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更新日:2023年8月25日

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6月13日(一般質問:島田浩樹議員)

発言者

島田浩樹議員

発言内容

再 開 午前10時35分
○議長(永野利則君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、島田浩樹君の一般質問を許します。
○2番(島田浩樹君)
 おはようございます。議席番号2番、島田浩樹です。令和5年第2回定例会において、1点2項質問を通告しておりますので、壇上よりお尋ねいたします。
 脱炭素先行地域事業計画について。
 1.脱炭素先行地域事業を推進するに当たって、事業計画見直しになったが、今後の計画はどのようになっているのか。
 2.環境省に変更提出した計画書に課題等はないか。
 以上、壇上よりお尋ねいたします。
○町長(前 登志朗君)
 島田議員の1点目のご質問にお答えいたします。
 脱炭素先行地域事業の推進に当たり、再生可能エネルギーの導入及びマイクログリッド事業について、これまで九州電力送配電及び関係事業者と協議、検討を重ねてきましたが、技術面及び制度面において課題が判明したため、計画を見直すこととなりました。
 見直しにつきましては、再エネ導入の対象となる公共施設数の減少、離島ユニバーサルサービス調整単価の適用を受ける離島において、電力の小売事業が実施できないことが判明したことに伴うマイクログリッド事業の変更及びこれらの変更に伴う再エネ導入量の減少。
 今後、本町においては、令和5年度は住民を対象とした説明会などの実施及び設備導入に向けた調査などを実施し、令和6年度から9年度にかけて設備導入を進める計画です。
 また、引き続き九州電力送配電及び関係事業者と環境省との協議を行いながら事業の推進に努めてまいります。
 続いて、2点目のご質問にお答えいたします。
 課題としましては、今後、九州電力送配電との連系協議、運用に係る連絡体制づくり、協調制御に関する機能などの確認が必要であり、実運用に向けて一つずつ九州電力送配電の合意を得ながら進めていく必要があります。
 本計画において導入予定のデジタルグリッドルーターは、埼玉県浦和美園での系統連系の実績があり、系統との調整制御に必要なエネルギーマネジメントシステムは、日置市のマイクログリッドにおいて実証実績があります。
 実運用においては、これら実績のある機器などの応用となるため、設備導入に当たっては、導入施設ごとに機能及び動作などの評価を行い、導入量に応じてチェックポイントを設けるなど、九州電力送配電と連携を図りながら段階的に進めてまいります。
 以上、壇上からの答弁は以上でございますが、この後は自席から、また担当室長からも答弁をさせていただきます。
○2番(島田浩樹君)
 今後の事業計画、計画変更等の課題等の回答がありましたが、ただ、重複する部分もあるかと思いますが、順を追って具体的な部分で説明を求めていきたいと思います。
 当初提出した計画では、先ほど答弁もありましたが、小売電気事業者による地域マイクログリッドをビジネス化し、地域の雇用を生む計画でありました。その点で、また令和4年第3回定例会で桂議員のほうから一般質問があり、計画の変更はないという答弁でした。この計画変更に至った主な要因は少し聞いたんですが、もっと具体的にその要因についてお聞かせください。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 お答えいたします。
 計画変更に至った主な要因ですけれども、先ほど町長の答弁にもありました九州電力送配電との協議の結果、内燃機関の下げ調整役、出力抑制の幅がないということで、これ以上再生可能エネルギー、太陽光等を導入すると、島全体が停電するおそれがあるということがまず一つ。
 あとは、屋根の形状等が公共施設群において耐震性が十分でない、耐久性が十分でない施設が幾つか散見されたことから、公共施設対象の見直しであります。
 また、制度面の制約ということで、離島地域においては離島ユニバーサルデザイン料金というものが適用されておりますから、その中で地域電力会社が小売事業として電力を売買することが非常に難しいということ。
 また、施設の統廃合ということです。今後、公共施設の統廃合が予定されている箇所が何か所かあったことから、全体的な公共施設群における太陽光パネルの設置等を見直ししまして、沖永良部島全体における再生可能エネルギーの導入の量を減らすという形で計画の変更を行っております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 先ほど公共施設の数等の減少とありましたけれども、当初の計画の公共施設の数、今回計画変更した数はどれぐらい減ったのかお聞かせください。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 お答えいたします。
 当初は公共施設約59施設を予定しておりましたが、現在、環境省と協議しております変更後の計画においては22施設を予定しております。
