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更新日:2022年6月13日

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3月9日(一般質問:桂弘一議員)

発言者

桂弘一

発言内容

再 開 午後 1時15分
○議長(永野利則君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、桂弘一君の一般質問を許します。
○11番(桂 弘一君)
 皆さん、こんにちは。
 私は、令和4年第1回定例会に2点一般質問を通告してありますので、壇上より1点質問をいたします。
 前町長の下、予算が編成され施政方針が示されました。政策を効率的に具現化するための人事異動もあると思いますが、いよいよ前町政が本格始動します。
 そこで、町長の施政方針から5点確認質問をいたします。
 1、令和4年度の施政方針について。
 1.ふるさと納税を積極的に推進し「稼ぐ力」の向上に資する施策とあるが、具体的にはどのような体制で臨むのか。
 2.新たに重点新規事業枠を設け、町民の行政需要に対応する施策などを積極的に推進するとあるが、その目的等事業内容はどうなっているか。
 3.有機農業による農産物の高付加価値化とあるがどのような取組から始めるつもりか。
 4.確かな学力の定着については、夢や志をもち主体的に学ぶ児童生徒の育成を図るとあるが、主体性を身につける、和泊モデルの教育プログラムは構築されているか。
 5.スポーツ活動の拠点となる総合交流アリーナの建設へ向けた取組を進めていくとあるが、4年度の計画はどうなっているか。
 壇上からは以上でございます。
○町長(前 登志朗君)
 桂議員の一般質問に順を追ってお答えいたします。
 全国から寄せられた和泊町ふるさと納税寄附金は、ゆりのふるさと基金に積み立てており、令和2年度末の基金残高は9,540万円となっております。令和3年度2月末時点のふるさと納税実績は、寄附金額1億2,546万3,000円、寄附件数4万9,321件で推移しており、年々増加傾向にあります。
 ふるさと納税の使途については主に4つの項目があり、花と緑と海を守り育てる事業、和泊の子どもたちを育む事業、いきいき健康づくり事業、元気なまち和泊をつくる事業等に活用されております。
 また、ふるさと納税の制度上、返礼品の割合は寄附金額の3割以内と規定されており、返礼品(地場産品)を提供している町内の商工・農林水産事業者等に年間約4,000万円の経済効果を生んでおります。
 そして、稼ぐ力を強化するために、ふるさと納税市場のリサーチ、積極的なプロモーション、官民が連携し全国に誇れる魅力的な商品やサービスを開発していく必要があります。令和4年度の目標寄附額は2億円に設定しており、ふるさと納税専門職員を1名配置するなど、体制強化をしていく予定としております。
 次に、2点目の質問にお答えいたします。
 重点新規事業についてですが、町民の価値観や生活様式の多様化、個性化が高まる中、行政に対する期待は複雑多様化しております。また、人口減少や少子高齢化の進行、情報化の進展といった多くの分野において大きな変革が進み、行政を取り巻く環境、課題は増大しております。
 このような状況の中、財政健全化に向けた取組を一層強化し、町民ニーズを的確に捉えた施策として、今年度新たに重点新規事業枠を設け、財政健全化、行財政改革へ向けた取組や、第6次総合振興計画の推進、また、子育て環境の充実や農業、水産業の振興など、10項目の重点新規事業を設けております。具体的には、持続可能な財政運営に向けた事業として、ふるさと納税額の増加へ向けた返礼品開発への支援や宣伝、セールスの充実を図るためのデザインやブランディングの促進、また、公共施設マネジメントの観点から今後の有線テレビの在り方についての調査事業、第6次総合振興計画の「むぅるほうらしゃプロジェクト」の自転車活用によるまちづくりを推進するための事業を計画しております。
 このほか、子育て環境の充実へ向け、家庭保育者への支援や健康づくり増進事業、脱炭素化社会推進事業、また、農業、水産業の振興として、土づくり支援、コスト軽減へ向けた生分解性マルチ資材の助成事業や、島内産魚介類の消費拡大や漁業者の担い手確保へ向けたえらぶの魚普及事業を計画しております。
 以上の事業を重点新規事業として位置づけ、事業費の総額として今年度は3,000万円を計上させていただき、町民の行政需要に対応する施策を積極的に推進してまいります。
