閉じる

ホーム > 和泊町について > 和泊町議会 > 議会議事録 > 令和3年 > 令和3年第4回定例会 > 12月14日(一般質問:中田隆洋議員)

更新日:2022年2月22日

ここから本文です。

12月14日(一般質問:中田隆洋議員)

発言者

中田隆洋

発言内容

再 開 午後 2時20分
○議長(永野利則君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、中田隆洋君の一般質問を許します。
○9番(中田隆洋君)
 皆様、改めましてこんにちは。
 初日の最後となりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
 本定例会に一般質問を3点通告をしてありますので、まず1点目について、壇上より質問をさせていただきたいと思います。
 1点目の沿岸海域の保全についてですが、今年8月の小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場の噴火が原因とされる軽石問題は、海洋に面している多くの自治体に、二次的、三次的な被害をもたらしておりますが、本町においては、現在、自助、共助により対応しているところだと思います。この軽石問題は、海流によりしばらく影響を与えると報道等なされており、それに対し国の対策費の予算化もされ、関係者は公助に期待を寄せているところだと思います。また、副産物である除去後の大量の軽石の処理についても、各方面で資源化の研究がなされているようでございます。
 そこで、1.漂着軽石の対応はどのようになっているのか。また、除去後の軽石の処理をどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
 また、近年、SDGsや脱炭素社会、カーボンニュートラルなどの考え方が普及し、環境問題への関心が高まっています。前町長の9月議会所信表明においても、環境配慮型都市の最先端地区を目指すとしておりました。人間の営みは少なからず自然環境に負荷を与えてしまい、ましてや産業経済活動となるとさらに大きな環境負荷を与えるが、その負荷を最小限に抑える努力をするのも、今の時代に生きる私たちの義務ではないでしょうか。
 そこで、2.南栄糖業株式会社、沖永良部農業開発組合付近の沿岸海域の環境をどのように認識しているのか、お尋ねをいたします。
○町長(前 登志朗君)
 中田議員の1点目の質問、1.から順にお答えしてまいります。
 海岸に漂着した軽石の対応状況についてお答えいたします。
 軽石の漂着については、本町の各海岸全てに漂着していることが確認されています。漂流している軽石は、海流や潮の満ち引き、風の向きなどによって海岸に打ち上がりますが、全てがそのままとどまることはなく、波にさらわれ再漂流することもあります。軽石の成分においては有害物質は含まれておらず、海洋生物に大きな影響はないと考えておりますが、まだ分からないことも多く、関係機関と連携しながら状況を監視しているところです。
 一般海岸に打ち上げられた軽石については、観光地であるワンジョビーチを優先して、ボランティアの協力により土木課で準備した回収用のフレコンに軽石を集めていただき、土木課で回収をいたしております。その他の海岸線においては、重機の乗り入れもできず、回収における負担が大きいのが現状です。今後は、海岸漂着物等地域対策推進事業を活用し、事業として軽石除去を進めていく予定です。
 町管理の港湾・漁港施設の軽石は、斜路に打ち上げられたものについて土木課において重機での回収を行っています。その他、沖永良部漁協前の船だまりの軽石は、漁業者の人力による回収や建設会社の重機を使用したボランティアによる回収を随時行っている状況で、これに係る人件費、重機使用料、フレコン購入費については沖永良部事務所建設課へ支援要請をしているところです。その他、軽石被害により、一時出漁を見合せている漁師や、漁船1隻に不具合が生じるなどの被害が発生しています。
 除去後の軽石については、町有地や港湾施設内に仮置きしているところですが、本町には土砂処分場がないため、町有地などに仮置きするしかありません。町有地にも限りがありますので、島外への搬出も含めて検討をしているところです。
 今後も、軽石被害が長引くことも予想されます。漁業経営に深刻な影響を及ぼす可能性もあることから、状況を見ながら、国や県と連携して適宜対応を行ってまいります。
 次に、2点目の質問にお答えします。
 南栄糖業株式会社におきましては、おおよそ12月から3月までの4か月間の製糖期間中に機械の冷却水を海へ排出しています。この冷却水は、もともと工場そばの海から取水した海水であり、機械の冷却後に海へ排出しています。操業期間中は月1回の水質検査の専門機関が来島して検査を行っており、排水については問題ないと認識をしております。