 ただ、この22施設につきましても、今後施設の統廃合等が検討される施設も含まれておりますので、若干の増減はあるかというふうに考えております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 59施設から耐震強度関係で22施設に減少したということですが、両町だと思うんです。この22施設の中から和泊町は何施設ぐらいあるのかお聞かせください。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 約9施設が和泊町で、残りが知名町だったというふうに考えておりますが、また、この和泊町内の施設においても、基本的には高圧で運用されている施設が対象となっていることになっておりますので、また今後、統廃合によって増減があるというふうには考えております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 9施設の中に統廃合があるということなんですけれども、今分かっている時点で9施設から何施設になるんですか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 お答えいたします。
 統廃合というか、例えば、今後、キュービクルというやつがある施設が一応対象になって、高圧があるところが対象になっているんですけれども、あと低圧で何か所か近くに集まっているところを1か所にまとめて高圧にしてそこに入れるとか、そういった形で、低圧が3か所あるのを高圧1か所にまとめてそこに入れるとか、そういった内容についても今検討しているところですので、具体的にどこというところはないんですけれども、例えば、知名町の施設においては、田皆小学校、田皆中学校、認定こども園きらきら、そこは隣接しているところが低圧が3つあるんですけれども、そこを一つの高圧にして、後で分配して、そこに太陽光を入れるとかいう計画がありますので、和泊町内の施設においても、そういった対象となる施設があれば、今後そういった形で検討していくという形になっております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 当初の計画では7メガワットの導入だったと思いますが、計画変更後の発電量はどれぐらいになるのか。
 計画に関しては、再エネ導入を今後全島に展開していく計画なのか。その点はどのように考えているのか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 お答えいたします。
 当初の予定では7.5メガワットだったんですけれども、一応今、環境省と協議している変更計画においては5.3メガワット、約63%、当初の約60%、約37%減少ということで今計画しております。
 この後の全島展開においてですけれども、先ほども申しましたとおり、九州電力のほうの内燃機関の出力抑制が働かないような形で、公共施設群の太陽光の運用がきちんとできるかどうかというのを今年度から実証を行いまして、公共施設群において、その実証で既存の九州電力の内燃機関に影響がないというような結果が得られましたら、それを基に島内に全島展開していくという形になっておりますが、これについては、まだしっかりとした実証結果が沖永良部島内においてない状況ですので、具体的にいつまでというふうには言えないんですけれども、2050年のカーボンニュートラルというのが最終的な目標でございますので、そこに向けて今後事業を展開していくという形になっております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 九州電力さんとの協議の中で、今後再エネを増やしていけたらなという答弁でありましたが、外海離島という特殊性があるんですけれども、この島は九州電力さんのおかげで電力インフラを維持できているのかなと思います。
 先ほど室長のほうからもありましたが、管制力不足の観点で、現在の太陽光PCSの技術ですか、その点だと太陽光発電が全需要の50%―この島でですね―超えると、先ほどおっしゃったように内燃力機関の運転に支障が生じ、全島停電のおそれがあると。現在、沖永良部島における太陽光発電の割合は現時点で37%ほどになっていると思うんですけれども、その点で、当初計画の7メガワット導入に関して、インバーター、電源の割合が50%以上になるという懸念があって計画変更をしたとは思うんですけれども、この場合、今後、再エネを増やしていった場合、管制力不足、下げ代の維持が九州電力さんでできなくなった場合、九州電力さんがタービンの縮小とか、そこで対応して維持していくとか、また、電気の総需要量は変わりませんので、ただ、再エネ出力でありますので、環境によっては発電ができないときにバックアップ電源が必要になってくると思うんですけれども、その点の協議等はしっかりできているのかお尋ねします。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 九州電力との協議についてでございますけれども、先ほど議員のおっしゃったとおり、出力抑制の関係がございますので、簡単に再生可能エネルギー、太陽光エネルギー等をどんどん導入していって、全て再生可能エネルギーで賄うということは現実的ではないということは十分承知しております。その中で、どれだけ再生可能エネルギーを導入していって脱炭素につなげるかということは、和泊町、知名町のみならず、全国民または世界のほうで目指している姿でございますので、それについては全世界共通の今後の目標として九州電力さんと協議をしていくという形になっております。
