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更新日:2021年3月23日

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第1日(3)

発言者

前 利悦

発言内容

○議長(永野利則君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、前利悦君の一般質問を許します。
○6番(前 利悦君)
 まず初めに、9月に伊地知町長が4期目の就任をし、3カ月が過ぎました。その間に、天皇皇后両陛下が来島し、隣の知名町では新町長が21日に就任することになりました。
 1月からは西郷どんが放映されます。両町、沖永良部島が光り輝くような町政を推進してほしいと思います。
 4点について通告してありますので、質問をさせていただきます。
 1、行幸啓について。
 ①沖永良部島における行幸啓について、沖永良部の魅力をどのようにお伝えしたのか。
 ②両陛下の足跡をこれからの町政にどのように生かしていくのか。また、記念碑の建立などは考えていないのか。
 ③皇居勤労奉仕に本町からも参加している人がいると聞いているが、どのような手続を踏めば参加できるのか。
 2番目、財政について。
 ①新庁舎建設のための交付税措置のある起債を活用した上で、今後5年間の財政のシミュレーションはどのようになっているのか。
 3、新庁舎建設事業について。
 ①今後の工事日程はどのようになっているのか。
 ②建設事業費の65%は地元建設業者に発注されると明言しているが、具体的な工事内容はどのような工種なのか。
 4、教育行政について。
 ①児童の数が激減し、1学校全体の総数が以前の1学級当たりの人数よりも少ない学校もあるが、児童数の増に向けてどのように取り組んでいくのか。
 ②和泊小学校の天体観測施設の利用状況はどのようになっているのか。また、利用促進についてどのように考えているのか。
 ③本町の学校教育の一番の課題はどこにあると考えているか。また、その課題の克服に向けてどのように取り組んでいるか。
 以上で、壇上からの質問を終わります。
○町長(伊地知実利君)
 前利悦議員の一般質問に順を追ってお答えいたします。
 行幸啓についてでございます。
 松村議員の質問にもお答えしましたとおり、主に沖永良部の歴史について話をさせていただきました。西郷隆盛翁が流謫された1年6カ月の間に島民に経済、政治など多くのことを教え、島の基盤を築いたこと、えらぶゆりの栽培の歩みなどについて話をさせていただきました。
 また、基幹産業である農業について、温暖な気候を生かした農作物の栽培や児童生徒への歴史と伝統文化の継承に努めていることなどについてもお話をし、天皇皇后両陛下に沖永良部の文化や風習を含め、沖永良部のよさをご認識いただけたと同時に、島の人たちの人情味あふれる温かさを感じていただけたと思っております。
 2点目についてでございます。
 今回の行幸啓につきましては、昨年8月、天皇陛下が退位の意向がにじむお気持ちをあらわした際、遠隔の地や島々への旅も大切なものと感じてきましたと述べられており、今回の訪問も、皇后様とお二人で強く望まれたと伺っております。
 沖永良部島と与論島の訪問は今回が初めてとなり、空港や沿道には、両陛下のご来島を喜ぶ多くの町民で埋め尽くされ、沿道で手を振ってお迎えされている町民の皆様にも、丁寧に、またにこやかにお応えいただきました。
 本町においては、国頭小学校を訪れ、樹齢110年を超すガジュマルをごらんになり、児童生徒による昔ながらのサタグルマを使った黒糖づくりと民謡永良部百合の花の合唱をお聞きになりました。
 天皇皇后両陛下をお招きの昼食会の席においては、両陛下はえらぶゆりの歴史や西郷隆盛翁、島の産業について熱心に私どもの話に耳を傾けていただき、気さくに話しかけるなど、とても和やかな時間を過ごすことができました。
 それぞれのお立ち寄り先では、ご慈愛に満ちた表情や温かいお言葉で接していただき、多くの町民の皆様が両陛下と触れ合うことができて、大きな喜びであったと思います。この行幸啓が町民の皆様の活力となり、今後の町政の発展につながることを心から願っております。
 記念碑の建立については、松村議員の一般質問にもお答えしましたように、沖永良部島初の行幸啓記念といたしまして、末永く後世に残すことが重要であると考えており、本議会に補正予算を提案させていただいております。
 3点目の皇居勤労奉仕につきましては、宮内庁のホームページに案内が記載されており、それによりますと、連続する平日の4日間、皇居と赤坂御用地で除草、清掃、庭園作業を行うとなっております。
 主な参加資格は、健康に責任を持てる方、年齢が15歳から75歳までの方、恒常的に一緒に活動している方々で構成された団体で、人数は15人以上60人以下となっております。受付は、奉仕を希望する月の6カ月前となっており、受け入れ人数を超えた場合には抽せんとなっております。費用については、全て団体または自己負担でございます。
 詳しい申請要領や申請用紙などは宮内庁のホームページに記載されておりますので、そちらをごらんいただきたいと思います。
 大きな2点目、財政についてでございます。
 新庁舎建設のため、交付税措置のある地方債を活用した場合の財政シミュレーションについてでありますが、庁舎建設に活用できます市町村役場機能緊急保全事業債を活用した財政シミュレーションは、平成28年度決算に伴う財政指標であります実質公債費比率16%、将来負担比率116.1%をベースとして平成29年度以降に実施予定の庁舎建設事業を含む普通建設事業について、各課、局へ照会し、各課、局が回答した事業計画と今後の普通交付税などを推計し、算出しております。
 今後の財政シミュレーションにおける財政指標についてですが、実質公債費比率は海洋療法施設建設や有線テレビデジタル化事業などの大型公共事業に伴う地方債償還のピークが過ぎたことから、今後3年間程度は低下する見込みですが、新庁舎建設に伴う地方債の元金償還が開始される平成33年度に上昇し、実質公債費比率が16%を超えますが、その後は低下する見込みであります。
 将来負担比率につきましては、新庁舎建設が完了する平成30年度に上昇し、130%を超える見込みでございますが、その後は徐々に減少し、平成36年度には100%を切る見込みとなっております。
 新庁舎建設に伴いまして、財政指標は若干悪化する見込みでありますが、平成27年度から取り組んでおります財政健全化取り組みの結果として、経常収支比率が改善されており、また、地方債残高は平成26年度末から平成28年度末の2年間で約8億9,500万円減少し、基金残高が2億3,000万円増加するなど、財政状況は改善されております。
 今後も引き続き、新規地方債の発行の抑制や事業の優先順位づけなどにより、財政健全化に取り組んでまいりたいと思っております。