 次に、3点目についてお答えいたします。
 本町における有機農業については、その生産方法による農産物の高付加価値化や生産者の所得向上の可能性について調査する必要があると考えます。まずは、研修会などの機会を設け、生産者が有機農業について関心と理解を深められるような取組を進めてまいります。
 有機農業の実践については、環境保全と生産者の収益性のバランスを検証し推進していきたいと考えております。
 4点目、確かな学力の定着のためには、夢や志を持ち主体的に学ぶ児童生徒の育成を図ることが重要です。
 そこで、主体性を身につけさせる和泊モデルの教育プログラムとして、本町では授業の充実、キャリア教育の充実、家庭学習の充実の3つの柱による学びの充実に取り組んでおります。
 まず、授業の充実では、主体的、対話的で深い学びの実現に向けて、教員一人一人の指導力を向上させるとともに、児童・生徒同士がお互いに協力しながら課題を解決していく喜びを味わったり、ICT端末を活用して必要な情報を収集したり、分かったことを振り返ったりしながら、自らの学びの成長を自覚し、学ぶ喜びを充実させる学習活動を展開することにより、自主性を育んでおります。
 次に、キャリア教育の充実では、主体性を育成するために、何のために学ぶのかという目的意識を持たせています。児童・生徒一人一人が自分の夢や希望を持ち、望ましい勤労観や職業観を身につけるキャリア教育により、児童・生徒の主体性を高めております。
 家庭学習の充実では、生涯にわたって自ら学ぶ意欲を育成することが必要であると考え、各学校では児童・生徒が主体的に学習の時間や内容を考えたり、自分の興味、関心に応じた学習に取り組んだりできるように、小学校低学年から段階的に主体性が身につくような取組を行っております。
 5.については教育長よりお答えさせていただきます。
○教育委員会教育長(竹下安秀君)
 5点目の総合交流アリーナ建設へ向けた取組についてお答えいたします。
 現在、総合交流アリーナ建設事業推進協議会より昨年12月に受けた答申の内容について、各小学校区において説明会を実施し、意見をお聞きしているところです。
 令和4年度の計画については、町民の皆様からのご意見を参考に、規模や候補地について検討してまいります。また、令和4年度より新たに総合交流施設建設基金の設置を提案しているところです。
 今後、基金の積立て状況や財政状況を勘案しながら、有利な補助事業の獲得や民間資金の活用など、様々な可能性を検討してまいります。
 以上です。
○11番(桂 弘一君)
 ふるさと納税についてですが、確認だけです。
 目標は2億ということです。それと、人員は1人専任を置いて、昨日の答弁では任用職員を1人つけるということで、町長がトップセールスをするということですので、ここをちょっとお聞きしたいのは、所管は企画課にあるけれども、ふるさと納税チーム、町長をトップとしてのそういうふうな捉え方でよろしいんでしょうか。
○町長(前 登志朗君)
 現在も企画課にございますが、そのまま企画課のチームで行ってまいります。ふるさと納税は様々な事務的な作業も非常に多うございます。今年度は人員確保が1名しかできませんでしたので、そのまま企画課のチームを強化して専属が1人という形でございます。
○11番(桂 弘一君)
 町長直轄のふるさと納税チームではないわけですか。
○町長(前 登志朗君)
 形としては企画課の中でございます。私も当然トップセールスとして行動を共にいたしますが、私の室というところまで今回、準備はできておりません。
○11番(桂 弘一君)
 今までにも議会の中でいろんな議員からふるさと納税の中では質問があったわけですが、私も何回か質問した中で、以前、目標を決めてやられたらどうかということで、なかなか行政というところは自分たちがこれだけやるということで数字を掲げるというところは逃げるところがあったんですが、最終的には1億という目標で頑張るということの答弁がありました。そのときに私は、その1億の数字が多いのか少ないのかは別として、そういう具体的な数字を上げて取り組んでいくという仕事の持っていき方、やり方も、これからの行政においては必要になってくるんじゃないかというような話をした経緯があります。