 沖永良部農業開発組合につきましては、製糖期間中はサトウキビの脱葉作業で排出されるハカマと工場から排出されるバガス及び焼却灰、フィルターケーキが屋外ヤードに置かれています。製糖期以外では、堆肥の原料となる牛ふんとハカマなどを混ぜたものを一時的に屋外ヤードに置いている時期があります。
 この時期に雨が降りますと、この原材料からにじみ出た水が海側の沈砂池へ集まるようなヤード形状となっています。そこで残渣を沈殿させることになるのですが、年に数回ほど台風などで大規模な降雨になりますと、沈砂池があふれ、直接海へ流れて出てしまうことがありました。この流出水の水質検査の結果、有害物質は含まれておりませんが、残渣が流れ出ている影響で、海中の酸素濃度が低下する可能性があります。
 海洋環境に直ちに影響を与える流出量ではありませんが、流出が継続すると、影響は否定できないと認識をしております。これまでは止水壁のかさ上げなどの対策を行ってきましたが、近年の異常気象などを考えますと、さらなる対策が必要と考えており、関係機関が協力して対象事業の模索や財源の確保などの課題解決に取り組んでいきたいと考えております。
 壇上からの答弁は以上です。この後は、担当課のほうからもご答弁させていただきます。
○9番(中田隆洋君)
 さっきの町長の行政報告の中で、10月29日に塩田知事にこの軽石問題に対しての要請をしたというふうに報告を受けました。今回の議会に補正のほうで、軽石の清掃対策費として県のほうから325万6,000円と、町のほうから、一般会計のほうから36万2,000円というふうについているようでございます。合計で361万8,000円ということで、対策費が組まれ、補正で上がってきておりますが、この事業の活用方法というのはどのようになっているか、土木課長のほうにお尋ねをいたします。
○土木課長(和田清良君)
 事業の活用費でございますけれども、現在、海岸漂着物と一緒に、シルバー人材センターに回収を依頼しておりますけれども、その中で、海岸漂着物と一緒に軽石も除去していただこうということで、もう現在、進めております。
 10月6日、内喜名海岸、10.5トン、12月7日、内喜名漁港で13トン、12月8日、内喜名漁港で19.5トン、12月10日、内喜名漁港で17.5トン、これは軽石の除去でございます。それ以外にもまた海岸漂着物、それは通年して委託をしてございますので、そこで処理していきたいと思います。また、ほかの海岸につきましては、重機等が入るところに関しましては、また建設業者なりに依頼をして、今後、除去に努めていきたいと思っております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 分かりました。
 おおむね人件費と重機の借入れ費用ということで、計上したということでございました。
 今回、この軽石の件で県・国に対して本町からの要望をしていると思うんですが、どういった要望を上げたのか。この要望は企画課になるんですかね、企画課のほうでお答えいただければと思います。
○企画課長(林 義仁君)
 まず、県のほうに要望としまして、軽石撤去における支援や費用負担、漁業者やマリンレジャー事業者等が休業した場合の補償措置など、休業や損失補塡、撤去関連や設備被害等に係る補償について災害として認定した上で、柔軟な実効性のある復旧対策を要望すると。それと、今後このような災害に対して被害を抑えられるよう、事前の情報提供や対応策について検討いただくとともに、県からの情報発信における窓口については一本化をお願いしたいというのと、撤去後の処理場所、一時保管を含む場所の確保ということを県のほうに要望しています。
 それと、あとは、奄美群島振興開発の推進に関する要望書として、奄美群島市町村長会と奄美群島市町村議会議長会として要望事項、国・県に対しての主体的・積極的に対応を進めることとか、軽石の撤去、処分に関して、先ほど申しました海岸漂着物等地域対策推進事業により引き続き支援を行うとともに、所要額を確実に確保することとか、あとは、漂着が継続している間は同一港湾漁協への複数回の災害復旧事業の適用を認めること、あと5つほど、8点ほど要望を出しております。
 以上です。
○土木課長(和田清良君)
 事業の申請ですけれども、当初、土木のほうでも災害の認定ということで、県・国と調整を取りながら災害に認定してもらえないかということで要望を上げました。
 その中で、当初2,000万上げてあったんですけれども、その要件として、1日に市町村に係るものは60万円以上、1回、処理していないと災害に認定されないというような要件がございまして、それは、業者とも見積りを取ったんですけれども、1回で60万円という額を消費できないと、また契約等の関係もありまして、その分に関しましては、もう町のほうとしては取下げをしたということがございます。
 以上です。
○総務課長(南 俊美君)
 要望といいますか、鹿児島県町村会のほうへも必要な支援をお願いしたいということで、県の町村会が照会がございましたので、和泊町としても要望を出したところです。
