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更新日:2021年3月23日

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第2日(2)

発言者

川畑 宏一

発言内容

△ 日程第2 一般質問
○議長(永野利則君)
 日程第2、一般質問を行います。
 順番に発言を許します。
○1番(川畑宏一君)
 皆さん、おはようございます。
 子育て世代代表、川畑宏一でございます。
 先日より、大河ドラマ「西郷どん」の撮影が始まっております。これは、沖永良部島の知名度向上に大きく寄与し、また子供たちをはじめ島民に大きな夢を与え、また多くの撮影スタッフがいらっしゃっていると聞いております。経済的な効果も非常に高いのではないでしょうか。
 とある方が私に言いました、これはもはや社会現象だよと。それだけすばらしいこの取り組み。早くから和泊町が「西郷どん」プロモーション実行委員会をつくり、準備してきた結果であり、職員の皆様に対し、深く感謝を申し上げます。
 また、特に担当課、そして若手の担当職員、撮影の、ジョギング大会もあり、議会の対応もいろいろある中で、不眠不休で頑張っていると聞いております。
 私たち議会は、町民の目線に立って日々活動する、これは当然でございます。しかし、もとより、これから20年後、30年後、和泊町が迎えるであろう厳しい時代を、ともに戦い乗り越えていく若手の役場職員の皆様、この皆様の努力に報いていきたい、一緒に町民の福祉向上を図っていく、そういった議会でありたいと思い、取り組んでまいりたいと思います。
 それでは、平成30年第1回定例会に質問を通告してありますので、壇上から質問させていただきます。
 1点目、中長期的な行財政の運営について。
 国・地方ともに極めて厳しい財政状況にあり、人口減少、少子高齢化にも歯どめがかからない中、地方の経済的疲弊及び活力の低下が加速するばかりであるが、本町における中長期的な一般財源確保の見通しはどのようになっているか。
 また一方で、住民のニーズは多種多様化が進む傾向にあるが、住民サービス提供のあり方にどのように対応し、あるいは変化させていくのか、お尋ねいたします。
 続きまして、保育及び幼児教育について。
 子ども・子育て支援新制度においては、質の高い幼児教育・保育を総合的に提供するため、認定こども園の普及を推進している。
 本町では、町立のこども園3園、民間保育園、町立幼稚園が併存している状況にあるが、どのような方針を描いているのか、お尋ねいたします。
 続きまして、漂着油の対応について。
 奄美沖タンカー沈没事故による漂着油問題について、本町における現状と対策はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 最後に、水産業振興について。
 奄振特別措置法における、奄美群島水産物輸送コスト低減実証事業の効果と本事業採択へ向けた取り組みはどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 以上で壇上からの質問を終わります。
○町長(伊地知実利君)
 川畑宏一議員の一般質問に順を追ってお答えいたします。
 まず1点目の、本町における中長期的な一般財源確保の見通しはどのようになっているのかという質問でございますが、町税については、平成23年度の東日本大震災以降、農産物の価格低迷やたび重なる台風などの影響により、決算額は落ち込んでおりましたが、平成28年度は、バレイショなどの販売価格やサトウキビ生産量の回復などにより、持ち直ししつつある状況でございます。
 次に、地方交付税についてですが、平成30年度地方財政計画において、平成29年度とほぼ同水準の地方交付税総額が確保されたところでございます。
 特別交付税については、近年、全国各地で発生しております大規模災害への対応などで厳しい状況になることが予想されております。
 また、普通交付税についても、基準財政需要額の算定において、トップランナー方式の順次拡大や単位費用の見直しなどが行われており、地方交付税については今後厳しくなるものと予想しており、平成30年度当初予算においても、このような状況を加味した予算計上となっております。
 中長期的な財政運営については、地方交付税や地方贈与税などの依存財源による一般財源は、今後、減少が見込まれること、町税においても、人口減少などにより収入見込みが減少していくことが想定されることから、町財政シミュレーションにおいても、地方交付税などの減少を見込んだシミュレーションとなっており、一般財源確保については厳しい状況であると認識しております。
 また今後は、町税などを中心とした自主財源確保対策が重要となり、あわせて使用料などについても見直しの検討も必要な時期になるかと考えております。
 次に、2点目のご質問ですが、昨年12月議会でも答弁しましたが、町民サービスの充実を図るために、今後も国・県の動きを注視しながら、接遇研修や自治研修センター主催の各種研修の受講、各種イベントへの参加、その他職員研修などを立案し、多種多様な町民のニーズに対応できるように努めてまいりたいと思います。
 また、第7次和泊町行財政大綱にもありますように、「最小の経費で最大の効果をあげる」という行政運営の基本に立ち、健全財政の維持に努めつつ、職員の資質と能力の向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 2点目の、保育及び幼児教育についてのご質問にお答えいたします。
 わどまり保育園の改修工事に伴い、わどまり保育園施設建設準備委員会が立ち上げられ、保育施設などについての検討が進められてきました。その中で、今後の施設整備については、児童数の推移や施設の機能など、長期的な展望を見据えて検討しなければならないと思っております。また、学校と同様に、保育所、幼稚園、こども園もその校区に根差した施設であると考えております。学校の登下校ももちろんでございますが、総合的に検討を加えていく必要があると思っております。保育所、幼稚園については、そのような状況を踏まえて行われるべき事項であると協議されております。
 平成30年度からは、和泊幼稚園で3歳児保育が開始されるに当たり、関係機関で今後の保育環境整備の検討を行いました。
 わどまり保育園は、2年前に改修工事を行っており、すぐに建てかえが必要な状況ではない。和泊幼稚園も耐震基準は満たしており、コンクリ等の爆裂などはあるものの、定期的な点検により使用可能であるが、町内の全施設とも老朽化が進行している状況であるとの意見が出されました。
 今後、保育施設の建てかえが必要になった場合や園児数の変動により保育体制の見直しが必要となった場合において、町全体の施設のあり方を見直し、統合を含めた適正な規模の施設整備を検討したいと考えているところでございます。
 次に、3点目の漂着油の対応についてお答えをいたします。
 平成30年1月中旬に、上海沖の東シナ海で貨物船と石油タンカーの衝突事故により、炎上しながら漂流していたイランの海運会社の石油タンカーが沈没をし、積み荷である油や燃料が流出する事故が発生いたしました。2月初めから、奄美大島を初め徳之島、沖永良部島、与論島などで、その事故により流出した油と類似している漂着油が確認されております。
