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更新日:2021年3月23日

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第2日(2)

発言者

川畑 宏一

発言内容

川畑宏一君の一般質問を許します。
○1番(川畑宏一君)
 皆さん、こんにちは。
 子育て世代、川畑宏一でございます。
 さて、来年度末には、奄美群島振興開発特別措置法の期限を迎えます。そのため、現在、群島内各市町村において、ヒアリング等さまざまな調査が行われているところでございます。先日の群島議員大会の際、若手議員で懇親会を開いておりましたところ、たまたま別件で与論島を訪れておりました県離島振興課の奄振担当者からお話を聞く機会がございました。その際、お伺いしたのは、どんなことでもよいので、奄美が抱える課題や奄振のアイデアをどんどん挙げていってほしいということでございました。
 今回の一般質問におけるテーマは、奄振への提案であります。粗削りで具体性に欠ける部分も多々ございますが、そういった目線でお聞きいただけたらと存じます。
 それでは、平成29年第2回定例会において一般質問を通告しておりますので、順を追って質問いたします。
 まず、子育て支援について。
 小さな子供を抱える子育て世帯にとって、島外への移動は、安全性の確保や周囲への配慮など、一般乗客に比べると大きな負担が生じます。群島内への観光客増加も見込まれる中、定期船にキッズスペースを備えた子育て世帯用の客室を設置するような事業を導入できないか、お尋ねいたします。
 次に、総合体育館建設について。
 28年9月議会の答弁において、旧町民体育館の解体に伴い、体育館建設の必要性については十分理解しつつも、町の財政状況や庁舎の耐震性能など、総合的な観点から庁舎建設が最優先であると判断がなされた旨、ご説明がございました。
 庁舎建設については、先日、事業候補者との間で基本協定書が締結され、議会での議決を経て、契約、着工がいよいよ見えてまいりました。
 町民が待ち望む総合体育館建設について、検討委員会の設置や基金創設へ向けた取り組みはどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 続いて、行政事務の経費削減と効率化について。
 行政事務におけるペーパーレス化は、経費削減と効率化により、町民へのさらなるサービス向上に役立つと考えられます。新庁舎建設にあわせ、どのような検討がなされているのか、お尋ねいたします。
 最後に、漁業振興について。
 27年度に実施され、現在も進行中である漁港内の防波堤建設事業により、船だまりの静穏度が確保され、漁業環境が向上し、関係者からは感謝の声が多く上がっております。
 その一方で、出入り口通路が狭隘になり、航行する漁船の安全性に支障を来す可能性も懸念されております。かねてより危険性が指摘されておりました出入り口付近にある岩礁浅瀬部分の改善を検討できないのか、お尋ねいたします。
 以上、4点について、壇上からの質問とさせていただきます。
○町長(伊地知実利君)
 川畑宏一議員の一般質問に順を追ってお答えをいたします。
 私のほうから、1点、3点、4点についてお答えいたします。
 1点目の、子育て世帯が長期休暇などで島外へ移動する際は、利用する航空機や旅客船内での子供の安全性や他乗客への配慮により、心理的に大きな負担が生じていると思います。特に、ふだんから旅客船に乗る機会が少ない小さい子供たちは、好奇心で船内を走り回ったりするのを見かけることがあります。
 議員からの提案であるキッズスペースを備えた客室の設置ですが、インターネット検索でしてみますと、キッズルームを設置している旅客船もあり、ボールプールやビデオモニターの設置がなされ、保護者も一緒に楽しめるスペースの提供がなされております。
 現在、鹿児島航路には民間所有の4隻が運行されており、いずれにもキッズルームは設置されておりませんが、レストランの開放や介護者ルーム及び授乳室の設置などで安らげる空間が提供されているところでございます。
 今後、奄美・琉球世界自然遺産登録により、奄美群島に大勢の観光客が来島すると見込まれており、子育て世帯も含まれると予想されることから、奄美群島広域事務組合を中心に協議を行い、関係機関に要望してまいりたいと考えております。
 3点目でございます。
 行政事務の現状につきましては、全職員へのパソコンの整備、ローカルネットワークの導入などによる情報化が進展しており、町のホームページ作成や防災行政無線などの決裁につきましては電子化が図られておりますが、その他の内部事務につきましては紙による事務を中心に行われており、決裁時の口頭説明によるコミュニケーション能力の向上や報告・連絡・相談の徹底を重視しており、情報化の効果が十分にあらわれていない状況もあるかと思われます。
