますと4万8,332トン、約4万8,000トンほど出ている。これは聞きますと2018年の統計資料だということでございます。その資料の数値で議論していきたいなと思っておりますが、この排出量から2030年先行地域の終了に向けて何トン減らしていく計画になっているのか、それがその排出量の何%に当たっているのかというのが質問で、簡単な答弁をいただきたいと思います。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 先ほど議員がおっしゃられたとおりで、島内において4万8,000トン年間排出されておりますけれども、今回の脱炭素先行地域に指定された公共施設等、また和泊町においては国頭地区のマイクログリッド化、これをしたことにおいて、電力需要量が4,180トンと、マイナス4,350トンとなりますので、先ほどの4万8,000トンに対しまして、約10%ほどというふうになると考えております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 分かりました。最終的には、国が定める2050年カーボンニュートラルということで、排出量と吸収量、二酸化炭素を吸収する海の植物プランクトンの影響だったり、森林などの二酸化炭素を吸収する部分の操作、差引きでマイナスまで持っていきたいというふうに言っているわけでございますが、本島においての、今、二酸化炭素の排出分は数値化されているんですが、二酸化炭素のカーボンニュートラルに向けての吸収量というのは何トンと試算されているんでしょうか。
○企画課長(有馬清武君)
 森林の吸収量につきましては、環境省から示されておりまして、2018年度の数値で和泊町においては年間606トンの吸収量というふうに試算されております。知名町のほうの数値においては、ちょっと今のところ数値の持ち合わせがありませんが、森林面積が大きいということで、これ以上の吸収量はあるというふうに認識しております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 吸収量が606トン、約600トンということは、本町の排出量に関しては、ちょっと暗算ができなかったんですが、何トンかということで、0.4%ぐらいですか、0.何%になっているかなと思っております。なので、今回の先行地域でやる事業、4本柱で10%の排出量の削減まで持っていくという答弁がございましたけれども、それではまだまだ足りないのかなと思っております。もう少し踏み込んだこの計画を練らないと、なかなか、国がモデル化をすると言っているぐらいですから、完全に2050年に向けてはゼロに持っていかないといけないのかなと思っています。今、現状の数字だけ見ると厳しくなっていますので、事業の練り直しもまた必要になってこようかなと思っております。
 さっき質問の中で、国からの目標が達成されなかった場合でのいろんなペナルティ等はないということでご答弁されておりました。説明資料の4ページの中で、昨日の島田議員の中でも、この点についてはちょっと触れておりましたが、再度お尋ねをいたします。
 交付要件に、一定地域での民生部門、つまり家庭と公共施設ということになろうかと思いますが、その電気消費に伴う二酸化炭素の排出が実質ゼロ、これは差引きゼロじゃなくて排出量ゼロとうたわれてあるんですけれども、それが要件ということになっていますので、交付というのは、多分、先ほど言った国から支出される年間約10億円の交付が受けられなくなるというような説明になろうかと思うんです。先ほどの課長の答弁とちょっと矛盾しているところがあるかなと思うんですが、それについては、この説明を詳しくお尋ねをいたします。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 一定の地域での民生部門の電力消費量に伴うCO2排出実質ゼロ達成が要件となっておりますが、これに関しましては、今回、マイクログリッド、また公共施設群への省エネ設備等の導入、これによって、それぞれの電気使用量が実質ゼロになるということで掲げられておりますので、それぞれの公共施設運営への太陽光発電等の導入を年次計画で進めていくということでございます。それをすることによって2030年度までに達成していくという目標になっています。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 一定の地域ということで、今回、マイクログリッドを和泊町では令和7年度に国頭地区からと一応考えているということで答弁された、その地区での発電に関して、全てが再生可能エネルギーに移行しないといけないという要件になっているかと思います。この課長の答弁もそうですし、書かれている文言でもそうですが。
 昨日、島田議員の質問の中で電気料の話が出ました。町長答弁で、現在よりは安くしないと町民が移行してくれないと。ただ、選択権はあると。町民は、マイクログリッドの再生可能エネルギーを使うか、従来どおりの九電の火力燃料電力を使うか、選択はあるということでありますが、その地域で仮に今までどおりでいいということで九電さんの今までの電力を使われた場合は、これに該当しなくなるんですが、そういったときの対応というのはどのようにお考えでしょう。