 和泊町では、2月5日に漂着油が確認され、国頭海岸から西原、出花、伊延、ワンジョ、内喜名漁港までの北海岸を中心に、6海岸で漂着油が確認されております。
 対策としましては、県と町で目視による漂着状況の監視をしていますが、3月2日現在で新たな漂着はほとんど確認できない状況となっております。
 回収につきましては、県の職員の皆さん、町職員の皆さん、伊延港利用者などにより、国頭、西原、出花、伊延、ワンジョ、内喜名漁港をボランティアなどにより実施し、3月2日現在で約240キロを回収しております。
 今後も、県や町及び海岸清掃ボランティアなどにより、監視や回収などを実施してまいります。また、補助事業などの活用などにより、回収作業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、水産業振興についてでございます。
 水産物輸送コスト低減実証事業は、平成28年度から奄美群島振興開発特別措置法における奄美群島成長戦略推進交付金事業の実証事業として実施されております。
 昨年度は、沖縄本島への販路拡大を目的に、現地市場調査、仲買業者との情報交換会やソデイカの買収業者との商談を行った結果、沖縄本島への出荷量及び生産額が前年度比で50%以上伸びております。沖縄本島は、魚種も類似しており、高単価が期待されますので、本事業の要望や推進を継続してまいりたいと考えております。
 以上で壇上からの答弁は終わりますが、次からの質問につきましては自席から、担当課長からも答弁をさせていただきたいと思います。
○1番(川畑宏一君)
 まず、中長期的な行財政の運営についてからでございます。
 今、町長からいただいた答弁で、東日本大震災から続く財政の厳しい現状がわかりました。あと、対策については、交付税のこと、交付金のこと、あとトップランナー方式への変更だとかシミュレーションをした、その結果、財源確保が難しい、財源確保が重要であるといったような要点だったなと思うんですけれども、本町、非常に財政が厳しくなっていると言われて、もう既にかなりの時間が経過していると思うんですけれども、その割には、これだけ必要に迫られているのに全く具体性に欠けるなと、答弁だったのでそうかもしれないですけれども、改めてお伺いします。
 先ほど、シミュレーションがあるということでしたけれども、そのシミュレーションで特筆すべきこと、そこから導かれる対策などがありましたらお聞かせください。こちらは、総務課長にお尋ねいたします。
○総務課長(種子島公彦君)
 中長期的な財政収支の、今、試算をしているところでございまして、先ほどから町長も答弁しておりますが、非常に厳しい状況が予想されるということで、現在、平成39年度までの10年間の財政のシミュレートをして行財政運営を進めているところでございますけれども、まず一般財源ということでございまして、町税が、これから新築家屋の減少、それから少子高齢化による減少等に伴いまして、約10.2%、10年後は減少するのではないかという試算をしているところでございます。
 それから、まちの歳入の約50%を現在占めております地方交付税につきましても、普通交付税においては、現在29年度の額が確定しまして、その後、その数字をもとに現在シミュレートしているところでございますけれども、普通交付税においても、人口等の減少、測定の単位が人口が主であるということなどから推計しまして、約4.8%の減少を見込んでいるところでございます。
 それに対して、いろいろ義務的な経費、投資的な経費にも充当していかなければいけないということで、現在、そのような10年後までの長期的な財政のシミュレートをして財政運営をしているところでございます。
○1番(川畑宏一君)
 ただいま答弁いただきました内容で、39年度までで税収、あと交付税の減少額というのは具体的な数字が出てきたと思うんですけれども、そこから、じゃ、どうアクションを起こしていくかという点は、いまだもってちょっと入ってこない部分がありまして、今回の予算書、施政方針、全て目を通しても、そこに何かこの財政難を打破するような取り組みというのを私はちょっと見つけられなかった。
 そういった中で、ちょっと視点を変えて、先ほど町長の答弁からも、行政の仕事として最小のコストで最大の効果を得ていくという話がございました。同じようなことなんですけれども、基本に戻って、家計や民間企業に例えると、支出、コストを減らして収入をふやす、もうこれしかないですよね。簡単にざっくり言ったらこれしかないと思います。
 そうしたときに、和泊町におけるコストとは何かと考えたときに、ほとんどが固定費じゃないかなと思われます。一つ、きのう、中田議員からもいろいろと提言がありましたけれども、公共施設管理費、そして人件費、こういったものがほとんどであると思いますけれども、ほかにどのようなものがあるでしょうか。また、今、私が述べたもの、あと答弁いただくコスト面に関して、具体的にどのような対策をとっておりますでしょうか、総務課長にお尋ねいたします。
○総務課長(種子島公彦君)
 議員がおっしゃるように、経常経費の中でやっぱり維持費とか公債費であるとかという部分が大部分を占めていくと思います。また、人件費も相当コストの部分では占めていくと思いますけれども、これからやっぱり高齢化が進行していきますと、また少子高齢化ということで、扶助費の部分がかなり伸びてくるのではないかなと、今、予想しているところでございまして、そのような義務的経費の抑制に努めているとともに、今後もそういう義務的経費の削減については十分検討していかなければいけない課題かなと思っているところでございます。
○1番(川畑宏一君)
 扶助費も増大が懸念されるということですね。
 本当に、この部分を一つずつ対策をとっていかなければならないという中で、昨年でしたか、この議会の委員会の中でも複数の議員から、例を挙げますと、実験農場がずっと町の財政を圧迫しているという状況にあると。それで、この実験農場がやろうとしている仕事の意義というのは、こちらも理解しておりますけれども、これが財政的にゆとりがある局面であったら、もうぜひ将来に向けた取り組みをどんどん行ってほしいと思うんですけれども、そういった現状にない。その中で、じゃ例えば民間に委託してやるだとか、ほかの施設として転用して活用していくだとか、そういった提案が多々出されたと思うんですけれども、まさにこのコスト削減の中核になる部分だと思うんです。
 これに関しては、議会で委員会等での議会からの提案を受け、どのような対策を検討されておりますでしょうか、総務課長にお尋ねいたします。
○総務課長(種子島公彦君)
 平成30年度に向けて、当初予算編成のポイントということで、来年度に向けて取り組んでいることが、課や局の自立経営ということをまず重点を置いております。
 それから、これまでスクラップ・アンド・ビルドと言われておりましたけれども、そういう方式を、来年度に向けては、必要な課題に重点を置いて取り組むことを目的にビルド・アンド・スクラップと、必要な部分には重点的に予算等も配分しますよ、そのかわりもう既に効果のあったもの、それから事業効果の少ないもの、そういうものはスクラップしていったほうがいいんじゃないかと、そういうことで次年度の予算編成に向けては各課に通知をして、そのような方向で予算編成をしたところでございます。
○1番(川畑宏一君)
 次年度というのは30年度ですか。具体的な内容は、今、お聞かせいただけないでしょうか。
○総務課長(種子島公彦君)