 町長答弁によりますと、今年は人員が確保できなかったということで専任と任用職員1名ということですが、私は、今回は致し方ないとしても、自分たちの島の和泊町の魅力をどう表現し発信するのか、それと感謝の気持ちの伝え方、島の発展に対する熱い思いの伝え方、あるいは商品開発等々、それと返礼品を作っている農家の方や業者の方と常に語らいながら、そこに向けてふるさと納税の額を伸ばしていくことを語り合うとか、そういった中でのそういったスキルがこれからの公務員にも必要になってくると思っています。ですから、できたら専任で増やしていただきたいなというふうに思います。
 今回は、目標金額とスタッフと、それとどういう形で進めていくのかということだけの確認でしたので、ふるさと納税については今回はこれだけにしておきたいと思います。
 2点目、重点新規事業ですが、町長の答弁によりますと、文章を読むような語り口調でなかなか熱い思いが伝わってこないんです。もう一度ご自分のお言葉で、そういった政策事業を立ち上げるにおいての思い、発生源等も町長の口から聞きたいなというふうに思いますので、町長の思いを聞かせていただけますか。
○町長(前 登志朗君)
 ありがとうございます。
 重点新規事業枠として、今回、主に今までなかなか事業化ができなかった若い職員の皆さん方に、今を反映した新しい事業ができないかという思いでまず投げかけました。
 そして、今回たくさんの新規事業を上げていただいたんですけれども、なかなかこれまで職員自らが事業をつくるということがなかったので具体的に実現しづらいものもありまして、結局ここの10件にたどり着いたのです。いわゆるスクラップ・アンド・ビルドではなくて、町民の声を聞きながら町民に寄り添った事業ができないかということで今回お願いしたわけでございます。
 ただ、今後はぜひ、また次年度に向けては、先ほども申し上げましたが、最も町民のそばにいて町民からの様々な声を聞いている議会の皆様方の中から事業をぜひ持ってきていただいて、担当課とお話をしながらご提案いただけたらありがたいなと思っているところでございます。
 これは、本当に町民に寄り添った形の事業を具体的につくっていきたいという思いでつくらせていただいた事業枠でございます。
○11番(桂 弘一君)
 若い職員の政策立案、また実現していく能力を高めていくということも兼ねているということで、すばらしいのかなというふうに思うところですが、この政策の上がってくる過程においては、町長が例えば方向性をSDGsに云々というような形で投げかけて、そこから上がってくるのを町長サイドで採択するのか、しないのかは町長意見でということの理解でよろしいですか。
○町長(前 登志朗君)
 今回は、私が昨年町長になったときに所信表明をいたしました。その所信表明の中で、一緒にやっていこうということで、所信表明の中から事業をつくってほしいということで投げかけました。そして、次年度以降はいわゆる施政方針、今回も昨日施政方針を述べさせていただきましたが、その中で、これからのまちづくりについて一緒にやっていこう、事業をその中からぜひつくっていただきたいという思いでございます。
○11番(桂 弘一君)
 幾つか項目が上がってくる中で採択するに当たって、それはもう町長単独で判断、決定しているのかどうか、そこを。
○町長(前 登志朗君)
 失礼いたしました。先ほどご質問いただいたのに答えておりませんでした。
 これは査定の順番で、ほかの事業と同じでございます。順番に査定してきていただいて、最終的に町長査定というところで、私のところでその思いを聞きながらやっていくという形になっております。
 ただ、今回も非常に面白い事業もたくさんございました。例えば、男性が育児休業をなかなか取れない中で、たくさん取った人にはご褒美をあげてもいいんじゃないかとか、そういう若い人ならではの様々なものもございました。ただ、なかなか現実にするところが難しくてならなかったんですけれども、今後ぜひ、皆さんが事業計画というのを積極的につくっていただいて、活用いただければと思います。
○11番(桂 弘一君)
 選挙を勝ち抜いてきた町長の肝煎りのこれは政策ですので、町長が本当に最終判断をして町長の思う存分、この事業に対してはいろいろ意見もあるでしょうが、当然また予算審議のときには私も意見を述べさせてもらうところも出てくるかと思いますが、町長判断で思い切り政策立案、実行をしていただきたいなというふうに思います。要望です。
 それでは3点目、有機農業についてです。
 有機農業による農産物の付加価値化とあるが、どのような取組から始めるつもりかということなんですが、まず課長、有機農業の定義から教えてもらえますか。
○経済課長(東 敏仁君)
 お答えします。