 ペーパーレス化や文書管理のシステム化による事務の簡素化・効率化につきましては、町としても検討することが重要であると考えておりますので、今後の情勢を見ながら、決裁の電子化や書類などのデータ化を検討し、あわせて文書管理の徹底、職場環境の充実を図り、住民サービスの向上につながるような施策を検討してまいります。
 4点目でございます。
 議員から質問がありました施設は、県が管理する施設であり、また統合補助事業により、小型船だまりの防波堤などを順次改修しているところでございます。担当部署である沖永良部事務所建設課に問い合わせたところ、現在、新たに防波堤の30メーター延長を予定している箇所にブイを設置し、利用者に小型船だまりへの出入り口の利用をなれさせているとのことでございます。
 入り口においてすれ違う際には、走行をゆっくり行ったり、譲り合えば安全性に支障を来すおそれはないと思われますが、まず、今現在、計画されております防波堤の設置を見ながら、漁協、県の建設課、そして私ども土木課と十分な連携をしながら、状況を見ながら、今後検討して、県との協議をしてまいりたいと思います。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 川畑議員のご質問にお答えをいたします。
 総合体育館の建設計画については、以前の一般質問でもお答えをしましたが、新庁舎を優先し、建設することとしたため、総合体育館の計画については、多額の資金を要する新庁舎建設後の財政状況を十分に考慮する必要があると考えております。
 これまで、建設実行委員会を組織し、アンケート調査の実施や建設検討のための調査業務の提案を受け、総合体育館建設に関する可能性調査事業を実施しており、新庁舎建設後に、改めてその調査を踏まえて、検討委員会の設置や基金の創設等も含めた具体的な検討を行いたいと考えているところであります。
○1番(川畑宏一君)
 まず、定期船における子育て世帯用の客室設置についてでございます。
 こちらは、もともと、子育て・教育熱心なお父さん、そして若い女性、2人の役場職員の方々との会話の中でいただいたアイデアでございます。これはすばらしいと感じ、私なりにリサーチを進めていたところ、子育て世帯の悩める実態が浮き彫りになってきました。
 若い子育て世帯は、まだまだ経済的ゆとりがありません。離島割引により随分手ごろになったとはいえ、子供何人かを連れて島外へ移動する場合、どうしても飛行機ではなくて船という選択肢が多くなります。
 船では、泣く赤ちゃんや好奇心旺盛で元気に走り回る子供を連れ、周りへの配慮に苦労します。甲板などに子供だけで出ると、大変危険でもあります。長時間にわたって、常に神経をフル回転させなければならず、海が荒れて船が揺れた場合などの苦労は想像を絶するものがあります。船酔いで気が立っていたのでしょうか、周囲のお客様にうるさいとどなられ、深夜のロビーで泣く赤ちゃんを抱え、憔悴している保護者を見かけたことがある方もいるでしょう。そういう経験を踏まえ、泣く泣く高い一等の個室を利用する方もいるようでございます。
 喜界町は病院が少ないため、子供の体調が悪くなると、安い船便を利用し、朝5時出発、夜9時帰りという日帰り日程で奄美大島の病院へ通うことも多く、保護者の負担はかなり大きいようです。これは、まさに離島全体の悩みと言えると思います。
 簡単なイメージではありますが、おもちゃ類を備えたキッズスペースと居室をクリアボードのようなもので仕切れば、子供の安全を確認しながら、周りに気兼ねせずくつろげます。赤ちゃん、子供を持つ親同士なら、泣いても騒いでもお互いさまです。子育て世代同士、コミュニケーションも図れるかもしれません。キッズスペースからの出入り口を工夫すれば、勝手に甲板等に出てしまうことも防止できます。既に整備されている船もありますが、授乳とおむつ交換スペースもセットだとベストです。
 鉄道においては、既にファミリー層向けに特化した車両を持つ電車も登場しているようです。こういった子育て支援の取り組みは、地方創生の観点からしても有意なことだと考えますが、いかがでしょうか、企画課長にお尋ねいたします。
○企画課長(川畑裕一君)
 ただいまのキッズルームの必要性ということへの質問なんですけれども、実際、私のほうも、去る1月に、沖縄から沖永良部間の船の中で、乳飲み子を抱えた若い女性の方を2名、見かけました。どうしたのと聞きましたら、やっぱり大勢の中では子供が泣くからということで、中央エントランスの中であやしておったという姿を見まして、非常にこれは早急に設置する必要があるなと強く感じたところです。