 下げ代制約、出力抑制についてですけれども、これをどうやって発生させないかということで、先ほど町長の答弁にもありましたデジタルグリッドルーター、DGR、この技術で九州電力送配電のほうが賄っております通常の電力と太陽光発電で発電された電力を協調制御することによって、お互いの出力に影響が出ないような形で運用できるという、新しい離島モデルという形で全国初の取組として、今、実証実験を行おうとしているところでおります。
 その実証実験において、九州電力送配電さん、また本体であります九州電力さんのほうに参加していただいて、実際の系統の運用に影響がないかということを今後立証していこうというふうに考えております。
 また、九州電力送配電さんにおいては、これまで離島地域における様々な課題でありますとか、停電時における迅速な復旧等、非常に地域の電力に対して貢献していただいている企業でございますので、そちらの企業の方ともきちんと協議をして、いい方向で脱炭素、カーボンニュートラルに進めるような形で協議を進めていきたいというふうに考えております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 DGRをすごくいい機械と聞いております。その点で運用していくという話ですが、その再エネを脱炭素ということで増やしていった場合、必然的にもともとあった電力は再エネで発電されますので、その分、九州電力さんがタービンを回そうという発電量が減ってしまった場合、そこも下げ代維持に当たってくるのかなと思いますが、その点はどのようにお考えですか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 当然タービンの縮小とかいう形にも影響はしてくるのかなというふうに考えております。その中で、やはり九州電力さんの、ここにいる地元の雇用にも影響してくる可能性もございますし、バックアップ電源として、やはり再生可能エネルギーがうまく発電できないときのリスクへの備えとして通常の今の電力は必要でございますので、その辺のバランスをうまく保ちながら、きちんと持続可能な島づくりというふうな形で協議していければというふうに考えております。
○2番(島田浩樹君)
 室長からもありましたけれども、やはりその問題が出てくるのかなと思っております。
 一般送配電事業者は、国民の電気インフラを守るという使命がありますので、本町が太陽光を増やしていった場合、その下げ代維持ができなくなる。将来的にはタービンの縮小をしていくとなった場合、先ほどおっしゃいましたけれども、下げ代維持ができなくなって、再エネは環境に左右されますので、発電ができない場合、総需要量は変わりませんので、電気使用量ですね、そのときのバックアップ電源の確保ができなくなるおそれがあるのかなと。そこがちょっと懸念するところなのかなと思っています。
 この脱炭素を進めるに当たって、この計画も少し客観的に見ますと、九州電力さんのほうに一方的にちょっと計画書を押しつけているようにも見えたりもするんですけれども、電気インフラは本当に町民、島民の生活を守る、先ほど室長からもありましたけれども、停電しないような電線等の強化しております。
 この脱炭素先行地域事業を開始する前に、やはり一般送配電事業者である九州電力さんに声をかけて、現状課題はどうなのかというのを確認しなかったのか、そこをお聞きかせください。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 この脱炭素先行地域の計画書の提出に当たって、提案者であります知名町及び共同提案者である和泊町のほうが、直接九州送配電と協議を行ったというような記録等は残っておりませんが、事業者においては、現状とか、そういった沖永良部島内における電力の状況とかという協議は行っているというふうに聞いております。ただ、具体的にこの計画書の中身を見せて、こういった計画をしておりますとか、そういった膝を突き合わせた議論というのは行われていないというふうに今認識しております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 この外海離島であります特殊性を見たときに、九州電力さんのバックアップというのは必要なのかなと思っております。この点は後で町長にお聞きしたいと思いますので、ちょっと室長には酷な質問だったかもしれません。すみません。
 次、ちょっと事業計画のほうについてお聞きしたいんですけれども、計画変更を行ったということなんですけれども、総事業費の予算は幾らぐらいなるのか。また、具体的な内訳が分かれば教えてください。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 お答えいたします。