 私も、有機農業の定義というか有機農業とは何かというようなことを調べたときに、文献として平成5年9月に、当時、実験農場ができたときの和泊町花卉指導監、小林正芳氏が「沖永良部における有機農業」という文献、三十数年前なんですが、書き上げた文献があります。
 その中に、有機農業とはどう捉えるかと。これは、今始まったことではないと。農業が、あるいは人間が生きてくる過程の中で最初にできたのが有機農業であると。もちろん有機質肥料を大量に使う、有機質肥料というのは、昔は、今で言えば人ぷんなり牛ふんなり鶏ふんと、そういうものをしっかり地力として使って、無農薬、無化学肥料を推進してくるのが有機農法であると。それを大々的に進めてくるのが有機農業であるというふうに文献に書いております。
 私は、三十数年前の先生の書き記したものですが、これが有機農業の基本的な考えじゃないのかなと思っております。
 以上です。
○11番(桂 弘一君)
 有機農業の推進に関する法律によりますと、「化学的な合成された肥料及び農薬を使用しない」、また「遺伝子組換え技術を利用しない」というふうにあるんですが、要は科学的なものを使わないということだと思います。
 そこで、経済課長、遠い2050年までに25%ということですし、長い目で取り組んでいく事業だと思うんですが、現時点で、亜熱帯の沖永良部においてなかなか自分的な考えでいきますと有機農業というのは難しいのかなというふうに思うところです。
 スリランカで去年、国を挙げて有機事業ということに取り組んで、5月か6月、それでもう年末には化学肥料の輸入を認めるということで失敗して、そういったところがあるんです。
 家庭菜園等においては可能かと思いますが、基幹産業、サトウキビ、なかなかメイチュウが入ったりとかいうことであったり、特に花きはちょっとした傷みでも値段が下がるというところもあります。また、ジャガイモに関しては、強い北風が吹いて折れたり傷ついたりしたときに、翌日晴れたりするとすぐ病気が1日で広がるというところがある中で、なかなか難しいのがあると思います。
 実験農場等々で基幹作物について、興味のある人たちを集めて5年、10年とデータを取るというところから始められたらいかがかなというふうに思うんですが、そういった取組をする可能性についてお願いいたします、考えを。
○経済課長(東 敏仁君)
 桂議員がおっしゃるとおり、有機農業で生産性を求めた場合、本当に農家経営として成り立っていくのかというのが非常に心配なところであります。
 しかし、昨日から町長も答弁しているように、国が2050年に脱炭素社会、そして有機農業を使った農地が25%、和泊町の2,300ヘクタールでいくと575ヘクタールを有機農業にしていくというようなことで和泊町としても取り組んでいくという中で、先ほどから言っている生産性を考えたときに、やはり我々の和泊町には平成2年にできた実験農場の施設を活用するという議員の提言があります。
 それで、国がみどりの食料システム戦略、この中で、今おっしゃるようにもう100%全て無農薬、無化学肥料というのは難しいと。まず減農薬、減化学肥料で取り組んでいく、あるいは地域にある地域資源活用肥料、これを私は有機物供給センターの液肥がそれこそ地域資源の活用肥料になるんではないかということで、令和4年から実験農場において、農場圃場でサトウキビと飼料作物ローズグラス、サトウキビは基肥はどうしても化学肥料を入れなくてはいけないんですけれども、追肥的なものは尿素系、窒素系で十分いけるんではないかということでこの液肥、あるいは飼料作物は、当初は堆肥等は有機物を入れるんです。その後の4回、5回の収穫は追肥、尿素系を使っております。これを液肥でできないかということをまず農場でやってみます。農場でやって、それが採算性を取れるのかどうかというのをやってみます。
 成功するかどうなるかは分かりませんが、まずは農家へ推進していくために、我々技連会として取り組んでいくということを今考えております。
 以上です。
○11番(桂 弘一君)
 今、課長がおっしゃったように、まず減農薬、減肥料というところから始めていかなきゃいけないのかなと思います。
 農業生産に由来する環境への負荷をできるだけ低減化していくという、これはもう世界的な不可逆的な考え方だと思います。
