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更新日:2022年6月13日

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3月9日(一般質問:川畑宏一議員)

発言者

川畑宏一

発言内容

次に、川畑宏一君の質問を許します。
○4番(川畑宏一君)
 皆さん、おはようございます。
 元祖子育て世代代表、川畑宏一でございます。令和4年第1回定例会において2項目6点の質問を通告しておりますので、順にお尋ねいたします。
 まず、令和4年度当初予算編成について、1点目、財政の早期健全化について、2点目、自治体デジタル・トランスフォーメーションの推進について、3点目、介護人材確保について、4点目、循環型社会構築について、5点目、南洲橋整備計画について、以上5点についてどのような取組を考えているのか、お尋ねいたします。
 本日も内容が盛りだくさんでございますので、執行部の皆様におかれましては簡潔で端的な答弁をお願いできたらと思います。
 以上、壇上からの質問とし、この後は自席から質問させていただきます。
○町長(前 登志朗君)
 川畑議員の一般質問に順を追ってお答えしてまいります。
 まず、財政の早期健全化についてですが、本町の財政状況については、令和2年度から5年間を第2期財政健全化対策集中期間と設定し、継続して財政健全化に取り組んでいる状況であります。そのようなことから、持続可能な町政運営を展開するため、職員全体が財政状況に対する危機意識を共有し、予算要求の段階から徹底した見直しを行っております。
 具体的な取組としましては、義務的経費である扶助費、投資的経費である普通建設事業費を除く一般政策経費を前年度と比較し93%の範囲内となるよう調整を図ったところでございます。その結果としまして、今年度の一般会計の当初予算は昨年度の当初予算と比較して4,898万1,000円減の63億円で計上しております。
 各種財政指標については、県内の他市町村と比較しても依然として厳しい水準ではありますが、限られた財源の中、新型コロナウイルス感染症対策やワクチン接種体制の確立、町内経済の復興やさらなる成長、また、町民の生活に直結する必要性の高い施策を進めつつ、持続可能な財政運営を行ってまいります。
 2点目、自治体デジタル・トランスフォーメーションの推進については、令和2年に国が策定した自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画において、国の様々な支援策を活用しながらデジタル社会の構築へ向けた取組を着実に進めていくことが全自治体に求められています。
 自治体DX推進計画では、重点取組事項として1、自治体の情報システムの標準化・共通化、2、マイナンバーカードの普及促進、3、自治体の行政手続のオンライン化、4、AI・RPAの利用促進、5、テレワークの推進、6、セキュリティー対策の徹底が挙げられています。また、これら6つの事項を着実に実施するために全庁的な推進体制の構築が求められています。
 重点取組事項への対応については、令和4年度当初予算において、自治体DX推進事業費としてAI-OCR及びRPAの導入事業の予算を計上しております。
 推進体制の構築については、既存の組織として各課・局における情報化の円滑な推進を図るため情報化リーダー会議が設置されており、電算機器の管理、ワード・エクセル等の初歩的なトラブル対応、町ホームページの情報更新などを行っていますが、今後は、企画課を中心に全ての部署が連携した推進体制を構築し、自治体DXに積極的に取り組んでまいります。
 次に、3点目の介護人材確保についてお答えします。
 介護人材確保につながる事業として、令和3年度から介護人材確保ポイント事業を実施しております。介護人材確保ポイント事業は、中学生以上を対象とし、社会参加・就労的活動を推進するとともに、介護現場でのさらなる活躍を支援し、介護人材の裾野を拡大することを目的としている県の補助事業です。地域全体で高齢者を支える仕組みづくりや、介護分野への関心、地域包括ケア推進に不可欠な住民参加の認識を高めていけるよう、令和4年度も引き続き実施してまいります。
 また、町単独事業として、介護人材の確保、定着を目的とした沖永良部介護福祉士会への運営事業費補助金を令和3年度に引き続き計上しております。
 4.の循環型社会構築についてお答えをいたします。
 循環型社会の構築につきましては、令和3年12月に新たに策定された和泊町SDGs推進計画を参考にして、第6次総合振興計画の着実な推進を行っていくこととしております。その中の廃棄物リサイクル対策につきましては、町民の快適でよりよい住環境保持のため、廃棄物等の発生抑制、循環資源の循環的な利用及び廃棄物等の適正な処分の確保がされるよう努めていきます。具体的な取組としましては、令和3年度から実施している家庭用生ごみ処理機等設置費助成事業を継続して取り組むとともに、ごみの不適正排出及び不法投棄、ポイ捨て防止について、関係団体との連携強化を図り、町民がごみを出さない暮らしへと価値転換できるよう普及、啓発に努めてまいります。
 5.南洲橋整備計画についてお答えします。
 南洲橋は、石橋に床版を載せた道路用橋梁と、両側に歩行者用の側道橋がある3つの橋梁で構成された橋梁であります。そのうち海側の側道橋については、平成25年度に策定した和泊町橋梁長寿命化修繕計画において、損傷が著しいことから更新するものとして計画策定がなされています。その後、調査、設計を経て、既設橋は令和2年5月に撤去を完了しております。
 今後の整備につきましては、新たな側道橋の架設工事を計画しておりますが、多くの予算を必要とすることから、着工時期については他の道路整備予算の増減推移を見た上で、予算の平準化を図り執行していくよう考えております。令和4年度予算には計上しておらず、令和5年度以降で予算計上を検討しております。
 以上で壇上からの答弁を終わります。この後は各担当課のほうからもお答えをさせていただきます。
○4番(川畑宏一君)
 ただいま詳細にご答弁いただきました。