 そのようなことから、先ほど議員のほうから、次期奄振に向けてというお話がございましたけれども、現在、次期奄振に向けて、各島分科会というのを開催してございます。これは、次の奄振事業にどのような事業計画をしていくかというような、各島々からのいろんな要望を聞いていくというような会議なんですけれども、本来、13日、沖永良部島だったんですけれども、たまたま議会と重なったということで延期になっております。
 早速、このようないろんな問題点をそのような場所で大いに持ち込んで議論をして、次期奄振で検討できるようにしていきたいなと思っております。
 以上です。
○1番(川畑宏一君)
 ただいま、企画課長より、自身の体験も踏まえながら、キッズスペースを含んだ取り組みについての意義についてご見解をいただけました。
 私は、先日、鹿児島に行き、マルエーフェリーとマリックスライン本社の担当者を訪ね、この提案をご説明し、導入ご検討のお願いをしてまいりました。客室の効率的な稼働や安心・安全を確保するためのコスト、設置する場合の船の構造、また民間企業ですから、そもそも経営として成り立つかなど課題は多く、すぐすぐの対応は難しいとのことでした。
 しかしながら、町長答弁にもありましたとおり、利用者アンケートの結果から授乳室を設置するなど、企業側も常にニーズに合わせたサービス向上に努めており、要望として検討のテーブルにのせていただけたかなといった感触でございます。
 これから、世界遺産ロードとして、鹿児島、奄美、沖縄を結ぶ観光客の増大が見込まれます。アイランドホッピングを成功させていくに当たり、多様な客層ニーズへの対応は必須です。また、何より生活航路であるのだから、島民の利便性は最優先されるべきであります。
 先ほど、課長より答弁がございましたけれども、例えば群島全体で、奄振によって施設整備費用を支援するようなことは可能でしょうか。また、そのほかにどういった方法が検討できますでしょうか、企画課長にお尋ねいたします。
○企画課長(川畑裕一君)
 先ほども答弁させていただきましたけれども、奄美群島広域事務組合を中心に、群島内で、その必要性について、どうあるかというのを議論していただいて、そしてやっぱり必要性があるということであれば、次期奄振、先ほど申し上げましたとおり、次期奄振での要望をしていくというような形になろうかと思います。
○1番(川畑宏一君)
 必要性を精査して、要望していくという力強い答弁をいただきました。
 これは、情報共有でございますけれども、船会社の担当者や地元代理店の方々からは、上下線において、介助が必要な高齢者がふえてきており、例えばボーディングブリッジのようなバリアフリー化を実現するハード整備が非常に大事になってくるというお話もお伺いいたしました。あわせてご検討をお願いいたします。
 この件について、子育て世代である奄美群島の若手議員に意見を募ったところ、大きな賛同をいただき、皆で一体となって取り組んでいこうという流れになりました。国会陳情や県政の場で投げかけてみるという議員もおられました。これからは、自分のまちだけでなく、群島全体の福祉向上を皆で追求していくことが求められると思います。行政においても、これまで以上に一致団結した取り組みを推進してくださることを要望し、この質問を終わります。
 次に、総合体育館建設についてでございます。
 25年度に組織された建設実行委員会ですが、アンケート調査を実施し、またコンサルを通じた調査事業を実施する段階だったと理解しております。
 東日本大震災などを受け、役場庁舎建設が優先されているため、建設実行委員会は自主的に中断している状況だと思います。庁舎建設の完了後でなければ、財政的なシミュレーションが困難であることも理解できます。
 また、全国ほとんどの自治体がそうであるように、我が和泊町も財政的には厳しい状況もあり、いつになったら体育館建設を実現できるかを明言することは難しいでしょう。
 しかし、庁舎と違い、体育館建設には補助事業を導入することができます。ことしになって、公共施設等適正管理推進事業債の制度ができ、庁舎建設においても約2割の補助が実質受けられるようになりましたが、体育館の場合は6割以上の補助が可能ではないでしょうか。そうなれば、予想より早い段階での建設も見えてくると思います。
 有効な補助事業があったときに、すぐに応募できるよう、また機運を維持して確実に建設につなげていくためにも、検討や準備は着実に進めていくべきだと考えますが、教育長のご見解をお聞かせください。
○教育委員会事務局長(美野忠徳君)
 先ほど、議員のほうからご質問がありました。有利な補助事業があれば、早目に取り組みができるのではないかというご質問でございますけれども、私ども教育委員会を所管します文部科学省の、体育館建設になりますとそちらの部署になるかと思いますけれども、そちらの補助事業では、非常にこのような高い補助率の補助事業は、私のほうで承知しておりません。