 そこで、経済課長、町長、農地からサンゴ礁を守るサトウキビカレンダーを作成というのがあるんですが、これを見たことはございますか。これは、僕も漁業関係の町民から頂いて、桂さんこういう取組があるからということで、減肥料と減農薬ということで、例えばサトウキビの夏植えの場合は基肥をやっぱりいっぱい入れるとかということがあるんだけれども、東京農業大学の中西教授と一緒に、与論町も和泊町と一緒でサンゴ礁が隆起した島ですから、吸収されなかった養分が地下水に入って海に流れていって、与論のサンゴ礁が多く富栄養、栄養過多ということでやられていると。それを減らすために、サトウキビは幾ら肥料をやっても吸収する時期としない時期があるということで、サトウキビのカレンダーを作って取り組んでいるということです。
 このやり方で、減肥料、減農薬で成果を出している喜界の農家がいらっしゃるということで、その方も呼んで勉強した云々ということらしいんですけれども、とにかく基幹産業のサトウキビの減農薬、減肥料が、生産性が上がってなおかつ地球環境も地理環境も海の環境も守るというんであれば、これは一つの有効な手だてだと思います。
 僕も詳しくこの先生の内容は知らないんですが、的確な時期時期に肥料をあげれば半分で済むと、それでも成果を上げているということがあったりするんで、後であげますので、これを深掘りするのは、経済課長、私はちょっとあれですので、ぜひ深掘りして、有効であれば島でもそういうカレンダーを作るということで、あるいはそういった先生のご教授を受けると、あるいはそれで実績を残している方がいらっしゃるというんであれば、そういった人たちのご教授も受けるというような形で進めていっていただいたらありがたいなというふうに思います。
 有機農業については以上です。
 それでは、4点目、主体的に学ぶ児童を育むということです。
 主体的にということは、自分で考え判断し、責任を持って行動する力というふうにありますが、町長、千代田区立麹町中学校というのがあります。そこの、今は横浜の私立の学校長をしているみたいですけれども、工藤勇一さんという方がいらっしゃって、主体的に子供たちを育てていくという、もう完成形に近い学校がつくり出されていて、本の題名は「学校の『当たり前』をやめた。」ということで、副題で宿題とか頭髪検査とか、あるいは固定担任制をやめたとか、もう数学に至っては、数学の先生から「校長先生、もう数学、僕はもう授業するのをやめようかと思う。子供たちの主体性を育てるためにはそのほうが育つ」ということで提案があったときに、うーんとうなったそうなんです。さすがに私もということだったらしいんですが、彼に任せたところ、アプリを使って数学をして、するともう回答する時間とか間違った箇所とかいうので、個々のどこでつまずいたかというのが瞬時に分かって、全員そこからまたスタートしていくということらしいんです。
 その中身については細かくいっぱいあるんで、時間がないんでしますが、数学に至っては、文科省でいくと140時間あるらしいんですよ、数学の時間が。それが今、もう70時間で終わるらしいです。早い子は1か月で終わるということで、この肝の部分は、今の先生たちが教えて分からないところは補習もしたり、あるいは宿題を出して宿題をさせて、繰り返すことによって学力が定着するということと、彼らの言う学力の定着は、自分から主体的に働いていって能動的に勉強する仕掛けをつくる、そういうふうにすると、同じ学力でも自分の勉強方法を知っていると、勉強の仕方を教えるということを身につけさせるというらしいんです。
 だから、それが主体的な子供たちが将来社会に出たときに、自分の管理の仕方を知っていると、自分の勉強の仕方を知っているということで、一番最初に中学1年になったときに、うるさいことはほとんど言わないらしいんですけれども、まず手帳を配って自分を律すると。自分でカレンダーを作って自分で計画表を作って、子供のうちからPDCAの癖をつけると社会に出てもそれが身につくんだということで、いろんな規則はない中で、主体的とかいうことで個々に自分を主張してもいいんだと、みんな別々でいいんだというような形を取ると、必ずトラブルが起こったりするんだけれども、そこは自分たちでとことん対話の中で解決していく、そういうスキルを身につけさせると。
 我々の学校教育というのは、社会に出ていく子供たち、社会に通用する子供たちをつくるというのが学校の目的だと。学力が目的じゃなく、結果的に学力とかそういうものはつくんだけれども、そういったところからスタートするとそうなるんだというふうに、彼は教育委員会にもいて、物すごく穏やかな方で、文科省批判もしません。教育委員会批判もしません。ただただ子供たちの主体性を育てることをやればいいのか、それを育てる、主体性を育てるのを阻む学校の在り方に何があるのかということで、500項目ぐらい廃止したそうです。今、宿題をもうやめたということで。明治以来の黒板を背にしょって、黒板に書いて教えるという授業ではそういう子供たちは育たないと、一方的に教えていくだけでは育たないというようなことをやって学校改革をしたと。