 現在の計画変更後の事業費につきましては19億1,251万700円というふうな形になっております。主に、大きいのが太陽光発電及びDGRの導入経費で約18億程度を予定しております。その他、EVカーシェアでありますとか、EVバスといった形で、あとLEDの導入です。申し訳ない、LEDの導入が2億ほどありますので、太陽光パネル等は15から16億ぐらいという形になっております。
 再生可能エネルギーの導入と併せましてLEDの導入、あるいはEVバス、EVカーの導入によって、電力の使用量はある程度増える可能性もありますけれども、省エネによって減るということで、全体的に脱炭素に進めるような形でCO2の排出を抑えるような取組プラス再生可能エネルギーの導入という2本柱で進めていくというふうに計画になっております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 視察後の意見交換会のときは全体で40億でしたか、計画変更後。と聞いたんですけれども、その点はどうなんでしょう。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 申し訳ない。今、先ほど私がお答えしたのは和泊町における事業費という形になっておりますので、全体としては、今、島田議員がおっしゃった40億程度ということで間違いございません。
○2番(島田浩樹君)
 本町の金額ということで。
 具体的になんですけれども、DGRの事業費は幾らぐらいになるのか。また、何台導入予定なのかお聞かせください。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 DGRにつきましては、内蔵しているバッテリー等も含めまして、今のところ具体的な単価というのが出ていないんですけれども700万、800万から1,000万ぐらいは1台かかるだろうというふうに言われております。これが量産体制ができれば、もっと価格は下がってくると思いますけれども。
 あと、公共施設、先ほど答弁した9から10施設入れるということで、その施設の契約しているアンペア数によってなんですけれども、約400台ぐらいは入るのかなというふうに考えております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 その意見交換会のときの資料を見ますと、DGRが約30億ですか。約30億かかって、DGRに。200台ぐらいの予定だったと聞きました。その残りが10億、両町折半で太陽光パネル等に使われると聞いたんですけれども、その点は間違いないでしょうか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 DGRについては、申し訳ないです。そのとおりでございます。あと、公共施設の見直しによってまた増減あるかと思いますけれども、大体それぐらい。大きなものは、やはりDGRという特許技術を持った新しい機器になりますので、どうしてもそちらのほうが高額という形になっております。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 DGRが約30億かかるということで、結構な金額なのかなと思います。
 町民福祉向上の点で考えても、LEDの導入が2億とありますが、一番脱炭素は排出です。家庭からも結構多いと思うんですけれども、そのLEDの導入に関して、各家庭に対する補助等はないのでしょうか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 LEDにつきまして、脱炭素先行地域事業の計画においては公共施設群というふうになっておりますけれども、今後やはり町民の皆様に脱炭素を進めていくに当たっては、LEDの導入に対する助成でありますとか、その他EVカー、そういったものも、ほかの、先日ご一緒させていただいた脱炭素先行地域の事例、施設において様々な自治体で取り組んでおりますので、やはり町民の意識向上・意識醸成ということで、そういった事業も今後検討していきたいなというふうに考えております。
○2番(島田浩樹君)
 その点が、一番の脱炭素を目指すに当たっては効果が出るのかなと思っておりますので、ぜひ各家庭に省電力、電化製品やら、先ほどLED等のそういう助成ができるような事業で町民福祉向上につなげたら、町民の皆様も、またその啓発活動にもなるし、脱炭素の活動にも寄与するかと思いますので、よろしくお願いします。
 電気事業者なんですが、少しPPAについてお聞きしたいんですが、初期投資の面で民間事業者のPPA事業を選定したと思いますが、本町からの一般財源の手出しはないのか。また、PPA事業にしたことによって、本町にどのようなメリットがあるのか。
 また、本町の地域雇用は、当初から言われていますけれども、地域雇用を生むということで何名ほど予定をしているのか、お願いします。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 地域電力会社についてでございますけれども、脱炭素先行地域の交付金を活用しますけれども、一般財源負担は当然発生する形になっております。こちらにつきましては、現在の財政措置の要件では当てはまるものがございませんので、町債等の充当はできないというふうに考えております。