 内容につきましては、本町内、島内における被害状況を踏まえた上で、軽石除去に向けて具体的な支援として、県が主導して建設事業者等に補助金を出して軽石を回収してほしい、出漁控えに対する損失補塡、漁師が回収作業を行う際の人件費を支援してほしいというような内容の要望を出しております。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 さきの土木課長の答弁であったとおり、人件費と重機についてはこの要望が認められて、そういった県の事業が来たということでありましたが、ただ、その要望の中に、漁業者やマリンレジャー事業者の休業補償なども要請してあるようですが、これについては、そういった事業の方向性というのは説明は県からなかったですか。
 要望の中に、さっき言った軽石の除去の支援や費用負担もしていますね。それに関しては、今回、土木課のほうで事業を組んでもらっていますが、事業化されています県の県支出金のほうでできていますが、要望の中にさっきもありました漁業者やマリンレジャー事業等の休業した場合の補償措置などに関しても要望しているようですが、これについての事業というのは出なかったでしょうか。
○企画課長(林 義仁君)
 お答えします。
 先ほどマリンレジャー事業者等が休業した場合の補償措置、または休業した場合の補塡などは、現在のところ、そういう連絡等はございません。
○9番(中田隆洋君)
 最近は、軽石のほうが、海流の流れが変わったんでしょうか、千葉のほうに行っているという報道を聞いていたのですが、またいつその海流が戻ってきて、ここに来るか分からないので、入ってきたら早急に処理をしないといけない事件でありますので、少しの間この事業を継続、長く持たせてもらえればなと思っております。
 あと、除去後の軽石は、町有地で、今、保管をしているということでございました。漁協の回収している部分に関しては、漁協の敷地内で保管をしているようでございましたが、報道等でもこれもよく耳にしたんですが、この軽石を資源化していこうという動きで、沖縄においては塗料材料だったり、鹿児島県のほうでも、県庁のほうでも県の職員の方が開発に成功されて、ペットの臭い消臭の材料になるということで、それが実証されて、事業化にはまだどうなるのか分からないんですが、するようでございました。お隣、徳之島においては、コーヒー農園の土壌改良に使うというふうに新聞報道されていました。
 本町でも、そういった民間でもいろいろ畑に持っていって土壌改良にしているという話も聞いたりもしますが、町の新しい資源として、大量に出ているみたいですので、新たなこの資源開発というのを民間と官民で一緒に考えるのもできないのかなと思いながら聞いたところですが、その点については、担当課のほうはどのように考えていますか。町長でもいいし、担当課長でもいいし。
○土木課長(和田清良君)
 土木課のほうで、現在、回収した軽石、それとボランティアでまず回収した軽石、まずワンジョビーチで回収した軽石を7袋ほど実験農場のほうに、土壌改良材として使えないかということで、まず7袋持っていってございます。あとそれと、実際に経済課長が自分の野菜畑に使用できないかということで、ダンプ8トン分ぐらいですか、畑に実際にまいて、今、試験的にやっております。それ以外にも、土木のほうで回収している途中に、何人かの方が軽トラックで欲しいという方には分けてあります。ただ、その効果というのがまだ出ていないのが現状でございます。
 実験農場では、塩分濃度を測ったりとか、いろいろそこまでやっております。今後、それが本当にいいよというのであれば、今保管しているものに関しましては、改良材として、または必要な方がいらっしゃれば、分けていきたいなというふうに考えております。
○経済課長(東 敏仁君)
 ただいまの土木課長の答弁に関連してなんですけれども、先ほどありました役場職員のボランティアでワンジョから回収した軽石を、実験農場にある分析室で、分析、簡易検査をいたしました。その結果、pHとEC、pHは水素イオン指数ですが、これが普通は5.5から7が中性なんですけれども、pH8.5以上ということ、そしてEC、これは電気伝導ということで塩基類の数値になるんですけれども、これが0.2から0.4が標準なんですが、1つは2.8、1つは4.1ということで、非常に高い数値が示されました。これは多分、ワンジョビーチから持っていったということで、砂は非常に数値が高くなるんで、その砂が交ざっていたんではないかなということでありまして、また、先ほど自分の畑にあるものを取って、今、調べている段階です。それがまた1か月ぐらい雨に打たれていますので、それが数値が下がっていれば、今後、活用できるんではないのかなというふうに思っています。
 以上です。
○町長(前 登志朗君)