 その肝の部分なんですが、学校の先生たちに、あなた方が主体的で対話的な人生を送っていなかったら子供たちに教えられませんよというところからスタートをするらしいんですけれども、それはもうそうなんですよね、子供はちゃんと大人を見ていますから。
 そういったところで、和泊町は教育のまち和泊を掲げているわけですから、これからの時代に合った激変する世の中でも自分たちで自分の人生を切り開く能力を子供のうちからつけるという、すばらしいことだと思うんですね。文科省の指導要領も「主体的・対話的で深い学び」ということになっているんで、一度、和泊町の教育の中でも、ただ通り一辺倒の文科省の事業の中で主体的で対話的な授業をするんですよというんではなくて、本当に主体的な子供たちを育てるという意味で、その辺の彼の教育理論、そういったものの勉強とかいうのも取り入れてもらいたいなと。
 いろんなユーチューブ等流れているんですが、例えば茨城県の県教育委員会が先生たちを集めて彼に講演してもらうとか、そういった形で取り入れていますので、ぜひその辺のところの勉強を、まず自分たちが変わらないと子供たちも変わらないし、彼いわく、教育で社会を変えると。自分で能動的に日々を暮らしていくことの延長線上には、GDPは3位ですけれども、1人当たりの生産性はOECD37か国のうちの日本は16位ですよ。製造大国とか技術立国とかいいますけれども、製造業の1人当たりの生産性も恐らく16位なんです。彼は、自分たちの教えでいけばそれを打破するんだというふうに言っていますよね。
 とにかく、最初からその世界基準があって、17のSDGsの部分も脱炭素の部分も、それといろんな多様な価値観の多様な人生の中でも、そこでどう対話的でいろんなトラブルも解決していくスキルを子供のうちから社会に向けて、社会と直結する教育ということを唱えている方です。ぜひ、色物ではないんで取り入れていただきたいなというふうに思います。
 教育の話になりますと、すごく難しかったり長くなったりしますんで、取りあえずあたりだけ、主体的な学びというところを、主体的な子供、能動的に生きる子供たちを育てるということで和泊町も全国の小・中・高校もこの指導要領をやっていくわけですから、まず町のトップあるいは教育長、教育委員会、それで学校の教師、そういったところからスタートしないと子供たちに教えられないわけですから、ぜひそこを取り入れていただきたいなという要望で、この質問をしてあります。
 それでは、総合アリーナについてなんですが、この一般質問の締切り前に町長の施政方針(案)というのが出てきていまして、案を見ると、スポーツ活動等の拠点になる総合交流アリーナ(仮称)建設へ向けた取組を進めてまいりますというふうに最初はなっていたんです。そういったことでこの文言で質問をしてあるんですが、正式なものが配られてきたときには、検討してまいりますというふうに変わっていたんです。その表現の違いはどういった形で、どういったことでこういうふうに変わったのかというのをお聞きしたいなと思います。
○教育委員会事務局長(永井 徹君)
 お答えいたします。
 当初、私たちのほうで案を作成したところでございますが、今現在、各小学校区で説明会をしております。12月の答申が推進協議会からありまして、それをまだ町民の皆さんに意見を取っておりませんでした。そういったことから、町長の答弁の中でもありましたように、住民説明会をして住民の意見を反映していかないといけないんじゃないかということで、規模や候補地を令和4年度は検討していきたいということで、表現のほうを変更させていただいたところでございます。
○11番(桂 弘一君)
 私個人としては、町長がいつも言うように、6総の期間の間には建てるというようなことをおっしゃっていますが、建てるんであれば早めに建てて早めに償還に回るというふうに考えている一人です。
 そういった中で、我々とは総合アリーナ建設に向けてはちょっと一歩引いた町長の発言をいつも聞いているわけですが、それが取組を進めてまいりますというふうにあったもので、あれっということで、どの辺まで進めていくのかなと、具体的に。そういったことでこの質問書を出したわけですが、質問書を出した後に検討ということになったんで、このことに関してはあまり……。であれば質問の中身についてはもうあまりないんですが、2点だけ簡単に。