 新庁舎建設事業についてでございますが、1点目のご質問の、今後の工事日程については、新庁舎の建設工事を効率よく進めるため、現在、庁舎別館の一部解体工事を行っており、年内には終わる予定となっております。
 年が明けて、1月11日に新庁舎の起工式を行い、本格的に工事が始まり、平成31年3月末の全工事完了に向けて着実に取り組んでまいります。具体的な作業工程につきましては、3月までに基礎工事を完了、その後、型枠、鉄筋、コンクリート工事などの躯体工事を行い、外装、内装、設備工事などの作業へと移っていき、12月中旬ごろには新庁舎の竣工を予定しており、その後、現庁舎から引っ越し作業を行った後、平成31年1月から現庁舎の解体作業と外構工事を並行して行い、平成31年3月中には全工事が完了する見込みとなっております。
 工事期間中は、来庁者の皆様にはご不便やご迷惑をおかけすることになりますが、町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げたいと思っております。
 2点目の地元建設業者によって行われる具体的な工事内容はどのような工種なのかということでございますが、このことについては、事業者との協議などで再三にわたり要請を行っており、事業者においても理解をしていただいていると考えております。
 具体的な工種についてですが、建具の材料やタイル工事など、地元業者では調達が困難あるいは不可能な部分を除き、工事全体において地元業者を主体として行う方針であり、型枠や鉄筋工事などの躯体工事などを初め、内装工事など、手間が不足する部分などについては、島外業者からの応援をいただきながら、年内の竣工に向けて施工する計画となっております。
 また、外構工事や解体工事についても町内業者で行う予定となっており、建設工事に係る全体事業費のうち約65%は地元業者への発注見通しとなっております。
 以上で、私への質問については、壇上からの答弁を終わりますが、次からの質問については、自席から担当課長からも答弁させていただきます。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 前議員の教育行政についてのご質問にお答えをいたします。
 まず、本町の児童生徒数はここ数年、やや減少か横ばいの状況が続いています。児童数の減少により、内城小学校、大城小学校、国頭小学校において、複式学級となる学年があり、小規模校のよさを生かした教育活動の充実を図りつつ、教育効果が上がるよう、小中一貫教育を推進するとともに、学習支援員を配置して、少人数指導の充実に努めています。
 ご質問の児童数の増加に向けての取り組みについてですが、児童数の推移は、町の人口動態と直結する問題であります。人口減少対策は大きな行政課題であり、各種施策を講じているところであり、今後とも、和泊町まち・ひと・しごと創生人口ビジョンを参考に、総合振興計画に沿った各種施設を講じていく必要があります。
 県内や郡内の小規模小学校においては、児童数が激減したことによる学校再編の検討の中で、留学生制度を導入して児童数の確保を図っている自治体もあります。本町においても、今後の児童数の動向を把握しながら、学校の統廃合も含めた検討の中で、留学生制度などによる児童生徒の確保対策も視野に入れた形で検討してまいりたいと考えております。
 2つ目の質問にお答えをいたします。
 和泊小学校の天体観測施設については、和泊小学校の授業やクラブ活動、学級レクリエーションなどにより、学内で活用されているほか、和泊小学校以外の児童生徒などにかかわる利用としては、他小中学校の学外授業や小中学校の宿泊学習、各字子供会活動、和泊幼稚園、町外幼稚園児の利用などが実施、計画されています。
 一般への開放としては、年16回実施、計画されている天体観望会やプラネタリウム鑑賞会を初め、各団体での利用などで利活用が図られているところであります。
 11月末現在までの利用者数は、子供632名、大人210名を数え、町民を初め、多くの皆様に利用されております。また、利用促進を図るため、学校職員等を対象とし、プラネタリウム、天体望遠鏡機器操作研修会を年5回実施、計画し、施設を扱う職員の操作技術等の向上にも努め、利用者がより充実した研修に臨めるように取り組んでおります。
 3つ目の質問にお答えいたします。
 本町の学校教育の一番の課題は学力向上であります。6月の第2回定例議会で議員からの質問にもお答えしたところですが、現状と今後の課題についてお答えいたします。
 課題の克服に向けての1つ目は、家庭学習の時間の確保です。児童生徒の家庭学習の時間の目安として、家庭学習60・90運動があります。毎月の調査の平均値ですが、全ての小学校で60分以上、中学校で90分以上確保されています。調査結果から、時間の十分でない児童生徒については、家庭と連携して、時間の確保に努めているところであります。
 2つ目は、児童生徒の学習意欲を高めることです。このことは授業での学びの姿勢とも言えますが、子供たちが自分の夢や将来を見据えて、学習に取り組む姿勢を醸成していくことが重要であります。
 やらされる勉強ではなく、自分の夢や目標のために今努力する学習となるように、学校で、家庭で働きかけています。このことは、高校受験や就職の際など、自分の目標や夢に向かって力を発揮できる人間づくり、自己実現に向かう姿勢づくりにつながります。
 これらの取り組みに対し、学校と家庭、地域が一体となって話し合う場として、6月と2月の年2回、町学力向上推進委員会を開催しています。学校、家庭、地域の連携、学校間連携の緊密さは、伝統的な本町の強みですので、これらの成果と課題を精査しつつ、町を挙げた具体的施策を推進してまいります。
○6番(前 利悦君)
 それでは、質問をさせていただきます。
 行幸啓についてですけれども、西郷さんの基礎、そして、えらぶゆりの歴史、そういうもので永良部の人たちの人情味とかそういうものをお伝えしたということですけれども、まさに、沖永良部はそういう島だと思います。
 これをぜひ、永良部の島はこういう島だということをもっと発信できるようなことを考えていただきたいというようなことで、そういう質問をしたんですけれども、それで、この行幸啓について、いろいろ話を聞いている中で、もう6回も沿道に行って手を振ったと、そういう人たちも何人かおったわけですけれども、往復のたびに行って、手を振って、旗を振って、そういう状況で、興味がどれだけ、喜んでおったかということを本当に感じるわけです。
 そういうことで、それをぜひ、これからに残してほしいということで、自分なりに考えてみまして、国頭では実際に、サタグルマを動かしてキビを絞る、そういうところをごらんになられたということですけれども、そこに、国頭は、ガジュマルがもちろんあって、そこに訪れてくる人たちはたくさんいるわけですけれども、何かそういうものができないかなという思いで、一つの提起として考えていただきたいと思うんですけれども、ガジュマル、それから汐干す母の像とか、国頭ばかりになってしまうんですけれども、そういうことをちょっと考えてみました。