 ただ、先ほど来ありますように、奄振事業でできないかということにつきましては、いろんな要件があると思いますけれども、体育館だけではなくて、交流を含めた体育館の整備とか、そういう要件によっては、なる可能性もあるのかなというふうに考えておりまして、もしそのような補助事業があるということであれば、次期奄振に向けて、そういうのがあるということであれば、そういう可能性はあるのかなと思いますけれども、今の段階では具体的なそういう補助事業は私のほうで把握していないところであります。
○1番(川畑宏一君)
 ただいま、局長から答弁いただきました。
 後で述べようと思っていたんですけれども、私、この後で、体育館単体ではなくて、総合スポーツエリアとしての検討をしていただけないかというお話をさせていただくつもりなんですけれども、総合スポーツエリアの実現というものは、奄振の中で3つの分野、あと関連して2つの分野がございますけれども、観光・交流、文化、定住等、これらの分野に関連してくるものだと理解しております。ぜひ奄振関連の事業獲得へ向け、ご尽力いただけたらと思います。
 さて、和泊町は、現在、合計で約22億円の基金があるようですが、区分を見ますと、教育施設整備基金というものがございます。条例には、魅力ある文化的風土づくりとあすをつくる教育環境の整備を促進するためとありますが、これは体育館建設にも適用可能な基金でしょうか。もし難しい場合は、新たな基金創設をできないでしょうか、総務課長にお尋ねいたします。
○総務課長(種子島公彦君)
 基金につきましては、現在ある和泊町教育施設整備基金に体育館建設費として積み立てる方法と、また新たに体育館建設だけを目的とした基金を設置する方法があると思われますけれども、先ほどから補助事業の件も出ておりますけれども、体育館建設につきましては、当然国や県の補助事業を導入した事業を検討していかなければならないと思っております。
 そしてまた、その施設が体育館、体育施設としてだけの施設であるのか、それとも文化施設等を兼ね備えた総合的な施設になるのか、そういう基金の目的を十分見きわめながら基金を設置すべきと思っておりますので、その施設の目的に応じた基金を設置すべきであるので、そこら辺は教育委員会とも十分協議をしながら、基金の設置については検討してまいりたいと思っております。
○1番(川畑宏一君)
 目的を勘案しながら、臨機応変に対応可能ということで理解いたしました。
 たとえ財政的に厳しい部分があったとしても、家計と同じで、余ったら貯金に回そうかという考え方ではお金は一生たまりません。たとえ少しずつでもよいので積み立てて、残りで生活していくんだという姿勢が行政においても大切ではないでしょうか。そうすれば、将来の体育館建設を目標に、町民が夢を持って頑張れるのではないでしょうか。ぜひとも、基金創設に向けて前向きなご検討が行われることを要望いたします。
 また、先ほども申し上げましたけれども、体育館建設単体ではなくて、総合スポーツエリアとしての計画策定を検討すべきではないでしょうか。庁舎建設や体育館建設におけるこれまでの経過を見ましても、場所の選定というのは大変大きな問題になってまいります。スポーツ施設として集約されたほうが、利用者の利便性はもちろんのこと、管理の面でも大きなメリットが望めます。まず、場所を決めることで、今後、施設計画が出るたびに行われるはずの場所選定のプロセスを省略することができ、将来の用地買収や利用しやすく効率的な施設配置にもつながるでしょう。
 一度に全てを整備してくださいというわけではございません。あくまでも、スポーツ拠点をエリアとして丸ごと検討していただくという観点ですが、町長のご見解をお聞かせください。
○町長(伊地知実利君)
 施設建設につきましては、いわゆる場所の問題が重要かと、そのように思います。どこにつくったほうが効率的に、機能的に活用できるかというのが重要かと、そのように思っております。
 今、ご提案、質問のスポーツエリア、そういうものが散らばることによって維持管理が大変になってくると、そのように思いますし、そういうことを一元的に考えることが、これからの建設後の維持管理、そういうのが効率的にできてくるかと、そのように思っておりますし、今後、教育委員会のほうでは、建設に向けた委員会などを立ち上げまして、その中でも場所をどうするか、どういう規模にするのか、先ほどありました体育館そのものが体育だけの施設なのか、いろんな検討課題があるかと、そのように思っておりますので、その中でも十分にそういう議論をして、川畑議員が提案しておりますように、いわゆる補助がありますよ、決まってから準備では遅いかと、そのように思いますし、補助事業ができたときにすぐできる体制といえば、庁舎ができて、後でやるというよりかも、もう時間をかけてそのような検討をしていく必要もありますし、教育委員会とも十分に議論をしながら取り組みを早目にしていくことが補助事業のとり方の方法かと、そのように思いますので、それは教育委員会と十分に議論させていただきたいと思います。