 今、いろいろな試しが行われているところではございますが、まだ具体的に結果が出ておりませんので、この扱いは慎重に、これを見てすぐ動かれてもどうかなというところもございまして、私も先日、県庁のほうに行って、このことについて様々ご相談をした中で、県庁のほうでもいろいろ研究をしておりまして、あれ、水にぬれているときはすぐ潰れるんですけれども、やはりすぐ潰れると、畑などに入れて、水をかけるとすぐ潰れる、結局、元は火山灰ですので、シラスと一緒で、固まるとコンクリートのように硬くなってしまう可能性もあるということで、軟らかくするという思いで入れて、結局硬くなるという可能性もまだあるということですので、まだ直接畑に入れるのは、ちょっと慎重にお願いしたいと思います。
○9番(中田隆洋君)
 分かりました。
 職員の中でいろいろ研究をしながら、まだ今の段階では、町民に勧められる段階ではないということでしたので、その実験結果を見ながら、そういった形で何か有効利用ができればよろしいかなと思っております。
 ちょっと変な話をしますが、この除去した軽石の所有権というのはどういうふうになるんですか。例えば、ボランティアで回収した場合は、漁協が回収した場合は、漁協は、取りに来た方にどうぞとあげているようです。ただ、公費で回収した場合に関しての、それも、除去後のものに関しては別にご自由にという形でいいんですか。そんなに細かく考える必要はないかもしれないですけれども、これがもしかしたら化ける資源だったりしたら、ある程度のルールづけはしていってもいいのかなと思いながらですが、その点についてご検討、まだ今からだと思いますが、どうでしょうか、この件については。
○総務課長(南 俊美君)
 すみません、その辺のところはちょっと詳しく調べていないところでありまして、公費で回収した分の取扱いについて、早急に研究して、勉強していきたいと思います。
○9番(中田隆洋君)
 特にそういった法律的な決まりはないかなと思うんですが、ただ、さっき言った公費でやっている分に関してはちょっと気になったものですから、もし、念のために調べていただければと思います。
 軽石に関しては以上だと思いますが、同じ沿岸海域の件で質問しました。
 現在のところ、水質に関しては調査をしている段階で、問題はないということですが、実際の海の中、沿岸部分のサンゴ、リーフなどの状況はどのようになっているのか、私も潜ったことはないので分かりませんが、漁業関係者から聞いていると、そういった話ではないようでしたので、現在、漁協関係者から聞いている話というのはどのようになっているのか、担当の経済課長にお尋ねいたします。
○経済課長(東 敏仁君)
 私も先般、沖永良部漁協組合長、事務局員等といろんな話をさせていただいて、数年前までサンゴを食害するオニヒトデが島内にいまして、3年ぐらい前は、皆川、古里近辺もオニヒトデ駆除をしていたと。一昨年から、駆除をする漁業者が、そこにオニヒトデがいなくなったんで、ここは駆除帯域から外して北海岸のほうへということを漁協から伺っておりますということで、オニヒトデがいなくなったということがサンゴが死滅していなくなったのかということにはつながらないんですけれども、その辺は漁協も、あまりというか、強くは把握していなかったということでした。
○9番(中田隆洋君)
 私が漁協関係者に聞いた中では、サンゴも黒ずんでいると。サンゴもほとんどない、リーフも黒ずんでいる、泥のような沈殿物がたまっていると。その沿岸海域は漁ができない状況であるというふうに、口頭で聞いています。
 町長答弁でもありました開発組合のサトウキビのハーベスタ刈取りのストックヤードと堆肥の仮置きしているところからの流出が年に数回あるだろうと、そこの対応を考えていくという答弁がありました。それも一つの要因かなと僕も思っていますので、ぜひ対策を練っていただきたいのと、あと、南栄糖業からの冷却水の排水については問題ないという答弁でございましたが、漁業関係者から聞いたのは、海水をくみ上げてそのまま管を通ってただ流しているだけなんで、海水自体には問題ないんですけれども、一番問題があるのが排水温度の影響というのがあるんではないかということで言われておりました。
 僕も専門家じゃないのでいろいろインターネットとかで調べたんですけれども、国の漁業影響調査指針というのが出されているようでございまして、1975年の温排水問題に関する中間報告というのの中に、温排水、つまり南栄糖業が今冷却して温まった海水を流している、ここではそうですけれども、向こうのほうでは発電所とかで、よくこういうふうにされているようでございますが、温排水の排出される排水路並びにその排出に伴い通常時より2から3度上昇している水域の範囲で生物相が変化したり、その種類が減少したりする現象が見られるというふうに、この報告書でもあるんです。
 実際、その排水の海域について、周りの温度との急激な温度差、1度、2度急激に変わるというのは自然界の中ではないことであって、それが引き起こしているのも一部原因があるのではないかと思っているんですが、それについてはどのように思っていますか。
○経済課長(東 敏仁君)