 それで、皇后陛下が、えらぶゆりの球根に非常に興味を示したということを、昼さんの言葉の中でも聞いた思いがするんですけれども、そのときには、ユリの花がプランターに、永良部の各道のところに飾られたわけですけれども、これを、もう今は花はなくなってしまったんですけれども、これだけで終わらせるのはちょっともったいないなという、そういう思いがして、これを道にずっとというのはちょっと難しいかもしれないですけれども、それを空港に、何とか花は、知名の平さんの話を聞きましたら、11月から5月まではずっと咲かせることができるということを聞きまして、ほんの、できたらたくさんあったほうがいいんですけれども、それを空港のロビーとか通路にとか、飾ることができないかという思いがしています。
 前に各課の予算の審査のときですかね、空港関係者の方が来られて、通路に何とか考えてみましょうということだったんですけれども、それが今、空港にそういう形でできているかどうか、それを企画課長、現在の状況をお知らせください。
○企画課長(川畑裕一君)
 以前にある青年の提案でもって、年がら年中というわけにはいかないけれども、11月あたりから五、六月あたりまでは、ユリの花を咲かすことができるよということで、試験的に本人がやってみようかということで取り組んだのですけれども、やっぱり一人ではなかなか厳しかったというような結果に終わっております。
 そういったようなこともございまして、何とかモニュメントみたいなのができないのかなということで、現在、それについて、いろいろ話をしているところでございます。
○6番(前 利悦君)
 なかなか花というのは難しい面もあるのかもしれないですけれども、モニュメントですね、せっかく永良部、ユリの島、国宝ですので、何かユリを感じられるような、そういう施設、取り組みをぜひしていただきたいなと思うんですけれども、先ほど、松村さんのほうでもあったと思うんだけれども、空港に何かそういう花が飾れないかと、そういうことで、私は飛行機に乗って、ほかの空港に行ったことがあるんですけれども、庄内空港と、それから種子島空港ですね、おりたときには、本当にほかの空港と違うような、そういう雰囲気を感じました。
 庄内空港を、玄関を出たら、もう緑があるわけですね。ほとんどの空港に、まちの中にあるわけですから、ないんですけれども、まず最初はそこを感じました。
 それから次に、11月に種子島空港に行ったとき、向こうも、もともと山を切り開いた空港じゃないかなというふうに思うんですけれども、緑があるわけですね。それを見て、沖永良部空港、どこか海側ではなくて、畑のほうのどこか隅っこに、永良部で咲く花というのは先ほどもありましたけれども、ハイビスカスとか、これもほとんど年中咲くし、それからブーゲンビリア、これも咲くし、これをずっと植えられないか、飛行機の進路に邪魔になれば、それは無理なんですけれども、何かそういうことを考えたんですけれども、そういう取り組みができないかということ。
 それともう一点は、これはもう14年ぐらい前になりますか、那覇空港に行ったとき、結構、飛行機に乗るまで通路が長いんですけれども、そこに胡蝶蘭がいっぱいずっと並べてありました。永良部も、もとは胡蝶蘭をたくさんつくっておったんですけれども、そういう花をまた今、花が、胡蝶蘭なんかは葬式でいっぱいあって、家庭でもなかなか、それを育てるのは難しくて、そこを空港に提供してもらって、どこかに飾れないかと、そういう思いもするわけですけれども、その辺のことについてはいかがでしょうか。
○企画課長(川畑裕一君)
 空港のほうに花を咲かせるというテーマは、これまでもいろいろな形で進めてまいりましたけれども、やはり台風、それから塩害ということで、限られた花木しか育たないというような状況の中で現在進めておりますけれども、ただ、国頭の地域の皆さん方が非常に一生懸命になって、何とか咲かせたいというような思いがございます。
 私は、ぜひやっぱり、あの方々の気持ちを大事にしてみたいなということで、支援という形で現在、花などを提供しているところでありますけれども、そういった形で進めながら、かつ、先ほど言われました、花ではなくて花木というものにも重点を置いて、空港の手前ではなくて、斜面あたりなんかは少し咲いているのが現在ありますので、何とか咲かせることができないのかなというのは感じたところです。そういうような形の中で進めていきたいなと思っております。
○6番(前 利悦君)
 永良部、ユリなしの空港になったわけですけれども、その辺の状況がよく、今見ている状況では、余り感じられないものですから、ぜひ、せっかく花の島であるし、ユリをもとにして、これが永良部の人たちの精神というんですかね、チムグクルをつくったものだと思っています。
 本当に一生懸命働く島、こんな島はほかにはないと思う。私は、永良部の人は一番働くし、本当に勤勉な人たちだと思っています。
 そういうことで、やっぱり何か、永良部の人たちをアピールできるような、そういうことをぜひ考えていただきたいと思います。
 それで、少しユリのことについて、もう少し質問したいんですけれども、永良部の人の精神であるチムグクルとよく言います。これは、115年余りの歴史を持つえらぶゆりの栽培や西郷南洲翁の敬天愛人の思想に育まれたものであると言われているし、そう私も思っています。その中で、えらぶゆりが年々減少して、昨年の第4回定例会で、同僚議員の質問で、28年が1万1,138箱、金額にして9,767万6,000円ということでした。もうついに、昨年は1億円を割ってしまったわけです。
 それで、ことしの状況がわかっているかどうか。ことし、この29年は、箱、それから金額ではどれくらいになっているか、お願いしたいと思います。
○経済課長(武 吉治君)
 ユリ栽培に関して、おっしゃるとおりでございます。やはり生活環境の変化、そして高齢化に伴い、年々減っておりまして、5,000万を切ったということでございます、去年以降。
 ことしの見込みについては、おおむね現状維持という形で、おおむね4,500万ぐらいを見込んでおります。天候にも特に問題ないということでございますので、これ以上減らない。そして、いつかもう一度人気を盛り返すためにも、これ以上減ると、また、急激にふやすということが厳しくなるので、そういった指導を含めた農政の推進に努めてまいりたいと思っております。
○6番(前 利悦君)
 5,000万、これは和泊町の金額ですね。私は、これは、9,700万と言ったのは、両町合わせてですね。これは、両町合わせての金額というのは幾らだったでしょうか。
○経済課長(武 吉治君)