○企画課長(有馬清武君)
 これに関しましては、そういったところはやはり心配される部分であろうかと思います。一応、九電さんとの協議の中で、一番系統の末端部分から導入していきたいという考えでございますが、地区の説明会において、その地区において、ちょっと導入は見送ろうという形になりましたら、また別の地区の末端地域での系統、例えば埋立て地区の部分とか、その辺が末端部分になりますので、またそういったところに移行していくような検討も必要かというふうに考えております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 理解しました。
 この事業をしていく初めに、町民説明会で全世帯の同意が得られた場合に、そこの地区で始めていけるということになるのかなと、今の答弁では思いましたが、まずもって住民説明会のほうをきっちりとしていただいて、そのご理解と、また料金に関しても町長は同等レベルと言ったんですが、やはり全世帯が移行していただくためには、できるだけ安い電力にして移行を選択してもらえるような方策を関連企業さんとも議論していただきたいと思っております。
 4本柱の中で、全体的に今の質問をしたわけですが、町長答弁でも若干触れておりましたが、脱炭素社会に取り組むことで、この4本柱で事業を推進していくことについての町だったり島にとっての大きなメリットというのは、再度、町長答弁にも少しございましたが、課長のほうはどのようにお考えでしょうか。
○企画課長(有馬清武君)
 この取組によりまして期待される効果ということでございますが、まず1点目といたしましては、再エネ、蓄電池、マイクログリッドを導入して、自立分散型電源を確保することにより、本土と系統連携がされず、島外からの化石燃料に依存し、台風時の停電などの大きなリスクを抱える離島特有のエネルギー供給の課題解決に貢献がされるということもあります。
 もう一点目が、島内においてエネルギーを自給することにより、エネルギーコストの抑制と循環型経済の基盤の構築がされるというふうな効果が期待されております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 分かりました。全体像での今、質問をしたわけですが、個々に、この事業ごとに細かい聞きたいところを少し聞いていきたいなと思っております。
 1点目のマイクログリッドの構築ということで質問させてもらいましたが、町民と皆さん、一般の方は、このマイクログリッドというのは、なかなか聞き覚えがないのかなと思っています。最近、私たち議会のほうでもこの話が出ていますので、分かってきているところでございますが、グリッド、地区ごとの再生可能エネルギーの発電所を持って、各地区で発電をして、その地区の電力供給をしていくという事業、簡単に言えば、だろうかと思っております。和泊町では、何地区、何グリットと呼んだらいいのか分からないんですが、何地区ぐらいの分割になろうかと今考えているでしょうか。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 今の段階では、和泊町、知名町それぞれ何地区というふうには、まだ制定はされていませんが、沖永良部島内で約30地区を想定しているという考えでございます。字ごとに換算しますと、島内で42地区ございますが、小さい字同士をまた一つの大きな地区にして、それを30地区ぐらいで分割していきたいという考えを持っております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 30地区ほどということでございます。この運営に関しまして、地域エネルギー会社を設立していくという計画方針でございますが、今の地区数に置くと、島内でしかまだ出していないということで30地区になっておりますが、このエネルギー会社というのは、本島で1社か、何社か設置をしていくのか、それとも知名町、和泊町別途に地域電力会社というのを設置していくお考えなのか、お尋ねをいたします。
○企画課長(有馬清武君)
 島内で1事業者を予定しております。
○9番(中田隆洋君)
 その1事業者に対して、両町で出資をある程度していこうかと思います。また、地元の賛同される企業さんのほうにも民間活力ということで出資依頼をしていこうかと、この計画の中ではなっておりますが、本町でのこの会社に関しての出資割合は大体どのくらいでお考えですか、今の段階では。
○企画課長(有馬清武君)
 出資割合につきましては、今後、協議会の中で協議されていくこととなっています。今のところ未定でございます。
○9番(中田隆洋君)
 これに関しては、検討を十分されないといけないのかなと思っております。