○1番(川畑宏一君)
 ただいま、町長より、教育委員会と十分に議論をしながら前向きに進めていく旨の答弁をいただきました。ぜひ、積極的に進めていただけたらなと思います。
 次に、現在、旧体育館が解体されたことで、特に和泊中学校体育館やあかね文化ホールの使用頻度が高まっております。これまでどおり、学校施設としてしっかり整備していくことはもちろんですが、例えば校舎前や体育館裏の駐車場及び文化ホールまでの道の舗装や、必要があれば屋外トイレの増設などを検討していく必要があると感じますが、教育長のご見解をお聞かせください。
○教育委員会教育長(逆瀬川勝久君)
 和泊中学校の体育館、そしてまた文化的な面では、やすらぎ館、あかね文化ホールの利用を考えているところであります。多くの町民が利用することにより、いろいろなところで支障が来した場合には、その都度対応していく考えでおります。
○1番(川畑宏一君)
 何か課題があった場合に、その都度対応していただく旨、ご回答をいただきました。和泊中や和泊小の体育館に関しましては、ほかにも幾つか改善していただきたい点がございますが、詳細は担当者と進めてまいりたいと思います。
 和泊中学校だけでなく、その他の施設がフル活用されております。役場の各課局や町内の各団体が、どういった内容で、どの施設を利用しているかを調査することで、今後の施設計画に有効なデータが得られると思われますので、総務課長、ぜひ今後ご検討いただけたらと思います。
 それでは、行政事務における経費削減と効率化についての質問に移らせていただきます。
 町長答弁では、現在、コミュニケーションを大切にしながらも、効率化に向けてペーパーレスのようなものを検討していきたいという旨の答弁がございました。
 ペーパーレスを仮に実行する場合の効果についてはどのようにお考えでしょうか、総務課長にお尋ねいたします。
○総務課長(種子島公彦君)
 ペーパーレス化等、行政事務に当たってのメリット・デメリットということを少し検討してまいりましたので、お答えしたいと思います。
 まず、メリットといたしましては、成果物等の管理を行うことで、短時間で過去の文書を検索することができ、業務の効率化が図られること、起案等の文書を紙媒体からデータ化することで、紙やファイルなど消耗品費を削減することができるということ、それから起案等の文書をシステム上で電子決裁することで、担当課の移動や決裁の待ち時間を省略することができるということで業務時間の効率化が図られる、このようなメリットがあると思われます。
 また、デメリットといたしましては、当然、全職員がシステムの使用方法を理解、町長、副町長、教育長も含めてでございますけれども、そういう理解と習得をする必要があること、それから一番はやっぱりシステム導入のコストの面だと思っております。あと、設計書、契約書、請求書など紙媒体の書類をどのようにして電子化して保存する、そして管理するかなどの法的な整備の検討も必要性があるのではないかと思っております。
 あと、一番大事なことでございますけれども、先ほど町長の答弁にもありましたけれども、我々が業務を遂行するに当たり、やっぱり報告・連絡・相談という当然コミュニケーションが一番大切だと思っておりますので、そのコミュニケーション不足があるのではないかということが懸念されるところがデメリットとして考えられるところでございます。
○1番(川畑宏一君)
 ただいま、総務課長から大変詳細なメリット・デメリットのご説明をいただきました。有効なことだけでなく、課題の把握もなされていて、今後、それを踏まえた上で、ぜひ検討を進めていただけたらと思います。
 ペーパーレス化は、うまく活用すれば多くのメリットを享受できる上、遅かれ早かれ避けては通れない技術革新の波であると考えております。時間的に厳しいスケジュールではございますけれども、ネットワーク設備や周辺機器の設置における作業性を考えますと、庁舎建設に合わせて実施するのがベストだと思いますので、積極的な取り組みを要望いたします。
 また、議会においても、議案や予算書、決算書など、毎回多くの資料が配付されます。紙や印刷コスト削減はもちろん、タブレットの使用により検索性も向上し、運営効率化も図れると思います。また、資料に訂正があった場合の差しかえも容易にできます。実際、昨日も、期日変更による資料差しかえがありました。議会資料として、丁寧に訂正したものを再配付いただきまして、まことに恐縮ではございましたが、やはり紙の無駄遣い感は否めないものでございました。
 ここで、通告はいたしておりませんが、行政業務の効率化という点に関して、もう1点ご提案がございます。