 私は議会活動を通して、財政状況の厳しさにより、多種多様化する住民ニーズに対応することが難しくなっている現状を目の当たりにしてまいりました。将来世代にも豊かな和泊町を継続させ、持続可能な財政運営をしていくために、財政健全化の抜本的な取組が急務だとの強い思いから、昨年の3月定例会から今回まで5回連続で財政に関する質問を行い、様々な議論をしてまいりました。その中で、財政指標や新しい公会計制度に基づく財務諸表等を分析しながら、本町財政が厳しい状況にあること、先んじて大型の公共投資をしてきたわけだが、既に経年劣化による改修時期に来ており、既存の施設や設備の維持に今後10年間で公共施設等総合管理計画において44億円、学校関連8億4,000万円、水道施設10億5,000万円、土地改良事業4億円、クリーンセンター建て替え本町負担分20億円などが明らかになり、幼保一元化や老朽化するこども園等の建て替えや、そのほか、まだ構想段階であるものなども含めると、およそ10年の間に100億円を超える支出が予想されていること、さらに、有線テレビ事業やタラソ施設、研修センターなど、町民福祉の向上に大きく寄与している施設はたくさんあるのですが、利用料だけでは全く採算が取れておらず、毎年一般財源からの多額の負担が行われており、存続させていくためには運営等を見直し、収支の改善を図っていく必要があることなどなど、たくさんの点が明らかになってまいりました。
 民間出身である前町長と経験豊富で財政についての専門家であります伊原副町長になりまして初の当初予算編成は、ただいまの答弁だけではなく、昨日の町長による施政方針演説や中田議員との議論などからも、財政状況についての危機意識を共有し、前年度比で92.1%に抑え、そして一般会計4,898万1,000円減の63億円に抑えるなど、まずは財政健全化へ向けてのスタートを切ることができたのではないかと思います。
 この中で、また幾つか内容を確認していきたいと思います。
 最初は、3つまとめてお伺いしたいと思います。
 このように削減が図られた中で、人件費が4,653万7,000円の増になっております。あと、扶助費が約220万円減、特別会計等を含む全会計は、一般会計が減ったにもかかわらず7,313万1,000円増の92億円ということで、こちらはどういった原因でこういったことになったのか、内容を簡潔に教えてください。
○総務課長(南 俊美君)
 お答えいたします。
 まず初めに、人件費につきましては、会計年度任用職員の期末手当の改定が4年度から最終的に職員と同じ率ということで上昇します。それらを含めて、あと職員の共済費等を含めた分で人件費が増えております。
 あと、扶助費につきましては減となっておりますが、これにつきましては保健福祉課のほうで障害児のサービス費、これにつきまして、自己負担がこれまで取れなかった分、町で負担していた分の見直しを行いまして、サービス利用者に支障を来さない範囲で利用回数等も見直し等を行ったと聞いております。そういった部分も含めて、併せて扶助費は総体的に減ったものと考えております。
 あと、特別会計については7会計ありますが、国民健康保険会計はじめ保健福祉課が所管する特別会計、それから生活環境課で持っている下水道と農排の分ということです。ここについての増減はそれぞれあろうかと思いますが、総体的に増となったということであります。
○4番(川畑宏一君)
 まず、人件費に関してですが、数年前から始まっている会計年度任用職員の期末手当等の増大、これは段階的に行われているということで、計画の範囲内と。しかしながら、以前もこの場で述べたことがあるんですけれども、会計年度任用職員の皆様の力なくして行政サービスが回らない部分というものは強く理解しながらも、やはり全体として人件費が上がるということは、通常民間の考えであるならば、何かしらのサービスの向上が図られるとか効率化が図られる、結果としてそういった部分が見えてこないといけないという部分を強く認識して、この5,000万弱、4,600万ですか、人件費増大に見合うような効果が町民から見られるように、継続的に取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、扶助費に関しましては、障害児のサービスの内容、私も昨日、保健福祉課長をお尋ねして確認いたしました。これまでは、ほかの市町村は自己負担分があったんですけれども、それを和泊町は町のほうで負担していたということで、それを他市町村に合わせながらやっていくという旨で聞きました。これ自体を聞きますと、なかなかその負担が大きくなってしまうのではないか、利用に影響が出てしまうのではないかという懸念もあるんですけれども、ただ、上限が設けられているという部分であったりとか、あとは、これから利用する方は大丈夫なんですけれども、これまで利用した方は、やっぱりある程度家計にも影響してくるわけですから、しっかりした周知徹底、説明を丁寧に行ってご理解いただくように、結果としてこれを取り組むことによって、今までは自己負担を取られないことによって、給付を受けたい、施設を利用したい方々の受入れにも影響が出ようとしていたような局面もあったかというふうに見ておりますけれども、そういった部分を解消して、そういったサービスを受けたい、療育を受けたい方々がしっかりと必要なサービスを受けられることにつながっていくということで認識しておりますので、そういった部分が損なわれることのないよう、こちらもしっかりと注視をお願いしたいと思います。
 続きまして、特別会計に関しましては、こちらは通常、特別会計はもう独立して回っていかないといけないかと思うんですけれども、やはりそうではない。1億円、そういった単位でどうしても一般財源からの持ち出しが発生しているということで、こちらはまた今後、大きな見直しが必要になってくるかと思います。
 また、水道だけでなく下水道等も公営企業会計が始まるということで、こちらの対応も急務かと思います。またこれは改めて議論させていただきたいと思います。
 続きまして、学校の補修に関しまして、総務文教委員会におきまして所管施設訪問ということで学校を回る中で、児童・生徒の健康や安全面に影響が出るような修繕が、なかなか予算の関係でしょうか、なされないでいた状況というものがありまして、委員会はもちろんなんですけれども、永野議長のほうからも強く、予算要望のときにそういったところはしっかり改善するようにとあったところです。こういった部分は、この当初予算でしっかりと改善され補修されていく方針になっておりますでしょうか。教育委員会事務局長にお尋ねいたします。