 金額につきましては、候補者はおりますが事業者の選定は終わっておりませんし、具体的な契約金額について、まだこちらで詳細に発表できるものはございませんので、まだ金額については確定しておりませんが、一応一般財源負担はあるという形になっております。
 PPA事業者と契約を結ぶことによってのメリットでございますが、現在のシミュレーションでいきますと、今現在、九州電力さんにお支払いしている電気代よりも若干安い金額で契約をできるということで、その分、町財政的な負担の軽減が図られるという。また、太陽光パネル等を設置することによって停電時の電力の確保ができるというふうなメリットがあるというふうに考えております。
 地域への雇用につきましてですけれども、太陽光発電等の再生可能エネルギーの発電所を設置する場合は、法律によって電気主任技術者の配置が必要になってきております。先日、脱炭素推進室の専門員、推進員の方と協議したところ、1名いれば大丈夫だろうということで、自社で1名選任するか、または委託という形で行うかという、どちらかになるだろうということで、地域の雇用として、直接的には1名が地域電力会社の雇用というふうな形になるかと思いますが、その他、日々のメンテナンスでありますとか、そういった部分につきましては、地元の電気店等を活用する予定にしておりますので、そういった意味で経済的な貢献はあるのかなというふうに考えております。
○2番(島田浩樹君)
 環境省の変更の資料を見ますと、先月ですか、2023年2月17日にえらぶゆり電力設立と書かれていますが、これは、知名町はそのえらぶゆり電力さんでして、和泊町は違う電力会社を探すという認識でよろしいでしょうか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 今、えらぶゆり電力さんのお名前が上がりましたけれども、この電力事業者につきましては、環境省の交付金をプロポーザルという形で選定するという形になっておりますので、今現在、知名町さんはその選定作業を行っているところでございますので、そこになるかどうかというのは、まだはっきりとこちらで正式には決定しないかとは私のほうでは考えておりますが、和泊町においても当然デジタルグリッドルーター、DGRを使った協調制御ができる電力会社さんというのはえらぶゆり電力さんしか今のところはないかなというふうに考えておりますが、その契約の手続においては、きちんと法律に基づいて今後執行していく予定になっております。
○2番(島田浩樹君)
 今後、選定していくということでしたが、PPA事業者の場合、長期契約になると思うんですけれども、そのPPA事業者は何年契約を今考えているのか。また、PPA事業者を選定した場合、そのPPA事業者は何年で大体採算が取れるような試算をしているのかお尋ねします。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 お答えいたします。
 契約期間等については、PPA事業者のほうからの提案というのは知名町のほうにあるかと思いますが、こちらのほうは、まだ事業者からそこまで具体的な提案はいただいていないというか、ここで答弁をするのは差し控えさせていただきますが、当然事業者においても、この太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーを導入することによって事業の採算性がどれぐらいあるかというのはきちんと収支のシミュレーションを行って、今提案をしていただけるというふうに考えております。
 ここの総事業費の確定があった後、どれぐらいの期間を契約すればきちんとした採算が取れるのか、施設の維持管理はもちろん、更新についてどれぐらいの費用が発生するのかというふうなことを計算して、様々なシミュレーションを持って、またきちんとした提案がいただけるというふうに考えております。
○2番(島田浩樹君)
 PPA事業者は15年から20年、また30年をめどにして、この前ちょっとお聞きしたんですけれども、20年目から元が取れるというふうにお聞きしました。
 民間運営ということに関しては、すごい経営がスタートから厳しいのかなと思うんですが、この脱炭素先行地域事業は、知名町が主として、和泊町も共同提案者になっていますが、計画変更後も当初の計画どおり地域エネルギー会社は必ず必要な形になると思っています。その地域エネルギー会社の経営が厳しくなった場合、本町の第三セクターになる可能性とか、その点はどのように見ているんですか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 地域エネルギー会社が第三セクターになる可能性については、今現状のところではそのような可能性はないというふうに考えております。そういった形にならないように、町が出資してしまうと第三セクターということで、株式会社の場合は株主という形で経営に参画することになりますので、その分リスクを負う形になります。そういった形にならないように、なるべく民間の事業者がきちんとしたリスクを負ってこの事業を進めていく。町にはリスクが少ないような形で進めていけるような組織体制づくりというのを今検討しておりますので、今現在、私のほうでは、町が出資をするという可能性はないというふうに考えております。