 当然、町長が、今、一番重点を置いております子育て支援であるとか、また高齢者福祉の部分には重点的に予算配分をして、また教育の部門という部分にもかなりウエイトを占めているところです。その分として、経常経費の削減を図りながら、重点的な予算配分に努めてきたところでございます。
○1番(川畑宏一君)
 今の質問は、コストカットの部分ですね。スクラップの部分をちょっとお尋ねしたつもりだったんですけれども、もし具体的にあればお願いいたします。
○総務課長(種子島公彦君)
 現在、庁舎建設等も進められておりまして、公共事業等についても、経済の循環ということもございますので、公共施設等の整備、それから公共事業等の整備という部分は、かなり起債を抑制する意味からも制限をかけながら、まち全体の事業の流れというものも考慮しながら予算編成をしたつもりでございます。
○1番(川畑宏一君)
 話は戻りますけれども、例えば、先ほど挙げました実験農場とか、議会の中では、いろいろと整理が急務だという部分はさまざまな部分で提案させていただいているんですけれども、これに関して、過去の先人たちが築き上げてきたものとか、いろんな意義とかあると思うんですけれども、もう切るべきところは切らなきゃいけない状況にあると。
 行政と民間とでやる中で、一番私が違うなと思うのは、民間の企業というのは、社運をかけたいろんな取り組みをしていくんですけれども、必ず撤退という選択肢を持っているんですよ。ここまで突き詰めてやっても利益が出ない、効果が出なければ撤退するというものがあって、だからこそ、日本中、世界中を見ても、どんどん成長している企業というものは、実はいろんな分野に参入して、そこで成功しているものもあれば撤退しているものもあると。
 そういった判断基準が、まだ行政の中にはないのかなと。ここまでやって成功できなければだめだという基準、そういう基準をこれから執行部で、行政で行う事業の中には、そういう観点を持って取り組んでいただけたらなと思います。
 また、昨日の中田議員の提案ですけれども、公共施設維持管理費を大分削減できる内容となっておりますので、こちらもぜひ検討いただけたらと思います。
 そして、人件費ですけれども、こちらは既に町長を初め執行部の三役、そして我々議会も一定の報酬カットを行っております。ただしかし、これを全職員にとなってしまいますと、島の、まちの発展のために頑張っている職員の皆様の意欲をそぐ逆効果になってしまう可能性もありまして、すぐにできるものではないと私は考えております。
 今の流れからすると、具体的にコストを削っていく部分に関しては、さほど施策がないような状況にある中で、じゃ、次に移ります。
 そのコストを削らないのであれば、じゃ、収入を増やす部分をどうしていくか。
 収入を増やすということは、民間企業ではないので、これを行政に当てはめるとどういうことになるかというと、例えば和泊町の基幹産業である農業であるとか、観光、漁業、いろいろありますけれども、産業を支援し、育成し、伸ばして、経済を活性化することによって税収を増やすこと、これが行政における収入を増やすという点になると思うんですけれども、本町におきましては、今、例えば土木工事の支出などはずっと抑えられている状況にありまして、どのような施策をもって和泊町の経済を動かし発展させていくのかというところが私にはちょっと見えてきませんけれども、これに関してはいかがでしょうか、総務課長、お願いいたします。
○総務課長(種子島公彦君)
 産業等の活力ということでございますけれども、きのうの質疑にもあったかと思いますけれども、今、当然人口減少等の問題が一番全国的にも課題となっているところでございますけれども、そういうことも見据えて、10年後を見据えた企業支援、それから人材育成を中心に、空き家改修による人材充当確保、そういう産業分野において稼げる人材、組織の育成を計画していくというふうに、きのう、町長の答弁にもありましたけれども、私のほうもそのような考えで現在いるところでございます。
○1番(川畑宏一君)
 町における、執行部における、行政における施策というものは、非常に専門性が高く、多岐にわたるので、私、今、たまたまその財政の責任者でありますので総務課長にお尋ねしているわけですけれども、なかなか具体的には今すぐぱっと出てくるものではないかなと思います。
 ただしかし、我々、ずっと財政について、人口減少を打破するに当たっての地方創生について、これまでずっとその取り組みをしてきたわけですから、これまでやってきた取り組みにちょっと枝葉を変えるだけでは、もうどうしようもないわけですよね。それで正解であれば、もう既にいろんな面で効果が出ているわけで、今、その現状を考えると、がらっと変えて、思い切った施策が必要なんじゃないかなと感じております。
 また、予算審査がありますけれども、そこで細かい施策については我々各議員のほうでいろいろと検討させていただくとは思うんですけれども、そちらで、ぜひ細かい施策については皆様からアイデアをお聞かせ願えたらなと思います。
 今、収入を上げること、コストを削ることをやってきたんですけれども、結局、厳しい言い方をすれば、かわりばえしないわけですよね。その中で、じゃ、どうしたらいいんだと。結局は、これ、私はもう地方創生だと思うんですよ。地方創生、人口対策、今、総務課長も町長もずっとおっしゃっていますけれども、人口対策ですよね。人口が減れば、税収も減る。地方交付税の算定というのは、標準財政需要額に基づいていると思うんですけれども、それの算定基準のところを見たら、ほとんどが人口ですよね。生徒数、人口。人ですよ。
 そしてあと、民需の活性化。今、行政の話をしていますけれども、人口が減るということは、我々民間にいる立場からすると非常に影響がでかい。行政の皆様が、どれほどの危機感を、今、肌身で感じているのかわからないですけれども、我々民間、特に私が所属している商工会の立場、非常に厳しい。なぜか。町内における需要が格段に減少してきていて、商売そのものが成り立たなくなってきている現状があります。
 例えば、昨日の答弁で、この5年間300人とか、そういった人口減少が進んでいるという話がございました。これは、もうざっくり、例えばです。我々の世代、若手の世代が共働きして、大体30万いかないと思うんですよね、25万くらいの収入だったとします。じゃ、それを1年間で年収に例えたら300万ですよね。それを大体標準的な、私は息子1人ですけれども、子供2人で家族4人だと仮定します。そうすると、割ると75万ですね。そうしたところで、先ほど交付税とありましたけれども、和泊町に落ちてくる交付税、単純に割ってみると、1人当たりの交付税というのは約40万だと。そうすると、40万と70万足して大体110万ちょいですね。これ、100人減ったら、もうそれで10億以上ですよね。これ、300人減っているということはどういうことですか。この数年の間に、和泊町で本来動くはずだったお金が30億円ですよね。その単位で減少しているんですよ。
 この波を我々民間はもろに受けているんですよ。どれだけの会社が、今はまだたくさんの会社に分散されて、それぞれの会社の体力を奪っている段階なんです。これがさらに進むとなると、どれだけ多くの会社の存続の危機に瀕するのか。このことに関しては、我々、本当に肌身で感じておりますので、行政の皆様、執行部の皆様、非常に数字がでかいです。起債残高が今100億切りましたねと言われてもぴんとこないですけれども、そこを何とか町民に寄り添って感じてほしい。1次産業、2次産業、3次産業、みんなが苦しいんですよ。内需が回らない。だから、人口問題に取り組まなければいけない、このことをずっと全議員で、さまざまな場面を通して強く訴えているわけでございます。