 ただいまの中田議員の説明でありますけれども、私が南栄糖業さんから聞いたことでは、数年前、県の指導を仰ぎながら調べてもらった限りでは、水質に問題ないということでありましたけれども、ただいまのように、温度差があって生物が生きていけないというようなことでございましたら、また再度、南栄糖業さんと沖永良部漁協、そして開発組合3者で、やはり協議をして、我々が守っていかなければいけない永良部の海域の環境でありますので、ぜひ町としてしましても、この3者協議の中に入って、やはりよりよい方向に進めていきたいというふうに考えております。
○9番(中田隆洋君)
 課長、ぜひそのように、まず問題提起をして、関係方と、できれば有識者の方を入れて、そういう対策会議をして、オニヒトデの駆除も対症療法なんですけれども、根本的なところを改善しないと、確かにほかの海岸線とは違っているということなので、そこを改善する方法を議論して、改善していただきたいと。ぜひそのように、課長おっしゃるとおり、そういったテーブルを準備して、町主導で協議を進めていっていただきたいなと要請をしておきます。
 町長の思いの中で、環境問題については先進地でありたいということで、いろいろ事業も取り組む予定と聞いておりますし、実際に、もうキエーロだったりいろいろあったんです。そういった事業もやっています。すばらしいなと思っているんですが、今話題となっている二酸化炭素の排出もそうなんですけれども、今まであった先祖から受け継いだこの自然環境を次の世代に残していくという環境対策というのも併せながら、新しいSDGsの考え方を取り入れていっていただきたいなと、要望しておきます。
○町長(前 登志朗君)
 ありがとうございます。
 先ほどの開発組合の漏れている水の件でございますけれども、そちらのほうも、今、開発組合が主体となって、南栄糖業と双方で模索しながら有効な補助事業を探しているところなんですけれども、今、その水を集めて、ろ過して、そのろ過した水を農業用水に使おうというプランはできておりまして、ただ、それには予算が必要でございますので、そこには町の予算を使うわけにはいきませんので、今、開発組合と南栄糖業のほうで協議して適切な事業がないかを探しながら、また自分たちの自主財源でどこまでできるのかというところを模索していただいているところでございます。それも、できるだけ早期に解決しなければいけない問題だということは、十分認識いたしております。
○9番(中田隆洋君)
 それでは、1点目の質問を終わりまして、2点目の質問に入ります。
 過去の土地改良事業の換地処分に係る清算事務についてでございます。
 令和元年12月の第4回定例会の一般質問で指摘をし、過去の本町が事業推進をした農地整備事業の農地の換地処分に係る清算ができていない地区が13件あり、未払い額が1,619万円余りあると報告を受けました。
 そこで、当時の伊地知前町長、亘耕地課長により、人員配置により職員を増員し、早期に清算委員会を立ち上げ、解決に向け取り組んでいくとご答弁をいただいておりましたが、2年がたち、換地清算完了に向けて進捗状況はどのようになっているのか。また、早期解決に向けての課題と対策は何か、お尋ねをいたします。
○町長(前 登志朗君)
 換地清算完了に向けての進捗状況は、和泊町が換地清算事務を担う地区が5地区のうち1地区が完了し、残り4地区は、各地区清算委員の協力により、清算完了に向け着実に進捗しております。
 沖永良部土地改良区、旧白百合土地改良区が清算事務を担う地区は10地区ありましたが、平成30年度から町が主導の下、2地区が完了し、残り8地区についても、現在も換地清算完了に向けて取り組んでいるところです。清算を進める上で、沖永良部土地改良区は、換地処分登記から20年以上経過している地区もあり、権利者の高齢化、相続や売買による権利の異動が発生しているなど、権利者の特定に時間を要すると思われます。また、増配分の権利者に清算金の徴収について理解が得られるのかが課題だと考えています。
 換地清算がこれ以上長期化することは望ましくないため、同様な案件を解決した事例の調査を行い、また、町としてもどこまでの支援ができるかなど、早期清算完了に向けて取り組んでまいります。
 壇上からの答弁は以上でございます。この後は、担当課のほうからもご説明させていただきます。
○9番(中田隆洋君)
 これの問題となっているのが、旧土地改良区のときに事業推進をした部分で、もう20年ほどたっている地区の清算ができていないということで、問題提起をさせてもらって、今現在、残り8地区ということでなっております。
 当初聞いたときの金額、1,600万と聞いていたんですが、今回、未収額としてまだ現在1,500万残っているということでありますが、3年ですけれども、1年は清算委員会の立ち上げにほぼ費やしたのかな、それから集金をして、支払い等をしてきているのかなと思っているんですが、なかなか過去の20年前の問題ですので、集金をするのも、まず、確かに難しい課題でしょうが、逆に集めたお金を今度支払いをしていく、支払いというのもだんだん、年々難しくなっている事案じゃないのかなと思いますが、それについては、課長、どうでしょうか。
○耕地課長(亘 禎一郎君)