 それは、群島全体でテレビ会議システムを導入できないかという内容であります。現在、各担当者が研修会等に参加するため、出張されることも多いでしょう。しかし、その内容を精査した場合、必ずしも1カ所に集まる必要のないものも少なからずあるのではないでしょうか。出張だったものがテレビ会議で置きかえ可能になった場合、簡単に大きく3つのメリットがあると考えております。
 1つ目は、宿泊費や交通費の削減でございます。
 2つ目は、町民サービスの向上。
 これは、例えば鹿児島県本土であったりすれば、鹿児島市で会議があったとして、枕崎であろうが指宿であろうが鹿屋であっても、その日のうちに戻ることができます。出張であっても、業務をあけるのが1日で済むんですけれども、沖永良部から、奄美群島から奄美大島に行く場合には、どうしても移動日を含めて、最大で3日の業務に穴をあけてしまうことが発生してまいります。そうすると、例えば町民が、何かわからないことがあったり質問があったときに役場を訪れます。もちろん、副担当というのもおりますので、そこでわかればよろしいんですけれども、なかなか込み入った問題になるとそうでなくて、担当が戻ってくるのを待つといったことも多々見受けられます。こういったことを改善することで町民サービスの向上につながるのではと思います。
 3つ目、役場職員の労務環境改善にもつながると思います。
 今、お話ししましたとおり、3日間、業務として研修に行くわけですよね。移動も業務でございます。しかし、業務で行っているにもかかわらず、その間にも業務がたまっていっている実態がありますよね。私も、よく各課にお邪魔しますけれども、出張で役場をあけている職員の机の上を見ますと山のように書類が積もっていて、これを帰ってきたら、通常業務を行いながら、またこなしていくんだなと、大変だなと感じております。職員の労務環境を改善し、効率化を高めることでも、これは町民のサービス向上につながると考えております。
 和泊町において、既にスポット的ではございますが、テレビ会議システムを導入しているところがありますので、その活用方法とメリット・デメリットを教えてください。まず、企画課長、お願いいたします。
○企画課長(川畑裕一君)
 私どもの課においては、現在、法律相談を実施しております。これが、月1回の形で実施しておりますけれども、メリット・デメリット、特にメリットのほうが多いんですけれども、やはり先ほど議員がおっしゃいましたとおり、旅費云々が要らないと。それから、決まった時間においでいただいて、30分間なんですけれども、そこで顔を見ながら相談できるというように非常に喜ばれております。そういったような形で、現在は利用しているところであります。
○1番(川畑宏一君)
 続きまして、町民支援課長、お願いいたします。
○町民支援課長(高田清蔵君)
 お答えいたします。
 町民支援課におきましては、奄美大島にありますハローワークと連携をいたしまして、テレビ会議システムが設置されております。失業保険をもらうための手続専用のテレビ会議システムでございます。これは、ハローワークの担当者とテレビ電話を通じて面談を行いながら申請手続をするものでございます。これは、ハローワークが国の事業で導入したものであって、ハローワークの備品ということで設置されております。
 現在、この機種が設置されておりますのが、喜界町、それから和泊町、知名町、与論町、それと瀬戸内町の加計呂麻島に端末が設置されております。徳之島におきましては、徳之島3町を網羅した分所があります。奄美大島にはハローワークの本部があるということであります。
 メリットとしましては、従来は、奄美のハローワークの職員が、月に一度、来島して申請手続をしておりましたが、それか本人が奄美大島のほうへ出向いて申請手続をしなければなりませんでした。それが、このテレビ会議を利用することによりまして、奄美への渡航日数、それから旅費等の負担が軽減されていると思われます。
 このシステムが導入されたのが、平成27年10月ごろからの運用を開始されております。そのころから現在まで、数えてみましたら約100名ほどの方がこのシステムを利用されております。
 以上です。
○1番(川畑宏一君)
 大変詳細な答弁をいただきました。
 最後は、消防署にあります広域事務組合におきまして、介護保険審査における先進的な導入、これ平成11年からされているようでございます。担当課ではございませんけれども、当時、導入された担当をしていらっしゃったという武課長にご説明いただきたいと思います。また、武課長は、経済課として所管分野が多岐にわたることから、出張が多いことでも有名でございます。そういったことから、その出張の中で削減できる会議があるのではないかという方向性も踏まえてご答弁いただけたらと思います。
○経済課長(武 吉治君)
 介護保険法施行が平成10年ぐらいで、11年ぐらいから、介護保険の担当職員として広域事務組合でおおむね7年いまして、そのころテレビ会議システムの導入に携わったという経緯がありますので、お許しをいただきまして答弁をさせていただきたいと思います。