 球根に関しましては、先ほど申し上げたのは、和泊町のみの数字でございました。おおむね横ばいでございまして、ことし、28年度産の数字しか持っておりませんが、4,200万、そして知名町が3,800万、合わせて8,100万となっております。
 また、この年はちょっと不作でございましたので、ことしはまた、ある程度は見込まれると思っております。
 また、高知の土佐花きの方々もいらっしゃいまして、視察をした際にも、今後とも買っていただくということも約束しており、さらに、競争相手じゃなくて、一緒に協働で伸びようという話もしております。
○6番(前 利悦君)
 それで、最高だった年はどれくらいだったのか、その辺をお願いしたいと思います。
○経済課長(武 吉治君)
 平成の初めのころだったと思いますが、おおむね10億ぐらい両町で売っていた時代がありました。そのころは、現在と生活環境も違いますし、また、ユリ自体も非常に高く売れていた時代でございます。
○6番(前 利悦君)
 時代の流れかもしれないんですけれども、減った、非常に寂しい思いがするわけですけれども、これ以上減らさないように、また新しい品種を開発しているようですので、やっぱり永良部の島は、えらぶゆりの島であるし、花の島であるということをぜひ、これからもそういうことができるように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、精神の面で、西郷どんのことに触れますけれども、1月から放映がされるわけですけれども、この西郷どんへの関心をさらに町民に深めるために、学校では今、チムグクルの教育というのがされているわけですけれども、その状況をサンサンテレビで放映すると、そういうことができないかどうかということが一つ。
 それからもう一つは、西郷どんのことについて、顕彰会があるわけですので、その顕彰会の人たちの座談会の状況をサンサンテレビで放映するとか、そういうことで関心を深めていくとか、そういうことは考えられないのか、それをお願いしたいと思います。
(録音漏れ)
○議長(永野利則君)
 休憩前に引き続き一般質問をお願いします。
○6番(前 利悦君)
 それでは、行幸啓の3点目、勤労奉仕作業ですけれども、これは町は一切かかわっていないと、ホームページからだけ参加しているという、そういう状況なのか、その辺を教えてください。
○総務課長(種子島公彦君)
 勤労奉仕についての申し込みなどは、行政を経由することなく、直接宮内庁へ申請しておりますので、本町から何人行ったとか、そういう状況については把握していない状況でございます。
○6番(前 利悦君)
 それでは、2点目の質問に行きたいと思うんですけれども、財政について、これは新聞の記事なんですけれども、16年度の普通会計決算ということで、実質公債費比率、和泊町は依然、県内最高と、和泊町が一番高いということが報道されているわけですけれども、町長、これをどのように思っていますか。お願いしたいと思います。
○町長(伊地知実利君)
 新聞の報道で出ています経常収支比率、実質公債費比率、それについては、確かに県下でワースト1ということで報道を受けております。ただ、私どもがこの数字になったものは、ただ寝とって出た数字じゃありません。町民の福祉のためにどうすればいいかということで、町民の要望、町民のためにどうすればいいかということのあかしがこの数字でありまして、大変、これでよしとは私も思っておりません。
 ただ、経済再生計画などを立てながら、全課、事業の取捨選択をしながら、この数字をどう下げていけるかということを検討しながら、行政を進めているところでございまして、庁舎建設に当たっても、いろいろと議論をさせていただきましたし、財政のシミュレーションについても、たびたび全協の中でも、担当から説明をさせていただきまして、議員の皆さんにも理解を受けながら進めてきたつもりではございますが、今後とも、決してこの数字がいいと、和泊町にとっていいということは申し上げませんが、その軽減には最大の努力をしていくということで、皆さんとも協議をさせていただきながら事業を進めているところでございますので、先ほども財政のシミュレーションにつきましては申し上げましたとおり、高くなる年もあります。
 しかしながら、年を追いながら、そのような償還をしながら進めていけば、正常な数字に戻ってくるということを、先ほど申し上げたとおりでございまして、今後とも、この財政シミュレーションに沿って、各課と十分な連携をとりながら、また、議会の皆さんと相談をしながら、事業の推進、そして財政の健全化に努めてまいりたいと思っております。
○6番(前 利悦君)
 それでは、先ほどの説明で、今後の3年ほどは低下していくと、33年に16%を超えると、これが建設の、住民説明会があったときに、32年と33年ですかね、18%を超えるという数字が出たわけですけれども、この起債によって、18%を超えるということはないわけですか。その辺はどうでしょうか。
○総務課長(種子島公彦君)
 実質公債費比率につきましては、この起債を活用して庁舎を建設するということで、建設費用についても交付税措置があるということでございますので、若干説明会当時との実質公債費比率の状況は変わってまいりまして、先ほど質問がございました18%を超えることはないのかということでございますけれども、現在の試算の中では18%を超えることはなくて、先ほど町長も答弁いたしましたけれども、平成33年度に最高16.1%をシミュレートして、今、財政を進めているところでございます。
○6番(前 利悦君)
 財政のことで、この前、南種子町に訪問したときに、掲示板に財政状況の公表ということで、こういう資料なんですけれども、これが掲示板にピンでとめてありました。それで、この中身をちょっと見てみますと、地方自治法第243条の3第1項並びに財政事情の作成及び公表に関する条例の規定により、南種子町の財政状況を公表しますと、こういうふうになっています。
 和泊町はこういう形は、どういう形でされているのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○総務課長(種子島公彦君)
 財政事情の公表につきましては、先ほど議員がおっしゃいましたように、法律等で規定されておりますので、そのとおり、本町においても公表しているところでございます。また、概要につきましては、広報紙等でも掲載して、住民の皆様にも周知しているところでございます。
○6番(前 利悦君)
 それでは、3点目の質問に行きます。
 新庁舎についてですけれども、これも12月2日の新聞ですかね、住民対象に説明会を開催したと、建設工事説明会ということで新聞報道があったんですけれども、和泊町庁舎建設事業工事説明会が30日、同町防災センター会議室であったということですけれども、会は、地元住民を対象に実施、住民5人が参加したと書いてあります。5人が参加した、この5人は要請して来たのかどうか、その辺はどうなんですか。