 今、町長の答弁にもありましたが、土地の所有者、権利者については、徴収者も支払い者も同様に権利の異動があったところについては、相続関係から全て調べないといけないので、時間を要すると思われます。
 今後、過去の20年以上前の清算についてということでもありますので、その清算金の改良区が事務を担っておりましたが、それについても精査もしていかないといけないので、私どもが耕地課としてあと残り8件について清算することについては、もっと時間が要するのかと思いますので、今、町長言われましたように、これ以上延びることは望ましくないのかなというふうに思っております。
○9番(中田隆洋君)
 私もこれを2年前に指摘をしたときに、20年前の件で、当然あのときは特別会計を設置して、町の予算を一回入れて、あるべきところに払って回収をしていければというふうに提案をさせてもらったんですが、その段階まで来ていなかったので、まず人員配置をして、職員で、払う、回収、支払いをするというその委員会の設置まで、清算委員会の設置等々もしなければいけないということだったので、して、また集金のほうもしてもらっていると思います。
 法的には、町がこの支払いを完了していないところを負う法的責務はないとは思っております。ただ、この事業を進めるときに、町を主体で改良事業推進をしてきたので、これを解決しないと、今から、これから新しく農業を広げたいという人が農地整備を要請してくる地区が出てくるかと思いますが、そういったときに影響が出てくる。なので、これに関しては、本当に解決をしておくべきだという思いと、ただ、さっきも言った20年前の換地処分があっています。土地が増えた人は、もう20年間そこで作付ができて利益が増えているところです。ただ、畑が減になっている方に関しては、そのお金が20年間入ってきていないことになっております。
 民間であったら、例えば20年前の20万だとして、20年間、ある意味で投資をしたら相当な額になってくるのかなと思っておりますが、何せお金のかかることでございます。ある時期で町長の政治的判断が必要になってくるかと思いますが、ぜひ町長も思い切ってそういったときの政治判断をしていただきたいと思っておりますが、町長、どうでしょうか。
○町長(前 登志朗君)
 おっしゃるとおりかとは思います。
 やはり不公平があってはいけないということが大前提でございますので、その中で、しかし、やはり早い時期に決着をつけないといけない。そのためにも、もちろん、いろいろ予算も準備しなくちゃいけないと思いますけれども、そこのところも加味しながら、また担当課と話をしながら、早い決着をつけたいというふうに考えております。
○耕地課長(亘 禎一郎君)
 今、町長からもありましたが、土地改良をしている中で、やっぱり不公平が生じたらいけないということであります。町の財源を投入して清算していくという中では、慎重にしていかないといけないと思っております。そういう中で、今ある清算事務について町村会を通じた弁護士に相談しながら、また、近隣の市町村の換地清算の在り方等も勉強しながら、早期にやっぱり解決していきたいというふうに思っております。
○9番(中田隆洋君)
 それでは、2点目は終わります。
 3点目の質問に入りますが、第8次和泊町行財政改革大綱についてでございます。
 第6次和泊町総合振興計画の実現に向け、令和2年度から第8次和泊町行財政改革大綱を基に、令和6年度までの5年間の実施計画を定めております。計画の初年度を終え、さらに9か月がたちました。初期の評価、検証を行う時期だと思いますが、大綱に沿った行財政改革の進捗状況はどうなっているのか。また、以前より指摘、要請をしておりましたが、実施計画の数値化はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
○町長(前 登志朗君)
 中田議員の3点目の質問にお答えいたします。
 令和2年度から令和6年度までの5年間を実施期間とする第8次和泊町行財政改革大綱に基づき、行財政改革に取り組んでいるところですが、初年度は、主なものとして、ICTの有効活用としてホームページのリニューアル、経費削減として議会及び各課長用タブレットの導入や総務課における公用車の一括管理、公有財産の適正管理と有効活用として、公有財産の貸付者に対し買受け意向調査などを実施しました。
 今年度については、さらに全庁的に推進するため、実施計画の12の実施項目に応じて、各課で取り組める具体的な取組の洗い出し作業を行いました。各課から57項目の提案があり、分かりやすい窓口対応として申請手続省略化のための申請様式の見直し、ICTの有効活用としてLINEを活用した情報発信、人材の確保・育成として定員適正化計画の見直し、公有財産の適正管理と有効活用として買受け意向のあった土地の売却等に取り組んでいるところです。
 実施計画の数値化については、検討段階のものも含め、取組によって数値化が困難なものもありますが、数値化が可能なものについては、各課で取り組む具体的な取組の中で目標設定を行いました。
 引き続き、社会情勢や町民ニーズに的確に対応するため随時見直しなどを行い、行財政改革の推進に努めてまいります。