 また、民間の事業者が太陽光発電設備等を設置いたしますので、その部分については、民間の事業者が当然リスクを、責任を負うわけでございますが、公共施設群に設置するということで、公共施設に何らかの支障を来した場合は町にも当然リスクというか、修繕の費用等が発生する可能性もございますので、その辺については、きちんと今後決定されます新電力会社、地域電力会社と協議をして、きちんとした契約という形で、リスクの分担とか明確化について協議を進めていきたいというふうに考えております。
○2番(島田浩樹君)
 第三セクターにならないということではありますが、まずスタートが、この事業は知名町が主として、和泊町が共同提案者になって、その後、この計画に対してエネルギー会社が必要だということで後から入ってきた、なのかなと思っています。その点しっかりと民間から主導したらいいんですけれども、今回は知名町を主として、和泊町が共同提案している事業でありますので、その点もしっかりと課題がないのか検討する必要があるかなと思います。
 今回は、当初計画から脱炭素先行地域事業、当初計画のほうから7メガワットですか。今回大体4メガワットという縮小計画となっていますが、また、九州電力さんとの何か協議も不十分に感じられて、非常に厳しいのかなと思っております。環境省からも先行地域の認定として厳しい意見も述べられたと聞きました。最悪の場合、認定の取消しの可能性というのはあるのかどうなのか。
○脱炭素推進室長(永野敏樹君)
 今、変更計画について環境省の外部評価委員会におけるヒアリングを先月行いまして、また今月予定されております。その変更計画について、外部評価委員会の方から厳しい意見が一部あったことは事実でございます。また、今後どういった形でこの変更計画を承認していただくかということは、今は正念場かなというふうに感じておりますが、ただ脱炭素を実現させる沖永良部をモデルケースとして全国に脱炭素ドミノを波及させるという大きな目標についてはぶれておりませんので、この取組をきちんと環境省の評価委員会の方々に評価していただいて、先行地域の取消しとならないように、今現在、環境省含め、フォローアップをいただきながら評価委員会のほうへ資料提出でありますとか、説明を行っているところでございます。ですので、認定を取り消された場合のことは、申し訳ないんすけれども、まだ、今現在は具体的には検討してございませんけれども、今後も引き続きこの脱炭素先行地域として事業が実施できるように、計画のさらなる精査でございますとか、先ほどから答弁しております九州電力送配電並びに関係事業者との協議をきちんと進めていく。また、町民への啓発活動も併せて進めていくという形で今後も事業を進めていきたいというふうに考えております。
○2番(島田浩樹君)
 環境省さんのほうからすごい厳しい意見だったというのは、やはり国もドミノを起こそうとして、その当初の計画、7メガワットですか、そこからやっぱり4メガワットになってしまうと、本当の当初の目的は4メガワットじゃないのかというのは、多分国が思うところでありますので、その点しっかりと、今後、課題解決できるように取り組んでいっていただきたいと思います。
 脱炭素に対しては反対というわけじゃないんですけれども、進め方について少しちょっと疑問というか、課題があるのかなと思って質問しました。
 ちょっと総務課長にもお聞きしたいんですけれども、当時企画課長でしたので、この件は令和3年1月の全員協議会の場でマイクログリッド事業、地域電力会社、本町は共同提案なので、隣町の取組を見てから計画変更はできるという説明を受けたんですが、今、この現状を見ますと結構厳しい状況になっていまして。隣町の取組を見てと思っていたら、当初説明した内容と違ってきているんですが、その点、財政を取り扱う総務課長としての見解をお聞かせください。
○総務課長(林 義仁君)
 第1回目の申請の段階では企画課にいましたので、私、その段階では、当然マイクログリッドを地域で作って、マイクログリッドで脱炭素先行地域をやっていこうという計画でした。その時点でも見直しができるというふうに我々も聞いていましたので、それで進めて、総事業費50億という形で、和泊町、知名町で25億ずつという形で1回目の申請を出しましたが、そういう形で見直しができるというふうに聞いていたので、そういう説明を行いました。
 以上です。
○2番(島田浩樹君)
 我々もその認識で聞いていたので、結構推進をして、いろんな課題が出てきたのにちょっと驚いているところであります。
 ここで、町長のほうにも聞きたいんですけれども、脱炭素社会の構築は、やはり今後必要だと思いますが、先ほど室長のほうともいろいろ説明、質疑しましたが、九州電力、計画変更の課題を考えますと、なかなか地に足のついた事業に少し思えないのかなと思います。
 本町は、ゼロカーボンシティ宣言を令和4年1月7日に宣言しています。脱炭素先行地域の提案書を翌月の2月21日に共同提案として提出しているんですよね。この1か月余りでいきなりゼロカーボンシティ2050年を目指したのが、2030年に脱炭素先行地域にゼロカーボンを目指さないといけないという計画になって、隣町の事業に1か月余りですから手を挙げてしまって、計画変更を余儀なくされているのかなと。
 この計画変更と課題を考えたときに、脱炭素先行地域に選定される前に、本町の課題、脱炭素の調査、その点はなぜ指示をしなかったのか、町長にお尋ねします。
