更新日:2021年5月25日
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農業・農村を取り巻く環境は,人口減少に伴う国内マーケットの縮小,農業者の減少,深刻化する高齢化やグローバル化の一層の進展,頻発する台風などの自然災害,さらには新型コロナウイルス感染症などによる,農林水産業への影響等新たな課題に直面しています。
国においては,「新たな食料・農業・農村基本計画」の見直しが行われ,食料の安定供給の確保や農業の持続的な発展,農村の振興などに向けて,担い手の育成・確保や農地の集積,集約化,農業生産基盤整備など講ずべき施策として位置付けており,本町においても第6次総合振興計画の実現へ向けた事業を実施してまいります。
近年気象条件にも恵まれ増産傾向にあり,今後は年内操業,年度内終了に向けた体制づくりや,高単収・早期高糖品種の選定や栽培管理の励行等を基本として推進してまいります。更に,農家が安心してさとうきび作りが出来るよう,農作業受託組織の充実を図ってまいります。
低単価による厳しい状況が続いていますが,単収向上を推進し疫病や軟腐病対策など適期管理を図り,農家が安心して野菜作りが出来るよう各関係機関と連携して各種講習会等を行ってまいります。また,野菜価格安定基金や収入保険制度など,農家の加入促進も図ってまいります。
花き生産の環境は依然として厳しい状況にありますが,切り花の販売に関しては,新たに「えらぶの花推進協議会」を立ち上げ,PR活動を行うとともに,価格安定と予約相対の向上を図ります。また,台風等の自然災害に備え,鉄骨平張施設等の整備を推進してまいります。
輸入牛肉の増加等による価格変動に耐えうる体制を整えるため,畜産クラスター事業を活用した機械導入及び施設整備,町有牛制度を活用した繁殖雌牛の増頭を図ってまいります。また,死亡頭数が増加傾向にあることから,畜産農家の管理体制の強化及び意識改革に努めてまいります。更に耕畜連携の推進を図りながら,自給粗飼料の増産による低コストで高品質な鹿児島黒牛「えらぶ牛」の産地育成に努めてまいります。
既存の農林水産物の移出に加え原材料の移入も支援対象となり,より一層,生産振興を図ってまいります。
通水面積が拡充していることから,今後も各地区において畑かんマイスターの出前講座や,サンサンテレビを活用した「畑かん営農チャンネル」を放映するなど,農家への情報提供を行いながら,「畑かん営農」を推進してまいります。
沖永良部島漁協内に水産加工場及び冷凍冷蔵庫施設が整備されたことから,餌の保管場所の確保や加工品の原料及び完成品の保管が可能となりました。消費者のソデイカ冷凍ブロック及び干物需要が高まっていることから,加工用機器を導入し,新商品の開発に取り組み漁業者の所得向上を目指します。
地域の現状に合わせて作成した「人・農地プラン」の実質化に向け,地域の農業・農地について考える話し合い活動を重点施策として推進し10年後・20年後の地域の将来像を描きながら新規就農者や地域担い手の掘り起こしを行います。また,農業次世代人材投資事業等,国の事業を活用し新規就農者の確保を推進し,「農業が元気な活力あるまちづくり」に努めます。
農産物加工センターの運営については,施設が有効活用されるよう運営体制の強化を図り,地域農産物の高付加価値化に向けて取り組んでまいります。
実験農場の運営については,実需者ニーズに適応した新技術・新品種の導入と生産者への実証栽培に取り組むとともに,土壌診断の普及啓発を行い,肥料の適正施用による農業経営の安定に向けて取り組んでまいります。また,新規就農者や担い手へのほ場及び施設の貸出しを行い,人材育成・行政財産の有効活用を図ってまいります。
以上,それぞれの事業を積極果敢に取り組むとともに,農業共済及び収入保険制度への加入拡大を推進し,本町農業の基本理念である「温暖な気候を活かした複合経営を基本に持続性の高い和泊農業の確立」を推進してまいります。
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