 テレビ会議システムについては、議員がおっしゃるとおりでございます。会議が頻繁に行われる審査会にとりまして、非常に有効でありました。議員から、そういう質問があるよという話もあったものですから聞いてみましたら、過去に、きょうもあるそうですが、1,012回会議が開かれております。その中で、17年間で950回以上はテレビ会議を行っているということでございます。
 ご存じのない方もいらっしゃると思いますので申し上げますが、認定審査会は、福祉・医療・介護の専門の職員が2人ずつ配置されて、その上に各与論、和泊、知名といういろんな地域から来た専門の職員が合議でもって審査を行うに当たり、やはり動かなくていい、与論からわざわざ来なくていい、和泊からわざわざ与論に行かなくていいということで非常にメリットが多くて、ユーザーの担当に聞いたら、デメリットはほとんどないということでございました。
 まさしく、今、この放送が行われているような高速回線であれば、非常に有効なことであります。当時は、ISDN64というのを束ねて使っておりましたが、現在は高速化になっておるので非常にいいと思っております。
 私も、個人的見解もありますが、住民サービスを向上させるために、また職員が職務を軽減できるためにも、ぜひ新庁舎になれば、新しいIT技術を使ったやり方での業務が有効であると考えております。
○1番(川畑宏一君)
 ただいま、3名の課長より、大変詳細で、しかもメリットが多い、前向きな検討に値するようなご回答をいただきました。法律相談や介護保険、失業保険の判定など高度な内容でも対応でき、例えば画一的な研修等であれば、応用は難しくないのではないでしょうか。
 本土であれば日帰りが可能な研修ですが、離島ならではの課題であります。企画課長、広域を通じて奄振への検討はできないでしょうか、お尋ねいたします。
○企画課長(川畑裕一君)
 先ほどの答弁云々を、質問、それから答弁を聞いておりまして、次期奄振に向けた目玉という部分でもおもしろいのかなと考えていたところです。早速、もう近いうちに島別の分科会が開催される予定でありますので、しっかりと、きょうのような、この提案をしていきたいなと思っております。
○1番(川畑宏一君)
 早速、前向きに検討をしていただける旨のご回答をいただきました。もしかしたら、各市町村の担当者の中には、集まって、その後の飲み会を楽しみにされている方もいるのではないかと思いますから賛成ばかりではないかと思います。
 しかし、きょうここで議論いたしました、出てまいりましたメリットなどを踏まえ、ぜひ前向きに検討をしていただけたらと思います。
 我々議会は、この議会の場におきましても、むちゃ振りのようなものも含めまして、非常に要望をたくさん出してまいります。ただ、要望ばかりをしているわけではなくて、議会の全員協議会等におかれましては、永野議長が常々コスト削減への徹底した取り組みをするよう言及されております。
 鹿児島県の離島で、財政が厳しく、必要な研修に参加するための出張予算が組めない自治体も出てきているということでございます。例えば、3町議員大会やフラワー都市交流への議員派遣等についても、効果を検証し、是非を議論していくべきだという意見も議員の中にございます。必要な政策を実現して、よりよいまちづくりを行っていくために、町民、行政、議会が一丸となって取り組んでまいりましょう。
 最後に、漁業振興についてでございます。
 冒頭にも申し上げましたが、防波堤整備による漁業環境向上については、関係者の皆様、大変喜んでおり、加工場整備の実現とあわせ、深く感謝しているところでございます。
 私は、議会においてたびたび、農業に次ぐ産業の柱として、観光とともに漁業が見出す可能性について述べさせていただいております。
 今後、漁業が大きく発展していくためには、より沖合に出ての操業が必要となり、そのためには船の大型化が不可欠でございます。船の大型化に伴い、停泊スペースは既にいっぱいいっぱいであり、台風時などに船を陸揚げするスペースも不足し、大型船は内側の湾内にとめる状況ですが、これ以上船がふえた場合には、防波堤がなくては船を守ることができません。
 また、航行に支障を来す可能性のある岩礁ですが、防波堤建設以前より懸念はあったものの、今お伝えしたとおり、絶対必要な防波堤を整備した副作用的に改善の必要性が高まってきたものであります。譲り合いや徐行による努力も、もちろん大切でございます。しかし、船は車と違い、ぴたりとはとまれませんし、風や波で流されてしまうため、想像以上に距離をあけなければなりません。ましてや、漁の出航や寄港の多くは夜中や明け方であり、真っ暗な中で行われます。