○教育委員会事務局長(永井 徹君)
 それでは、お答えいたします。
 令和4年度当初予算には、先ほど総務文教からのそういった予算要望というのもありまして、今回、学校の例えば工事請負費ということで和泊小学校の校庭のスタンドの補修、これは要望があったものでございます。そして、大城小学校のプールの補修も併せて行います。それから、和泊中学校でございますが、雨漏りが今発生しております。その雨漏り補修、そういったことから、あと遊具の更新ということで、大城小学校、内城小学校の遊具の更新を予定しております。そのようなことから、一定の学校関係の施設補修分は予算化させていただいているところでございます。
○4番(川畑宏一君)
 児童・生徒の健康や安全に関わる部分、しっかりと対策が進められているということで、ちょっと今回時間がなくて見られなかったんですけれども、現場も見ていきながら確認していきたいと思うんです。安心いたしました。こちらは、今後とも継続的にこういった取組は進めていただきたいなとお願いしたいと思います。
 続きまして、前回の議会におきまして一般質問で副町長が、財政のガバナンスが十分効いていないという本町の課題を答弁いただきました。特に補正予算の在り方について述べられておりましたが、今回、そういった観点から改善が図られましたでしょうか、お尋ねいたします。
○副町長(伊原拓也君)
 12月議会でもちょっとお話をさせていただきました財政のガバナンスというところで、今回、令和4年度当初予算の編成において、町長といろいろ相談させていただきながら、どのような予算の性格を打ち出していくかということについて協議をさせていただきました。その中で、今回かなりこだわったポイントとして幾つかご紹介させていただければと思います。
 1つ目は、年間所要額の要求というところを徹底いたしました。これまで、当初予算の段階で見込まれていたものであったとしても、予算要求枠にはまらないものは補正送りになったりというような流れもあったようなんですが、今回は、令和4年度に必要と思われるものは当初予算の段階で全て見込んでくださいということを部局にはかなり強くお願いしたところであります。
 それと、昨日もちょっとお話ししましたが、歳入歳出予算のシーリングの設定を、考え方まで含めて総務課と共有した上で設定させていただいたということがあります。あと、これを踏まえまして、各課の予算要求の段階で、要求には上限があるんだと、各課が持っている枠というのがあるんですよというところを強く意識していただきましたので、各課が要求する段階でも、かなりいろいろと予算の優先順位をつけていただいて要求いただいたというふうに考えております。結果的に93%と、一般政策経費の範囲内でほぼ全ての部局が収まっておりますので、これはかなり効果があったことかなというふうに考えております。
 あと、昨年の12月、人事異動がありました。各課ごとの予算担当者という者を配備しましたので、結果的に3段階の査定を行うことができたということになっております。事業の中身をしっかりと精査した上での担当者の査定、それから政策的な判断を伴う町長であったり総務課長の査定というのを行いましたので、かなり予算の必要性というものは吟味できたのではないかというところも特徴の一つかなというふうに考えております。
 あとは、これまでもちょっとお話ししておりますが、重点新規事業などで町民の方のきめ細かなニーズに対していかに対応していくかというところは町長もかなり腐心されましたので、そのあたりもかなり特徴を出したのではないかなというふうに考えております。
 以上が今回、令和4年度の予算編成に当たって、前町長の1期目の予算として特徴づけられたところかなというふうに考えております。
 以上です。
○4番(川畑宏一君)
 しっかりと予算編成に当たって目的を持って特色をつけながら、前町長の方針に沿うような予算編成ができたのではないかと思います。特に、副町長もご指摘がありました補正予算に関しては、監査等でも度々指摘されていて、やっぱり民間に比べて当初予算の編成が甘いのではないかということで、実際に予算審議委員会等でも補正ありきというか、もう6月に補正します、9月に補正しますと、そういった返答をいただくこともあって、こういった部分が改善されたのだろうなと思っております。コロナの交付金を活用するに当たっての措置として補正に計上する、こういった部分はあるかと思いますけれども、それ以外は改善された意義が非常に大きいなと感じております。
 予算では先ほど挙げられたような削減でございましたけれども、恐らくこの内容からいくと、決算のときにはまた大きな成果が出るのではないかと期待しておりますので、災害等の有無によっても変わってくる部分であるんですけれども、引き続き、気を引き締めながら財政運営に取り組んでいただけたらなと要望するところでございます。
 続きまして、自治体の収入というものは、税収、交付金等、あとはそういったものをひっくるめて調整されて地方交付税、こういったものが主であり、民間の売上げのように、その取組とか、あとは経済環境によって大きく変動するものではございません。ですから、スクラップ・アンド・ビルドというものが財政運営の前提条件であるのだと思います。これを財政担当者だけではなく各担当者が意識して、費用対効果を高めていく必要があると考えます。よく、この事業の財源はどうなっておりますかと尋ねますと、大体の数字ですよ、総事業費が1億円ですと。その半分を国費の事業で充てました、残り5,000万を有利な起債を使って、実質3割負担で1,500万円がちょうど持ち出しですというような説明、これは財源の説明として正しいというか、今までこうだったんですけれども、これに加えて一歩踏み込んだ考え方をしていただきたいと。