○総務課長(種子島公彦君)
 庁舎建設事業が始まりますと、役場周辺の住民の方々に、騒音であるとか、あるいは交通の便だとかで非常にご迷惑をかけるということが懸念されますので、役場、工事現場の周辺の方々を対象にいたしまして、SPCのほうから文書を配付いたしまして、工事についての説明をしたところでございます。
○6番(前 利悦君)
 その辺の事情はわかりました。
 この新聞を見てみると、庁舎建設の工程や新庁舎の最終配備、配置計画などを説明したと、これは事業管理や設計、通信など、工事を担当する関係企業から8名が出席しと、こういうふうに書いてあるわけですけれども、その工事が、いろいろそこを通る人たちもいるけれども、その5名だけでいいかなと、そういう思いがしたものですから質問をしたんですけれども、その辺のところはどうなんですかね。
○総務課長(種子島公彦君)
 先ほど申し上げましたように、近隣の方々に案内等はしたわけでございますけれども、参加者が5名というふうな少ない状況でございましたので、今後、不参加の方々については、改めて内容について説明する予定でございます。
○6番(前 利悦君)
 これはもう町民に声をかける、そういうことはもう全く考えていらっしゃらないわけですね。
○総務課長(種子島公彦君)
 町民全体ということではなくて、工事が始まりますと、近所に騒音、先ほど申し上げましたように、騒音とか交通の便で支障を来す可能性があるということで、役場周辺の方々を対象にしております。
○6番(前 利悦君)
 それでは、2点目の65%は地元建設業者に発注されるということで、建具とかタイルを除くその他の工事ということでお答えがありましたけれども、具体的にこれというのは、まだないわけですか。
○総務課長(種子島公彦君)
 現在のところ、65%ということでございまして、これは12月7日にSPCのほうからの下請け業者発注予定という工程表も来ておりますので、具体的には、石工事、タイル工事、左官工事、それから課等を表示するサイン工事、エレベーター工事、それにつきましては、島外業者を予定しているということでございますけれども、それ以外につきましては、島内業者あるいは町内業者のみで行うというふうな発注予定の計画書が届いているところでございます。
○6番(前 利悦君)
 わかりました。
 それでは、次の教育行政について質問をさせていただきます。
 先ほどの教育長の答弁の中では、少人数で目が行き届くということをおっしゃいましたけれども、少人数の学級で今問題はないのかどうか、その辺はどうでしょうか。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 少人数指導で個別指導設定をして、学力向上、また生活指導、いろいろな点で力を入れているところであります。生徒数が減少して、一人一人に行き届いた教育がなされているということでは、いい結果が、成果が出ているのではないかと思っているところでございます。しかし、個々の問題については、気をつけなければいけないなというのもあります。
○6番(前 利悦君)
 気をつけなければいけないところもあるということですけれども、それと、各種施策をとっているということですけれども、具体的に言うとどういうことですかね、気をつけなければいけないこととか、各種施策、こういうものがあるというものがあったら教えてください。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 子供たち全体としては、いい方向に向かっているけれども、個々の生徒にとっては、しつけの行き届いていないところがあって、そういうことの指導をしなければならないなという事案はありますけれども、全体としてはいい傾向にあると考えております。
○6番(前 利悦君)
 ちょっとよくわからないので、具体的にこういうことをしていますと、何かありましたらお願いします。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 個々の中に、何名かですけれども、先生の言うことを聞かないでよく注意をされる、そういう生徒がいるということであります。
○6番(前 利悦君)
 そういう子供がおれば、それを、なぜこの子はこういうふうなことを聞かないんだと、それを見ていくと、そして、その子が勉強に集中できるようなことを、取り組みをしないとと、私は思っているんですけれども、ぜひ子供一人一人を大事にして、なぜこの子供がこういう行動をとるのかということを考えられるような、そういう教育という、これはまた後でもそういうことで質問をしたいと思うんですけれども、少人数であれば、余計そういうのはできていくし、そういうことであれば、どんどん家庭訪問して、その子がどういう生活背景を持っているか、それを見ながら、子供のよさを見ながら、その子供を育てていく、そういうことで、また教師も私は成長していくと思いますので、そういう取り組みをぜひしていただきたいなというふうに思います。
 次に、生徒数の減ということで、南種子町に宇宙留学に視察に行ってきました。その状況をちょっと。今期、23期になるんですけれども、138人の応募者があるということでした。平成8年から実施されて、今までの累計で667名が受け入れていると。そのときの南種子町の人口が7,546人、今の和泊町より少し少ない状況、そのときからもう南種子町は取り組まれているわけですけれども、それを取り組まれても、現在の人口が5,672人、約2,000人近く減少しています。
 そういう中で、和泊町もそういうことも考えていかないといけないのではないかなというふうに思っているわけですけれども、その中身を紹介したいと思います。
 里親留学というのが小学2年から6年まで、今だけで36人、その経費は1人当たり8万円で、4万円は町が補助して、残りの4万円は実の親の負担ということです。それから、家族留学というのがありまして、小学1年生から中学2年まで、現在、3世帯で4人、これはお父さんが単身赴任していて、そういうことで来ていると、そういう説明がありました。それから、親戚留学というのがあるんですけれども、これは親戚、三親等で、これが現在ゼロということです。
 それで、その相乗効果として、留学生と出会うことで、新たな人間関係を構築する機会となるということ、それから、ふるさとの南種子町のよさを南種子町の子供たちが、その子供たちとかかわることで再発見していると。それから、地域の活性化につながっているということでした。