 この訴えている中で、企画課長、地方創生の施策の進捗具合、連携はどのような状況でしょうか、お尋ねいたします。
○企画課長(川畑裕一君)
 議員おっしゃいましたとおり、地方創生、始まって3年目になります。昨年の9月に検証結果を出したんですけれども、その中で、「地方における安定した雇用を創出する」という部分の中で「KPI」というのを設けてございまして、その中で、まずは農産物の生産額ということで、これについては、たまたま非常に66億という大きな伸びがありましたので、目標60億に対して達成したということがございます。
 新規雇用については、平成31年なんですけれども、目標値52名に対して3名ということで5.8%だったと。
 それからあと、島内入込客数、それから移住者数、これは「地方への新しいひとの流れをつくる」という項目なんですけれども、これについては、目標値が10万人に対して8万6,299名ということで86.3%、それから移住者数については、100人に対して26名、26%。さらに、合計特殊出生率、これは目標値を2.39に対して、実績値が2.24、達成率が93.7%。
 さらに、「時代に合った地域をつくり、安全なくらしを守るとともに地域と地域の連携を図る」ということで、これが人口減少率を抑えるという目標が4.3%以下に対して、実績が3.9%ということで、これは達成をしているというような、そういった、これは3年間の結果でありますけれども、検証結果としては、KPIに対してはこのような結果であります。
 しかし、実質は、当初掲げた10年後、それから20年後の人口目標を緩やかにしていくという目標だったんですけれども、少し早まったかなという感触を受けているところであります。
○1番(川畑宏一君)
 お答えいただきました。
 急激に早まったところは、さまざまな外的要因も加味されたのかなとは思うんですけれども、それでも達成された項目があるにもかかわらず、これだけ減少傾向が下げどまらないというのは、やはりこの施策の見直しというものも必要であるだろうし、あと、地方創生を所管している企画課の施策に関しては、非常に進んでいるのかなと思うんですけれども、そのほかの各局との連携しなければならないところ、これはやはり、先ほどよりずっと申し上げているように、その連携の部分、危機意識は皆さん持っているんでしょうけれども、その危機意識の共有という部分では、まだまだ民間に比べると足りないのかなと、そういうことで思っております。
 そして、さまざまな会合で、我々議会というのは毎晩のようにいろいろな会合に呼ばれて、日々肝臓を酷使しているわけですけれども、毎回毎回、どの会に出ても言われるのは、やっぱりその人口のことなんです。人口が減って苦しい、人口対策、おまえら何をやっているんだと、おまえら議会、ちゃんと動いているのかと、そういう議論をずっとしながらやってきている。
 その中で、町民にも聞きました。役場の職員にも聞きました。その危機意識が高まらない理由は何なのかと、私、探ってみたんですけれども、結論としては、問題が非常に大きい。起債残高100億とか、ぴんとこないんですよ。抽象的でイメージしづらいために、職員の皆様一人ひとりの中での、どうしても早急な対応をしようとするところに結びつかないということは、これはもうじかに意見としていただいております。
 そういった中で、今までシミュレーション、さまざまなことをやっているんですけれども、私がちょっとお願いしたいのは、もうこれは本当に危機が迫っているからすごく極端なことを言いますけれども、例えばこのまま人口が減っていったときに、上下水道、サンサンテレビ等、これらを維持することができなくなってきます。そうすると、必ず上下水道代、サンサンテレビの使用料など、もう上げざるを得ないでしょう。
 次、これは行政にかかわることですけれども、今、合同庁舎が和泊町にあります。かなりのスタッフがいらっしゃって、専門的な方もいらっしゃって、何か和泊町の行政でわからないことがあれば、ある程度こういっていろいろ行政を進めることができるんですけれども、人口減少がずっと進んで、いつまでもあの合同庁舎があるとは思えないですよね。小さな事務所に縮小されてしまったりしたときに、奄美市、大島支庁もしくは徳之島の合庁にわざわざ行かなければ話が進まない。こうなってくると、行政のスピーディーさというのは非常に欠けてくるんじゃないかなと思います。
 そしてまた、定期船、航空機、これ毎日飛んでおりますけれども、これだって毎日になるかわからないですよね。そのうち、余りにも採算がとれなくなってくれば、これはもう奄美全体の問題になるんですけれども、不定期で二、三日に一遍とかなると、これはもう経済にとっても大きな打撃が出てくる。
 そしてさらに、我々、体育館建設だとかいろいろ要求していますけれども、こういった新しい公共施設の建設、事業、全くできなくなるときが来るんじゃないかと。
 そして、例えば道路や学校といった今ある公共施設、道路が、アスファルトがめくれて剝がれてきても、それも補修もできない。学校で子供たちの勉強している天井が爆裂して落ちてきても、補修することができない。こういうことも、現実として本当にせっぱ詰まったときにあるのではないかと。
 そして、税金というのは、国がほとんど定めるものですから、和泊町独自で決めることはできないですけれども、本当に一般財源が確保できないとなったときには、特別税、目的税として何かしらの税負担を町民に強いることも、これもないとは言えないですよね。ずっとこのまま人口が減少していけば、必ずどこかのラインで起こり得ることだと。
 そして、これは最後の話なんですけれども、職員の皆様の人件費、給与カットにも踏み込まないといけないかもしれない。執行部の皆様のときには、そこまで大きな変化はないかもしれないですけれども、我々の世代、我々の後輩の世代が20年後、30年後、しっかりと給与をもらっていけるんでしょうか。もう皆様の仕事というのは、自分たちのことだけじゃないんですよ。我々の世代、これからの世代をどう支えていくか、どう見据えていくか、そのビジョンを示していただきたい。
 そういった中で、町長にお願いしたいんですけれども、職員の皆様にデッドラインを示していただけないかと。今、お話ししたような、これ、すごく極端な話なのはわかっています。ただ、これがこのまま人口の減少傾向に歯どめをかけられないのであれば、いつかの時点で必ず出てくることだと私は認識しております。
 漠然としているから危機意識が持てないんだというのじゃなしで、こういった自分の所得だとか、いろんな身近な生活に関することで、人口が例えばここにまでなってしまったら、こういう苦しみを味わわないといけないというような、そういったシミュレーションができないでしょうか。町長、出していただけないでしょうか、お尋ねいたします。
○町長(伊地知実利君)
 川畑議員から、いろいろなご提言をいただいているところでございますが、まず私ども、職員は職員として、今の先ほどから申し上げております財政の問題については、課長会のたびに、起債残高が幾らだとか公債比率がどうだとか、そういうことはお互いに共通理解をしながら、各課の職員にそれを周知徹底して、何をどう節約できるのか、そういうことを、先ほどから総務課長がお答えしているように、物件費であるとか事務費であるとか、いろんなそういうものをどう自分たちで削減していけるか、そしてそういうもののほかに、川畑議員指摘のように、お互いの身を切る場面も出てくるかもしれません。そういうところも、その課長会の中では追求しながら、お互いにこういう危機意識を持ちながら仕事に当たってほしいというようなことは常々申し上げているところでございます。