 壇上からは以上です。この後は、担当課からも説明させていただきます。
○9番(中田隆洋君)
 今、ICTとか公用車の件とか、いろいろあるんですが、ちょっとお尋ねをします。
 行財政改革推進の体制というのがうたわれていますね。その中で、行財政改革推進専門部会がこれまで何回開かれたのか。また、行財政改革推進本部の会議が何回行われたのか。また、行財政改革推進委員会の有識者10名、今、何名いるのか。また、その中で、そこからの答申というのが何回あったか、お尋ねをいたします。
○総務課長(南 俊美君)
 令和2年度中は、専門部会、これは各課からの代表者が構成員なんですが、年に2回程度開催されているかと思います。あと、課長、町長、副町長等で構成する本部会は1回、有識者で構成される推進委員会については、令和2年度については開かれておりません。10名程度だったかと思います。委員ですか。会は開かれておりません。
○9番(中田隆洋君)
 この質問をしたのは、いろいろ職員に、この行財政改革はどうなっているのかと聞いたときに、え、分かりませんと。分かりませんというのは、会議をしたのかと聞いたら、私は出ていませんとか、出ている人を聞いたことがなくて、今、聞いたところでございます。
 令和2年度、1回ということは、年に1回というので、実施の検証とか見直しとかいう会議ですので、そんなんでいいのかなというふうに思いながら、外部からの有識者を入れてそういった改革の推進状況などを調査する有識者を入れた推進委員会もまだ開いていないということですし、それでいいですかねと思いながら、今、質問しているところですが、それでよろしいですかね。
○総務課長(南 俊美君)
 改革大綱に基づいて、改革を、各課それぞれ取り組めるところから取り組んでいただいているところでありまして、必要に応じて有識者からの意見なども求めて進めないといけないのが現状だとは、本当は正しい姿なのかなと思いますが、現在のところは、2年度に開かれなかったということで、3年度中には、ぜひこれまでの検証とか洗い出しなども含めて検討して、専門委員会の皆さんのご意見なども伺いながら、またよりよい行財政改革につなげていきたいと思っております。
○9番(中田隆洋君)
 私は、2年前、これを策定するということで楽しみに、確かに和泊町の財政支出が県の中で悪かった中で、第7次から引き継いでですが、新しい8次の行財政改革大綱が出て、これを実施して財政面の数値的なところが改善していくのかなと思いながら期待をしていたところ、去年、この大綱自体はそう問題ないんですが、それに伴う実施計画というのが、私からしたら、ちょっと言葉は悪いですけれども、ずさんな計画書だったということで指摘をさせてもらいました。
 これだと全く評価もできないし、目標の設定もされていないと。ただ、さっき言った個々に、確かにICTを活用している部署もあるし、町有財産の売却も確かに進めてきているのは分かっているんですが、目標設定をして、単年度ごとに評価をしていく、単年度で方向をまた見直していくというのがあるべき姿かと思っているんですが、課長、この大綱は何のために策定をしたんですか、この行財政改革大綱というのは。
○総務課長(南 俊美君)
 持続可能な行財政を構築するためには、行財政改革大綱が必要ということで策定したということです。効率的に進めていくためにということも含めてです。
○9番(中田隆洋君)
 この行財政改革大綱の出だしにもあります和泊町の第6次総合振興計画、10年間の中でいろいろな財政出動が必要な事業もありますので、それをかなえるために行財政改革をして、その実現に向けて取り組もうというのが、この大綱の目的だと思っております。
 これをつくるのにも、人件費、労力があるわけですので、そういった経費も使っているわけですので、もう少し、せっかく大綱をつくったので目標設置と数値化というのが必要だと思うんですが、副町長、初めて質問させていただきますが、鹿児島県のほうで財政担当もされていますし、いろんなところで地方のそういったところも見てきていると思うんですが、副町長もこの行財政大綱と計画書というのを見られたかと思うんですが、率直な評価、僕が言っている指摘が間違えているのかどうか、また、副町長のお考え等があれば、お尋ねしたいなと思いますが。
○副町長(伊原拓也君)
 今、第8次和泊町行財政改革大綱についてのお尋ねがございました。
 大綱の中身自体は、最近の取組としては、いわゆる普通な、ICTを活用したりとか、サービスを向上させて行財政改革を図っていきましょうという文言が並んでおりますので、趣旨、目的というのは非常に正しい形になっているのかと。先ほど来、議員おっしゃられたとおり、この実施に向けてどのような状況になっているか、これにつきましては、すみません、私はこれ書類しかまだ見ていなかったものですから、今後どういう取組になっていくのかなと思っているところではあります。