 仮にゴーのサインが出て、もう場所の選定ができたと。そこから時系列的に地質調査とか、同時進行で基本設計とかあったりすると思うんですが、スタート、よーいドンが始まって、大体、建設の完了までの期間というものはどれぐらいを教育委員会は見ているわけですか。
○教育委員会事務局長(永井 徹君)
 お答えいたします。
 まず、決定となったときには、当然建設地の土地の地質調査、これと併せて実施設計、業務設計をしまして、大体4年ほどを見ているところでございます。
○11番(桂 弘一君)
 4年ということになりますと、時計の針をもうちょっと早めに回していただきたいなというふうに思うところです。
 当然、町長、6総はすばらしい計画だという町民の声が入っているということで評価しているところですが、中高生のアンケートも当然見ていると思います。住み続けたい沖永良部島にするための条件ということの第一は、やっぱりスポーツ・趣味・娯楽が充実していることということになっています。町民の住んでいる人たちの町に対する、町政に対する当事者意識というものを持たせるためにも、アンケートをしたんであれば若い子たちに応えるというようなこと、応えると町長はおっしゃっているんですか。必ず建設はするんだと言っているんですが、なるべくその見通しを早めに決定していただきたいなというふうに思っているところです。一応要望です。
 それでは、大きな2の1.と2.に入ります。
 2、世之主関連の文化財の保護活用について。
 1.城跡の調査・修復計画が遅れているのはなぜか。また、見通しはどうなっているか。
 2.世之主の墓の正面部分が新たに崩れたが、墓全体の修復計画を立てるべきだと考えるが、県との協議はどうなっているか。
 以上でございます。
○教育委員会教育長(竹下安秀君)
 まず、1点目の町指定史跡世之主の城跡についてですが、今年度は文化庁国庫補助事業を活用し航空レーザー地形測量を実施し、現状の記録作成を行いました。
 災害損傷箇所及び昇降階段等については、令和3年度にリニューアル工事等を実施するため、令和3年度の鹿児島県地域振興推進事業に申請しておりましたが、残念ながら不採択となりました。そのため、事業内容を精査し、再度、令和4年度の県地域振興推進事業に申請しており、令和4年度当初予算にも計上したところです。
 次に、2点目の県指定史跡世之主の墓については、令和4年2月4日金曜の夕刻から2月5日土曜午前10時までの間に、墓室正面右上の石積みが崩落しました。崩落した箇所では、樹木の根の侵入や風による揺さぶりにより石積みのはらみ及び緩みが発生しておりましたので、樹木の定期的な伐採及び経過観察を行っていたところです。
 世之主の墓を含む沖永良部島のトゥール墓群については、知名町教育委員会と連携し、令和8年の国史跡指定を目指した調査を実施しています。これまでの文化庁及び県文化財課との協議において、世之主の墓損傷箇所については国指定までは大規模な改変は実施しない旨、方向性が示されているところです。
 しかしながら、今回の崩落箇所については史跡の顔に当たる場所でもありますので、現在、県文化財課や和泊町古墓調査検討委員会の委員、史跡修復の専門の先生方に情報提供を行い、指導、助言を依頼しているところです。
 世之主の墓は県指定史跡であり、本島の重要な観光資源でもあることから、国・県及び関係者と連携し、早めに修復できるよう取り組んでまいります。
 以上です。
○11番(桂 弘一君)
 階段の部分の修復についてですが、階段を修復する前に一度掘って調査をしてという流れを以前、説明を受けた覚えがあるんです。来年度中にするに当たっては当然それもあるんでしょうかということと、掘って調査をするという大体計画されている時期、それと階段修復工事にかかる時期の見通し等は立っているのかどうか。
○教育委員会事務局長(永井 徹君)
 それでは、お答えいたします。
 まず、1点目の調査につきましては、昇降階段、当然調査が必要となっております。そこは、県の推進事業の採択が決定しましたら速やかに新年度に入りまして1か月から2か月程度で調査をして、6月ぐらいに交付決定が見込まれておりますので、その交付決定が終わりましたら工事の着手のほうに進めていきたいと考えております。
 なお、階段のリニューアル工事は、工期としては3月までを見越しております。
 以上です。
○11番(桂 弘一君)
 以前、世之主の城跡あり方検討会というところで何回か話は出たかと思うんですが、階段の修復に当たっての工事方法です。人工的な階段的なものじゃなくて、やっぱり昔風な、当然そういった造りにすべきじゃないかというような話をしたことがあるんですが、やり方としてはやっぱりそういうやり方なのか。