 今言う、私ども職員が町民の先頭に立って、そういう危機意識を持ちながら、日々仕事に当たって、町民の福祉向上、先ほど言いました、少ない予算でどう大きな仕事で効果を上げるかということを日々考えていかないと、これからの厳しい時代を切り開いていけないと、そのように思っております。
 また、先ほど商工会の話も出ましたけれども、町から商工会に対してはいろいろ提言もしております。どうしたら商工会が活性化できるかということですね。川畑議員も商工会員でございますので、ぜひその場所でも、ただ町がやるだけじゃなくして、それぞれの団体がどうしていかなければいけないかということを議論する必要があるのかなということを思っておりますし、また皆さんから前の議会のときに提言いただいた実験農場をどうするかということも、いろいろと議論もしてまいりました。そして、花き専門農協とも、いろいろ議論もしてまいりました。そういう意見もあると、どうですかと。いや、ここがなくなると絶対困るということでありましたので、じゃ、内容をどうするかということをこれから検討していかなければいけないと、そのように思っております。
 それぞれの施設、それぞれの課で、どうコスト削減ができるかということは、常日ごろから通達をし、皆さんそれぞれ各課で議論し、検討していることだと、私はそのように捉えているところでございますが、それを言っただけで確認をとっていないところが私のできていないところでございますけれども、やはり常日ごろからそういう意識を持って仕事に当たるような指示といいましょうか、指導といいましょうか、そういうことは各課長と議論をしているところでございます。
○1番(川畑宏一君)
 町長を初め執行部の皆さん、職員の皆様が、本当にこれに真剣に取り組んでいる気持ちを持っていることは、我々も重々承知しているんです。それは、町長も、今、我々におっしゃいました、各団体でも努力してと。お互い、形に出していきましょう。今のところは、お互い、形が見えないですから、これを出していって、町長がいつもおっしゃる自助・共助・公助、この取り組みにつなげていけたらなと思います。
 デッドラインに関しては、今、町長から直接的なお答えはなかったんですけれども、お願いしたいのは、これによって2つの取り組みができるんです。この人数にきたらやばいぞというライン、なかなか算定するのは難しいと思うんですけれども、出していただかないと。なぜかというと、人口減少というのは生活習慣病と同じなんです。じわじわ、いつの間にかわからない、どう体調が悪くなっているのかわからなくて、ある日突然、血管が破裂する、詰まってしまう、重大な症状が出てしまう、それが人口減少だと私は思っています。だから、そのデッドラインがわかっていれば、それを回避するためには、例えば出生率でわからないですね。実際、出生数が何名いれば、これを回避できる。だったら、その出生数を維持するためには、例えば保育施設もこれだけ必要だよねとか、保育士がこれだけ必要じゃないか、そういった逆算の取り組みを一つはするため。
 もう一つは、もしどんな取り組みをしても、本当にそれをとめられない可能性もあるんですよね。じゃ、このときどうするか。いきなりデッドラインに到達して、いろんなマイナス要因が出てきたときに、もうそのときに対峙しても仕方がないんですよ。それをあらかじめ予測して、そのときが来たときに最小限の被害で食いとめる、危機管理、リスクマネジメントだと思いますけれども、これを実行するためにも、ぜひ、この過激でありますけれどもデッドライン、このまま人口減少が進んだときの、どういうことが起こり得るかというのを、ぜひいま一度検討していただけたらなと思います。力強く早急な取り組みを期待いたします。
 それでは、次に進ませていただきます。
 保育及び幼児教育について。
 建てかえや園児数見直しに迫られた、必要が生じたときに検討する旨の答弁でございました。
 しかし、さまざまな立場や価値観があり、簡単に話がまとまるものではありません。実際、昨年の子ども・子育て会議において、保護者、こども園、保育園、幼稚園など違った立場から多くの意見が挙がりまして、子供のために何がベストなのか、じっくりと議論する必要性を感じたところであります。
 また、性急な動きというものは、教育の現場、保育の現場を混乱させ、それはすなわち子供への悪影響にもつながることであります。過去のさまざまな制度変更等でも、現場に大きな負担が生じたと聞いておりますし、4月から始まる3歳児保育においても、もう半年を切った段階で出てきた話でしたので、現場の先生方は懸命な準備、対応に追われたということを伺っております。
 また、改修したとはいえ、昭和50年代に建設された建物が全てでございますから、既に老朽化が進み、建て替えはそう遠い話ではありません。
 今述べた観点から、保育・幼児教育施設のあり方に関しては、問題に直面してからではなく、子ども・子育て支援計画、また策定し直しますよね、その一環として具体的な検討を今から進めていく必要があると考えますけれども、町民支援課長の見解をお聞かせください。
○町民支援課長(高田清蔵君)
 お答えいたします。
 わどまり保育所の改修工事、2年前に行ったところなんですが、その検討委員会の中で、10年後をめどに、統合を踏まえた検討をすべきというような協議もなされております。しかしながら、町内全施設とも同じく老朽化が進んでいるところであります。
 私としては、子育て会議を中心に、早目早目の検討会を持ちたいと考えているところであります。
○1番(川畑宏一君)
 何度も申し上げますけれども、検討が遅れれば遅れるほど現場に負担がかかり、保育の現場もしかり、幼児教育の現場もしかり、本当にぎりぎりの人数でしておりますので、混乱を招かないように、今、課長がおっしゃいましたように、早目早目の検討をお願いしたいと思います。
 また、今、建て替えが進んでおります我々待望の新庁舎ですけれども、これは人口が減少するということではなくて、これからどんどん明るい未来を築いていくという意味も込めて、面積も本当に必要最小限ではなく、ゆとりを持ったものにして、未来志向でできている、建設しているのが今の新庁舎だと思っております。
 こども園、こういった設備に関しても、人口減少に合わせて小ぢんまりとした施設をつくるのではなく、これから子供をふやしていくんだという、そういう未来志向型の施設を検討していくことを要望いたします。
 今、ハードの話だったんですけれども、私の質問の趣旨はソフトの面もちょっと含まれておりまして、今、鹿児島県におきまして、こども園、4つのタイプがございますけれども、幼保連携型125施設、幼稚園型18、保育園型13、地域裁量型ゼロということで、内閣府の指示も含めて、流れとしては幼保連携型を目指すようなところですけれども、今、本町のこども園は全て保育園型だと思います。和泊町のソフト面に関しては、どのような方針をお持ちでしょうか、町民支援課長にお尋ねいたします。
○町民支援課長(高田清蔵君)
 お答えいたします。
 認定こども園には、先ほど議員がおっしゃった4タイプのこども園がありますが、本町においては、こども園は3園とも保育所型こども園であります。