 そこで、この留学生とのかかわりのために、南種子町の児童生徒の学力は高いということでした。不登校の児童生徒はゼロであると。そしてまた、その留学生が成人式に参加していると、そういうこともありました。ぜひ、そういうことも考えていかないといけないというんですかね。前に質問したときには、町民のそういう盛り上がりがあればということでしたけれども、ここでは、各字の区長さんみたいな人たちが全て面倒を見てくれているということでしたので、私は和泊町の人たちは農業で忙しい人たちもたくさんいるけれども、本当に子供を育てていく、そういうすばらしい環境を持っていると思うし、今でも、日本で一番、地域で子供を育てる教育力を持っている島じゃないかなというふうに思っています。
 この留学生の保護者がこんなコメントをしています。里親さんのおかげで、家庭での生活も規則正しくなり、自発的に時間を決めて、学習に取り組めるようになりました。休み時間に友達と外で元気よく遊んだり、スポーツ少年団の活動に取り組んだりしながら、体力もついて、一回り大きくなって帰ってきました。このたびの留学で種子島とご縁ができたことをうれしく思っています。
 ちょっと不登校の子だったから、そういう子がこんなに変わっていったんだなと、そうであれば、本当にこれはすばらしいことだなと思いましたので、紹介してみました。
 それで、天体施設の利用についてですけれども、子供たちが632人、大人が210名、その操作の研修も年2回行われていると。私は和泊小学校の先生たちでなくて、町のほうでもそういうふうにしてかかわりを持ってということに、大変いいことだなと思ったんですけれども、そういうのをぜひふやして、教育委員会で率先してかかわって、そして、思うには、この日にしますと、できればもう天気のいい日には、向こうに係がおって、そこを通った人たちはそこに寄って見れるとか、そういうふうにできれば、もっと利用はふえていくんじゃないかと。そして、これは町内全体でもそういうふうにつながっていくし、そういうふうにできないかなというふうに思っています。
 そこで、天気のいい日で、雨の日はもちろん、プラネタリウムは利用できますけれども、あそこで、そこに係の人がいるときは、どこかに、今観測ができますというような点灯のサインを置いて、そこに入っていけるような、そういうことができないかなというふうに思っていることが一つ、それをどう考えているか。
 それからもう一つは、和泊小学校のほうで星空検定という検定を今、五、六年生に向けて勉強をしています。そこで、町はもちろん、いいところはサンサンテレビでPRもして、いろいろ、タウントピックスがあるわけですけれども、そこで、星空教室と、例えば今こういう星が見えますと、この星はこういうふうに探していると、簡単なことでいいと思うので、では、外に出て見てみませんかと、そういう放映というんですかね、そういうことができないか、この2点についてお願いしたいと思います。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 今、天体観測施設で和泊小学校の先生方がプラネタリウムや、それから天体望遠鏡の操作をして、児童生徒に、そしてまた一般の方々に研修をしているわけですけれども、将来的には、天体に関心のある、そしてまた天体について指導のできる、そういう方を雇用して、常時利用することができるような方向に取り組んでいきたいと思っています。
 今、一番ネックになっているのが、和泊小学校の先生方にそれをお願いしているというところが、常時利用ができないというところであります。それで、夜の分も小学校の先生方にお願いして、いろいろしているところであり、そしてまた、先生方にも長く天体観測にかかわっている先生が新しく来た先生方に指導して、指導がずっと継続をして、小学校の先生方のお世話になっているところです。
 将来的には、先ほども申し上げたとおり、町でそれの専門の方を雇用して、いつでも、町民、または観光客の要望があれば、そういうものが利用できる、そういう施設に持って行けたらいいなと考えているところであります。
 次に、星空検定のことについては、和泊小学校の先生方がいろいろ星空に関心を持たそうということで、いろいろな試みをしていることに大変感謝をしているところであります。こういう取り組みは、町の集団宿泊学習、また、知名町の集団宿泊学習、その他の一般の方々にも広めて、多くの方々がせっかく和泊町には天体観測というすばらしい施設があるわけだから、それを利用して、大いに星空に対して関心を持たせる、そういうような取り組みは今後続けてしていきたいと考えております。
○6番(前 利悦君)
 すばらしいそういう施設があるわけですので、そのためにつくったものだと思いますので、してほしいんですけれども、だから、小学校の先生には、これはなかなか大変だと思います、授業を持ちながらですので、教育委員がそれを管理して、そういう取り組みをぜひして、そして、本町の子供たちで、沖永良部島の子供たちに、そういうものが広がっていくということで、そうすることによって、何か一つに取り組むことによって、子供たちは関心、興味を持って、さらにもっと知ろうと、その知る喜びというのが出てくると思いますので、これはぜひお願いしたいと思います。
 企画課長、これはサンサンテレビで教室みたいなこととか、これは専門家と相談して、5分か10分ぐらいの、テレビで放映できるそういうのができないかどうか、そういうことはどうでしょうか。
○企画課長(川畑裕一君)
 テレビのほうは、あくまでも要請があれば、どこでも行って、撮影できますので、どしどしご利用いただきたいなと思っております。
○6番(前 利悦君)
 そして、それが子供たちに広がって、また、その知る喜び、星を見る喜びというのをぜひ養成できるような取り組みができるようにしていただきたいなと思っております。
 それで、次の3番目ですけれども、一番の課題ということで、教育長、学力のことを挙げました。そのほかに問題点はないかどうか。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 和泊町の教育課題の一番大きいのは、先ほども答弁したように、学力向上であります。2点目に、不登校児の問題であります。不登校児はどの学校にも出る可能性があるので、その予防ということ、そして早期対応ということ、これが一番の課題であります。
○6番(前 利悦君)
 その不登校している生徒がいるわけですね。人数はどれぐらいなのか、それまでお願いします。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 完全な不登校というのは、和泊町には存在をしておりません。部分的には登校している生徒であります。こういう生徒が大体、小中合わせて15名程度、今のところいるようです。
○6番(前 利悦君)