 有利な事業をするということは非常に大事なんですけれども、有利な事業にとらわれて、費用対効果が悪い事業ではないかと評価されるような事業を幾つか見てまいりました。ここでさらに踏み込んで、その町の負担分をどこから捻出するかということを意識してほしいんです。1,500万とありましたけれども、ソフト事業などでは300万くらいの自己負担分もあると思います。その部分を自分が抱えているほかの事業、自分の課、そしてほかの課と予算書、決算書をめくりながら見ていく。一気に300万とないかもしれないですけれども、いろいろ決算書を見ていたら動いていない予算等があると思うんですよ。そういったものを10万円、1万円でもかき集めていって少しでも財源を確保するような努力、そういったものの積み重ねを行うことで、前例踏襲ではなくて、少しでもコストを抑えることができるのではないか。自発的に検討したり、慣例的に実施されている事業の見直しにもつながっていくのではないかと考えますけれども、こちらについても副町長にお伺いしたいと思います。
○副町長(伊原拓也君)
 まず、事業をどのように選択していくかという話の前に、和泊町の自主財源はどの程度あるんでしょうかというところになっていると思います。これは財政指標の中で一つ、財政力指数というものがございまして、和泊町は0.18、つまり必要とされている歳出、需要に対して自己の税収が18%しかないと。当然この差額というのは全部交付税措置をされておりますので、交付税で措置されているというふうに言えるんですが、自主財源というのが非常に乏しいというところが現状になってくるかと思います。
 次は、どういうタイミングで投資をするか、どういう形で投資を考えるかというところはいろいろ難しい問題があるかと思います。まず、和泊町の現状、財政指標は当然すごく重要ではあるんですが、この財政指標、令和2年度のものが直近になりますけれども、比較をするのは例えば平成20年、これは平成19年度に現状の健全化法ができたタイミングになるんですけれども、その前年、平成18年度が夕張が破綻した年です。この辺の教訓を踏まえて19年度の法改正で、初年度が20年度、このときの和泊町の例えば実質公債費率というのは16.5%となっておりまして、今よりも0.2ポイント悪いと。言い換えれば少し改善しているかなというふうな見方もできます。一方で将来負担比率が148.2%となっておりますので、現状の八十数%というのはかなり改善されたというふうな見方はできると思います。
 一方で、じゃこれ、ほかの市町村はどうなんでしょうかというところが、恐らく和泊町の借金を返す能力、投資をする判断の大きな要因になっていくと思います。知名町ですが、平成20年度の実質公債費率20.6ということで、うちよりも大分悪い数字、なおかつ将来負担比率も184.3ということで、当時の和泊町よりもはるかに悪い数字ということでした。ただ、現状、知名町は令和2年度になりますと、将来負担比率に関しましては184.3だったものが22.3と劇的に改善されている状況、これは、庁舎建設前というのがあって、かなり搾り込んでいるというのがあるのかもしれませんが、それにしてもかなり改善されているかなと。実質公債費率も11.2というふうになっております。
 平成20年というのは結構ターニングポイントになっておりまして、このとき本町よりも実質公債費率が悪かった団体というのは県内で18団体ありました。当時は姶良市は合併前でしたので、県内は市町村45ということになりますが、それでも和泊町は真ん中よりちょっと低いかなという状況でした。このとき最も悪かった団体というのが南大隅町で、当時21.5という数字でしたが、令和2年度、直近の数字では9.6まで改善されていると。やはりいろいろとお考えがあっての絞り込みだと思いますが、財政を改善する力というのが結構強いのかなと感じているところであります。
 また、将来負担比率も、本町よりも悪かったところは知名町を含めて9団体ありました。最も悪かった枕崎市が207という数字です。ただ、枕崎市も現状は27.7まで改善されておりますので、やはり借金を返す能力というのはうちよりも高いのではないかなというふうに思ったところでもあります。
 このように、この12年間でいろんな要因があって数字が変わってきているんですが、やはりちょっと借金を返す力が弱いかなと感じているところが非常に大きな懸念でもあります。庁舎建設があったということも一つの要因ではありますが、近隣でいけば奄美市とか与論も庁舎建設をしておりますし、出水市さんも新庁舎を建てていらっしゃいます。また皆さんも、そういう状況であってなおかつ改善されているところも結構大きい状況なのかなというふうに考えているところであります。
 なので、財政を改善する力が弱いのかなというところがあって、なおかつ本町独自のケーブルテレビでありますとかタラソ、あと、先ほどちょっと話が出ましたけれども、公共下水道の人口カバー率というのは物すごく高い数字になっております。もちろん美しい海を守るために必要な施策であったということもあるんですが、平成10年以降ぐらいに順次整備してきたものが大体投資総額で126億、130億近い投資が行われておりますので、これのリプレースが発生したとき、果たしてどれぐらい和泊町の財政として耐えられるのかなというところも不安として感じております。やはり徹底した借金返済能力を高めるためにも、ある程度の財政再建、予算の組み方であるとか、そのあたりはかなり腐心していかなければならないのかなというふうに感じているところであります。
 以上です。
○4番(川畑宏一君)
 夕張が破綻した後、財政指標、様々な取組が国から行われて、それを未然に防ぐようなことがあったんですけれども、そういった背景、流れ、そしてその中での鹿児島県他市町村との比較等も踏まえながら、非常に分かりやすく本町の現状を把握できたのではないかと思います。ただ、安心するというかほっとしたところは、やはりこういったことを今ここにいる皆様、執行部の皆様が共有されているということが分かりましたので、こういったことを一つ一つ加味しながら、先ほど私が申しました持ち出しの分の財源をそれぞれの担当者が意識していく、こういったことも、こういった意識の下で指揮を執られていく中ではちゃんと取り組まれていくんじゃないかなと期待しているところであります。
 決して悲観するわけではなく、持続可能な財政、明るく楽しい和泊町のための一過程だということで、全ての市町村が乗り越えてきた道でございますから、これをまたしっかりと一歩一歩踏み締めていくんだということで理解していきたいなと思います。