 和泊町が出資している地元企業も何社かございますが、また、第三セクターのような企業もあります。運営において、ここが財政圧迫になっていかないような取組をしていただきたいなと要望しておきますとともに、地元企業と自治体だけの出資の図になっておりますが、今回このエネルギー会社においては、大きな部分で、その技術力の供与、提供というのが、大手企業のほうからされるかと思います。また、その運営だったり、メンテナンスについても、大手企業が入ってこないと、ここがなかなか進まないのかなと思っていますが、そういった企業からの出資というのは、この図からは考えられていないんですが、それについてのご検討の余地というのはどのくらいなっていますか。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 今、この推進体制にそういった業者的な部分が入っておりませんが、これは一応簡略図でありまして、またそういったところの出資を求めていかないといけないような事業者につきましても、やはり協議会の中で精査されていくものと理解しております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 ぜひそのようにしていただきたいなと思います。というのは、この技術力というのは地元企業では賄えない部分がありまして、その企業がなかなか採算が取れていないときに撤退されているというのが、一番私たちの不安要素でありますので、そういった大きな資金力を持っているところが撤退をしないためにも、ある程度の支出というのをしていただきたいなと思っておりますが、また分科会などで、そのあたりはしっかり議論していただきたいと要望しておきたいと思います。
 それでは、マイクログリッドについては以上でありますが、2本目の柱でございます。
 公共施設の省エネ、創エネ、蓄エネに関しましてですが、これについては、先ほどの答弁の中でも詳しくございましたので、公共施設で費用対効果の高い施設の調査をお願いすると。電気消費が多いところから先に再生可能エネルギー、太陽光発電になろうかなと思いますが、そういったものを設置していくという考え、答弁でよかったでしょうか。その確認です。
○企画課長(有馬清武君)
 公共施設につきまして、島内で約50施設ほどあるようですが、それに対しまして、一番やはり電力使用量が一番多い施設から順次、LED化を優先していくというふうなスケジュールとなっております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 それでは、3点目のEVの促進についてということで、町長答弁でございましたが、まず先に新規で購入する公用車にEV車、電気自動車を購入していくと。2030年度までに、できれば目標として公用車全車両をEV化、電気自動車化をしていきたい。また、国の補助などの動向を見ながら、町民に対しても自動車のEVの助成をしていきたいというふうにありました。
 町民のほうからも、この電気自動車に補助が出るということに関しての期待の声というのも聞いておりますが、1点だけお尋ねをします。
 本島は、今、1人1台以上の自動車保有になっているかと思います。また、高校生においても、ほとんどの皆さんがバイク、原付バイクに乗っていますし、農業においても、ある程度機械を使って燃料を消費しているということで、町内でも多くのエネルギーに携わる事業者がいるわけでございます。今回の町の方針としての省エネ化、再生可能エネルギー化に関して、そういったエネルギーをなりわいとしている事業者に対して、企業努力も必要かと思いますが、何らかの配慮というのは考えられているのかどうか、まずお尋ねをいたします。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 EV化を促進していく中においては、そういったガソリンスタンド等に影響は出てくることは、やはり予想されるところでありますので、また、その件に関しましては、国の大手事業者のほうも、EV化に向けて、それぞれのスタンドと連携して、またそういった施設を併設していくというようなニュース等も拝見しています。これに関しましては、やはり全国的な動向の注視が必要かと思いますし、していきたいというふうに考えております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 ぜひ、国の動向も注視も大事ですし、本島が思い切って今回かじを切るわけでございますから、そういったところの配慮というのは、やはり必要になってくるかと思いますので、これもまた分科会等での検討を要望します。お願いいたします。
 おおむねEV、電気化についての質問は、このぐらいで終わります。
 また、4本目の柱の生ごみの再資源化ということで、メタンガスによる発電等々、今から研究段階になってくるかと思いますが、1点だけ、課長、詳しく説明をいただきたいのが、ごみの処理について、メタンガスとか発酵してエネルギー化、発電に回していくというのは大体私たち素人でも分かるんですが、地域内エコ通貨というのが少し入っています。それはどういったことになるのか、簡単に分かりやすく説明をいただければと思います。
○企画課長(有馬清武君)