○町長(前 登志朗君)
 令和4年1月7日にゼロカーボンシティ宣言をいたしましたが、私は、その前年度の6月の選挙で戦って町長になったわけなんですけれども、そのときからの公約で、本町、今後ゼロカーボンシティを追求し、脱炭素の先行地域になるんだということで皆様方に訴えかけてきたわけでございます。そして、国の脱炭素先行地域があるという、100の地域を決めるよということが決まった中で、その前提条件としてゼロカーボンシティ宣言というのが必要であるということで、年を明けてその宣言をさせていただいたというところでございます。
 その決まる前に、先ほど九電とはなかったのかということもございましたけれども、九州電力送配電のほうから福岡からも担当の方が来ていただいて、ウェブでとか、直接来ていただいて話合いもしましたけれども、そのときには、九電のほうからそういう問題提起はございませんでしたので、実際、始まってから、様々こんなこともあるよ、あんなこともあるというのが出てきたというのが現実のところではございますが、環境省も沖永良部島でこれがうまくいかなければ、日本の離島、世界の離島では脱炭素はできないという認識も共通に持ってございますので、もちろん様々な注文もつけられる中で、でも、伴走していって、とにかく沖永良部の形をモデルにしようと、ここで成功しなければ、ほかの島はどこもできないですよねという共通認識の中でやっているところでございます。
○2番(島田浩樹君)
 世界が目指しているということで、脱炭素に取り組むという姿勢は非常に分かります。脱炭素をして、先ほども質疑を通しましたけれども、この町民、島民に電気インフラ、非常に大切であります。この島に関しては、九州電力さんはこれ以上できないという、だから、その辺の調査をなぜしなかったのかという質問でもう一度お願いします。
○町長(前 登志朗君)
 ユニバーサル料金の部分だと思うんですけれども、その部分は、事前協議のときにも九電からそういう発言がなかったので、そこは実際に、これが起こった後にそういうものが上がってきたというところが実際のところでございます。
○2番(島田浩樹君)
 九電さんから言わなかったんではなくて、先ほど室長とも話ししましたが、なぜ九州電力を入れなかったのかという当初の計画です。脱炭素先行地域事業に入る前に、やはり九州電力さんとの、一般送配電事業者との話合いをしなかったのか。その点はどうお考えですか。
○町長(前 登志朗君)
 お声がけはしておりましたが、メンバーには入ってはいただけませんでしたけれども、事前協議の中ではお話をしているところでございます。
 また、九電自体は非常に経営がいい企業でございますが、奄美、離島に関しては完全に赤字経営で、いわゆるユニバーサル料金というのを保って本土並みの料金で電気を我々に使わせていただいているわけで、そのおかげで我々は非常に助かっているわけですから、そこのところ、今後もきちんと話合いをしていきながら下げていく。九電も脱炭素に向かっていること、本社も向かっているわけですから、その中で今後協議していきながら、その形をつくっていこうということで、今回このDGRの結果を見て、それをまた九電としても広げていこうというところでございます。
○2番(島田浩樹君)
 国民の電気インフラを守るという使命がありますので、一般送配電事業者はですね、その点、両町がしたから、それが維持できなくなったというのは、島民、町民の皆様に迷惑かけるので、その点はしっかりと課題として検討していただきたいと思います。
 今後、環境省から認可が下りても、九州電力さんとまた公共施設の電力の在り方等の問題、またバックアップ電源等の問題も出てくると思っています。
 また、先ほど言いましたけれども、PPA事業者に関しては約30年で、採算性が合うのが20年と、このDGR、言われていますが、その点、町長は有利な事業に惑わされず、本当に町民のために必要なのかと。高い費用対効果を生み出すものなのかという民間感覚のコスト意識を持つと、先ほど脱炭素の公約で掲げていたと。この点も公約で掲げていましたけれども、この民間コストの意識で考えた場合、再エネ、この事業は成り立つとお考えであるのか、どうでしょう。
○町長(前 登志朗君)
 今回PPAで展開していく中で、現在国の、特にその再エネの部分については4分の3でしたか、3分の1か、かなりいい利率の国の事業があって、そして、その補助裏の部分、本来町が持つ部分をPPA事業者に持っていただくという、まだ、決定ではございませんが、その計画で進めていくという中で、そうであれば、町の手出しが再エネの部分については、最初は町が持つはずだったところがPPA事業者に持ってもらえるということですので、非常に再エネを入れながら、町としてはこれから確実に電気代が上がっていく中で、それよりも低い料金で、低額で電気が使えるということで、今後、町の運営にとっても非常にいいことになるというふうに考えております。