 あと、実質財源の部分に関してちょっと補足というか、民間でもよく補助事業であるんですよ。何割補助、5割補助とか7割補助とかももちろんあるんですけれども、ただ、このときに、まずは10割を支払って、後払いですよね、補助分というのは。だから、まず10割を一時的にでも資金繰りができるかどうかという部分があって、さらに残り、その補助事業の自己負担分というものを捻出できるかというところがまず重要であって、それが民間の場合は結構できないんですよ。よく言われるんですよ。商工業者なんかも、国のいろんな施策が転がっているじゃないかと言われるんだけれども、できないんですよ。やりたくてもその財源がない。やっぱりそういった部分の考え方というのは行政と民間と違う部分もあるんだけれども、そういった自主財源を出すということの難しさというものは、ぜひ皆様にも一定の認識を持って取り組んでいただけたらなとお願いするところであります。
 財政の最後、今お話を聞いて、いろいろな財政改善の取組が今後なされていくんだろうなと強く思うところがあるんですけれども、例えば三役の給与削減などがあったとします。そういったものが前回の4年間、三役と、あと我々議会も以前は給与削減をしていたわけなんですけれども、庁舎の建設に併せてですね。その際にカットした分というのは結局一般財源に入ってごちゃ混ぜで、それはどこに行ったのかよく分からないような状況にあったと。また、あと無駄なコスト抑制に励んでも成果がよく分からないといったことでは、やっぱりモチベーションも上がらないだろうということがあると思います。コストが抑制できた部分は、それが明らかに分かるような基金にどんどん繰り入れていったり、もしくはその分でこういった抑制をして、コストカットした分で生み出した財源でこういった町民ニーズを実現できたということを職員全体もしくは町民全体に知らしめていく。ふるさと納税も同じです。取組によってふるさと納税額がこれだけ増えました、この増えた分でこういうものが実現できました、こういったことがやっぱりみんなで共有していけると、ふるさと納税をする側も、あとは取り組む職員の皆さんも町民も巻き込んで、モチベーションを高めながら楽しんで財政改善を取り組んでいくことができるのではないかと思います。
 家計で節約する場合も、目に見える効果がある場合は継続しやすいという部分もございますので、この部分、これは最後、前町長にお伺いしたいと思います。
○町長(前 登志朗君)
 いろいろご質問いただきましてありがとうございました。
 来年度の予算編成に向けましては93%ということで、各課には本当に大変な思いをさせたと思っております。実際、例えば食料品などはもう無条件に全てカットとか、そういう形でいろいろ切り詰めさせていただきました。しかし、町民に対する福祉の部分は決して削ることのないようにということで、町民に対するサービスはきちんとしながら、我々が身を引き締めるという形でさせていただいたものだというふうに考えております。
 今後、町民の皆様方に明るい未来を見ていただくためにも、また、和泊町に住んでよかったと本当に思っていただくためにも、様々な町民サービスを積極的に取り入れていきたいというふうに考えているところです。
 また、そんな中で、決まった枠の中ではなくて、自由に町民のための様々な事業などを職員の皆さんや議員の皆様と共に発想し展開していくために、ふるさと納税というのを積極的に伸ばしていって、それが伸びることによってそれは全て町民の皆様方に使うことができるわけですから、そこのところを次年度に向けて、また職員の皆さんと議員の皆さんとお話をしながら、どんどん町民に寄り添った事業をご提案いただいて運営させていただきたいと思っておりますので、そこのところもまたぜひよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○4番(川畑宏一君)
 町長より前向きな取組の答弁をいただけたかなと思っております。本当に、苦しいだけでは続きませんから、ぜひその成果が見える形でどんどん取り入れてもらって、あとはこれ、制度的に可能かどうかは別として、業務の成果、こういった取組の成果が人事評価にも反映されるようなこともできないかと、こういったことも検討をお願いしたいなと思います。
 それでは、次の自治体DXについてでございます。
 コロナ禍において在宅業務が増加したことなども後押しとなって、業務のデジタル化や自動化が大きく加速いたしました。国の方針でもあって、今後数年のうちには行政業務も大きく変化すると思います。実際、県庁では既にデジタル化が図られているということもお聞きいたしました。恐らく行政全体的には、市町村会等でシステムが開発、導入され、加えて部署ごとの業務に合わせて民間のシステム等が配置されていくこともあろうかと思います。そういった中で、いきなり業務方法が変化すると、不慣れなどから様々な場面において一時的に業務効率が損なわれて、町民サービスに影響が出る可能性があります。しかし、それはあってはならないことであります。そうならないために、急に変化をするわけではなくて、ステップを踏んでデジタル化に対応していく必要があるのではと思います。
 最も基本であり、取り組みやすいのがペーパーレスです。議会においてタブレット、ペーパーレスシステムが導入され1年たちますけれども、今でも執行部の皆様からは紙ベースの資料が多くて、なかなか進んでいない現状であります。私は今回から、各課で請求した資料も、これまでの紙ではなくて全てタブレットにデータとしてもらうようにしているんですけれども、非常に整理しやすくて、調査の効率も上がっております。
 まずは議会を中心としたペーパーレス化を早期に完全実施していくことで、業務のデジタル化へ向けた取組を推進していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○総務課長(南 俊美君)
 お答えいたします。
 ペーパーレス化につきましては、行財政改革大綱の中の重要な項目の一つとして挙げられております。タブレットを私も頂いているんですけれども、実際、ちょっとまだ不慣れなものですから、持ち込んでペーパーでいろいろと対応している状況なんですけれども、慣れるためには当然研修等も必要ですので、その辺の部分を職員全体でまた研修会等を開催して、町民へのいろんな配布物等についても当然ペーパーを使っているんですけれども、その辺の部分をデジタル化ということで、いろんな情報媒体等を活用したそういったシステム構築といいますか、そういったことにつなげられるように努めてまいりたいと思っております。