 国が推奨する幼保連携型こども園ということでありますが、これは検討委員会の中で検討しなければならないんですけれども、国の補助事業を導入するに当たっては、幼保連携型こども園のほうが門戸が広がっているというような資料も持っているところであります。
 今後、統合とかそのようなあれがあれば、このような提案もしていきたいなと思っているところであります。
○1番(川畑宏一君)
 まだ検討段階であるんですけれども、いろいろと補助を受けたりとかする中で、幼保連携型というものが検討のテーブルからも外せないというか、のった状態であるということだと思いますけれども、この4つのタイプの中で、幼保連携型以外は、保育士資格と幼稚園教員免許、両方を持っていることが望ましいということで、義務ではないんですけれども、本町も目指す可能性があるその幼保連携型というものは、どちらの免許もちゃんと持っていて、しかもそれが更新されていないといけないという状況だと思います。
 本町における教員免許の更新においては、自分の資格ということで、自己負担だということでございます。今、和泊町の中で、教員免許の更新をしないといけないというのは、実際は今のところは和泊幼稚園しかないんですけれども、今後、幼保連携を目指すのであれば、しっかりとこども園の先生方においても、この更新講習を受けていく必要があると考えます。
 そして、その中で、お聞きすると、鹿児島に約3回に分けていって、旅費等々を含めると自己負担額30万円ほどかかってしまうと、なかなか厳しいと。この額を自分たちで負担しなさいとなると、だったら教員免許を更新しなくていいとなってしまって、和泊町が将来的に選択肢として残している幼保連携型というものが難しくなる可能性があると思うんですけれども、何とかその教員免許講習に関する助成を、幼稚園に関する、お願いできないでしょうか、総務課長にお尋ねいたします。
○総務課長(種子島公彦君)
 幼稚園免許の更新につきましては、議員が今おっしゃったとおりの状況でございます。
 当初予算編成の各課との打ち合わせのときにも、保育士等からはそのような要望がありまして、2月に郡の総務課長会があったときも、本町からの議題として各市町村の現状をお聞きしたところでございますけれども、郡内においては、現在のところ、助成をしていないという状況でありました。
 しかしながら、他の介護の資格であるとか、あるいはまた消防団の大型車を乗るような免許証の助成だとか、いろんな他の資格との兼ね合い、それから整合性などもとると、今後は十分検討していかなければいけないということで、その費用についても、具体的にどれぐらいかかるのか、また星槎大学の通信教育等を活用できるということも聞いておりますので、いろんなそういう情報を担当課等を通して収集しながら、検討はしてまいりたいと思っております。
○1番(川畑宏一君)
 前向きな答弁をいただきました。
 この保育園の政策、そしてこの保育士、こども園で働くに当たって必要な幼稚園教諭の免許更新、これは単なる教育現場の話にはとどまりません。
 昨日、町長がおっしゃいました。生産年齢人口をふやさないといけないんだというお話をされました。あと、国が出した推計の中で、消滅可能性都市という言葉がありましたよね。あの中で、2010年から2040年までの30年間で消滅可能する都市というのが算出されていたわけですけれども、あれは何をもとにやったかというと、20歳から39歳まで、主に子供を出産する女性、この世代の減少率が大きいほど消滅可能性が高いという指標で出しているわけです。
 それで、せっかく島で、和泊町で子育ての仕事をやりがいを持ってやろうとしている女性が島に帰ってくる、これをどんどん進めていかなければならないわけですけれども、そんなに給料が高いわけではないですよね。その中で、ええ、そんなにたくさんの負担をしてまでやらなければいけないのかというような問題になってきたときに、これは単なる保育の現場の、教育の現場の問題ではなくて、まさに人口問題だと、和泊の財政の問題だと、こういうふうに私は認識しております。
 ちなみに、知名町のほうは、これ積極的に導入に向けて検討していくというふうに聞いております。しかも、現場からの要望はなく、私が今話したようなことを自主的に検討したというようなことを聞いております。
 ぜひ、この問題というのは、先ほどもお話ししました人口問題につながりますから、早急な検討を、前向きな検討を、総務課長、率先してお願いしたいと思います。
 次にいきます。
 漂着油対応についてであります。
 関係当局と連携を図りながら対策を進めていることがわかりました。
 実際、私も確認したんですけれども、ワンジョビーチとかはほとんどなくて、西原海岸にペットボトルについたものが少し、あと国頭にちらほらという感じで、大分対策は進んでいるのかなと思いますけれども、夏へ向けてきれいな海をみんなで、ボランティアスタッフも含めて取り戻していけるように、引き続き対策の陣頭指揮をとっていただけたらなと思います。
 また、今回のようなタンカー沈没事故はあってはならないことなんですけれども、沖永良部島近海を航行する船舶は非常に多いです。今後、同様の事例が起こる可能性というものは、なきにしもあらずです。
 奄美群島は、世界自然遺産登録を目前にし、国立公園を擁し、沖縄や鹿児島と一体となり、今後、多くの観光客が訪れることが予測されており、以前、一般質問にもおいて、観光地の危機管理の必要性について提言いたしましたけれども、今回の事例も含めたさまざまな事案を想定し、奄美全体で観光地の危機管理に取り組む必要が高まっていると思われますが、企画課長の見解をお聞かせください。
○企画課長(川畑裕一君)
 観光に関しましては、奄美全体、世界自然遺産であったりとか「西郷どん」の放映であったりとかということで、非常に追い風をひしひしと感じているところであります。
 特に、世界自然遺産については、やっぱり自然遺産ということですので、海岸保全というのは、これはもう当然なことだと思います。
 今後、漂着問題については、郡全体、広域組合も含めて全体でさらに取り組んでいく必要があるのかなと思っているところですけれども、ただ、現在のところは、県の交付金、補助事業をもって対応しているところでありまして、本町においても、その事業を利用して対応しているという状況であります。
 ただ、観光地に関しましては、やはり多くの方々が訪れるということで、それだけじゃなくて、独自で地域の方々であったり、あるいは商工、特に観光協会の方々のボランティアでもって対応しているというような状況でありますので、今後ともいろんな事業を導入してやっていく必要があるのかなと考えております。
○1番(川畑宏一君)
 大変前向きな答弁をいただきました。
 危機管理というのは、対応を間違えると観光地として莫大なダメージをこうむります。ぜひ、前向きな取り組みを期待いたします。
 タンカー沈没において、積み荷のコンデンセートと燃料が流出したわけですが、生き物への影響はどのようになっておりますでしょうか、経済課長、お願いいたします。
○経済課長(武 吉治君)
 水産物に関しての被害ということですが、今のところ、表立った被害はないということですが、やはり重要な案件でございます。今後とも、こういったことがないようなことを、水産関係の部局を含めて要望を続けていきたいと思います。
○1番(川畑宏一君)
 大きな被害はないということで、ただ、水鳥が油にまみれて死んでいたりとか、ウミガメが口に入って窒息死したりとかいう例はあるようでございます。