 それと、もともとあったのは、頂上付近の階段は石どめがあって平地の部分もちゃんと石を埋めてあるから、上から水が流れても土がえぐられなくて崩れないというふうにちゃんと強度を保っているんですが、下のほうはそうじゃなかったんです。原状復帰みたいな形でやるのか、それともそこはそういうふうに、将来を考えて、いろんなジッキョヌホーとかもそういう造りです。勝連とかああいったところに行くとそうなっていますが、そういった造りに若干変えてもらうような工事の仕方になるのかどうなのかをお聞きします。
○教育委員会事務局長(永井 徹君)
 お答えいたします。
 階段のリニューアル工事の概要でございますが、当然上のほうは石組みがまだ残っておりますので、その石組みのほうはそのまま残した形でリニューアルすると。下のほうが流失しておりますので、失われた分には盛土をするという形で今考えております。
 そして、今の現段階では擬木とかそういったものを活用しながら設置をしていきたいと考えておりますが、当然、その事業を実施するに当たりまして地元の方々、先ほどありましたあり方検討会の中で地域住民の方々にも説明しながら、工法をさらに検討していきたいと考えております。
○11番(桂 弘一君)
 文化財は、活用してこそ保護ができるというような国の考え方になっています。そこで、我々が子供たちに郷土学を教えるに当たって、副町長等は鹿児島から来られて、まだ島のアイデンティティーとか、我々の奥深くに眠っている琉球系のもの、そういったものがあって、鹿児島の文化と琉球の文化と、そこの線引きに当たる貴重な島です。そこではそういった言語とか食べ物とか、あるいは三味線の音階にしてもここと徳之島とは全然違ってくるという境界線上の島ですよね。そういったところもちゃんと子供たちに教えるためにも、世之主関連というのは大事なところだというふうに思っています。
 そこで、あそこを活用するためには、以前からいつも言っているように、やっぱり花の里公園にもトイレがないんですよね。公園を造ってトイレを造らないというのは僕はあまり見たことないんですけれども。上のほうのトイレもぽっちゃんトイレで、なかなか子供たちが、あそこは城中校区の小学校、中学校の年間の行事予定に入れてもらうと、そういったことで中身のある郷土学になるんじゃないかなというふうに僕は思っていますが、トイレがないとなかなかそういったところは学校行事に組み込めないというような声も聞きます。ですから、ぜひあそこのトイレの設置ということも前向きに考えていただきたいなと思います。
 それと、世之主の墓に関してです。
 今お伺いしたところによると、8年、国の指定に上げるまでは、基本的には触らないということでよろしいんでしょうか。
○教育委員会事務局長(永井 徹君)
 お答えいたします。
 一応、県と国と協議しまして、そのような形で今方向性は示されておりますが、今回崩落した場所は世之主の主な顔と言われているところが落ちております。ですので、来週3月17日に現地に有識者、また県の職員が参りまして現地指導を行うことになっております。その際に内容をお聞きしましたことを地域の方々、また議員方にもご紹介していきたいと考えております。
○11番(桂 弘一君)
 琉球王国、沖縄にも例えば王様とその伝説があって、王様のお墓があって、その城があってというふうに3つそろっているというようなところはなかなかないんです。国の指定に上がると言われている与論の城跡にも、与論世之主ですか、王舅ですか、彼のお墓もないんですよ。だからそういった形で、なおかつ伝説を史実と思い、大切にしてきている世之主神社もあるわけですよ。ですから、ぜひ活用も込みで考える政策を取っていただきたいなということを希望して、一般質問を終わります。
 以上でございます。
○議長(永野利則君)
 これで桂弘一君の一般質問を終わります。
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれで散会します。お疲れさまでした。
散 会 午後 2時16分

地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。

 和泊町議会議長 永 野 利 則
 和泊町議会議員 山 口 明日香
 和泊町議会議員 島 田 浩 樹

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