○4番(川畑宏一君)
 今、タブレットがあってデジタル化を前に進めていくことができる足がかりはまさに議会のタブレットシステムでございますから、これは執行部の皆さんもぜひ早急に進めていただきたいと思います。
 学校などを見ますと、本当に低学年からタブレットを子供たちは使いこなしているんですよ。タブレットでピッとかして発表しているんですよね。昔はプロジェクターとか模造紙を使っていたんですけれども、時代は変わりました。卒業アルバムも、最大手の会社がもうデジタル化しているそうです。そういった部分もあります。そういった世代の未来をつくる我々が旧式の発想であってはならないなと思っております。
 また、リーダー会議等をつくって企画課を中心にいろいろ練って取り組んでいくということでありましたけれども、システムの構築を任せっきりにしないで、メーカー等にですね。各部署において使い勝手のいいようにぜひ検討して、どんどん働きかけていってほしいと。例えばペーパーレスにおいても、こういった議会などのいわゆる会議での共有であるとか、あとは決裁ですよね。あと町民サービスの提供、データの保管といって、それぞれ同じペーパーレスといってもちょっと性格の違うものがありますので、そういったものをそれぞれ分類しながらペーパーレスをしっかりと進めていただきたいなと。これはもう時間がないので、要望にしておきます。
 あと、マイナンバーです。こちらは、コンビニでの証明書等の交付サービスは全国でもだんだん拡大しているんですけれども、まだ恐らく本町は対応していないんだと思います。というのも、実際それをやってできなかった方がいたので声をいただいたんですけれども、確かに島内でコンビニを使う。まだ島内だけではいいと思うんですけれども、例えば戸籍関係とか住民票とか印鑑証明を島外にいて請求することもたくさんあると思います。もちろん島に住んでいる方のニーズを高めることも大事ですけれども、やはり出身者のニーズも対応して利便性を高めていくことも大事だと思いますので、積極的な取組をお願いして、3つ目の介護人材確保についてに移りたいと思います。
 まず、介護人材確保ポイント事業に関してですけれども、こちらはサンサンテレビでも紹介されているのを拝見いたしました。先ほど、中身はいろいろ詳細にございましたけれども、ぜひこれを県の事業でしっかりと実績を上げていくように、積極的な取組をお願いしたいと思います。
 そして、過去の質問等においても人材確保が最重要課題であるということは共通の認識になりまして、学生を対象にした取組とか介護職のイメージアップ等も議論されていたんですけれども、コロナ禍もあり、あまり進捗できていないような状況にあります。
 そういった中でなぜ今私がこれを取り上げたかというと、2025年問題がまず迫っている。そして2025年に団塊の世代が後期高齢者に入ります、75歳。大体、介護保険のサービスを受け始めるのが85歳と考えると、あと十二、三年後くらいにはそういったサービスを受ける方がピークになってくるということで、そこまでに人材確保をしなければならないんだけれども、ただ確保すればいいわけじゃないんですよ。人材育成が急務であるんですよ。しっかりと質を保っていける担保もしなければいけない。
 あとは、人材不足といっても全ての業界ですよね。農業もそうですし商工業全てが足りない。共通の問題ではあるんですけれども、万が一介護人材が不足すると、誰にでも親がいて、おじいちゃん、おばあちゃんがいて、どの業種で働いている人にも介護の壁というのは必ずぶち当たってくる問題だなという強い認識がありまして、早急な取組が必要じゃないかなと考えております。経済活動の根幹だと思っておりますけれども、保健福祉課長の見解をお聞かせください。
○保健福祉課長(有馬清武君)
 お答えいたします。
 やはり議員おっしゃられるとおり、これから人材確保をしていかないといけないということでありまして、現在介護職に携わられている方も、また高齢者となってきているというような状況であります。やはりそういった先を見据えて、また町内全体の経済を守るためには介護人材を育成いたしまして、在宅介護につながらないような、施設において介護が受けられるようなシステム、それに対してはやっぱり人材確保が必要であるというふうに考えておりますので、また10年先を見据えて築いていきたいと考えております。
 以上です。
○4番(川畑宏一君)
 平成29年頃行われた調査でも、介護職の皆様の年齢が、アンケートの言葉を使いますと、高齢化が進んでいるとか、あとは介護資格保持者の不足であるとか、そもそも求人に来ないとかいろいろあるんですけれども、これ、課題は一つ、資格なんですよ。昔、ホームヘルパーというものがありました。これに相当するものが初任者研修、実務者研修、さらにその上の介護福祉士、まだたくさんあるんですけれども、最大限、初任者研修、実務者研修を受けていないといけないわけです。これを受けていないとどうなるかというと、まず加算といって、要は事業所が国から給付を受けるときの加算に影響してきますから、まず経営にも影響してきますと。さらには給料にももちろん影響してくるわけですから、そもそもこの資格を取っていないと働いても給料が少ないということで、なかなかこの業種に応募しようということが難しいんではないかと。
 じゃ、資格をどうして取ろうかというときに、これは専門学校等に行って取ってくれば一番順調なんですけれども、なかなかそこまで待っていられない部分もあるんですよ。今から、もちろんそれも同時並行で進めながらなんですけれども、やはり2週間ほど島外に行ってやらなきゃいけない。それはもちろん、自分の資格だから自己負担なんですよね。こういった部分、これはほかの業界も一緒だと思うんですけれども、なかなかこういうところが障壁になっていて取ることができない。でも、先ほど申し上げましたように、これは全業態に響いてくる、経済に影響してくることですから、ぜひ対策をしていただきたいと。