 そういう子供がいるということは、本当に残念な思いがします。本当に、私は先ほどから何度も言っているけれども、和泊町は本当に子供たちをみんなで育てようと、自分の子も人の子も育てよう、そういう教育力がある町だと思っているんですけれども、そこで、この前の教育委員会の学校訪問でも提起されましたけれども、生徒、保護者、教師の信頼関係に問題があるということを提起されましたけれども、子供と教師の間に信頼関係のないところに、私は教育が成り立つことはないと思います。信頼関係があって、そして勉強をしていこうと、そういうことになると思うんですけれども、その辺について、教育長はどう思いますか。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 教育は保護者と教師、生徒と教師、また教師間、信頼関係の上に成り立っているものであると私は思っています。そういう信頼関係を築くために、日々の教育活動が充実しなければならないとも考えております。そういうために、校長を通じ、また教育委員会、いろいろな研修会を通じ、先生方に信頼関係の構築には細心の注意を払って、子供たちにも保護者にも対応してくださいと指導しているところであります。
○6番(前 利悦君)
 指導されているということですけれども、本当にこれができているかということが問題だと思うんですけれどもね。
 それで、子供に信頼関係があると、そういう先生の実例を少し紹介してみたいと思うんですけれども、これは小学校4年生ですけれども、先生にと、そこに書いてきたほんの短い文章ですけれども、一度だけでいいから、先生に小便かけて、くそつけて、みんなの前で裸にさせて、おはら節を踊らせてみたい。そして、一度だけでいいから、先生をぶん殴ってみたい、そういうことを書いている子供がいるわけです。
 それをその先生が、子供が書いてきたものを、私も夢があるんですという、この本に、ずっとその子供たちの書いてきたものをまとめてあるんですけれども、教育長、これを聞いてどう思いますか。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 その本の中に載って、そしてしかも、そういう子供がいたということは大変驚いて聞いたところであります。やはりそういうことを子供に思わせない、子供が安全・安心して、そして、喜んで登校し、満足して下校できる、そういう教育環境をつくっていかなければいけないなと、そういう思いを強く抱いたところであります。非常に驚く事例でありました。
 和泊町にそういう子供たちがいるかどうかわかりませんけれども、私は和泊町の教育の中では、教育町ということをうたって、教育には非常に力を入れていますので、こういう児童がいるとは、また、生徒がいるとは思いたくありません。
○6番(前 利悦君)
 これは、この子供は、先生を殴ると、それだけ先生を信頼しているから、こういうことを書いていることです。それをちょっと紹介しています。
 なぜ、この子供がそういうことが書けてきたかということなんですけれども、この先生は、きょうからこの1年間、先生がみんなに対して嫌なことや間違ったことを言ったりしたら、遠慮なくおかしい、間違っている、怒ったぞと言っていいんだよ。そう言われることのないよう努力するけれども、もしそんなことがあったら、構わんから言いなさい。つまり、先生の悪口をどんどん言って構わないんだ。そういうことを言って、そして、そこから信頼関係を結んだ結果がその言葉になってきたんですけれども、こういう先生が言ったことに対して、子供たちはどう答えたと思いますか。人のことだから、率直に教育長が感じたことをお願いしたい。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 私は、この本を書いた先生はすばらしい指導をしていたなと、そういう思いをしながら、今の議員のお話を聞いたところであります。やはり、子供と真正面からつき合って、そして、赤裸々の子供と教師との人間関係を築くということは非常に大事なことであります。そういう人間関係が子供と築かれているからこそ、子供は信頼をし、そしてまた、教師も子供を信頼して、こういうすばらしい関係が築かれたものと思っています。
 教師というのはそういうふうに赤裸々に子供と対応し、そしてまた、子供に寄り添う姿勢というものは常に持たなければいけないなと、そういう思いをしながら、聞いたところであります。
○6番(前 利悦君)
 子供がこの先生にどう答えたかというと、えっ、と声をそろえた後、先生に文句言っていいの、うそだと口々に言いましたと。そして、その後に、時間が終わってから、先生という題で早速書いてもらったと。そこで、文句を言っていいという先生は初めてですと、先生、本当に言っていいんですか、怒りませんか、でも、今言うことは何もありません。この先生、本当に先生かな、気が狂っているんじゃないかと思ったと、そういうふうに子供が書いてきているわけですね。その教師は、教師は教える者で、絶対的な存在であり、子供は教えられる者で、扱うべき者であるというように、子供たちが既に規定してしまっていると。子供と教師の関係を壊してしまわなければ、子供たちと私の距離は縮まらない。縮まらないから、子供たちの本音も出ない。本音が出ないから、子供たちの真の声が、姿が、思いがわからない。つまり、子供が見えない、子供が見えないところに教育が成り立つはずはないと、こういうふうにこの先生は言っています。
 それで、来た当初、子供たちの様子というのは、悪口の言い合いや阻害状況など、程度の差こそあれ、どこの学校でも見られるような状態、その子供たちがこういうことを書いてきているわけですね。
 その先生はどうしたかというと、本音を書いてもらうために、私はまず、ありのままの自分を子供たちにさらすと、そういうことをしたということです。子供たちが教師、私、自分を批判できるように対応を心がけていきましたと。子供たちが本音をかけるかどうかのバロメーターは、子供たちが教師批判ができるかどうかと思っていたからですと、そういうふうに答えています。
 教育長も、何回も言われるのを私、覚えていますけれども、子供を変えていくためには、教師が変わっていかないと、そういうふうにおっしゃっていますけれども、本当にどうして変わっていくのかということをお聞きしたいと思うんですけれども。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 私は、この間、総務委員の皆さんが学校を訪問した際に、ある学校で申し上げました。過去と人を変えることは非常に難しいと。しかし、人を変えなければならないときには、まず自分が変わらなければならないと、それは昔から言い古されている言葉だけれども、教師が変われば、子供が変わる。子供が変われば、保護者が変わる。保護者が変われば、地域が変わる。そして、全体が変わってくるのだと。まず、先生方が変わっていただきたいという話をしたことがあります。
 やはり、先ほど議員が申されたように、学校の先生がこういう学校をつくりたい、こういう子供をつくりたいという思いを、自分が変わってつくっていかなければならないと思っています。そういう教育をしていきたいと思っています。