 また、脱炭素の先行地域を取ったおかげで、例えば、昨年度、ダイセルさんから1億5,000万の企業版ふるさと納税をもらった。そのときも、先日社長さんにお会いしましたけれども、何で和泊町なんだ、何で会社としてもこんな1億5,000万も出したことないのに何でなんだということで、取締役会で非常に問題になったと言っておりましたけれども、それは、やはりこんな離島が脱炭素に向かって持続可能なまちづくりに取り組んでいると。それをSDGs企業として応援するのが企業としての在り方なんだということで、ダイセルさんもやってくださっておりますし、先週末にはヤマハさんですとか広島大学さんが、これからのいわゆる持続可能なモビリティー社会を構築するために一緒にやっていこうよとか。この間、タラソに持続可能な事務の運営のために新しく、新しくじゃないんですけれども、器具をくれて、また企業としてもそれを宣伝することによって、今後こういう町を応援することによって企業も企業価値が上がり、これから運営がしやすくなるということで、ウィン・ウィンの関係でいろいろな企業が和泊町を応援しようというふうに言ってくださっております。それもやはり脱炭素の先行地域というのを掲げて頑張っているところをみんなが応援しようというふうになってくださっているということで、そこは本当に感謝をしているところでございます。
○2番(島田浩樹君)
 町のPPA事業をすると持ち出しはないということで、非常に町としては有利だと思いますが、地域エネルギー会社を運営するのも民間でありますので、その点、民間の負担になってしまっては元も子もないのかなと。持続可能なまちづくりをする中の脱炭素社会の番号が打たれていますので、民間に不利な影響がないように、しっかりと今後の課題なのかなと思っております。
 先月、脱炭素先行地域事業調査特別委員会6名で日置市、阿久根市、さつま町を視察して課題等をもらいましたが、日置市においては、再エネ電源が2割、一般送配電事業者から電気購入が8割、再エネで賄えない電気は購入しているとのことでした。経営がやはり厳しいということで民間も入っていたんですが、太陽ガスさんですね、厳しいということで、10年後の事業継続は不透明ということでした。
 阿久根市においては、総事業費10億で太陽光発電を設置し、5億の蓄電池を導入して、発電・蓄電の機能は100%果たしていましたが、売電目的で設置しましたので、これも導入前に九州電力さんとの協議をしていなかったため、今、売電ができていない状態。売電ができていないので、運営維持のため、今後一般財源の持ち出しが出てくると担当の方から説明がありました。
 さつま町に関しては、民間事業者が多数参入していて、さつま町全体を賄える電力がもう今、民間の電力会社が持っている状況でした。今後、脱炭素先行地域には選ばれていませんが、電力を地産地消できるように、エネルギービジョン策定に向けたアンケート、このような、さつま町は作っております。今後の事業を町民にしっかりと理解して、行動変容を起こして進めていくということでした。
 そのアンケートの中身ですけれども、さつま町の町民ですが、行政が事業するのであれば、直接的に家庭に補助的な金銭的な補助があったほうが一番いいというアンケートもありました。私も町民としてはそのほうがいいのかなと思っております。
 そのビジョンを描く中で、知名町は、あしびの郷でマイクログリッド構築に際しては町民説明会等がありました。国頭地区のマイクログリッド説明会では、担当の方2人と京セラさんですか。町長は不在でありましたが、この計画をするに当たっては、町長自ら脱炭素の取組を説明する責任があると思うんですけれども、その点はどのように考えますか。
○町長(前 登志朗君)
 今後、積極的に町民の皆さん方に現状説明し、これからのこともお話をさせていただきたいと思っております。
 現在、環境省のほうと最終的な詰めでございますので、これが決まり次第、説明をさせていただきたいと思っております。
 最初の計画では、国頭地区のほうにマイクログリッドということでございましたけれども、現在、空港のほうは県のほうで空港の再エネ化を進めてくれるということでございますので、国頭地区が外れて、またほかのところでという計画変更になっておりますので、そこがきちんと決まった段階で、また、それ以前にも様々な再エネ導入に関する啓蒙活動につきましては、脱炭素推進室のほうで積極的に進めてまいりたいと考えております。
○2番(島田浩樹君)
 環境省だけではなくて、やはり九州電力さん、経済産業省ですか、その点の絡みも出てくると思いますので、しっかりと説明というか、協議をして進めていっていただきたいと思います。
 脱炭素社会は必要でありますので、それが本町にとってどのようなメリットが、また町民福祉向上になるのかというのをしっかりと、ゼロカーボンシティ宣言から脱炭素先行地域事業に選ばれるまで1か月余りしかなかったので、その点の計画性はちょっと行政の手法としてはいただけなかったのかなと思っております。
 今回、視察で感じたことは、机上の中ではいい数字が出るんですけれども、やはりエネルギー高騰、また地域エネルギー運営に関して非常に厳しい運営でありました。今後も計画としては、町民の行動変容を起こして、脱炭素先行地域に資する計画にしていただきたいなと思っております。
 今後も脱炭素先行地域調査特別委員会のほうでも、町民福祉向上になるための引き続き調査等も行っていきたいと思います。
 以上で一般質問を終わります。
○議長(永野利則君)
 これで島田浩樹君の一般質問を終わります。

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