 かつては資格取得とか試験対策の研修が行われていたようなんですよ。ただこれが、ちょっと私も調査が足りませんで、実態を細かに把握することができませんでした。それなので、実施主体、これもお願いしておきます。費用負担、実施方法などを検討する部分も多いと思いますけれども、それらを確認した上で効果的な対策を実施するためにも、いま一度、各施設における介護職の方々の年齢層、一人一人ですよ。あと、どういった資格を持っているか、あと、その資格をどういった手法で取得したかといったものを詳細に把握することが、この対策の重要な部分になってくるかと思います。これはまた改めてお伺いしたいと思いますので、ぜひ検討を行っていただきたいと思います。
 次に移ります。
 循環型社会です。これは第6次総合振興計画にもありまして、SDGsの観点からも重要な取組だと思います。
 今年度行われておりますごみ処理機の補助事業、これ、キエーロを私も使っておりますけれども、生ごみをしっかりと、冬場でもお湯をかけたり、いろいろ調べて工夫しながらですけれども消えていて、夏場ちょっと楽しみですね、どれだけ早く分解されるのかということで。
 我々、ネットで調べながらキエーロとかいろいろ出すと、やっぱり全国に情報が転がっているのでそれをやるんですけれども、それを調べられる方ばかりではないと思います。だから、情報提供などアフターフォローはしっかりしていただきたいと、これをお願いして、もう次の課題にいきたいと思います。
 南洲橋の設置なんですけれども、議会の説明を数年前の決算議会のときに受けたんです。令和4年から6年にかけて段階的に実施していくということだったんですけれども、予算や河川管理者及び地域との協議により、工程に修正がある旨の報告がありました。先ほどの答弁ですと、費用対効果を考えながら検証していって、令和5年以降に検討する旨でありました。けれども私としては、いろいろなニーズをかなえながら財政を健全化させていって、アリーナも将来的に控えているという中で10万円単位でこうやって予算を精査していっている中で、あまりにも多額な事業であって、費用対効果を考えたときに優先順位は低いのではないかということで、これに関しては、先ほど町長は令和5年度以降でございましたけれども、しっかりと見直しをしてほしいという部分。
 そしてあと一つ、この歩道橋を設置することによってあの石橋が見えなくなってしまう部分があるんですけれども、あの石橋、非常に価値のあるということで、今日はちょっとお話しできないんですけれども、これはまた改めてお話しするとして、よく、この橋の整備の根拠として、南洲神社と西郷南洲顕彰館を併せたエリアでの整備というんです。あの橋の価値というのも、薩摩の文明、そのあたりをたどっていくと非常に関連づけられて面白いものでありますから、そういったものもぜひ検討していただきたいなと思います。
 ただし、社会資本整備事業や奄振等、予算枠に影響が出る場合などは別途検討が必要だと思いますので、今後も注視していただきたいなと思います。
 すみません、駆け足になります。2点目、危機管理について。
 トンガ諸島海底火山噴火に伴う津波警報発令への対応において、これまでの災害対応を踏まえた課題をどのように捉えておりますでしょうか、お尋ねいたします。
○町長(前 登志朗君)
 2点目の危機管理についてお答えいたします。
 津波警報発表後に島内の越山や大山など高台において車での避難が殺到したとの報告を受け、また、郡内他の市町村においても同様の事案が発生したことについて、今後の課題だと考えております。解決策として、本町におきましては迅速かつ正確な避難を実現するため徒歩による避難を原則としておりますので、災害訓練や避難訓練の際に徒歩での避難について周知していきたいと考えております。
 また、今回の津波警報につきましては極めてまれなケースと考えており、現在気象庁においても議論をしているようですので、今後の気象庁の見解などを踏まえながら、本町としての対策も検討していきたいと考えております。
 以上で壇上からの答弁を終わります。
○4番(川畑宏一君)
 昨日の池田議員の答弁で大分詳細が時系列で報告されまして、あとは私個人の様々なヒアリングによって、どういう状況があったかというと、結果から言うとテレビ等の報道、携帯のアラートが鳴ってみんなが目を覚ましたような段階から、これが0時15分。そこから約1時間遅れの1時16分の防災無線、これは時系列で見ていくと、確かにほかに遅れを取っているわけではないということは明らかになったわけですけれども、ここにいろんな問題があるんですよ。当日、担当課で担当職員もいるんだけれども、直接の一番の担当者が出張で不在であったと。あとは、気象庁の発表に対して奄美の測候所と認識がちょっと違っていた部分があって、奄美の測候所の認識を町長はじめ執行部においてはある程度重視したんじゃないかという部分、ただしこれ自体も、地震じゃなくて噴火で津波ということで、前例のないケースということで混乱があったんだろうと。
 あとは、防災無線で周知をするかどうかという部分について、対策本部内でもやるべきだとか、こんな真夜中に驚かすようなことをするべきじゃないとか、意見が分かれたということも聞いております。
 あとは、自主防災組織が動いていないんですよ。私も和泊字の自主防災組織の一員と思って動いて避難所に行って、避難所の運営の手伝いとかをしていたんですけれども、これが動いていない。避難所開設はやすらぎ館のみだったんだけれども、これは実際、自主防災組織である和泊字ではなくて、総務課の職員が鍵を開けて開設していたという部分。
 あとは、その避難所もスタッフが、これは不思議なのが、二、三名最初はいたんですけれども最後までいたのは1人で、7時半頃でしたか、避難警報が解除されて注意報になった後も1人が片づけをして9時頃帰ったんですけれども、そのあたり、誰もヘルプに来ないんだなということで、その辺の体制の不備も感じましたし、そこから見てとれるのは、防災の危機管理マニュアルというものが皆さんあると思うんですけれども、これ、いろいろお伺いしましたら、やっぱり読んでいない。一度は読んだことがあるけれども、よく中身が周知できていないということで、対応にいろいろと問題があったなと。