 あと、水産業に関しては、ないようですけれども、これ、後から被害が出てくる、時間がたってから出てくる可能性というのもどうしても捨て切れないわけでありますので、漂着油回収自体はめどが立っておりますけれども、例えば水産業にダメージが生じた場合など、さまざまな可能性に対応できる体制を維持する必要がありますので、引き続き対策に取り組まれるよう強く要請いたします。
 また、関連してなんですけれども、12月議会におきまして、和泊町の海岸、漂着物がひどいと。ワンジョビーチ、その役場の皆さんが漂着油と一緒に回収していただいたんですけれども、その2週間後に行ったときには、もう撮影前でしたかね、すごい漂着物がたまっていて、先日、西原海岸もちょっとビーチクリーンに行ったんですけれども、表現すると、ごみの埋立地のような状態になってしまっていて、ほとんど、瓶を拾ってみると海外製の瓶、缶、ペットボトルなんですけれども、これは次から次へと流れてきますし、切りがないんですよ。地域の方々も、それぞれの地域の浜をきれいにしようとして取り組まれているのも確認しております。
 ただ、もう全然追いつかないですし、これから観光客をたくさん迎えようとする中で、お客様をがっかりさせてしまう。継続的にずっとやっていくために、与論町のように、年間通した雇用がある臨時職員ですけれども、海岸清掃員の設置や、あと、ごみ回収ボックス、こちら提案しておりますけれども、こちら、ぜひ前向きに検討を引き続き進めていただけたらなと思います。
 そして、このビーチクリーン、海岸漂着物対策を進めていくに当たって、その処理に関してなんですけれども、海岸漂着物は、さまざまな素材がごちゃまぜになっており、分別に相当な労力を要します。もし、不燃物が混入してしまうと、クリーンセンターの焼却施設の故障を招くおそれがあり、大きなコストがかかってしまう可能性があります。
 そこでご紹介したいのが、沖縄のメーカーが製造しているチリメーサーという小型の焼却炉があります。これは、燃やすものに応じて燃焼工程を緻密に計算管理し、ダイオキシンなどの有害ガスを一切排出しないだけでなく、産業廃棄物に関する免許等も要りません。誰でも設置して燃やすことができます。これなら、分別がよくわからない海岸漂着物も、とりあえず燃やしてみて、残ったものを産業廃棄物として処理するだけです。焼却炉を傷めてしまうこともありません。タイヤや農業廃プラスチック、医療廃棄物等も焼却可能で、燃やすものに合わせてカスタマイズも可能です。実際、沖縄の全ての離島及び奄美で言うと与論島、請島、与路島には既に導入され、海外でも高い実績を得ております。
 導入に当たっては、各種補助金を活用してもらえるんですけれども、海岸漂着物対策が最も補助率が高く、少ない負担で導入できます。導入の可能性について、土木課長の見解をお聞かせください。
○土木課長(皆吉泰智君)
 お答えいたします。
 今回の漂着油の後処理につきましても、今のところ、島ではできずに、島外への搬出が予定されているんですけれども、将来的には、こういったものも含めて、毎日のように大陸方面から流れてくるペットボトル等をボランティアの方々が集めて、たまっているわけですけれども、やはりそれを一般廃棄物処理で燃やすというのは、非常に無理をしているという話も伺っています。そういう中で、議員のおっしゃるチリメーサー、非常に効果が大だと聞いております。
 やはり、現場も見ながら、そういった研究も必要かと思いますので、視察等も入れて調査していきたいと考えております。
○1番(川畑宏一君)
 ぜひ、前向きに検討していただいて、あとこれ、ことしのいつになるかわかないんですけれども、知名町が、このチリメーサー、デモ機が、あちこち試してみたいところに各地域を回って一定期間貸し出されているんですけれども、デモ機を申し込んでいるということで、もしかしたら、今年中に知名町にデモ機が入る可能性がありますので、そのときにはぜひ連絡をとって、試験導入できる機会だと思いますので、可能性を探っていただきたいなと思います。
 次に進みます。
 続きまして、最後は水産業振興についてであります。
 町長答弁におきまして、沖縄群島水産物輸送コスト低減実証事業を活用し、沖縄へ出荷することの具体的なメリットを挙げていただきました。また、取り組みについても確認できました。
 漁業関係者にお話を伺いますと、この事業は非常に高く評価しており、水産業振興に大きく寄与するものであるとして、何が何でも本事業採択を切望されております。
 先ほど、町長の答弁でもありましたけれども、幾つかデータをご紹介いたします。
 先ほど、50%以上の伸びということでございました。これ、私も計算してあったんですけれども、沖永良部島漁協は、もともと島内消費よりも島外への出荷する量が多く、実証事業が始まる27年度売上高の約7割は島外の出荷だったんです。もともと島外の出荷が多かったんです。しかし、それでも実証事業が始まったら、28年度は27年度に比べ50%以上、約1.6倍伸びている。1.6というと、普通の1.6と違って、もともと島外へ出荷が多かった1.6ですから、これは非常にインパクトのある数字だなと私は感じております。
 そして、さらに29年度、島外出荷の主力であるソデイカ等の水揚げ自体が伸び悩んでおり、28年度実績には及ばない見込みですが、しかし漁師さんの声を聞いてみますと、これまではまとまった量が出ないと、なかなか少量で、沖縄に行ったほうが高く売れるとはわかっていても、輸送コストがかかってしまうので少量では送ることができなかったんです。ためらっていた。しかし、この輸送コスト支援のおかげで、少量でも出荷し、確実に売り上げにつなげることができるようになったということで、非常にありがたい、感謝しているという意見をお聞きしております。
 また、水揚げに関しては、水揚げされた全魚種の全競りでの価格を全部統計にしたものがあるんです。それで、島内と島外の同じ魚、全魚種で競り金額を比較したデータが漁協にありました。これをすると、全部の魚種の平均で、島内で競りを出すときよりも島外のほうが155.2円、全部の平均ですよ、高かったんです。これを、単純に28年度の実証事業で出荷した島外出荷キロ数に掛け算をいたしますと、約2,480万円にもなります。
 ただ、これ、ちょっと注意点がございまして、沖縄の実証事業だけじゃなくて、もう既に以前から本事業になっている農水産物の輸送コスト支援事業がありますよね、これも含まれております。含まれておりますけれども、それを合わせても約200万円程度の投資で、先ほど申しました2,480万円もの売り上げ向上に寄与しているので、非常に費用対効果の高い支援事業であることがわかります。
 沖永良部島漁協においても非常に効果を上げておりますが、奄美のほかの漁協においてはどのような実績になっておりますでしょうか、経済課長にお尋ねいたします。
○経済課長(武 吉治君)
 議員おっしゃるとおり、この実証事業において、非常に沖永良部漁協の水産物が沖縄への出荷がされて、非常に漁師も喜んでいるということを聞いております。
 そして、ほかの奄美ではということでございますが、与論、そして徳之島、瀬戸内、そして奄美の漁協がこの実証事業を行っておりまして、特に与論島において、近いこともあるんですが、出荷が伸びていると聞いております。