 地域内でのエコ通貨的な部分の描いているのが、ペットボトルを持ち込んだら1人1円相当のエコ通貨というのをポイント制にしまして、そういったので、またそのポイントを使って商店街等で還元して使えるというようなシステムの構築かというふうに認識しております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 ポイントが使えるようなシステムということで、最近はPayPayとかPayどんとかを和泊町でも町民の皆さんもよく使うんですけれども、そういったシステムを町内独自でつくるとしたら、でも、そのシステムをつくるというのが、この規模の島ではなかなか厳しいのかなと思っていますので、そういった使いやすいポイントだったり、もしかしたら地元商工業の還元というのは商品券などでも活用できないものかなと。また、そこも検討をしていっていただきたいなと思います。
 細かい4つの柱についての質問は以上なんですが、全体像として、島内で、さっきも壇上で言いましたが、5年間で約50億円規模になるというふうに聞いておりましたが、総事業費として61億円程度と計上をされています。これは本島、知名町と両町合わせての事業費総額になっているかと思いますが、本町では大体どのくらいの事業総額、合計額になるのか、お尋ねをいたします。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 本町では約26億円相当の事業費を予定しております。
○9番(中田隆洋君)
 島内総額61億円に対して、半分を大きく下回っている本町事業費になっているかなと思。半分半分で30億程度の事業になるかと期待をしていたんですが、若干知名のほうが事業費額としては大きかったのかなと思っておりますが、それは仕方のないところかと思っています。
 この26億円、総額ですので、今回、国が交付するという金額は、さっきも壇上で言いました67%から75%の範囲で、個別の交付金割合が出ておりましたが、おおよそこの26億円に対して町の負担部分というのがどのくらいになっているのか、お尋ねをいたします。
○企画課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 先ほどの総事業費26億円に対しまして、補助率が3分の2、4分の3、それぞれいろんな事業に分かれておりますが、交付金が約17億8,000万円見込まれております。それに対しまして、一般財源が約8億円ほどを算定しております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 分かりました。本町の一般財源を出すのが約8億円ほどになるということで、本議会のほうでも過疎債等の変更説明等がございました。これについては、過疎債とか有利な起債で対応していくということだろうかと思いますが、いい交付金、いい国の事業ということで、期待はしていますが、やはり町の持ち出しも8億あるわけです。過疎債を使ったとしても、借金ということには変わりはないわけですから、町長におかれましては、やはりこの重要性、この責任というのを重く思っていただいて、この実現に向けて、費用対効果の達成に向けて取り組んでいただきたいなと思うところでございます。
 じゃ、最後になりますが、この事業、4本柱で進めていって、必ずや今の目標値について達成していただきたいということ。それによって、町の自然を、環境について考える。また、島民全部で取り組めるようにしていただきたいということと、魅力ある島になっていただきたいということ。また、新しい仕事づくりにもつながっていただきたいなと要望して、期待をするところでございますが、町長に最後ご質問でございます。
 脱炭素先行地域の選定を受けました。そのことによって4つの事業を進めていくわけでございますが、どのような町の将来像だったり、町長が思い描く展望、どういったものを思い描いているのか、町長のお気持ちと、また、この事業に取り組む決意等を聞かせていただきたいと思います。
○町長(前 登志朗君)
 ありがとうございました。ちょうど月曜日に、日本エアコミューターの武井社長が新任のご挨拶に町長室にお越しくださいました。そのお話をしている中でも、日本エアコミューター、JALグループというのは、燃料を燃やしてCO2を出している企業だと。そんな中で、今もう世界がESGにのっとらないと、いわゆる環境に優しい脱炭素を目指さないと、企業として誰も相手にしてくれない。世界中の企業が今そこに向かって進んでいる。そして、CO2を出さない、脱炭素に向かわないと、金融も投資も全てが得られない。世界中がそこに向いている中で、JALグループとして、とにかくCO2の削減ということで、今、一生懸命取り組んでおりますというご挨拶でございました。