○6番(前 利悦君)
 ぜひ、そういう教育を進めてほしいと思うんですけれども、この教師がなぜそういうふうになっていったかということで、これは、この人はずっと地域、そして子供たちに何かあれば、何でこういうふうになるんだと、ずっとそれをもちろん、親のところ、そして地域ともに見ていって、そういうことで、その子供のよさが見えてきて、そういうことから変わっていっているわけですけれども、私は、大阪の学校に視察に行ったことがあるんですけれども、そこの先生たちが、学校が終わったら、毎日その地域に足を運んでいくわけですね。
 そして、地域の人たち、そして子供たちと語っていく。その中で、自分たちは体のしんどさはあるけれども、精神的なしんどさは一つもないということを言われました。本当に、何度も言いますけれども、和泊町はそういうふうにして先生たちを育てていく教育をしているし、55年から教育の町を宣言しているし、そういうものを先生たちにぜひ伝えてほしいと思います。
 私、鹿児島に行ったときですけれども、先生たちが数十名集まる研修会があって、そこで一人の父親が私たち教師にこういう言葉を投げかけました。飯の種である子供たちが風に揺れ、なぎ倒されている。おのれ自身は、田んぼのあぜ道から、起きれ、立ち上がれと、かけ声だけで眺めている。靴を脱ぎ、靴下を脱ぎ、泥水につからないままでと。本当に、私もそういう教師だったんですけれども、生徒に頑張れ、頑張れと、ずっとそういうふうに言ってきました。
 本当、教師がどこまでその子の思いに寄り添っていけるかと、そういうことで、子供たちは、私は返っていくと思います。そういうような教育の町を宣言した本町は、ぜひしていただきたいと思います。
 それで、その先生のことをちょっと伝えますけれども、子供が見えるというのは、単に子供のありのままの姿、子供がいろいろな行動をする、例えば悪いことをする、そういう事実はありのまま、事実だけを見て対策を立てるというだけでなく、事実からその子がそうなったわけ、これを、真実を、成育史や生活背景までたどって探り当て、そこからその子を丸ごと捉え直すことだと言えます。
 事実や真相をどこまで捉え切れるか、その捉え方の深浅、深い浅いによって、その後の取り組み方に違いが出てくると、そういうことを言っています。まさにそのとおりだと思います。本当に先生たちが変わろうとする、それを私は和泊町はどうそれを支援していくか、そういうことが問われているんじゃないかなというふうに思います。
 それでは次に、少しいじめのことで、私が出会った子供のことを話してみたいんですけれども、この子が高校1年のときでした。学校でいじめについて、ロングホームで勉強しているときに、いじめっ子という名の殺人者という文を書いてきました。小学校のとき、いじめられていたらしい。朝、学校へ行く。必ず遅刻していた。学校へ行きたくないから、とことん校門のところで粘った。しかし、結局、教室に入った。クラスのみんなは別に気にはしていないが、私はみんな、またおくれてきたと言われているような気がしていた。なぜ学校に登校したくなかったのか、それは思い出せない。記憶が消えているのである。現在17歳、17年生きているはずである。しかし、昔のことを思い出す。1年前、2年前、3年前、思い出せない。中学校、小学校のときの記憶は消えている。親に聞いたら、かなりひどいいじめに遭っていたらしい。子供のときの私の記憶は殺されました。いじめっ子という名の殺人者に殺されたのです。
 私の場合は、記憶の死、心の傷だけでしたが、今のいじめは命まで殺しています。経験者として、私はいじめは許さない。こういうふうに書いてきたわけですけれども、この子が、西高の定時制に入ってきました。私はこれで初めて彼と出会ったわけですけれども、それから、ちょうど彼が2年生になったときに、県下の高校生たち、生徒会みたいな代表が来て、いろいろ学校のこととか、校則のこととか、いじめのこととか、そういう話し合いをする高校友の会というのが結成されて、そこに彼を連れていったんですね。そして、彼はそこでそう語っているうちに、自分を支える仲間が見つかって、そこで自分のいじめの体験をあちこちで語るようになっていきました。そこにはもちろん、新聞記者も来るわけですから、そこがきっかけになって、それから彼は、ほかの鶴丸高校とか、そういうところに行って、自分の体験を語るようになっていきました。
 4年生になったときに、県下の委員長になって、彼が行ったんですけれども、そういうふうに本当に変わっていきました。本当に、今、学校でそういう問題があれば、子供たちの仲間が、そういう子が来たら、それをみんなに、そういう取り組みがないと、なかなか居場所がない子たちが学校に帰ってくることはできないと思いますので、そういうことも含めて、ぜひ指導していきたいと思います。
 彼は、成績はほとんど小学校3年から中学校3年はほとんど学校に行っていないです。ところが、定時制を受験したら、最初は働いていなかったので、定時制に合格できなかったです。ところが、1年して、西高の先生から、働いて、そしてもう一回受験しなさいということで入ってきたわけです。どんどん、見る見る変わっていきました。4年間、一日も遅刻、欠席することはありませんでした。そういうふうに変わった生徒もいました。
 先生たちに一つの思いを、さっき飯の種であると言った父親ですが、その人がこういうことを、ある母が言う、涙ぐみながら語る言葉に、教師に対する不信を火を吐くように語る母に返す言葉も何もない。学ぶことも、教えを請うことも奪い去った教師、そうした教師がこの母に与えた一生は何であったろうかと考えるとき、火を吐く言葉を聞かせてやりたい、30年たった今と。
 小学校2年のときでした。被差別部落の子供だから、いつも子守をしたり、そういうふうに働いていたと。で、たまに学校に行く。ところが、席がえされていて、自分の座る席がわからなかったと。そういうときに、先生に、自分はどこに座ればいいんですかと聞いたときに、どこでも座っておれと、そこでもう悲しくなって、帰る。そして、そのことをお母さんに話したら、お母さんと一緒に泣いたということでした。
 その人は、もちろん、私が会ったのは45歳ぐらいのときでしたけれども、文字も書けません。だけれども、そこに、識字学級というのがありましたので、そこで、あいうえおから漢字までを覚えて、そして、免許もとりました。
 その人は、今でも、あの先生に石をぶつけたいと。それをこの人は、母という題で言っているんですけれども、本当にそういうことにならないように、先生たちにもっと子供たちに寄り添う教育、それをぜひ、教育の町を宣言した和泊町はぜひ、そういう研修というんですかね、そういうものをぜひしていただきたいと思います。
 ということで、私の一般質問を終わります。
○議長(永野利則君)
 これで、前利悦君の一般質問を終わります。