 あと、私ども調べたところによると、やはり今までは鹿児島本島に出すのが多かったんですが、先ほど申し上げたとおり、70%近く沖縄のほうに出荷するということでありますので、町長の答弁にもあったように、ぜひこの実証事業を、実際、今、輸送コストの支援事業のような形でいけるよう、また要望を申し上げていきたいと思っております。
○1番(川畑宏一君)
 大変前向きな答弁をいただきました。
 これは、奄美全体の経済振興にも寄与するものであり、奄振の意義にも沿うものであります。奄美水産業振興協議会、奄水協の悲願の事業でもあり、アズマ組合長が奄美を代表して、4月ですか、東京へ陳情へ行くということも聞いております。ぜひ、行政としても、奄美全体一丸となった取り組みで、奄振の本事業へ採択していただけますよう力強い推進をお願いいたします。
 続きまして、水産業振興として関連質問をさせていただきます。
 先日の新聞記事にもなったんですけれども、2月14日に奄水協において、夜光貝とシラヒゲウニの種苗というんですか、放流事業について、もう今とまっているんですけれども、それを早期再開してほしいという記事がございました。
 特に、夜光貝の放流事業についてでございます。
 平成14年から28年までの間に12回行われたこの放流事業なんですけれども、28年度で終了してしまいましたが、放流事業の効果というものは、その後の水揚げ高というのがぐんぐん上って、多少の増減はあるものの、平成14年のときの数倍にもなっていて、大きな効果を得ていることは明らかであります。
 そして、先ほど私がお話しいたしました島外出荷で、沖永良部漁協、成果を挙げているんですけれども、夜光貝はこの島外出荷の主力品目でもあります。放流の効果が、昨年で事業は終わったんですけれども、まだ今はその効果が続いていて、今期水揚げは何と過去最高7トンに迫っております。これは、沖永良部島を除く奄美全体の水揚げ量とほぼ変わらないほど、今、沖永良部の水産業を支えているものになっております。
 島の水産業振興に大きくかかわると思いますので、シラヒゲウニとあわせた種苗放流事業の早期再開へ向けた取り組みができないでしょうか、経済課長にお尋ねいたします。
○経済課長(武 吉治君)
 この件につきましては、県のほうから調査のほうがありまして、担当に確認しましたところ、今後も継続するような要望をということで調査事項に出しております。
 また、いわゆる素潜りの方の中に、かなり若者が帰ってきて定着していることも聞いておりまして、今後の雇用にもつながるということも含めまして、貴重な水産資源だと心得ておりますので、改めて、また要望もしてまいりたいと思っております。
○1番(川畑宏一君)
 経済効果だけでなく雇用にもつながるということで、前向きに検討していただく旨の答弁をいただきました。
 また、夜光貝は、殻を使った工芸品や美術品が近年注目され、体験プログラムでも好評だと聞いております。さらに、遺跡からも出土するほど、昔から島の生活に密着してきたものでもあります。
 最近は、その地域の食や文化、民俗などを生かしたコンテンツが観光客に喜ばれる傾向があり、観光振興の観点からも価値のあることではないかなと思いますが、企画課長の見解をお尋ねいたします。
○企画課長(川畑裕一君)
 現在、沖永良部島観光協会は、アイランドプラス計画に基づいて、いろんな体験なども含めたことを実施しております。その中で、貝を拾って、それをアクセサリーにする美ら玉体験というのがございますので、もう既に似たようなことをしておりますので、夜光貝についても加工して、そういった体験が、完成しますと独特なやっぱりすばらしい体験になるのではないかなと思います。
 ぜひ、その有無についても、観光協会のほうに進めていくようお願いしたいなと思っております。
○1番(川畑宏一君)
 大変有意義なご意見をいただきました。
 この放流事業ですけれども、昨年で終わっているんです。今年は、まだ効果が継続しておりますけれども、期間が長くあいてしまいますと、効果がリセットされて、夜光貝が大きく減少してしまう可能性があります。これもまた、奄美全体で協力して、シラヒゲウニとあわせて、放流の早期再開へ向けて取り組んでいただけるよう強く要望いたします。
 現在、漁協において加工場建設が進んでおりますが、来年度予定の冷凍・冷蔵庫事業とあわせて進捗状況はどのようになっておりますでしょうか、経済課長にお尋ねいたします。
○経済課長(武 吉治君)
 おかげをもちまして、おおむね完成に至っております。ただ、昨日、見に行ったところですが、今、電気工事、配線の工事までやっておりまして、非常に期待しております。狭いスペースを使っての建設であったので、かなり心配したところもあるんですが、順調に進んでおります。
 今後、1次加工を行った形で、島の魚を本当に有効利用して、保存もできて活用できるということで、島外からの輸入じゃなくて、島の魚をおいしく島民が食べられるという観点の中で、完成した暁には、いろんなまた新しい資源にもなると思っておりますので、期待しておるところであります。
○1番(川畑宏一君)
 立派な加工場が実際できております。関係者も大変喜んでおります。そして、深く感謝の気持ちを申しておりました。この加工場を最大限活用するためにも、冷凍・冷蔵庫施設が重要になってまいりますので、これがすばらしいものになるよう強く期待いたします。
 実は、昨日も、夜、若手漁師さんを中心として勉強会が開催され、消費者へおいしく食べていただくための鮮度保持の実験、検討会、勉強会をいたしました。ナノ窒素を細かいナノバブルにして発生させて、これによって魚をコーティングすることによって酸化から守ったり菌から守って、1週間くらいたっても、それを施していない魚と比べると、全く鮮度が変わってくると。
 実際に、笠利町の漁協というのは、もともとそんなにまで水産業が盛んではないというか、和泊町、沖永良部の漁協に比べると、取り組みは大分静かだったのかなというところなんですけれども、これを取り入れて、鮮度保持をしっかりした魚が関東中心に広く支持されまして、奄美は笠利町からすぐ空港で行って、東京にそのまま飛ばすことができますので、これが今、大分市場を拡大して、いわばブランド品のようになって好評をいただいているというようなことも聞いております。
 ほかにも、漁法の改良や販路開拓など、漁師、漁協、仲買人、一体となってさまざまな取り組みも行っております。まだまだ伸び代が大きく、産業として確実な成長が期待できる分野です。島の経済発展や雇用創出にも貢献できると確信しております。今後とも、意欲と活動実績に応じた支援を賜りますよう強く要望いたします。
 最後に、本日、大変極端な意見も含めまして、町長初め執行部の皆様にいろいろ要請、要望を強くいたしました。その中で、町長からいただきました。頼るだけではなく、自分たちでも努力していく、このことを、今日、私は非常に深くこの胸に刻みました。
 我々のような、ペーペーのこんな若い世代が、そういう取り組みをそれぞれの組織の中でやっていこうとすることは、なかなかそう簡単なことではないですし、いろいろ波紋も広げるかもしれないですけれども、私はこれをしっかりと受けとめて、さまざま分野で、団体で協力しながら力強く取り組んでまいりたいと思いますので、町長初め皆様も危機意識を持って、具体的な政策を持って、ともに和泊町の、沖永良部島の発展を目指してまいりましょう。
 これで私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。
○議長(永野利則君)
 これで川畑宏一君の一般質問を終わります。
 ここで休憩します。