 一つ一つこれを時間があれば議論したいんですけれども、ちょっとそれは割愛させていただいて、今回、私の考えですよ。総括としまして、いろいろ対策、準備はしていたのは間違いないと。これを総務課においてしっかりやっていたのはもうばっちりだったと思うんですけれども、その実行と即応力に課題があったということに尽きると思います。実行力と即応力です。まず、これ本当に津波が来ていたら、一分一秒を争う状況ですので、もう皆、被害に遭っていますよ、こういう状況は。この有事のときに、有事というか津波がいざ来るか来ないかのときに、防災無線を流すかどうかとかそんな判断をしているのがそもそもちょっと違うというか、台風災害のようにある程度予想できるものと違って、地震、津波というものはそこが読めないものですから、議論している場合ではなくて自動化できるように、庁舎内はもちろん自主防災組織も含めて、いま一度、マニュアルの落とし込みというものを徹底していただきたいというのが1点目です。
 2点目、水面下で津波ではなく海面変動であるということは分かっていたということでございましたけれども、しかし、町民はそれを知らないわけなんですよ。テレビでは早く逃げてくださいと言っているのに、なかなかそういったものが防災無線では伝わってこないということで戸惑いながらも、最終的に町民がやっぱりよりどころにしているのが防災無線の情報なんですよ。結構出回っていました、防災無線の情報がない。やっぱりこのことは肝に銘じておくべきだなと思います。テレビじゃないんですよ、やっぱり町民が頼るのは防災無線であるということで、自助共助、まず自分が自分を守る、そして隣近所を守る。今回も、隣の90歳のおばあちゃんを一緒に避難させたような青年がいました。家族がいました。自助共助をやった上で、最終的に町民を守る責任は町にあるわけでして、今回、被害がなかったからよかったんですけれども、もっとスピーディーかつ頻繁に防災無線等での情報を行うべき。この2点、対応を自動化できるようにもっともっとしっかりとマニュアルを落とし込んでいくという部分と情報共有をスピーディーにしていく部分、この部分を、すみません、時間がないので簡潔に町長からいただきたいと思います。
○町長(前 登志朗君)
 議員のご指摘、もっともだと思っております。
 マニュアルの落とし込みというのも本当に積極的に行っていきながら、また、今ございましたいわゆる情報との隔離というところだと思うんですけれども、昨日もお伝えしましたけれども、測候所、その後16日の午前2時に全国の放送で気象庁のほうから説明がありました。その中でも、津波ではなくて海面変動なんだということだったんですけれども、今回、津波とは別のものなのですけれども、防災上の観点から津波警報の仕組みを使って対応を呼びかけたということでございました。測候所のほうでも、津波なのですかと言ったら津波ではないんですと。ただ、その中で、いわゆる報告のしようがないので津波という表現をしたんだということ、それと、12時前後に海面変動があるだろう、幾つかのところで数十センチの海面変動があったんですけれども、奄美市名瀬の小浜というところで1.2メートルというのがあったものですから、その結果をもって結局、最高の高さが1メートルから3メートルの間になると津波警報というのを出すというルールがありますので、それに沿って出す必要があったということで、実際出したのは随分、20分ぐらいのタイムラグが気象庁のほうでもあるんですけれども出したと。それらの情報を直接お聞きすることができた中で、多くの自治体がその後、もう2時、3時という時間帯に避難計画とかを出しているんです。持っている情報と、それとその時間帯ですとか様々な、コロナ禍にあるとかそういうことを考えたときに、出すデメリットのほうが大きいと判断いたしました。
 ですから、注意をしてくださいという呼びかけはしましたけれども、あの時間に全ての人に移動をお願いすることのデメリットのほうが大きいということでそのような決断をいたしましたが、そのことについて、周りでは逃げなさいという放送が続いていましたので、そういうことになったのかとも思います。
 実際、この後、今月の23日にまた測候所のほうから今回の件についてもう一度説明に来てくださるという連絡をいただいておりますので、そこでまたもう一度お伺いするわけなんですけれども、今回そういうことで対応させていただきました。
 もちろん、万が一のときにはまず行動することが大事だということはよく理解しておりますし、全ての判断においてまず人命を第一に考えて行動を取るということを基本に思っております。その中で、今回はそういう結論でございました。
 以上でございます。
○4番(川畑宏一君)
 今回の対応で、しっかりと準備がされている部分、あとは、ほかの市町村と比べて対応が遅れを取っていないといった部分、こういった部分はしっかりと理解できるものであると思いますけれども、やはり万が一というのが東日本だったりいろいろと我々も教訓を目の当たりにしているものですから、そういったものも含めてちょっと厳しめの私の意見となりました。情報の周知と、あと実行力、即応力、マニュアルの徹底、こういった部分はいま一度課題として捉えていただいて、取組を強化していただきたいと思います。
 真夜中に、みんなに広く、実際は避難する必要のないところもたくさんあるんですよ。そういった部分の方にも周知するのかという部分に関しては、今日ちょっと準備してあったんですけれども、そういった個別の避難体系というのをどう構築していくかという部分はまた改めて議論させていただけたらなと思います。
 かつては、大雨がそんなに降らないのに避難警報を出して、実際に被害がなくて狼少年みたいな感じで自治体が言われることもありました。だがしかし、愛知県での水害だとか東日本の津波、地震等ありまして、そういった風潮はもう変わってきております。まずは自分の命は自分で守るということで、そういったことを、今言う方は少ないんだろうと思います。そういったことも踏まえながら、今後の防災危機管理においての情報発信を、ぜひ町民の命を守るということを第一に考えながら進めていただけたらということを強くお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(永野利則君)
 これで川畑宏一君の一般質問を終わります。
 ここでしばらく休憩します。
休 憩 午前10時58分

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