 ご存じのとおり、そこに今、世界が向かっている中で、日本は出遅れたので、とにかく2050年を目指すんだという、その大きな思いで、今回は環境省の脱炭素先行地域に選んでいただきましたが、もちろん関係省だけではなくて各省庁、例えば国交省ですと、国土交通グリーンチャレンジですとか、農水省はみどりの食料システム戦略、経産省はGX(グリーントランスフォーメーション)など、まだこれからいろんな省庁がそこに向けてのいろいろなメニューを出してきます。その中で、アンテナを張りながら、それを素早くキャッチしていきながら、また今回、脱炭素先行地域、環境賞を取ることによって、それらがどちらかというと優位に扱えるというふうな話も聞いてございますけれども、実際、今、2030年の2013年に対しての46というのも、非常に高いレベルの数字でございます。
 ただ、それを達成することによってドミノを倒していくという思いが1つと、それと、かなりイノベーションが起こることによって、イノベーションの連鎖によって、そういうものは成し遂げていかれるんだという世界的な方向性でございます。今、世界中の企業も、その開発も、みんなが脱炭素に向けてのところに資金が集中して、そのことが今、加速されている。例えば、国内では2035年からEV車になる。もう世界のガソリン車の市場がなくなっていって、それがなくなってしまう。先日まで、トヨタは、世界に冠たるガソリンのエンジンを持っていましたから、そんなことはできないんだと言っていたんですけれども、最高の技術を持っても、それはもう全て捨てて、今、電気のモーターに大急ぎで切り替えようとしている。
 世界中がそっちに向かって、今、走っている中で、先ほどのマイクログリッドにいたしましても、はっきり言って確立されたものではございませんが、そこに向かって今みんなが技術開発をしているという中で、そういう技術革新があって初めて2050年の世界が達成できるわけですから、そこはみんなが向かっている中に、いち早く手を挙げて、そこに採択されていたということを非常にありがたいことと思って、先んじてそこに取り組んでいきたいという思いがございます。
 それこそ、UAEですとか、サウジアラビアですとか、地面を掘れば油が出てくる国でさえ、もうこれから油は使わなくて、新しい環境に優しいものに切り替えていくというふうに方針を変えてございます。
 ただ、カーボンニュートラルというのは、あくまでも手段でございまして、やはり目標というか、最終的に目指しているところは、持続可能な豊かな島を子供たちの未来のために残す。それが大きな目的でございます。このままでは、地球がもう大変なことになってしまうんだ。だから、子供たちのために、きちんとした地球を取り戻そう。そのための方法として、脱炭素というのもあるわけですし、カーボンニュートラルを目指さないと大変ですよ、そのためには、いろいろしていくことがありますよという中で、1つずつ取り組んでいく。今回、我々も様々、グリーンエネルギーを入れたりするわけですけれども、それも持続可能な地球を取り戻すための方法の一つであるというふうに考えてやっているところでございます。
 まだまだ本当に問題は山積していると思いますけれども、今般の例えばコロナですとかウクライナ問題のおかげで、世界中が食の自給自足やエネルギーの自給自足の必要性を強く感じております。それがまた大きな後押しとなって、みんながそこに向かって取り組んでいこうとしている。ですから、まだまだこれからのところもあるのですが、例えば我々が今持っているスマートフォン、これが今一つあれば、そこからもう全ての情報が得られる。それだけで何でもできるという時代になってきました。これから脱炭素を目指して、世界がそこを目指してやっていくわけですから、どんどん新しい技術が発達して変わっていく、日に日に変わっていくことだと思っております。そして、その最先端のところの後押しを国がしてくださるというわけですから、責任を持って、そのことに向かってしっかりと歩んでいきたいと思っておりますので、皆様方のご理解とご協力をどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○9番(中田隆洋君)
 町長の熱い自然環境に対する思いということで、また構想等、この短い時間では語り尽くせないのかなと思っておりますが、また平場のほうでいろいろなお話を聞かせていただけたらと思っています。
 さきの町長の中でありましたが、課長のほうからもあったわけですが、今回の先行地地域に選ばれた事業の中では、まだまだカーボンニュートラルに対するパーセンテージでは全然達していないということでございました。町長答弁の中で、環境省が出している今回のメニューでございますが、各省庁が今後これに向けた事業を出してくるだろうかと思っておりますので、そこにいち早くアンテナを張って情報収集して、また事業を確立していっていただきたいなと。国と足並みをそろえて、2050年のカーボンニュートラルが確実に達成できるように、全町を挙げて取り組んでいただきたい。また、これを聞いていただいています町民におかれましても、この問題意識ご理解、ご協力を私たち議会からも、私からもお願いをしたいなと思って、今回の私の一般質問を終わります。
○議長(永野利則君)
 これで、中田隆洋君の一般質問を終わります。
 ここでしばらく休憩します。
休 憩 午前10時24分

お問い合わせ

和泊町役場議会事務局 

TEL:0997-92-2569

FAX:0997-92-3176