 確かに和泊町の財政状況は厳しいということと、6次総合計画の中で大きな投資というのを控えているというところであれば、これを積極的に行っていくべきではないかなと思います。やはり負債総額150億、これ、確かに大きい数字だと思いますし、実質公債費比率、将来負担比率、このあたりも、捉え方によれば県内でワーストだというふうな数値になっていきますので、これに危機意識を持ってらっしゃる町民の方々いらっしゃると思います。一方で、これまで長く和泊の行財政に関わっていらっしゃる方からすると、かつて平成19年、今の健全化法ができたタイミング、あの頃の和泊町の財政状況と比べれば、今の状況はある程度よくなってきているというふうな見方をされる方もいらっしゃると思います。数字を見れば、そのあたりは一目瞭然なんですが。
 ただ、このあたりどう捉えるかというのは、恐らく政治家の皆様が、町長であり、議会議員の皆様が、町民からの意見を集約されて、どこを表現していくかというところの差が出てくるんだと思っております。やはり財政状況厳しいですという方もいらっしゃるでしょうし、一方で、いや、これまでの経緯を考えれば、ある程度今はいい状況じゃないかという見方をされる方もいらっしゃると思います。ただ、いずれにしても、今、この数字自体、あまりよいわけではないとは思いますので、今後、この行財政改革大綱を踏まえて、いかに財政状況をよくして第6次総合計画を実施していくか、これはこれからの大きな課題ではないかというふうに考えているところであります。
 以上です。
○9番(中田隆洋君)
 副町長はまだ実施計画のほうは見られてなかったということだったので、まず、僕はその大綱に関しては、通常あるICT化とかは問題ないんだろうと、副町長も思われたかと思います。ただ、実施計画の中身というのを後で見られたら、大変私はびっくりするかなと思うんですが、経費削減を実施するとか、これに関しては、まだコピー用紙15%削減していくというふうにうたっているんで、まだいいんですけれども、公共施設の有効活用ということで実施する、令和2年、一部実施、令和3年、実施、令和4年も実施というふうに、要は、どこまで削減していって、目標の和泊町の、例えば公債費比率だったり、将来負担比率だったり、ある程度数字の目標をまず立てて、それに伴ってこの数字をどこまで削減していったらその目標に達成していく、そしたら、単年度ではここまで削減をしていくという、やっぱり数字化をしないとなかなかこの結果につなげていけないんだろうということで、これも1年半前に指摘をしているままで、また、出てきていないので、私は今回、一般質問にまた入れたところです。
 前新町長と、また伊原副町長、新しく来られていますので、ぜひ、当初予算も組みながらだと思いますが、来年度4月に新しいこの実施計画書が見られるような体制づくりをしていっていただきたいなと思っております。
 また、副町長の話の中で、当初より数値的によくなっていると言う方もいらっしゃる、確かにいるんですけれども、あのときは人口がまだ増えているときだったんです。維持している、今は、増えていないんですね、減っているんだけれども、今のような急激な減り方だったり、今の人口状況でない中でのその数値というのは心配は特になかったんだろうと、今、実質的に人口が増える要素がない中でこの数値というのは厳しいというのを認識しないといけないと思っています。
 これが、人口が増えてくるんであれば、先行投資を全然問題なくていいかなと思っているんですが、そういったところもあるので、ようてぃあしばープロジェクトも成功させたいですから、ぜひこういったところをしっかり取り組んでいって、第6次総合振興計画につなげていただきたいと要請しますが、最後、町長、今のこの大綱、財政改革は町長も訴えてきていましたので、それとこの計画書の見直し、それについての町長の思いを、最後、聞かせていただければと思います。
○町長(前 登志朗君)
 ありがとうございます。
 私もまだきちんと把握していないところもあって、本当に申し訳なかったんでございますけれども、この大綱はきちんとできていると思っておりますので、この中身について、もう一度各課で精査して、きちんとつくり直す必要があるのかなというふうに、今、思っているところでございます。これを基に行財政改革が行われるように一歩ずつ進んでいきたいと思っておりますので、そのように進めさせていただきます。
○9番(中田隆洋君)
 せっかく職員が努力してつくった大綱でしょうから、中身も十分、私もいいと思っていますので、ただ、これが骨抜きにならないように、しっかりとした単年度計画を添えて実施に向かっていっていただきたいと、最後、要望をして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(永野利則君)
 これで中田隆洋君の一般質問を終わります。
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれで散会します。お疲れさまでした。
散 会 午後 3時20分

お問い合わせ

和泊町役場議会事務局 

TEL:0997-92-2569

FAX:0997-92-3176