 私は、先日、漁師さんに船を出していただき、現場を視察いたしました。本当であれば、干潮で岩礁が露出しているときの写真を撮りたかったのですけれども、危険が伴うということで満潮時に視察を行いました。陸側から見ていると、十分なスペースがあるように感じておりましたが、実際に船から現場を見ると、確かに大変狭く感じられ、風や潮の流れがある中でのすれ違いは危険であると実感できました。
 この点に関して、土木課長にご見解をお尋ねいたします。
○土木課長(皆吉泰智君)
 お答えいたします。
 まず、冒頭の最初のほうの防波堤が手狭に、湾内が手狭になってきているということにつきましては、また今後の検討課題になるかなと考えます。
 その後の一般質問でも出ている議題につきましては、この事業は、小型船だまりの改修整備事業は、県建設課が行って、県が行う事業でございまして、町は負担金を出して協力しているところでございます。やはり、詳しいことは県建設課のほうで把握してございますので、今回、いろいろと調べさせていただきました。
 確かに、議員のおっしゃるとおり、机上では予測できない、車のようにぴたりととめられないし、風があれば横に流されますし、ましてや干潮、満潮、いろいろ条件がかなり異なってまいります。そういうことも含めて、県のほうでは、しっかりとした調査、そして検討、協議、漁協の皆さんとも、漁協の方々とは平成21年11月、そして22年1月、22年3月と3回の勉強を開き、漁協の皆さん、役場関係者、県建設課とテーブルを囲んで議論を重ねております。
 そういった要望をやはり吸い取っての中の設計だと思いますけれども、幅につきましては、やはり交差する部分につきましては、余裕を持った、とりあえず3.5メートルという船の幅の6倍、6倍になりますと21メーターあればよかろうという幅らしいんですけれども、それ以上に、実際には36.1メーターは確保されているということで、設計的には問題のないようになっていると認識しております。
○1番(川畑宏一君)
 ただいま、ご答弁いただきました。確かに、理論上は安全が確保されているということでございますけれども、ぜひ現場を見ながら、土木課長のほうでもご検討いただけたらと思います。
 和泊町をどのように発展させていくかというビジョンや思いは、県の担当者よりも和泊町の皆様方のほうが絶対に明確で大きいものがあると信じております。たとえ県の事業とはいっても、もっと積極的に入り込んでよいのではないかと、私個人の意見ではございますけれども、感じております。
 私は、経済建設委員でございますので、この漁港の担当でございます経済課、土木課にはよくお邪魔いたしますが、武課長、皆吉課長におかれましては、どんなに忙しくても快く接してくださり、また素早い対応をいただいております。町民の目線に立った考え方も非常に魅力的でございます。どうか、和泊町の未来のために、課を超えて協力し、漁業発展にさらに力強く取り組んでいただけますようご要望いたします。
 また、漁港の整備は、道路やトンネルといったインフラと同じだと考えられます。奄美全体の問題として捉え、取り組んでいくことも重ねてご要望いたします。
 最後に、池田議員、東議員が取り上げておられましたので、通告からは省きましたが、カラスについて関連質問させていただきたいと思います。
 農業や畜産、環境によるカラス被害が取り沙汰されておりますけれども、漁協においても、船の設備やエギなどの漁具が食いちぎられ、被害に遭っているようであります。昼間は余り確認できないのでありますが、明け方、漁港に行くと非常に多くのカラスが確認できました。
 ことし、移動式の捕獲箱を2基導入予定で、現在、4集落から設置要望があるようですが、そこにぜひ漁港も加えられないでしょうか、経済課長にお尋ねいたします。
○経済課長(武 吉治君)
 漁協にも被害があるということも聞いております。漁協とまた相談して、要望等あれば、移動式ですので、また担当とよく協議をして、どの時期がいいのかということも含めて検討してまいりたいと思います。
○1番(川畑宏一君)
 ぜひ、素早い対応を要望いたします。また、冷蔵庫・冷凍庫整備事業もあわせて強力な推進を要請し、漁業振興に関する質問を閉めさせていただきます。
 最後になりましたが、来週はいよいよ町長選挙が告示されます。伊地知町政が推進してこられた事業に加え、伊地知町長でなくては前進させられない事業も多々あるかと思います。9月議会からも、子育て支援や各種産業振興、地方創生、その他あらゆる課題について、この場で町長と活発に議論させていただけることを強くご要望し、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(永野利則君)
 これで川畑宏一君の一般質問を終わります。
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれで散会します。お疲れさまでした。